ワークブックのフィルタと選択ステップの違いを理解し、それらを効果的に適用できるようにすることが重要です。
目的および用途
フィルタは個々の列に対して作用し、1つ以上のビジュアライゼーションのデータを削減またはフォーカスします。フィルタは、結合されたデータセットを含め、フィルタと同じデータセットまたはサブジェクト領域のデータを使用するあらゆるビジュアライゼーションに適用できます。詳細は、フィルタについてを参照してください。
選択ステップは階層に対して作用し、ビジュアライゼーション内のデータを実際にフィルタするわけではありません。かわりに、選択ステップのベースと同じ階層を使用するビジュアライゼーションに、階層のどのレベルまたはメンバーを表示するかを指定します。選択ステップは、同じ階層を使用しないビジュアライゼーションには影響しません。
集計への影響
フィルタは集計前のデータに適用されるため、ビジュアライゼーション内の集計値に影響します。選択ステップは集計後に適用されるため、集計値に影響しません。
たとえば、「Revenue in 2010」という表のビジュアライゼーションがあり、属性列とメジャー列を使用して、2010年の四半期ごとの収益(年間総計を含む)を表示しているとします。
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フィルタ・バーでキャンバス・フィルタを追加し、2010年の第1四半期を除外すると、第1四半期の行が表から消え、除外されたフィルタ値を反映して年間総計が変更されます。
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ここで、「Revenue in 2010 (Time Hierarchy)」という表のビジュアライゼーションが時間階層を使用して同じデータを表示するとします。
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フィルタ・バーで選択ステップを追加し、2010年の第1四半期を削除すると、第1四半期の行は表から消えますが、年間総収益は変わりません。これは、2010年の収益に対する問合せが集計された後に選択ステップが適用されるためで、2010 Q1メンバーがビジュアライゼーションから削除されるのみです。
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フィルタ・バーでの操作の順序
フィルタ・バーでは、ワークブック・フィルタやキャンバス・フィルタの表示順は関係ありません。しかし、選択ステップの場合は、選択ステップが適用される順序であるため、表示される順序は重要です。
たとえば、「Revenue in 2010」という表のビジュアライゼーションがあり、時間階層を使用して、2010年の四半期ごとの収益(年間総収益を含む)を表示しているとします。フィルタ・バーの最初の選択ステップが2010年から始まり、第1四半期である2010 Q1が削除されたとします。これにより、年間と残りの3四半期の収益金額のみが表示されます。
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フィルタ・バーに、第1四半期である2010 Q1を再度追加する別の個別の選択ステップを追加すると、想定どおり、ビジュアライゼーションには2010年の4つの四半期すべてが表示されます。
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フィルタ・バーでこの2つの選択ステップの順序を入れ替えると、ビジュアライゼーションにはデータが表示されません。これは、メンバー2010 Q1を追加する選択ステップが最初に適用されるため、ビジュアライゼーションが2010 Q1のみで開始されるためです。そもそも選択に含まれていないメンバー2010を保持することはできないため、2010を保持し、2010 Q1を削除する2番目の選択ステップは機能しません。
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選択ステップが論理的な順序で表示されていることを確認し、選択ステップが適用されたときに想定したデータがビジュアライゼーションに表示されるようにすることが重要です。