1.3.2.1 Oracle Exadata Exascaleについて
Exascaleより前は、Exadata管理者がすべてのOracle Grid Infrastructure (GI)クラスタに専用ストレージ・リソースを割り当てる必要がありました。さらに、管理者は、データ・ファイル専用にするストレージの量と、リカバリ・ファイルに分配する量を決定する必要がありました。一度設定すると、これらの割当ては簡単には変更できませんでした。その結果、複数のGIクラスタおよびデータベースでストレージを簡単かつ動的に共有できず、ストレージ・リソースの断片化と使用率の低下を招きました。
Oracle Exadata Exascaleにより、基礎となるExadataストレージ・サーバーからOracle DatabaseおよびGIクラスタを切り離すことで最も要求の厳しい企業およびクラウド・コンピューティングの要件を満たすように、Exadataはさらに強化されます。Exascaleソフトウェア・サービスは、Exadata RDMAネットワーク・ファブリックによって接続されたExadataストレージ・サーバーの大規模なフリートを管理でき、複数のGIクラスタおよびデータベースにストレージ・サービスを提供すると同時に、次のことを可能にします:
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厳密なデータ分離によるストレージ・リソースのセキュアな共有。これにより、適切な権限のないユーザーがデータにアクセスできないようにしながら、様々なユーザーおよびデータベースで大規模なストレージ・プールを共有できます
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多数のユーザーおよびデータベースに対する柔軟で動的なストレージ・プロビジョニング
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ストレージの使用率および効率を高めると同時に、ストレージ・コストを削減
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他の場合ではアイドル状態のストレージ処理リソースを共有してパフォーマンスを向上
さらに、Exascaleでは、Oracle Databaseと緊密に統合され、Exadata上のスナップショットおよびクローンをサポートするためにテスト・マスター・データベースを必要としない高度なスナップショットおよびクローニング機能が導入されています。たとえば、Oracle Databaseでは、CREATE PLUGGABLE DATABASE
およびALTER PLUGGABLE DATABASE
SQLコマンドを介して、プラガブル・データベース(PDB)にネイティブのスナップショットおよびクローニング機能を提供します。Oracle DatabaseでExascaleストレージを使用する場合、PDBスナップショットおよびスナップショット・コピー(クローニング)機能では、ネイティブのExascaleスナップショットおよびクローンを自動的に使用します。これらは、基礎となるOracle Databaseファイルに直接基づく領域効率の高いファイル・コピーです。
Oracle Databaseの比類のないサポートに加えて、Exascaleには、Exascaleストレージに基づいて任意のサイズのRAWブロック・ボリュームを作成および管理するための高度な機能を提供するブロック・ストレージ・サービスが用意されています。
エンド・ユーザーは多数のアプリケーションに対してExascaleブロック・ボリュームを作成および使用できますが、Exadataでも、内部的にExascaleブロック・ボリュームを利用してExadataデータベース・サーバー仮想マシン(VM)イメージを格納します。VMイメージをExascaleに配置すると、Exadataコンピュート・ノード内のローカル・ストレージへの依存がなくなり、より多くのVMを作成できるようになり、様々なExadataコンピュート・ノード間のシームレスなVM移行をサポートするインフラストラクチャが実現します。
ExascaleはExadataストレージを一変させますが、Exascaleはまた、Exadataの実績ある長所および利点も維持します:
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スケーラビリティ - Exascaleクラスタ内の数百のExadataストレージ・サーバーに対する効率的なサポートを含む
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高可用性 - 組込み冗長性およびソフトウェア・サービスの動的なフェイルオーバーを備えたクラスタ化されたアーキテクチャに基づく
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高パフォーマンス - Exadata RDMAメモリーおよびExadataスマート・フラッシュ・キャッシュを利用
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信頼性 - 実績のあるExadataストレージ・サーバー・テクノロジを使用
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セキュリティ - 高度なセキュリティ・プロトコルと自動暗号化を採用
Exascaleには、RoCEネットワーク・ファブリック(X8M以降)を使用するOracle Exadataシステム・ハードウェアが必要です。Exascaleのフル機能を備えたネイティブOracle Databaseファイル・ストレージの場合、Oracle Database 23aiリリース23.5.0以降を使用する必要があります。Exascaleブロック・ボリュームを使用し、Oracle Database 19cまでの古いOracle Databaseソフトウェア・リリースを使用するデータベースをサポートすることもできます。
Exascaleの詳細は、『Oracle Exadata Exascaleユーザーズ・ガイド』を参照してください。
親トピック: Exadataストレージ管理の概要