モデル・フィルタの条件
モデル・フィルタでは、オブジェクトの属性を指定することにより、属性値が条件を満たすレコードが選択されます。 条件と、それを完成させる要素(1つ以上の定数値、またはオブジェクトの別の属性)を選択します。
たとえば、「支払」ビジネス・オブジェクトの「支払金額」属性が5,000ドルより大きいというフィルタでは、定数値を含む条件が使用されています。
トランザクション・モデルのフィルタを作成するときには、次の条件から選択します。 各条件は、適切な属性にのみ使用できます。
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算術演算子: 1つの属性の値が、定数値または別の属性値と比較して、それと等しい、それと等しくない、それより小さい、それ以下である、それより大きい、またはそれ以上である場合に、フィルタは結果を返します。 日付属性の場合、「より小さい」は「より前」、「より大きい」は「より後」を意味します。
ビジネス・オブジェクトの属性がそれ自体と等しいとして設定できます。 このフィルタは、レコードのグループを返します。 各グループ内で、その属性が1つの特定の値と等しくなります。 たとえば、属性が「サプライヤID」である場合、サプライヤID 1234のすべてのレコードが1つのグループを形成し、ID 2345のすべてのレコードが別のグループを形成するなどのようになります。
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「類似」および「次に類似」: 「類似」条件では、1つの属性の値における類似度がチェックされます。 「次に類似」条件では、2つの属性における類似度がチェックされます。いずれかの値が、同じ属性の他の値に類似していても、他方の属性の値に類似していてもかまいません。
いずれの条件についても、類似度の標準を定義します。 これにより、レコードがグループに収集されます。 各グループでは、属性値が個別の方法で標準に適合しています。
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テキスト: 割合を入力します。 合計文字数のうち、共有する文字の数がその割合以上である場合、文字列は類似しています。 たとえば、6文字の文字列に3つの一致する文字が含まれている場合、類似度は50パーセントです。
一致する文字の個別セットを含む値によって、個別のグループが形成されます。 たとえば、1つのグループにはabcを含む文字列があり、別のグループにはxyzを含む文字列があります。
1つの文字列内の文字が別の文字列内の文字と一致するために、文字が連続している必要はありません。 デフォルトでは、文字列全体が類似しているかどうかがチェックされます。 「類似語」拡張オプションを選択すると、各文字列内の任意の1つの単語における類似度をチェックできます。
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数値: 割合を入力します。 これにより、下限が設定されます。 上限は、入力した割合が100パーセントに満たないポイント数と同じ分、100パーセントを上回る数値になります。 たとえば、85パーセントと入力すると、0.85と1.15という2つの制限値が設定されます。
このフィルタは、すでにグループに含まれている数値の平均を算出し、それに制限値を乗算して範囲を作成し、新しい値がその範囲内にある場合は、その値を許可します。 新しい値が追加されるたびに、グループの平均が変わるため、新しい値を許可する範囲も変わります。
85パーセントの例で、1つのグループに22と20が含まれているとします。 別のグループには9と8が含まれているとします。 9から8の場合と同様、7は8から1離れていますが、7は9と8に類似しません。 これは、9と8の平均は8.5であり、8.5に関する85パーセントの範囲は7.225から9.775までとなり、7はその範囲外であるためです。
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日付: 日数を入力します。 日付がこの範囲内にある場合に類似します。
デフォルトでは、レコードは、最初に適合したグループにのみ属します。 (テキスト文字列はアルファベットの昇順で評価され、数値は数字の降順で評価されます。) 「類似グループの結果の生成」拡張オプションを設定すると、適合するすべてのグループにレコードが属するようにすることができます。
作成されたいずれのグループにも適合しないレコードは除外されます。 「一意のデータ行を含める」拡張オプションを選択すると、本来なら除外されるレコードを取得できます。
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次とは異なる: 「次に類似」条件で除外されるレコードを取得します。 この2つの条件の基準は同じです。
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次の間にある: 選択した2つの定数値の間に属性の値がある場合、フィルタは結果を返します。
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「空白」および「空白でない」: フィルタは、指定した属性について値がないレコードまたは値があるレコードを返します。 属性と「空白」文または「空白でない」文があれば、フィルタの定義には十分であるため、フィルタはこの2つの要素のみで構成されます。
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関連なし: 2つのビジネス・オブジェクトを指定して、一方には存在するが、他方には存在しないレコードを識別します。 たとえば、保留中になったことがない請求書が「買掛/未払金請求書保留」オブジェクトに含まれることはありません。 したがって、「買掛/未払金請求書は買掛/未払金請求書保留に関連なし」というフィルタは、保留中になったことがない請求書のレコードを返します。
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「次を含む」および「次を含まない」: 「次を含む」フィルタは、指定したテキスト文字列または指定した別のテキスト属性の値がテキスト属性の値に含まれる場合に結果を返します。 「次を含まない」フィルタは、指定したテキストがテキスト属性の値に含まれない場合に結果を返します。実際には、「次を含む」フィルタが返さないすべてのレコードを返します。
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「次のいずれかと一致」および「次のいずれにも一致しない」: 属性の値が、指定した値のセット内のいずれかと一致する、またはいずれとも一致しないテキスト文字列、数値、またはIDである場合、フィルタは結果を返します。 値の区切りには、セミコロンまたはカンマを使用します。 完全一致である必要があります。 (包含関数または排他関数を使用するフィルタでは、「次のいずれかと一致」の動作が少し異なります。 関数フィルタの作成を参照してください。)
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「次で始まる」および「次で終わる」: 指定したアルファベットまたは数値文字列で属性の値が始まるか、終わる場合、フィルタは結果を返します。 定数値、またはテキスト値を返す別の属性を指定できます。
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表示: フィルタは、指定した属性の値がディクショナリ内の用語を含むテキスト文字列であるレコードを検索します。 このディクショナリは、インポート済オブジェクトとして存在する必要があります。 「表示」条件の右側にある「オブジェクト」フィールドでインポート済オブジェクトの名前を指定し、「属性」フィールドで単語を指定します。 (「「表示」条件のディクショナリとしてのオブジェクトの作成」を参照してください。)
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関連先: ユーザー定義オブジェクトの属性と、提供済、インポート済またはユーザー定義のその他のオブジェクトの属性の間の結合関係を設定します。 または、「スタンドアロン」オブジェクトの属性と他の提供済オブジェクトの属性との結合関係を確立します。 (スタンドアロン・オブジェクトは、他のオブジェクトとのデフォルトの関係のない提供済オブジェクトです。) ユーザー定義またはスタンドアロン・オブジェクトの属性を「関連先」条件の左側に、もう一方のオブジェクトの属性を右側に指定します。
この結合関係は、それが存在するモデルまたはコントロールにのみ有効です。 ユーザー定義またはスタンドアロン・オブジェクトには、モデルごとに動的結合関係を1つのみ指定できます。 条件の左側の属性が日付の場合、右側の属性も日付である必要があります。それ以外の場合、属性タイプは一致する必要はありません。 ビジネス・オブジェクト・ビジュアライザを使用して、ビジネス・オブジェクトがスタンドアロンかどうかを確認します。