拡張連結の概要

法定レポートには、連結財務諸表が表示される必要があります。連結財務諸表とは、親(会社)およびその子会社の資産、負債、資本、収益、費用およびキャッシュ・フローが単一の経済的エンティティのものとして表示されるグループの財務諸表です(IAS第27号、IFRS第10号)。したがって、連結結果は、レポート会社(法的エンティティ)とこの会社が直接的または間接的に所有する会社(そのすべてが法的な会社)の結果の集約となります。連結結果は他の持株会社の以前の連結結果を集約したものではない点が重要です。

Financial Consolidation and Closeは、エンティティ、連結および通貨の各ディメンションを組み合せることによる連結プロセスを提供します。エンティティ・ディメンション内の組織の構造は、マルチレベル階層で表すことができます。その場合、法的エンティティの直属の親ではない親メンバーでの連結結果によって、そのメンバーが法的エンティティの直属の親である場合と同じ結果が生成される必要があります。

データは、エンティティ入力連結ディメンションのエンティティに、エンティティ通貨で導入されます。エンティティ入力はエンティティ合計の子であり、2つの兄弟(エンティティ連結および消去調整)がありますが、これらの兄弟は親エンティティ・レベルでのみ有効です。

1つ以上の親があるすべてのエンティティの複数通貨アプリケーションでは、エンティティ合計の各子のデータが親通貨に換算されます。親エンティティの通貨がエンティティの通貨と同じ場合は、為替レート1が適用されます。それ以外の場合は、勘定科目のタイム・バランス・プロパティがフローまたは残高のいずれであるかに応じて、それぞれ平均為替レートまたは期末為替レートが適用されます。換算済データは、エンティティ合計の各基本メンバーの親通貨メンバーに転記されます。

エンティティ合計/親通貨集約データによって、連結のソース・データが親エンティティへのコントリビューションに提供されます。すべてのデータが、比例連結ディメンション・メンバーに比例します。各データ値に係数(乗数)が適用されます。適用される係数は、エンティティ/親の組合せに対して定義されている「連結%」です。期首残高増減ディメンション・メンバーを除く、エンティティ合計/親通貨のすべてのデータが比例します。期首残高は、常に、エンティティ/連結/通貨ディメンションの各レベルの前のレポート期間の期末残高から繰り越されます。期末残高の取得元となる前の期間は、レポート・ビューに依存します。そのため、たとえば、期間ビューの場合は期首残高が前の期間/月の期末残高から取得され、四半期ビューの場合は期首残高が前の四半期の期末残高から取得されます。

比例以外に、連結ロジックによって一部のエンティティ合計/親通貨データが必要に応じて消去または調整されます。消去エントリまたは調整エントリの作成に必要なデータが適切な係数で乗算され、消去連結ディメンション・メンバーに転記されます。通常、エンティティ合計/親通貨ソース入力から複数の消去エントリおよび調整エントリが作成され、賃借一致したエントリのセットにグループ化されて、連結仕訳エントリを構成します。

その後、比例データおよび消去データがコントリビューション・メンバーに集約されます。追加データは、コントリビューション入力メンバーに入力でき、コントリビューションとともに最上位の連結ディメンション・メンバーであるコントリビューション合計に集約されます。その後、各エンティティ/親の組合せのコントリビューション合計が、兄弟エンティティのコントリビューション合計とともに親エンティティのエンティティ連結/エンティティ合計に集約されます。