トランザクション・モデルの概要
トランザクション・モデルは、エラーや不正を引き起こしたり、その他のリスクが存在する可能性があるトランザクションを明らかにします。
これは、リスクの側面を定義し、それらの定義に適合するレコードを選択するフィルタで構成されます。 これらのフィルタを組み合せることで、各フィルタが先行するフィルタによって返されたレコードを評価する処理として、完全なリスクが定義されます。
ビジネス・オブジェクトとそれらのオブジェクトの属性をフィルタに指定することにより、分析のためのデータが提供されます。 Oracleには、提供済のビジネス・オブジェクトがあります。 それぞれがビジネス・アプリケーションからの関連フィールドのセットであり、属性はセット内の1つのフィールドです。 他のタイプのオブジェクトを作成できます。インポートされたオブジェクトは、XMLファイルを介してインポートされたデータです。 ユーザー定義オブジェクトは、特別に構成された拡張コントロールによって返されるデータです。 システム生成オブジェクトは、特定のトランザクション・フィルタによって返されるデータです。
標準フィルタ
標準フィルタは、値が条件を満たす属性を含むレコードを選択します。 たとえば、標準フィルタで、「支払金額」(「支払」ビジネス・オブジェクトの属性)が5,000ドルより大きいことを指定するとします。 このフィルタを作成するときには、次の手順を実行します。
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属性(およびそれが属するオブジェクト)を指定します。
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事前定義済の一連の条件から条件を選択します。 (この例では、「より大きい」が条件です。)
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条件を完成させる要素を指定します。 これらの要素は、1つ以上の定数値である場合もあれば、オブジェクトの別の属性である場合もあります。 (この例では、「5,000ドル」という1つの定数値を使用しています。)
特定の条件を使用すると、標準フィルタで属性値をグループに収集できます。 たとえば、フィルタで「類似」条件を使用して、サプライヤ名が類似した請求書を検索できます。 これはレコードのセットを返し、各セットには、個別の方法で類似度標準を満たす請求書が含まれています。 この例のフィルタでは、サプライヤの名前の表示が多少異なる重複する請求書の識別に役立ちます。
関数フィルタ
関数フィルタでは、標準フィルタと同様、属性値がどのように条件を満たす必要があるかを指定する式を作成します。 ただし、これにより、属性値のセットの平均の算出など、属性の項に対する演算の関数も組み込まれます。 関数の演算の対象となるレコードのグループを作成したり、標準フィルタによって作成されたグループを使用できます。
たとえば、関数フィルタでは、サプライヤ別にレコードをグループ化できます。 その後、各サプライヤの平均支払金額を計算し、それぞれの平均金額がしきい値を超えているかどうかを確認できます。
パターン・フィルタ
パターン・フィルタでは統計分析が実行されます。 フィルタを作成するときには、事前定義済のセットからパターン(統計関数)を選択し、値が分析対象となる属性を1つ以上選択します。 たとえば、「平均」パターンで数値属性値のセットの平均を計算し、平均を大幅に上回る、または下回る値を識別します。 各モデルで使用できるパターン・フィルタは1つのみです。