1 GraphQLの概要

最新のアプリケーション開発の時代には、データへの効率的で柔軟なアクセスが不可欠です。データ・ソースの規模と複雑さが増すにつれ、開発者には、データのシームレスな操作、イントロスペクションおよび変換を可能にするツールと手法が必要となります。

GraphQLの進化とパワー

GraphQLは、動的アプリケーションを構築する開発者の間で急速に普及しています。GraphQLは、APIの問合せ言語であり、既存のデータを使用してそれらの問合せを実行するためのランタイムでもあります。API内のデータの完全でわかりやすい説明を提供し、クライアントに返される内容を正確に指定する機能を提供します。

GraphQLが最新のAPIおよびデータ操作で際立っている理由をいくつか示します:
  • 選択的なデータのフェッチ: 固定された一連のデータを返す従来の問合せ言語とは異なり、GraphQLでは、必要なデータ・フィールドを正確に定義できるため、不要なデータ転送が回避され、アプリケーションのパフォーマンスが効率化されます。このアプローチは、データの取得が多すぎたり少なすぎたりするという一般的な問題に効果的に対処します。

  • 堅牢な型システム: GraphQLでは、問合せ可能なデータの構造を規定する堅牢な型システムを使用しています。このシステムは、明確な規定として機能するだけでなく、開発者やツールで簡単に理解できるようになります。予想されるデータ・シェイプを定義することで、APIとのより予測可能で一貫したやり取りが保証されます。

  • 単一エンドポイント・モデル: RESTなどの従来のAPIでは、多くの場合、異なるリソースまたはアクションに対して複数のエンドポイントが必要となります。GraphQLは、単一のエンドポイントの背後にある複数の要求を統合します。必要なデータに関係なく、問合せはこのエンドポイントに送信され、サーバーが適切に応答して、通信が効率化され、複雑さが軽減されます。

人気と利点はありますが、GraphQLを使用する際の既存の問題の1つは、特定のデータベースに問い合せるカスタム・リゾルバを記述する必要があることです。たとえば、リレーショナル・データベースでGraphQLを使用する場合は、GraphQL問合せをSQL問合せに変換してから、それを使用して必要なデータをフェッチする必要があります。このプロセスを半自動化できるツールがありますが、必要なほどには効率的ではない可能性があります。