エンタープライズ仕訳テンプレート・セクション: 「列」タブ

エンタープライズ仕訳テンプレートを作成する場合、ヘッダーおよびライン・アイテムの詳細用の事前定義済セクションが含まれています。

仕訳ヘッダーでは、ヘッダー属性とそのプロパティがデータ・レコードとして列に格納されます。

「ヘッダー」セクションでは、次の属性列が事前定義されています。事前定義済属性は編集または削除できませんが、テンプレートから除外できます。

表22-6 「ヘッダー」の属性列

属性の名前 タイプ 詳細
仕訳ID テキスト 一意の仕訳識別子 - 内部およびワークフローで定義
仕訳名 テキスト 仕訳の名前(ヘッダーで一意)
仕訳の説明 テキスト 仕訳の説明
入力された通貨 リスト 入力された通貨
会計日付 日付 仕訳入力の発行日

表22-7 「ライン・アイテムの詳細」の属性列

属性の名前 タイプ 詳細
行番号 テキスト ライン・アイテム・インデックス(行ごとに一意)
勘定科目 テキスト ライン・アイテムの勘定科目
借方 数値 借方金額(小数点第2位、桁区切り)
貸方 数値 貸方金額(小数点第2位、桁区切り)
明細行の説明 テキスト ライン・アイテム入力の説明
金額 数値 金額(小数点第2位、桁区切り)

注:

特定の仕訳テンプレートに対して、「借方/貸方」または「金額」属性のいずれか1つのオプションのみ選択できます。

注:

  • デフォルトの「借方/貸方」および「金額」属性には、これらの属性に基づいてすべての明細で仕訳が貸借一致していることを確認するために、デフォルトの検証ロジックが関連付けられています。
  • 「借方/貸方」に対して、ユーザーは同じ仕訳明細の両方のフィールドに値を入力できません。

「列」情報を指定するには:

  1. エンタープライズ仕訳テンプレートを開きます。
  2. テンプレートの「セクション」で、「ヘッダー」または「ライン・アイテムの詳細」をダブルクリックします。
  3. 「列」タブを選択し、必要に応じて情報を編集します。
  4. 「レイアウトの列」で、セクションの列数を選択します。最大3列です。
    • 含む - 表示に含める属性を選択します。属性を除外するには、「含む」チェック・ボックスの選択を解除します。

      ノート: 事前定義済属性ではキー・アイコンが有効になっています。

    • 名前 - 属性の名前。

    • ディメンション - 特定ディメンションの属性からの列。読取り専用です。

    • データ型 - 属性に対応するデータ型。読取り専用です。

    • 表示幅 - 「ライン・アイテムの詳細」では、表示される際の仕訳の列幅を選択します。
      • : 70ピクセルの固定幅
      • : 100ピクセルの固定幅
      • : 300ピクセルの固定幅
      • サイズを合せる: 行で最長のテキストに基づいて、列の幅を合せます
      • カスタム: 幅を指定します。最小値: 20。最大値: 999。
    • 合計 - 「ライン・アイテムの詳細」では、属性の合計方法。読取り専用です。
    • 合計行 - 「ライン・アイテムの詳細」では、合計行の表示方法(「上部」「下部」または「なし」)を選択します。
    • 表示のみ - 列を表示専用にするかどうかを選択します。
  5. オプション: 仕訳テンプレート・セクションに新しい属性を追加するには、「追加」(+)アイコンをクリックし、「属性の追加」を選択し、属性情報を指定します。
    • 属性の追加: ステップ6に移動します。

    • ディメンションから属性を追加:

      1. ディメンションを選択します。
      2. 「使用可能な属性」リストから属性を選択し、「選択された属性」リストに移動します。
      3. ディメンションのキー属性が選択された属性として含められます。キー属性はクリアできません。
      4. 「OK」をクリックし、「保存」または「保存して閉じる」をクリックします。
  6. 「新規属性の作成」「属性の追加」を選択した場合は、「プロパティ」タブの情報を入力します。
    • 名前: 最大80文字まで入力できます。

    • 説明: 最大255文字まで入力できます。

    • 「属性タイプ」を指定します:

      • テキスト: 最大255文字まで入力できます。
      • 整数: -2147483648から2147483647の値を入力できます
      • リスト: 値255を入力できます
      • 数値: 値xxxxxxxxxxxxxxxxx.xxxxxxxxx (17桁、小数点以下9桁)を入力できます

      属性タイプを変更すると、それまでに指定した検証または計算は上書きされます。属性が一度作成されると、この設定を変更することができなくなります。

      • 入力: 「入力」がデフォルトであり、「検証」タブが有効になります。

        オープン済で、フォーム・インスタンスが作成されている期間には、変更された検証ルールは適用されません。行った変更は、新規のフォーム・インスタンスにのみ適用されます。

      • 計算済: タイプが「計算済」の場合、「計算済」タブが有効になります。

    • データ型

      次のいずれかを選択します:

      • 日付

      • 日時

      • 整数

      • リスト

        「追加」をクリックして、属性の値を入力します。リストは収集に対してローカルであり、他の収集との間で共有することはできません。

      • 数値

        「数値」を選択した場合は、フォーマット・オプションを選択して、システム設定の「プリファレンス」セクションで設定されているデフォルトを上書きします。

        注:

        この属性には数値のみ入力できます。

        • 「小数点以下の桁数」には、表示する小数点以下の桁数を入力します。

        • 「パーセンテージとして表示」を選択して、パーセント記号を表示します。

        • 3桁ごとの区切り文字(たとえば、1,000.00)を表示するには、「3桁ごとのセパレータの使用」を選択します。ユーザーのロケール用の3桁ごとの区切り文字が表示されます。

        • 「通貨」で、(INR)などの通貨を選択します

        • 「負数のフォーマット」で、(123)など、負数の表示方法を選択します。

        • 数値をスケーリングするには、「スケール」で、1000から1000000000000までの値を選択します

      • テキスト(最大255文字)

      • 「True」または「False」

      • 「はい」または「いいえ」

    • 必須

      属性が必須の場合、データ入力時にこのフィールドに値を入力する必要があります。

    • 値を使用

      「値を使用」に値が入力されている場合、設計者が入力した値は、ユーザーが作成するすべてのレコードに適用されます。

      データ入力中にデフォルト値を変更できます。

  7. 「OK」をクリックして属性を保存します。
    計算に含める前に属性を保存する必要があります。
  8. 属性の追加を続行するには:
    • 「属性タイプ」で「入力」を選択した場合は、「検証」タブを選択します。

      条件式を追加するには:

      ユーザーが入力した値に対する特別な検証ルールを作成できます。

      1. 「追加」をクリックします。

      2. 「オペランド」を選択して、「値1」および「値2」を入力します。

      3. 2番目の条件が必要な場合は次のリストから選択します:

        • 組合せ: 「および」、「または」など

        • オペランド: 「次と等しい」、「次の間」、「次と等しくない」、「次より大きい」、「空白である」、「空白でない」、「次より小さい」、「次の間以外」など

        • 「値1」および「値2」

      4. 「OK」をクリックします。

    • 「属性タイプ」で「計算済」を選択した場合は、「計算」タブを選択します。

      次の項に、計算属性を追加する方法の例を示します。

      1. 次の属性を使用して仕訳テンプレートを作成します。

        Int1 入力、データ型: 整数。「OK」をクリックし、「仕訳テンプレートの編集」セクションから、キー識別子としてInt1を選択します。

        TextInput: 入力、データ型: テキスト。

      2. TextCalcで属性を使用し、データを保存します。

      3. TextCalc: 計算済、データ型: テキストの属性を作成します。

      4. 「計算」タブで、次のフィールドに入力します。

        1. 計算タイプ: 「スクリプト」を選択します。

        2. 関数の追加: 「TextLocation」を選択して、「追加」をクリックします。

        3. INSTRING(<Value>, <Value To Search>)が「計算式の定義」に追加されます。

        4. <Value>をクリックし、値を(一重引用符で囲み、大文字で)入力するか、「属性の追加」で属性「TextInput」を選択して、「追加」をクリックします。

          <Value>が{TextInput}に変更されます。

        5. <Value to Search>を'tion'で置き換えます

          <xxx>は必ず一重引用符付き('xxx')で置き換えます。

        例 INSTRING({TextInput}, 'tion')

  9. 計算式を追加するには、次の表で説明されているデータ型と計算タイプを選択し、「OK」をクリックします。
  10. 「OK」をクリックして変更を保存します。

    表22-8 データ型と計算タイプ

    「プロパティ」タブで選択したデータ型 計算タイプ 説明

    すべてのデータ型

    「値をリストに割当て」「属性」値の順に選択します。

    リスト属性値を保存しておく必要があります。

    リスト・メンバーへの割当てに基づいて属性値を戻します。

    すべてのデータ型

    条件

    対象の属性に対して、指定された条件が一致している場合に属性値Aを戻します。条件が一致していない場合は属性値Bを戻します。

    リスト

    リストを値に割当て

    属性の値に基づいてリストから関連するメンバーを戻します。

    数値、整数

    一般的な数式を使用して属性を計算します。

    例: (A+B)/C

    数値、整数

    丸め処理

    属性を指定された桁数に丸め処理します。デフォルトは2です。

    テキスト

    連結

    テキスト属性をまとめて貼り付けます。これにはリテラル文字列が含まれ、非テキスト属性を文字列に自動的に変換します。

    例: First_Name+" "+Last_Name+":"+Birth_Date

    整数、数値、テキスト

    スクリプト

    次の項を参照してください:

    スクリプト関数

    自由形式のスクリプト計算。「スクリプト」は、整数、複数行のテキスト、数値またはテキスト・タイプの属性に使用できます。
  11. 「保存」「保存して閉じる」または「閉じる」をクリックします。

    スクリプト関数

    • 絶対値: 指定された数の絶対値を戻します。数値が0未満の場合は、その数字の正の値が戻されます。指定した数値が0以上の場合は、指定した数値が戻されます。

      ABS(<Number>)

    • 月の追加: 開始日からの指定した月数の日付オフセットを返します。日付は常に指定した月オフセットに該当します。開始日に、オフセット月を越える日の値がある場合は、オフセット月の最後の日が使用されます。たとえば、EDate (31-Jan-2017, 1)は(28-Feb-2017)を返します。月の場合は、開始日の前または後の月数を入力します。月に対する正の値は将来の日付を生成します。負の値は過去の日付を生成します。

      ADD_MONTH(<Start Date>, <Months>, <Length>)

      例: ADD_MONTH(DATE(2017, 2, 15) 3)

    • 過去平均: 過去X期間の数量の平均値を算出します。

      AVERAGE_PRIOR(<Value>, <Number of Periods>, <To Currency*>

      例: AVERAGE_PRIOR( {Balance (Reporting)}, '2', 'EUR'

    • 日付: 年、月および日に対して指定された整数値に基づく日付値を返します。

      DATE(<Year>, <Month>, <Day>)

    • 日付差異: 2つの日付の差を日、時間、分または秒で戻します。たとえばDATE 1とDATE 2には、それぞれ現在の日付(時間コンポーネントなし)と日時を表すTODAYおよびNOWの値を使用できます。

      DATE_DIFF(<Date1>, <Date2>, <Type>)

      例: DATE_DIFF('TODAY', {Preparer End Date}, 'DAYS') or DATE_DIFF({Preparer End Date}, 'NOW', 'HOURS')

    • : 日付の日の値を整数として返します

      DAY(<DATE>)

    • テキストの抽出: 値内の指定した位置からの部分文字列を戻します。

      SUBSTRING(<Value>, <Location>, <Length>)

      例: SUBSTRING( {Name} , 5, 10)

    • If Then Else: 条件付きの計算をスクリプト計算に挿入できるようになります。IF_THEN_ELSE計算式は、ネストしてELSE IFタイプの計算式に対応することもできます。

      IF_THEN_ELSE(<Condition>, <Value1>, <Value2>)

      例:

      IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Low', 'Good',
      IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Medium', 'Better',
      IF_THEN_ELSE({Risk Rating} = 'High', 'Best','Bad')))
      
    • Length: パラメータとしてテキスト値を使用し、テキストの文字数である整数を返します。値が空/nullの場合は0を返します。

      Length ({<attribute>})

      例: LENGTH('Value')は5を返し、LENGTH({Name})はオブジェクトの名前の文字数を返します。

      SUBSTRINGを使用した計算を使用して、テキスト値の最後の4文字を抽出します。

      SUBSTRING( {MyString}, LENGTH ({MyString}) - 4

    • 小文字: 値を小文字で戻します

      LOWERCASE(<Value>)

      例: LOWERCASE( {Description} )

    • 最大: 属性リストの最大値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

      MAX(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

      例: MAX( TRANSLATE( {Source System Balance (Entered)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Functional)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Reporting)}, 'USD', 'Accounting') )

    • 過去最大: 過去X期間の最大値を戻します。

      MAX_PRIOR (<Value>, <Number of Periods>)

      例: MAX_PRIOR( {Balance (Functional)}, '6', 'CAD', 'REC')

    • 最小: 属性リストの最小値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

      MIN(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

      例: MIN( TRANSLATE( { Balance (Entered)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Balance (Functional)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Balance (Reporting)}, 'CAD', 'REC') )

    • 過去最小: 過去X期間の最小値を戻します。

      MIN_PRIOR (<Value>, (<Value>, <Number of Periods>)

      例: MIN_PRIOR( {Source System Balance (Functional)}, '6', 'EUR', 'Simplified')

    • : 日付の月の値を整数(1から12)として返します

      MONTH (<DATE>)

    • 指数: 一方の数字を他方の数字の回数掛け合せます。

      POWER(x,y) where x=BASE NUMBER,and y=EXPONENTの場合、xとyは数値であるかぎり属性または計算にすることができます。

      例: POWER(3,4)=81

      注:

      分数値では、べき根になります。たとえば、POWER(27, 1/3) = 3 で、立方根です。

      負の値では、指数計算の逆数になります。たとえば、POWER(2, -2) = 1 / (2^2) = 1 / 4 = .25です。

    • : 指定された前期間の値を戻します。

      PRIOR(<Value>, <Number of Periods Prior>)

      例: PRIOR( {Source System Balance (Entered)}, '1', 'EUR'')

    • 丸め処理: 指定された小数点以下の桁数で丸めた値を戻します

      ROUND(<Value>, <Decimal Places>)

      例: ROUND( ({Scripted Translate} /7), 4)

    • 過去の合計: 過去X期間の合計値を戻します。

      SUM_PRIOR(<Value>, <Number of Periods>)

      例: SUM_PRIOR( {Balance (Reporting)}, '3', 'EUR')

    • テキストの場所: 属性値内の部分文字列の場所(1が最初の位置)を戻します。

      INSTRING(<Value>, <Value To Search>)

      例: INSTRING( UPPERCASE( {Name} ), 'TAX' )

    • 換算: 指定されたレート・タイプを使用して、通貨属性を数値属性に変換します。

      TRANSLATE(<Value>, <To Currency>, <Rate Type>)

      例: TRANSLATE( {Balance (Entered)}, 'EUR', 'Acct')

    • 大文字: 値を大文字で戻します。

      UPPERCASE(<Value>)

      例: UPPERCASE( {Name} )

    • : 日付の年の値を整数として返します。

      YEAR (<DATE>)