エンタープライズ仕訳テンプレートを作成する場合、ヘッダーおよびライン・アイテムの詳細用の事前定義済セクションが含まれています。
仕訳ヘッダーでは、ヘッダー属性とそのプロパティがデータ・レコードとして列に格納されます。
「ヘッダー」セクションでは、次の属性列が事前定義されています。事前定義済属性は編集または削除できませんが、テンプレートから除外できます。
表23-6 「ヘッダー」の属性列
属性の名前 | タイプ | 詳細 |
---|---|---|
仕訳ID | テキスト | 一意の仕訳識別子 - 内部およびワークフローで定義 |
仕訳名 | テキスト | 仕訳の名前(ヘッダーで一意) |
仕訳の説明 | テキスト | 仕訳の説明 |
入力された通貨 | リスト | 入力された通貨 |
会計日付 | 日付 | 仕訳入力の発行日 |
表23-7 「ライン・アイテムの詳細」の属性列
属性の名前 | タイプ | 詳細 |
---|---|---|
行番号 | テキスト | ライン・アイテム・インデックス(行ごとに一意) |
勘定科目 | テキスト | ライン・アイテムの勘定科目 |
借方 | 数値 | 借方金額(小数点第2位、桁区切り) |
貸方 | 数値 | 貸方金額(小数点第2位、桁区切り) |
明細行の説明 | テキスト | ライン・アイテム入力の説明 |
金額 | 数値 | 金額(小数点第2位、桁区切り) |
注:
特定の仕訳テンプレートに対して、「借方/貸方」または「金額」属性のいずれか1つのオプションのみ選択できます。注:
「列」情報を指定するには:
含む - 表示に含める属性を選択します。属性を除外するには、「含む」チェック・ボックスの選択を解除します。
ノート: 事前定義済属性ではキー・アイコンが有効になっています。
名前 - 属性の名前。最大255文字まで入力できます。
ディメンション - 特定ディメンションの属性からの列。読取り専用です。
データ型 - 属性に対応するデータ型。読取り専用です。
属性の追加: ステップ6に移動します。
ディメンションから属性を追加:
名前: 最大80文字まで入力できます。
説明: 最大255文字まで入力できます。
「属性タイプ」を指定します:
属性タイプを変更すると、それまでに指定した検証または計算は上書きされます。属性が一度作成されると、この設定を変更することができなくなります。
入力: 「入力」がデフォルトであり、「検証」タブが有効になります。
オープン済で、フォーム・インスタンスが作成されている期間には、変更された検証ルールは適用されません。行った変更は、新規のフォーム・インスタンスにのみ適用されます。
計算済: タイプが「計算済」の場合、「計算済」タブが有効になります。
データ型
次のいずれかを選択します:
日付
日時
整数
リスト
「追加」をクリックして、属性の値を入力します。リストは収集に対してローカルであり、他の収集との間で共有することはできません。
数値
「数値」を選択した場合は、フォーマット・オプションを選択して、システム設定の「プリファレンス」セクションで設定されているデフォルトを上書きします。
注:
この属性には数値のみ入力できます。「小数点以下の桁数」には、表示する小数点以下の桁数を入力します。
「パーセンテージとして表示」を選択して、パーセント記号を表示します。
3桁ごとの区切り文字(たとえば、1,000.00)を表示するには、「3桁ごとのセパレータの使用」を選択します。ユーザーのロケール用の3桁ごとの区切り文字が表示されます。
「通貨」で、通貨を選択します。たとえば、「INR」です。
「負数のフォーマット」で、(123)など、負数の表示方法を選択します。
数値をスケーリングするには、「スケール」で、1000から1000000000000までの値を選択します
テキスト(最大255文字)
「True」または「False」
「はい」または「いいえ」
必須
属性が必須の場合、データ入力時にこのフィールドに値を入力する必要があります。
値を使用
「値を使用」に値が入力されている場合、設計者が入力した値は、ユーザーが作成するすべてのレコードに適用されます。
データ入力中にデフォルト値を変更できます。
「属性タイプ」で「入力」を選択した場合は、「検証」タブを選択します。
条件式を追加するには:
ユーザーが入力した値に対する特別な検証ルールを作成できます。
「追加」をクリックします。
「オペランド」を選択して、「値1」および「値2」を入力します。
2番目の条件が必要な場合は次のリストから選択します:
組合せ: 「および」、「または」など
オペランド: 「次と等しい」、「次の間」、「次と等しくない」、「次より大きい」、「空白である」、「空白でない」、「次より小さい」、「次の間以外」など
「値1」および「値2」
「OK」をクリックします。
「属性タイプ」で「計算済」を選択した場合は、「計算」タブを選択します。
次の項に、計算属性を追加する方法の例を示します。
次の属性を使用して仕訳テンプレートを作成します。
Int1 入力、データ型: 整数。「OK」をクリックし、「仕訳テンプレートの編集」セクションから、キー識別子としてInt1を選択します。
TextInput: 入力、データ型: テキスト。
TextCalcで属性を使用し、データを保存します。
TextCalc: 計算済、データ型: テキストの属性を作成します。
「計算」タブで、次のフィールドに入力します。
計算タイプ: 「スクリプト」を選択します。
関数の追加: 「TextLocation」を選択して、「追加」をクリックします。
INSTRING(<Value>, <Value To Search>)が「計算式の定義」に追加されます。
<Value>をクリックし、値を(一重引用符で囲み、大文字で)入力するか、「属性の追加」で属性「TextInput」を選択して、「追加」をクリックします。
<Value>が{TextInput}に変更されます。
<Value to Search>を'tion'で置き換えます
<xxx>は必ず一重引用符付き('xxx')で置き換えます。
例 INSTRING({TextInput}, 'tion')
表23-8 データ型と計算タイプ
「プロパティ」タブで選択したデータ型 | 計算タイプ | 説明 |
---|---|---|
すべてのデータ型 |
「値をリストに割当て」、「属性」値の順に選択します。 リスト属性値を保存しておく必要があります。 |
リスト・メンバーへの割当てに基づいて属性値を戻します。 |
すべてのデータ型 |
条件 |
対象の属性に対して、指定された条件が一致している場合に属性値Aを戻します。条件が一致していない場合は属性値Bを戻します。 |
リスト |
リストを値に割当て |
属性の値に基づいてリストから関連するメンバーを戻します。 |
数値、整数 |
式 |
一般的な数式を使用して属性を計算します。 例: (A+B)/C |
数値、整数 |
丸め処理 |
属性を指定された桁数に丸め処理します。デフォルトは2です。 |
テキスト |
連結 |
テキスト属性をまとめて貼り付けます。これにはリテラル文字列が含まれ、非テキスト属性を文字列に自動的に変換します。 例: First_Name+" "+Last_Name+":"+Birth_Date |
整数、数値、テキスト |
スクリプト 次の項を参照してください: スクリプト関数 |
自由形式のスクリプト計算。「スクリプト」は、整数、複数行のテキスト、数値またはテキスト・タイプの属性に使用できます。 |
スクリプト関数
絶対値: 指定された数の絶対値を戻します。数値が0未満の場合は、その数字の正の値が戻されます。指定した数値が0以上の場合は、指定した数値が戻されます。
ABS(<Number>)
月の追加: 開始日からの指定した月数の日付オフセットを返します。日付は常に指定した月オフセットに該当します。開始日に、オフセット月を越える日の値がある場合は、オフセット月の最後の日が使用されます。たとえば、EDate (31-Jan-2017, 1)は(28-Feb-2017)を返します。月の場合は、開始日の前または後の月数を入力します。月に対する正の値は将来の日付を生成します。負の値は過去の日付を生成します。
ADD_MONTH(<Start Date>, <Months>, <Length>)
例: ADD_MONTH(DATE(2017, 2, 15) 3)
日付: 年、月および日に対して指定された整数値に基づく日付値を返します。
DATE(<Year>, <Month>, <Day>)
日付差異: 2つの日付の差を日、時間、分または秒で戻します。たとえばDATE 1とDATE 2には、それぞれ現在の日付(時間コンポーネントなし)と日時を表すTODAYおよびNOWの値を使用できます。
DATE_DIFF(<Date1>, <Date2>, <Type>)
例: DATE_DIFF('TODAY', {Preparer End Date}, 'DAYS') or DATE_DIFF({Preparer End Date}, 'NOW', 'HOURS')
日: 日付の日の値を整数として返します
DAY(<DATE>)
テキストの抽出: 値内の指定した位置からの部分文字列を戻します。
SUBSTRING(<Value>, <Location>, <Length>)
例: SUBSTRING( {Name} , 5, 10)
If Then Else: 条件付きの計算をスクリプト計算に挿入できるようになります。IF_THEN_ELSE計算式は、ネストしてELSE IFタイプの計算式に対応することもできます。
IF_THEN_ELSE(<Condition>, <Value1>, <Value2>)
例:
IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Low', 'Good', IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Medium', 'Better', IF_THEN_ELSE({Risk Rating} = 'High', 'Best','Bad')))
Length: パラメータとしてテキスト値を使用し、テキストの文字数である整数を返します。値が空/nullの場合は0を返します。
Length ({<attribute>})
例: LENGTH('Value')
は5を返し、LENGTH({Name})
はオブジェクトの名前の文字数を返します。
SUBSTRINGを使用した計算を使用して、テキスト値の最後の4文字を抽出します。
SUBSTRING( {MyString}, LENGTH ({MyString}) - 4
小文字: 値を小文字で戻します
LOWERCASE(<Value>)
例: LOWERCASE( {Description} )
最大: 属性リストの最大値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。
MAX(<Value1>, <Value2>, ..., <ValueN>)
例: MAX( TRANSLATE( {Source System Balance (Entered)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Functional)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Reporting)}, 'USD', 'Accounting') )
最小: 属性リストの最小値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。
MIN(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)
例: MIN( TRANSLATE( { Balance (Entered)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Balance (Functional)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Balance (Reporting)}, 'CAD', 'REC') )
月: 日付の月の値を整数(1から12).として返します
MONTH (<DATE>)
累乗: 一方の数字を他方の数字の回数掛け合せます。
POWER(x,y) where x=BASE NUMBER,and y=EXPONENT
の場合、xとyは数値であるかぎり属性または計算にすることができます。
例: POWER(3,4)=81
注:
分数値では、べき根になります。たとえば、POWER(27, 1/3) = 3
で、立方根です。
負の値では、指数計算の逆数になります。たとえば、POWER(2, -2) = 1 / (2^2) = 1 / 4 = .25
です。
丸め処理: 指定された小数点以下の桁数で丸めた値を戻します
ROUND(<Value>, <Decimal Places>)
例: ROUND( ({Scripted Translate} /7), 4)
テキストの場所: 属性値内の部分文字列の場所(1が最初の位置)を戻します。
INSTRING(<Value>, <Value To Search>)
例: INSTRING( UPPERCASE( {Name} ), 'TAX' )
大文字: 値を大文字で戻します。
UPPERCASE(<Value>)
例: UPPERCASE( {Name} )
年: 日付の年の値を整数として返します。
YEAR (<DATE>)