管理元帳の標準移行ユーティリティの使用

管理元帳の標準移行ユーティリティを使用して、詳細ProfitabilityアプリケーションをProfitability and Cost Management環境に移行する準備を行います。

注:

このユーティリティは、Oracle Databaseを使用するOracle Hyperion Profitability and Cost Managementインストールに対してのみ使用できます。

このユーティリティにより、新しい管理元帳アプリケーションとしてProfitability and Cost Managementにインポート可能なテンプレートZIPファイルが作成されます。それには標準Profitabilityアプリケーションのディメンション・メタデータ、視点(POV)定義、およびアプリケーションのプリファレンスが格納されます。また、標準アプリケーションのステージとルールから導出されたプレースホルダ付きの管理元帳ルール・セットとルールも含まれ、移行プロセスの実行に手動入力を必要とするフレームワークも用意されています。

管理元帳の標準移行ユーティリティでは、PL/SQLプロシージャを使用して標準Profitabilityアプリケーションからサーバー上のファイルに情報を抽出します。PL/SQLプロシージャでは、最初にOracle directoryオブジェクトを作成し、このオブジェクトを使用してデータベース・サーバーのオペレーティング・システムにアクセスし、ファイルを書き込む必要があります。次に、これらのファイルをMicrosoft Windowsベースのクライアント・コンピュータにコピーし、そのコンピュータ上でバッチ(BAT)ファイルを実行してファイルを準備し、管理元帳のテンプレートZIPファイルにパッケージ化します。最後に、テンプレート・ファイルをクラウド内の新しい管理元帳アプリケーションにインポートできます。

ステップは次のとおりです。

  1. ユーティリティ・ファイルが格納されたZIPファイルから、それらのファイルを抽出します。

    P28048630_111240_Generic.zipパッチ・ファイルを開き、sptomlextract.sqlsptomltemplate.batの2ファイルを抽出します

    Zipファイル内で、これらは次のフォルダに配置されます:

    HPCM_11_1_2_4_128_28048630\files\products\Profitability\database\Common\Oracle

  2. Oracle directoryデータベース・オブジェクトを作成して、移行ファイルが書き込まれるデータベース・サーバー上の場所を指定します:
    1. Oracle SQL DeveloperまたはSQL Plusで、create any directory権限を持つユーザーに接続し、次のコマンドを実行します。

      create or replace directory EXTRACT_DIR as '<移行ファイルの書込み先のディレクトリ・パス>';

      たとえば、WindowsサーバーのD:\Migration_Extractディレクトリに書き込む場合は、次のようにします。

      create or replace directory EXTRACT_DIR as 'D:\Migration_Extract';

    2. 次のようにして、Profitability and Cost Management製品のスキーマ所有者に、そのディレクトリでのすべての権限を付与します。

      grant all on directory EXTRACT_DIR to <Profitability and Cost Managementのスキーマ所有者>;

      たとえば、Profitability and Cost Managementのスキーマ所有者がHPCM1の場合は、次のコマンドを使用します。

      grant all on directory EXTRACT_DIR to HPCM1;

  3. 移行ユーティリティのPL/SQLパッケージを作成するには:

    Oracle SQL DeveloperまたはSQL Plusから、Profitability and Cost Management製品のスキーマ所有者としてsptomlextract.sqlスクリプトを実行します。これにより、HPM_SP_TO_ML_PKG PL/SQLパッケージの作成とコンパイルが行われます。

  4. 移行ユーティリティを実行して、標準Profitabilityアプリケーションからデータベース・サーバー上のファイルに情報を抽出します。

    次のコマンドをOracle SQL DeveloperまたはSQL Plusから実行します。

    exec HPM_SP_TO_ML_PKG.ExtractAll('<appName>');

    たとえば、アプリケーション名"BksSP82"の場合は、次のコマンドを使用します。

    exec HPM_SP_TO_ML_PKG.ExtractAll('BksSP82');

    ステップ2で指定したディレクトリに移行ファイルが作成されます。
  5. 任意のMicrosoft Windowsクライアントまたはサーバーに移行ファイルをコピーします。

    Oracle DatabaseインスタンスがMicrosoft Windowsシステムにインストールされていない場合は、生成された移行ファイルを任意のWindowsシステムにコピーします。sptomltemplate.batファイルもこの場所にコピーします。

  6. 管理元帳テンプレートのZIPファイルを生成します。

    Microsoft Windowsコンピュータで、次のコマンドを使用してsptomltemplate.batスクリプトを実行し、移行ファイルを準備して管理元帳のテンプレートZIPファイルにパッケージ化します。

    sptomltemplate.bat <移行ファイルのコピー先のディレクトリ・パス>

    たとえば、移行ファイルをWindowsサーバーのD:\Migration_Templateにコピーした場合、コマンドは次のようになります。

    sptomltemplate.bat D:\Migration_Template

    このステップでは、SPtoML_Template.zipという名前のテンプレート・ファイルが同じフォルダ内に生成されます。