データ・セルはロックされていないと仮定した場合、勘定科目タイプ、「タイム・バランス」プロパティ、既存の配分、メンバーの階層およびデータ型のような要因は、値の配分方法に影響します。
セルのロックの詳細は、セルのロックを参照してください。
注:
データ分散時には、日付およびテキスト値が除外されます。
次の表は、通貨の値または通貨以外の値を入力または変更したときデータへ影響する例を示しています。
表14-1 例: 通貨の値または通貨以外の値を入力または変更したときのデータへの影響
勘定科目のタイム・バランス・プロパティ | 新しい値の分布 | 例 |
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FLOW 収益、費用、保存された仮定(「タイム・バランス」プロパティが「フロー」に設定されている場合) |
既存の配分に基づいて、すべての子および親に比例分散されます。その値はサマリー期間蓄積階層の全体に影響を与えるため、親期間はその子の合計となります。 既存の分布が存在せず(つまり、すべての子の値がゼロであるかまたは欠落している場合)、変更した値が四半期の場合、その値は、週次配布(4-4-5、4-5-4、5-4-4分布または、勘定科目の分散が「なし」に設定されている場合は均等に分布)に基づいてプロポーショナル分散されます。 変更した親が年合計かまたは別の種類のサマリー期間の場合、値は均等に分散されます。 |
例1 次の値を持つ第1四半期の値を250から500に変更します。
結果: 500が子に比例配分され、それぞれの子の値は次のように変更されます。
第1四半期の親が250に集約されます。年合計の値が1000だった場合、新しい値は1250となります。 例2 3月の値を100から200に変更します。 結果: 3月、第1四半期、および年合計は、すべて100ずつ増加します。1月と2月の値は変化しません。 |
FIRST 勘定科目のすべての種別 |
親期間の最初の子のセルを変更した場合にのみ、その最初の親まで上がり、またその子まで逆戻りします。 サマリー期間は子の期間の最初に等しくなります。 既存の配分が存在しない場合(つまり、すべての子の値がゼロまたは欠落している場合)、その値はすべての子にコピーされます。 |
例 次の値を持つ第1四半期の値を20から40に変更します。
結果: 40が子に配分され、それぞれの子の値は次のように変更されます。
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BALANCE 「資産」、「負債」、「資本」、「保存された仮定」(「タイム・バランス」プロパティが「残高」に設定されている場合) |
親期間の最後の子のセルを変更した場合にのみ、その最後の子まで下がり、またその親まで逆戻りします。 サマリー期間は子の期間の最後に等しくなります。 既存の配分が存在しない場合(つまり、すべての子の値がゼロであるかまたは欠落している場合)、その値はすべての子に分散されます。 |
例1 第1四半期を30から50に変更します。 結果: 3月も50に変更されます。1月および2月の値は変化しません。第1四半期は、最後の子ではないので、年合計は変化しません。 例2 第4四半期を100から50に変更します。 結果: 12月が50に変更されます。12月は第4四半期の最後の子だからです。第1、2、3四半期のように10月および11月は変更されません。年計は50に変更されます。第4四半期は最後の子だからです。 例3 次の値を持つ第2四半期を100に変更します。
結果:
年合計は変わりません。 |
AVERAGE 「収益」、「費用」、「保存された仮定」(「タイム・バランス」プロパティが「平均」に設定されている場合) |
既存の配分に基づいて、すべての子および親に比例分散されます。その値がサマリー期間蓄積階層の全体に影響を与えるため、親期間はその子の平均となります。 各月は30日間であるというように、各期間の日数が同じであることを前提とします。 |
例 次の値を持つ第1四半期の値を5から10に変更します。
結果:
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FILL 勘定科目のすべての種別 |
親に設定されている値は、すべての子孫に埋め込まれます。 |
例 年合計を100から200に変更します。 結果: Q1、Q2、Q3、Q4およびすべての月の値は200に変更されます。 メンバーが再計算されたとき、集計演算子およびメンバー式は「入力」値を上書きします。 |
加重された平均-Actual_365 「収益」、「費用」、「保存された仮定」(「タイム・バランス」プロパティが「平均」に設定されている場合) |
加重日平均は年間365日に基づいており、2月は必ず28日であることを前提としています。閏年には対応していません。 加重された平均 - Actual_365について:
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例 1月、2月および3月の値を入力します。閏年を含むすべての年について、2月は28日であり、Q1は90日であることを前提とします。 入力した値と日数
結果: Q1 = 8,344 Q1の平均は次のようにして計算されます。(1) Q1の各月の値にその月の日数を乗じます。(2)これらの値を合計します。(3)その合計値をQ1の日数で割ります。2月の日数を28、Q1の日数を90を使用すると、結果は(9,000 X 31 + 8,000 X 28 + 8,000 X 31)/90 = 8,344です。 |
加重された平均 - Actual_Actual 「収益」、「費用」、「保存された仮定」(「タイム・バランス」プロパティが「平均」に設定されている場合) |
加重日平均は1年の実際の日数に基づいています。2月が29日まである閏年に対応しています。 加重された平均 - Actual_Actualについて:
|
例1 閏年について、1月、2月および3月の値を入力します。2月は29日であり、Q1は91日であることを前提とします。 入力した値と日数
結果: Q1 = 8,341 Q1の平均は次のようにして計算されます。(1) Q1の各月の値にその月の日数を乗じます。(2)これらの値を合計します。(3)その合計値をQ1の日数で割ります。2月の日数を29、Q1の日数を91を使用すると、結果は(9,000 X 31 + 8,000 X 29 + 8,000 X 31)/91 = 8,341です。 例2 閏年以外について、1月、2月および3月の値を入力します。2月は28日であり、Q1は90日であることを前提とします。 入力した値と日数
結果: Q1 = 8,344 2月の日数を28、Q1の日数を90を使用すると、結果は(9,000 X 31 + 8,000 X 28 + 8,000 X 31)/90 = 8,344です。 |
CUSTOM |
分散は無効化され、アプリケーション・デザイナが、カスタマイズ済の分散を追加すると想定されます。たとえば、Groovyルールを使用して期間合計(Q1)に値を挿入することができ、フロー・メソッドを使用してサマリー期間が計算されます。 |
NA |
DISABLE |
分散が無効になり、サマリー期間は読取り専用です。無効にすると、レベル・ゼロ以外の期間にデータが入力されないようになります。フロー・メソッドは、期間合計(Q1)に集計するために使用されますが、合計期間には分散しません。 |
NA |
注:
「スキップ」オプションはデータの分散には適用できませんが、メンバー階層の計算にのみ影響します。
パーセント値を変更する場合:
勘定科目タイプにかかわらず、既存の配分、すなわち4-4-5設定を行うと、値はその子に均等に分散されます。変更されたセルが、その親期間の最後の子である場合、値はその親まで上がってコピーされます。
例1
第1四半期を10から20に変更します。
結果: 1月、2月および3月も20に変わります。ただし、第1四半期は最後の子ではないので、年合計は変わりません。
例2
2月の値を10から20に変更します。
結果: 1月と3月はいずれも2月の子でも親でもないので、値は変わりません。第1四半期(および年合計)の値は、2月がその最後の子ではないので変わりません。
例3
第4四半期を30から20に変更します。
結果: 10月、11月および12月は20に変わります。その値が第4四半期の子にコピーされるからです。年合計も20に変わります。第4四半期はその最後の子だからです。