Varianceは、現在の勘定科目の種別に基づいて、指定された値の差異を評価する財務関数です。たとえば、費用または負債勘定科目での正の結果は減少を示すので、負数として表示されます。この関数は、UDA勘定科目タイプ(資産、負債、資本、収益および費用)で使用できます。
構文:
Var (reference1, reference2)
reference1とreference2は、差異を計算するための、同じ勘定科目ディメンションのメンバーの行、列またはセルの参照です。
計算結果
次の表は、勘定科目でVariance関数を使用した場合の計算結果を示しています。
表B-24 Variance関数を使用した場合の計算結果
列A | 列B | Var ([A] , [B])=0 | Var ([A] , [B])>0 | Var ([A] , [B])<0 |
---|---|---|---|---|
資産 |
資産 |
0 |
正の値を戻します |
負の値を戻します |
負債 |
負債 |
0 |
正の値を戻します |
負の値を戻します |
資本 |
資本 |
0 |
正の値を戻します |
負の値を戻します |
収益 |
収益 |
0 |
正の値を戻します |
負の値を戻します |
費用 |
費用 |
0 |
負の値を戻します |
正の値を戻します |
Varianceの動作
Variance関数は、同じ勘定科目の種別での比較を要求します。販売と費用など、2つの異なる勘定科目の種別を比較する場合、Variance関数は、勘定科目の種別の論理を適用せず、単純な計算を実行します。例:
表B-25 2つの異なる勘定科目の種別を比較する場合のVariance関数の結果
販売 | 費用 | 結果 |
---|---|---|
-400 |
100 |
-500 |
Variance関数を勘定科目タイプ以外のディメンションに適用すると、実行時に#ERRORを戻します。
#MISSINGのセルは、IfNonNumberプロパティを指定していないかぎり、ゼロ(0)として扱われます。
例
Variance関数で使用できる参照は、セル、列または行のみです。
表B-26 Variance関数の構文の例
構文 | 例 |
---|---|
列を参照する構文の例: |
|
行を参照する構文の例: |
|
セルを参照する構文の例: |
|
次に、列A (実績)と列B (予算)の差異を計算する例を示します:
Var([A],[B])
この例では、次のレポートが作成されます:
Year Product Market
Actual Budget Variance
======== ======== ========
Sales(Income) 400,855 373,080 27,775
COGS (Expense) 179,336 158,940 -20,396