拡張ディメンションおよびEnterprise Cloud Serviceへの移行

新しいFinancial Consolidation and Closeアプリケーションを作成すると、拡張ディメンションが有効になります。これは、ハイブリッド・キューブをサポートするEssbaseバージョンを使用してカスタム・ディメンションを追加する機能です。システムで事前定義されたディメンションに加え、アプリケーションの必要性に基づいて最大4つのカスタム・ディメンションを作成できます。アプリケーションで「複数GAAPレポート」オプションが有効化されている場合、3つのカスタム・ディメンションを作成できます。

2つのカスタム・ディメンションのみを許可するレガシー非ハイブリッド・アプリケーションを使用している場合:

  • ハイブリッド・モード・アプリケーションの有効化オプションを使用して、アプリケーションをハイブリッドに移行できます。
  • Enterprise Cloud Serviceに移行することもできます。

ノート: サポートされている移行パスに必ず従ってください。Oracle Enterprise Performance Management Cloud管理者スタート・ガイドのEPM Standard Cloud ServiceおよびEPM Enterprise Cloud Serviceに移行可能なアプリケーションを参照してください。

この移行手順を使用するには、レガシー・クラウド・サービスを使用するポッドおよびEnterprise Cloud Serviceを使用する別のポッドが必要です。

このオプションを有効にするには、次のステップに従います:

  1. レガシー・ポッドで、移行プロセスを使用して、アプリケーションの完全なバックアップ・スナップショットを作成します。
  2. レガシー・ポッドで、EPM自動化を使用してrecreateコマンドを実行して、EssbaseChangeパラメータの値をUpgradeに設定します。
    epmautomate recreate -f EssbaseChange=Upgrade

    これにより、Essbaseのバージョンがアップグレードされ、アプリケーションも削除されます。Oracle Enterprise Performance Management Cloud EPM自動化の操作のEPM自動化コマンドを参照してください。

  3. レガシー・ポッドで、バックアップからアプリケーションをインポートします。

    これらのステップを完了すると、Essbaseバージョンがアップグレードされ、ハイブリッド・モード・アプリケーションの有効化オプションが使用可能になります。

  4. ホーム・ページで、「アプリケーション」をクリックして「概要」を選択し、「アクション」メニューのドロップダウンからハイブリッド・モード・アプリケーションの有効化を選択します。

    移行タスクが実行される前に、このアクションは元に戻すことができないという警告と、変更のサマリーを示す検証画面が表示されます。移行を開始する前に、「サマリー/ダウンロード」リンクをクリックして変更を表示します。影響を受ける挿入ルールとオンデマンド計算に注意してください。移行プロセスの後で、これらを確認する必要があります。

  5. 「起動」をクリックして、移行タスクを開始します。

    このタスクは、移行が必要なデータの量によって、完了までに長い時間がかかる場合があります。ステータスとジョブの詳細は、ジョブ・コンソールに表示されます。

  6. 移行タスクが正常に終了したことを確認してください。なんらかの理由でタスクが失敗した場合は、「アプリケーション概要」画面からタスクを再度実行できます。
  7. アプリケーションが移行されたら、アプリケーションをレガシー・ポッドからエクスポートし、エンタープライズ・ポッドにインポートします。

ハイブリッド・モード・アプリケーションの有効化オプションを実行すると、移行プロセスによってメタデータが次のように変更されます:

  • シード済「増減」「会社間」および「複数GAAP」最上位メンバーのDataStorageプロパティがDynamicCalcに変更されます。
  • 「ビュー」ディメンションで、「QTD」「HYTD」「YTD」が保管済メンバーに変更され、新規メンバーQTD_RuleHYTD_RuleYTD_Ruleがシードされます。挿入ルール(構成可能な計算ルール)やオンデマンド・ルールなどのカスタム計算では、FCCS_YTDへの参照はFCCS_YTD_RULEに変換され、FCCS_QTDはFCCS_QTD_RULEに変換され、FCCS_HYTDはFCCS_HYTD_RULEに変換されます。FCCS_QTD、FCCS_YTDまたはFCCS_HYTDを参照するフォームを作成した場合は、対応する_RULEメンバーを参照するようにフォームを変更することが必要になります。
  • ディメンションのパフォーマンスの順序が変更されました。
  • SolveOrder: 「期間」「ビュー」「増減」「データソース」「連結」(「出資比率の管理」が無効になっている場合のみ)ディメンション・メンバーは、デフォルトのSolveOrderが定義されてシードされます。
  • 「複数GAAP」(存在する場合)および「カスタム・ディメンション」 (製品など)の場合: すべてのユーザー定義の上位レベル・メンバーのDataStorageプロパティがDynamicCalcに変更されます。