フィルタの制限値の設定について

Oracle Analyticsでは、1つのフィルタに対して行う選択は、フィルタの場所および制限値の設定によっては、他のフィルタに対して選択できる値に影響する場合があります。

制限値設定のレベル

フィルタおよび選択ステップをワークブックに追加する前に、制限値の設定がどのように連鎖して相互に影響するかを理解することが重要です。

レベル 場所 説明
1 コンソール

管理者は、Oracle Analyticsの「フィルタのデフォルト制限値」システム設定を設定します。

これは、最高レベルの制限値設定で、すべてのワークブックに適用されます。この設定は、ワークブック内の様々なレベルでオーバーライドできます。

管理者によって選択されたオプションは、フィルタ・バーのデフォルト設定として使用されます。

2 フィルタ・バー

フィルタ・バーは、デフォルトでシステム設定を継承しますが、フィルタ・バーの「次により値を制限」設定を使用してシステム設定をオーバーライドできます。

フィルタ・バーで指定した設定は、フィルタ・バーのすべてのフィルタおよび選択ステップに適用されます。

フィルタ・バーの「次により値を制限」の指定を参照してください。

3 フィルタ・バーの個々のフィルタおよび選択ステップ

フィルタ・バーに追加されたフィルタおよび選択ステップは、どれもフィルタ・バーに選択された「次により値を制限」設定を継承します。

個々のフィルタまたは選択ステップを選択し、「値の限定」を使用して、その特定の項目についてフィルタ・バーの設定をオーバーライドできます。

この設定レベルは、フィルタ・バーで使用される個々のパラメータには使用できません。

ワークブック、キャンバスまたはビジュアライゼーション・フィルタの制限値の指定を参照してください。

4 ダッシュボード・フィルタ

ダッシュボード・フィルタは、フィルタ・バーの「次により値を制限」設定と、個々のワークブック・フィルタまたはキャンバス・フィルタの「値の限定」設定に応じて、ワークブック・フィルタまたはキャンバス・フィルタの選択によって制限されます。

個々のダッシュボード・フィルタを選択し、「値の限定」を使用して、ワークブック・フィルタやキャンバス・フィルタの設定またはフィルタ・バーの設定をオーバーライドできます。

この設定レベルは、ダッシュボード・フィルタとして使用されるパラメータには使用できません。

ダッシュボード・フィルタの「次により値を制限」の指定を参照してください。

5

ビジュアライゼーション・フィルタs

ビジュアライゼーションには、既存のワークブック、キャンバスおよびダッシュボード・フィルタに設定した制限に従ってデータが表示されます。ダッシュボード・フィルタまたはフィルタ・バーのフィルタと同じ列にビジュアライゼーション・フィルタを追加した場合、ビジュアライゼーション・フィルタは、そのダッシュボード・フィルタまたはフィルタ・バーのフィルタに対するフィルタの選択によって制限されます。

制限値設定のオプション

次のオプションは、フィルタ・バーの「次により値を制限」設定を構成しているか、またはフィルタ・バーの個々のフィルタと選択ステップおよびダッシュボード・フィルタの「値の限定」設定を構成しているかに応じて使用できます。

オプション 説明
デフォルト

フィルタ・バーの場合は、管理者が設定した「フィルタのデフォルト制限値」システム設定を使用します。

フィルタ・バーの個々のワークブック・フィルタまたはキャンバス・フィルタの場合は、フィルタ・バーの「次により値を制限」設定を使用します。

選択ステップには適用されません。

ダッシュボード・フィルタの場合は、フィルタ・バーの「次により値を制限」設定を使用します。または、キャンバスに同じ列を使用するワークブック・フィルタやキャンバス・フィルタとダッシュボード・フィルタが含まれている場合、デフォルトはワークブック・フィルタやキャンバス・フィルタの「値の限定」設定を使用します。

このオプションは、ワークブック、キャンバスおよびダッシュボード・フィルタに対してデフォルトで有効です。

自動

フィルタ・バーと、フィルタ・バーの個々のワークブック・フィルタやキャンバス・フィルタのどちらの場合も、フィルタ・バーの他のフィルタの選択によってフィルタ選択値を制限します。

選択ステップには適用されません。

ダッシュボード・フィルタの場合、他のダッシュボード・フィルタおよびワークブック・フィルタやキャンバス・フィルタの選択によってフィルタ選択値を制限します。

なし

フィルタ・バーでも、フィルタ・バーの個々のフィルタや選択ステップでも、フィルタ・バーの他の選択によって選択値は制限されません。

ダッシュボード・フィルタの場合、他のダッシュボード・フィルタおよびフィルタ・バーの選択によってフィルタ選択値を制限されません。

フィルタ名

フィルタ・バーの個々のフィルタや選択ステップの場合、選択された選択ステップ、ワークブック・フィルタ、キャンバス・フィルタまたはダッシュボード・フィルタの選択を使用して選択値を制限します。

ダッシュボード・フィルタの場合、選択された選択ステップ、ワークブック・フィルタ、キャンバス・フィルタまたは他のダッシュボード・フィルタの選択を使用して選択値を制限します。

複数選択することができます。

フィルタの使用例

ワークブックに次のフィルタがあるとします:
  • ワークブック(固定)フィルタ: 顧客セグメントと顧客名
  • ダッシュボード・フィルタ: 顧客セグメントと市区町村
  • ビジュアライゼーション・フィルタ: 出荷日
フィルタ・バーの「次により値を制限」「自動」に設定され、「顧客セグメント」ワークブック・フィルタの値を選択する場合:
  • 選択した顧客セグメントに関連付けられている顧客名のみを、「顧客名」ワークブック・フィルタでの選択に使用できます。これをオーバーライドするには、「顧客名」ワークブック・フィルタの「値の限定」を「なし」または別の特定のフィルタに設定します。
  • 「顧客セグメント」ダッシュボード・フィルタは、「顧客セグメント」ワークブック・フィルタで選択された値を継承します。これをオーバーライドするには、ダッシュボード・フィルタの「値の限定」を「なし」または別の特定のフィルタに設定します。
  • 選択した顧客セグメントに関連付けられている市区町村のみを、「市区町村」ダッシュボード・フィルタでの選択に使用できます。これをオーバーライドするには、ダッシュボード・フィルタの「値の限定」を「なし」または別の特定のフィルタに設定します。
  • 選択した顧客セグメントに関連付けられている出荷日のみを、「出荷日」ビジュアライゼーション・フィルタでの選択に使用できます。これはビジュアライゼーション・フィルタ・レベルではオーバーライドできません。