アップグレードおよびデータ移行方法と処理
オラクル社では、アップグレード・プロセスを自動化し、アップグレードの効率的な完了を支援する機能および製品を提供しています。
データベースを新しいリリースにアップグレードまたは移行するための方法がいくつかサポートされています:
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AutoUpgradeユーティリティ
AutoUpgradeは、アップグレード前に問題を識別し、アップグレードをデプロイし、アップグレード後の処理を実行し、アップグレードしたデータベースを起動します。
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リプレイ・アップグレード
リプレイ・アップグレードは、PDBがターゲット・リリースCDBに接続されたときにPDBをアップグレードするアップグレード手順です。リプレイ・アップグレードでは、ターゲット・リリースへのデータベース・アップグレードを検証し、オブジェクトIDやメタデータなどの変更に対処し、PDBのアップグレード後に(たとえば、19cからOracle AI Database CDBにPDBを接続した後)、アップグレード前のワークロードをリプレイします。同じ環境で取得されたワークロードをリプレイするOracle Real Application Testing Replayとは異なり、リプレイ・アップグレードではデータベースをアップグレードしてから、アップグレード後したデータベースで以前のリリースのワークロードをリプレイします。このオプションを使用すると、アップグレード後のステップを完了する必要がありますが、ターゲット・リリースのCDBのPDBプラグインでアップグレードを実行できます。
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Oracle Data Pumpを使用したデータの移行
Oracle Data Pumpには、エクスポート・ユーティリティとインポート・ユーティリティが用意されています。この移行シナリオでは、Oracle Data Pumpは、データベースの全体または一部をエクスポートした後、それをターゲット・データベース・リリースにインポートします。Oracle Data Pumpのエクスポート/インポートは、データベースを変更することなく、データベース内のデータのサブセットをコピーできます。
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トランスポータブル表領域を使用したデータの移行
この移行シナリオでは、フル・トランスポータブル・エクスポート/インポート機能を使用すると、データベース全体をソース・リリースのデータベースからターゲット・リリースのデータベースにコピーできます。この方法では、ターゲット・リリースのデータベースをインストールし、空のデータベースを作成します。次に、フル・トランスポータブル・エクスポート/インポートを使用して、ソース・データベース(Oracle Database 11gリリース2 11.2.0.3以降)をターゲット・データベース・リリースに移行します。このデータ転送方法は、同じデータのエクスポート/インポートまたはアンロード/ロードを実行するよりはるかに高速になることがあります。ユーザー定義の表領域の場合、この方法は、標準のOracle Data Pumpエクスポート/インポートよりも高速になることがあります。これは、実際のデータをすべて含むデータファイルがターゲットの場所にコピーされ、Oracle Data Pumpを使用してデータベース・オブジェクトのメタデータのみを新しいデータベースに転送するためです。
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フリート・パッチ適用およびプロビジョニング(FPP)のゴールド・イメージ
アップグレードを完了し、必要なパッチ適用を実行すると、ゴールド・イメージを作成して企業全体にデプロイできます。Fleet Patching and Provisioning (FPP)アップグレード(以前の高速ホーム・プロビジョニング)では、新しいデータベースのインストールを完了します。データベースで使用する標準運用環境(SOE)に従ってデータベースをテスト、修正した後に、FPPゴールド・イメージを作成します。DBAはそのゴールド・イメージのインスタンスを、アップグレード対象の以前のリリースのデータベースがあるサーバーに配置します。これらのゴールド・イメージを配置した後に、DBAは単一の
rhpctlコマンドを実行して、ファイルの移動、構成変更の実行、そして新しいバイナリを使用するのに必要なその他のステップを実行します。高速ホーム・プロビジョニングの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 -
Oracle Enterprise Managerフリート・メンテナンスを使用してデータベースをアップグレードします。
アップグレードを完了し、必要な追加のパッチ適用を実行すると、ゴールド・イメージを作成し、フリート・メンテナンスを使用してそのイメージを企業全体にデプロイできます。Oracle Enterprise Managerのコンポーネントであるフリート・メンテナンスを使用すると、
emcliコマンドライン環境を使用して、エンタープライズ内の多数のデータベースに自動的にパッチを適用およびアップグレードできます。データベース・フリート・メンテナンスを使用すると、管理者は、個別(1回かぎり)パッチや四半期ごとのセキュリティ・パッチ更新などの更新を適用することにより、Oracleホームおよびデータベースのグループを保守できます。フリート・メンテナンスでは、参照環境からゴールド・イメージを作成したり、新しいパッチで既存のゴールド・イメージを更新できます。フリート・メンテナンスでは、これらのゴールド・イメージを使用し、単一の
emcliコマンドによりパッチ適用とアップグレードの両方を行うために企業全体でデプロイできます。フリート・メンテナンスには、事前チェックおよびインテリジェント・ロールバック・オプションの広範なセットが付属しており、デプロイメントの進捗状況を追跡するためのユーザー・インタフェースが提供されます。パッチ適用またはアップグレードで問題が発生した場合、フリート・メンテナンスでは、関連するデータベース・ログがユーザー・インタフェースに表示されます。フリート・メンテナンスの詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlデータベース・ライフサイクル・マネージメント管理者ガイドを参照してください。
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ソース・データベースから新しいリリースのターゲット・データベースへのOracle Data Pumpエクスポート/インポートによるデータ移行
この移行シナリオでは、新しいリリースのデータベースをインストールした後に、データベースをソース・データベースのリリースからターゲット・データベースのリリースにインポートします。エクスポート/インポートによるデータ移行を使用して新しいデータベース・インスタンスに移行した場合、可用性は維持できますが、制限事項、および実行する必要があるテストがあり、それに時間がかかる可能性があります。このプロセスは、Oracle Recovery Manager (RMAN)およびOracle GoldenGateを使用して高速化できます。