32 MAA Diamondリファレンス・アーキテクチャの概要

MAA Diamondリファレンス・アーキテクチャまたは非常に高度な可用性は、ほぼゼロのリカバリ時間目標(RTO、つまり、停止中に発生した停止時間)と、ゼロまたはほぼゼロのリカバリ・ポイント目標(RPO、つまり、データ損失の可能性)を提供します。


5層のMAAリファレンス・アーキテクチャ

MAA Diamondリファレンス・アーキテクチャにより、次の事項が保証されます:

  • RTO = Oracle RAC、フルスタック冗長性およびフェイルオーバー機能を備えたOracle Exadata Database Machineプラットフォーム使用することで、すべてのローカル障害に対してゼロまたはほぼゼロExadataプラットフォームは、最小限のアプリケーション・ブラウンアウトを実現し、ローカル障害に対してほぼゼロのブラウンアウトに対応し、追加のデータ保護を提供し、インテリジェントな障害防止、検出および修復を実現するために不可欠です。「MAA Platinum: Oracle RACとExadata」を参照してください。

  • RTO = データベース、クラスタ、データ・センター、リージョンの障害などの障害に対してゼロまたはほぼゼロ。アクティブなOracle GoldenGateソースまたはターゲットにアプリケーションをリダイレクトすることで実現します。

  • Oracle RACおよびExadata Database Machineプラットフォームを使用することで、ソフトウェアおよびハードウェアの更新のためのメンテナンスの停止時間ゼロ

  • アップグレード済のOracle GoldenGateソース・データベースまたはターゲット・データベースにアプリケーションをリダイレクトすることで、データベース・アップグレードまたはアプリケーション・アップグレードの停止時間ゼロ

  • RPOは、Oracle Data Guard保護モードおよびREDO転送(SYNC、FAST SYNC、FAR SYNCまたはASYNC)を調整することで、ゼロまたはほぼゼロにできます。データ損失ゼロを実現するには、Data Guardファスト・スタート・フェイルオーバー(FSFO)を最大可用性保護モードで使用します。プライマリ・データベースに対するパフォーマンスの影響を排除しながら、データ損失を抑制し、ほぼゼロのRPOを達成するには、Data Guardファスト・スタート・フェイルオーバーを最大パフォーマンス保護モードで使用し、FastStartFailoverLagLimitを設定します。Data Guardの自動フェイルオーバーでは、GoldenGateレプリカがデータベース障害後に迅速かつ一貫して再同期されます。

表32-1 MAA Diamond停止マトリックス

計画外停止 RTO RPO
リカバリ可能なノードまたはインスタンスの障害 1桁秒1 ゼロ
破損とリージョンの障害のある障害 ゼロ2

Data Guardファスト・スタート・フェイルオーバー(FSFO)の有効化は、低RPOを実現するための要件です。

  • Data Guard FSFOでの最大可用性保護モードの場合はゼロ
  • Data Guard FSFOでの最大パフォーマンス保護モードの場合はゼロ
計画メンテナンス RTO RPO
最も一般的なソフトウェアおよびハードウェアの更新 ゼロ1 ゼロ
データベースまたはアプリケーションのメジャー・アップグレード ゼロ2 ゼロ

1オンライン処理の停止時間をゼロにするか、影響を最小にするには、「アプリケーションの継続的な可用性」を適用します。バッチ操作などの長時間実行トランザクションについては、計画メンテナンス・ウィンドウ外に延期することをお薦めします。

2アプリケーション・フェイルオーバーは、Global Data Servicesでカスタマイズまたは管理されます。バッチ操作などの長時間実行トランザクションについては、計画メンテナンス・ウィンドウ外に延期することをお薦めします。

Diamond MAAソリューションでは次の機能を使用できます:

  • Oracle AI Database 26ai Oracle Real Application ClustersおよびExadata Database Machine Platform。Exadata Database Machineプラットフォームは、オンプレミス、Oracle Cloud InfrastructureまたはOracleのハイパースケール・クラウド・パートナで利用できます。たとえば、Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D)や、ソースおよびターゲットのデータベース用のOracle Exadata Database Service on Cloud@Customer (ExaDB-C@C)の場合などです。
  • Oracle AI Database 26ai Oracle Active Data Guardファスト・スタート・フェイルオーバーを使用することで、データ損失を抑制し、データベース、クラスタまたはデータ・センターの障害が発生した場合に、自動的にスタンバイにフェイルオーバーします。スタンバイ・データベースは、通常は、個別の電源とネットワークがある別々のデータ・センター、可用性ドメイン(AD)または可用性ゾーン(AZ)にある、個別の電源がある別々のフォルト・ドメイン(FD)にあります。リージョンの障害分離が必要な場合は、スタンバイ・データベースを様々なリージョンに配置することもできます。
  • Oracle GoldenGate 26ai。データベース、クラスタ、リージョンの障害の直後または計画停止(データベースやアプリケーションのアップグレードなど)時にアプリケーションがフェイルオーバーできる2つのアクティブな読取り/書込みデータベース・システムが有効になります。Oracle GoldenGateレプリケーションが発生しているソースおよびターゲット・データベースは、同じリージョンに存在することも、複数のADや複数のリージョンにまたがって存在することもできます。
  • Oracle 26aiは、高可用性、障害時リカバリ、データ保護および自動化のためのAI機能およびMAA最適化を提供します。

次の図に示すMAA Diamondアーキテクチャでは、2つの"アクティブな読取り/書込み"プライマリ・データベース(ソースまたはターゲット・データベース)が個別のリージョンに存在します。Oracle GoldenGateレプリケーションは、プライマリとリモートのリージョン間のソースおよびターゲット・データベース間で発生します。スタンバイ・データベースは、同じリージョン内または複数リージョンにわたる別のAD内の各プライマリ・データベースを保護します。

Data Guardファスト・スタート・フェイルオーバー(FSFO)を使用すると、プライマリ・データベース、クラスタまたはADの障害後に、スタンバイ・データベースが自動的に新しいプライマリになります。MAA Oracle GoldenGate構成のベスト・プラクティスを実装すると、Data Guardロールのトランジション後にソースとターゲットのデータベース間でレプリケーションが自動的に再開されます。各データベースは、Exadataプラットフォーム上に存在しています。このプラットフォームは、組込みReal Application Cluster、システムとストレージの冗長性および可能なかぎり短時間のブラウンアウト・フェイルオーバー機能を備えています。

図32-1 MAA Diamondリファレンス・アーキテクチャ



MAA GoldenGate Hub

Diamond MAAアーキテクチャを設定する場合、管理者は、潜在的な各ソース・データベースまたはターゲット・データベースにOracle GoldenGate 26aiをインストールするか、データベース・サーバーから独立したOracle GoldenGateハブを作成できます。

次の図に示すMAA Oracle GoldenGateハブには、次の利点があります。

  • ソースとターゲットのExadataデータベース・システムから、Oracle GoldenGateソフトウェアのインストール、構成およびライフサイクル管理をオフロードおよび簡素化します。
  • ソースおよびターゲットのデータベース・システムに対するOracle GoldenGateリソースの影響を軽減します。
  • 高速で簡単なフェイルオーバーのための2ノード・クラスタ・サーバーを構成することで高可用性を提供し、個別の2ノード・クラスタ・サーバー上の片方の同一GoldenGateハブ・サーバーへのACFSレプリケーションを利用することで障害時リカバリを提供します。
  • 複数の独立したMAA DiamondまたはOracle GoldenGateアーキテクチャ用のOracle GoldenGate構成およびソフトウェア・デプロイメントを統合します。

図32-2 MAA Oracle GoldenGate Hub



次の図に、MAA DiamondアーキテクチャによるMAA Oracle GoldenGate Hubの例を示します。各ハブは、ローカルの高可用性を提供する2ノード・クラスタであり、追加の保護のために、別のハブ(通常は可用性ドメイン(AD)間またはリージョン間にデプロイされたハブ)へのACFSレプリケーションを使用します。

図32-3 Oracle GoldenGate Hubを使用したMAA Diamond



MAA Diamondソリューションの実装方法

MAA Diamondソリューションを実現するには、次のステップで参照されている技術資料とドキュメントを確認および活用します。

ステップ1 - Oracle GoldenGateデプロイメントの選択

推奨されたMAA Oracle GoldenGate Hubソリューションを実装するか、Oracle GoldenGateをExadataデータベース・サーバーに直接設定するかを決定します。

GoldenGateデプロイメント ガイダンス

MAA Oracle GoldenGate Hub

これは推奨されるデプロイメント構成です

Oracle CloudのExadata Database ServiceへのMAA Oracle GoldenGate Hubのデプロイ

ExadataオンプレミスへのMAA Oracle GoldenGate Hubのデプロイ

Oracle GoldenGate 26ai

Oracle CloudまたはOracle Multi-CloudのExadata Database ServiceへのOracle GoldenGateのデプロイ

ExadataオンプレミスへのOracle GoldenGateのデプロイ

ステップ2 - 自動競合検出および解決の設定

双方向レプリケーションには、競合検出と解決が必要です。Oracle MAAは、GoldenGateレプリカ間でデータの競合が発生する可能性があるアクティブ/アクティブ分散データベース・アーキテクチャを、Oracle GoldenGateを使用して設計する際に、開発者および管理者をガイドします。詳細は、「開発者および管理者向けのOracle GoldenGateアクティブ/アクティブ・ガイダンス」を参照してください。

ステップ3 - アプリケーション・フェイルオーバーの実装

Oracle Global Data Servicesを使用すると、フォルトトレラントなデータベース・サービスを、レプリケートされたデータベースのセット全体にデプロイし、集中管理できます。これにより、あらゆるデータ・センター内のデータベース間のシームレスなデータベース間サービス・フェイルオーバーがサポートされ、アプリケーションの可用性が高まります。詳細は、「Oracle Global Data Servicesのベスト・プラクティス」を参照してください。

または、独自のカスタム・アプリケーション・ルーティングを使用して、データベースまたはサイトの障害後にリダイレクトします。