1.1 Oracle Exadata Exascaleとは

Oracle Exadata Exascaleにより、基礎となるExadataストレージ・サーバーからOracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureクラスタを切り離すことで、最も要求の厳しい企業およびクラウド・コンピューティングの要件を満たすように、Exadataはさらに強化されます。Exascaleでは、Exadata RDMAネットワーク・ファブリックによって接続されたExadataストレージ・サーバーの大規模なフリートを一元的に管理できます。このアーキテクチャにより、複数のOracle Grid Infrastructureクラスタおよびデータベースが共有ストレージ・リソースのラージ・プールにセキュアにアクセスできるようになり、次のような状態となります:

  • 厳密なデータ分離によるセキュアなストレージ共有により、ユーザーとデータベースは適切な権限を持つデータにのみアクセスできるようになります。

  • 多数のユーザーおよびデータベースに対する柔軟かつ動的なストレージ・プロビジョニング

  • ストレージの使用率と効率を高め、投資収益率を最大化

  • ストレージ処理リソースの使用率を高め、全体的なパフォーマンスが向上

さらに、Exascaleには、Oracle Databaseと緊密に統合された高度なスナップショット機能およびクローニング機能が導入されています。たとえば、Oracle Databaseでは、CREATE PLUGGABLE DATABASEおよびALTER PLUGGABLE DATABASE SQLコマンドを介して、プラガブル・データベース(PDB)にネイティブのスナップショットおよびクローニング機能を提供します。Oracle DatabaseでExascaleストレージを使用する場合、プラガブル・データベースのスナップショットおよびスナップショット・コピー(クローニング)機能では、ネイティブのExascaleスナップショットおよびクローンが自動的に使用されます。これは、基礎となるOracle Databaseファイルに直接基づいた領域効率の高いファイル・コピーであるため、テスト・マスター・データベースでExadataのスナップショットおよびクローンをサポートする必要がなくなります。

Oracle Databaseの比類のないサポートに加えて、Exascaleには、Exascaleストレージに基づいて任意のサイズのRAWブロック・ボリュームを作成および管理するための高度な機能を提供するブロック・ストレージ・サービスが用意されています。

エンド・ユーザーは多数のアプリケーションに対してExascaleブロック・ボリュームを作成および使用できますが、Exadataでも、内部的にExascaleブロック・ボリュームを利用してExadataデータベース・サーバー仮想マシン・イメージを格納します。Exascaleに仮想マシン・イメージを配置すると、Exadataコンピュート・ノード内のローカル・ストレージに依存しなくなります。これにより、より多くの仮想マシンを作成でき、異なるExadataコンピュート・ノード間の仮想マシンのシームレスな移行をサポートするインフラストラクチャが提供されます。

ExascaleはExadataストレージを一変させますが、Exascaleはまた、Exadataの実績ある長所および利点も維持します:

  • スケーラビリティ - Exascaleクラスタ内の数百のExadataストレージ・サーバーに対する効率的なサポートを含む

  • 高可用性 - 組込み冗長性およびソフトウェア・サービスの動的なフェイルオーバーを備えたクラスタ化されたアーキテクチャに基づく

  • 高パフォーマンス - Exadata RDMAメモリーおよびExadataスマート・フラッシュ・キャッシュを利用

  • 信頼性 - 実績のあるExadataストレージ・サーバー・テクノロジを使用

  • セキュリティ - 高度なセキュリティ・プロトコルと自動暗号化を採用

Exascaleは、RoCEネットワーク・ファブリック(X8M-2以降)を使用する2ソケットのOracle Exadataシステム・ハードウェアで実行されます。Exascaleのフル機能を備えたネイティブOracle Databaseファイル・ストレージの場合、Oracle Database 23aiリリース23.5.0以降を使用する必要があります。Exascaleブロック・ボリュームを使用し、Oracle Database 19cまでの古いOracle Databaseソフトウェア・リリースを使用するデータベースをサポートすることもできます。