データ・ワークシートの理解

データ・ワークシートでは、Essbaseにロードするデータを定義します。アプリケーション・ワークブックに1つ以上のデータ・ワークシートを含めることができます。

データ・ワークシート

各データ・ワークシートの名前は、Data.nameです。たとえば、東部地域の値のデータ・ワークシートはData.Eastという名前になる可能性があります。nameには任意の名前を使用できます。わかりやすい名前を付けておくと、再利用するときに識別しやすくなります。

注:

アプリケーション・ワークブックでは複数のデータ・ワークシートが許可されますが、まったく同じ列レイアウトである必要があります。

データ・ワークシートの書式

データをロードする際、すべてのディメンションのメンバーがデータ値より前に定義される必要があります。したがって、データ・ワークシートでは、1つのディメンションを除くすべてのディメンションが、Dimension.dimension_nameという列見出しの下に配置されます。1つのディメンションをメジャー・ディメンションとして選択し、そのディメンションのメンバーをMeasure.member_nameという残りの列見出しの下に手動で追加する必要があります。データを含むメンバーのみをMeasure.member_nameという名前の列に配置します。

シナリオが使用可能なキューブには、サンドボックスという非表示のディメンションがあります。サンドボックス・ディメンションの名前はDimension.sandboxで、データ・ワークシート内の最初の列になります。ここには、データをロードするときに定義する必要がある基本というメンバーが格納されます。

次のイメージは、サンプル・アプリケーション・ワークブックのデータ・ワークシートを示しています。


アプリケーション・ワークブックでのデータ・ワークシートのイメージ。

次の表で、アプリケーション・ワークブックのdata.nameワークシートの設定について説明します。

プロパティまたはフィールド 有効な値 説明

File Name

有効な文字列。名前と関連アーティファクトの制限事項を参照してください。

構築プロセスでは、アプリケーション・ワークブック内のデータ・ワークシートごとに、Essbase Webインタフェースに、.txt拡張子の付いたデータ・ファイルが作成されます。再度使用する必要がある場合に簡単に識別できるように、それらにわかりやすい名前を付けることができます。

Rule Name

有効な文字列。名前と関連アーティファクトの制限事項を参照してください。

構築プロセスでは、ワークブック内のディメンション・ワークシートごとに、Essbase Webインタフェースに、.rul拡張子の付いたルール・ファイルが作成されます。再度使用する必要がある場合に簡単に識別できるように、それらにわかりやすい名前を付けることができます。

Data Load Option

  • Add
  • Subtract
  • Replace

「置換」を入力した場合、データベースの既存の値がデータ・ソースの値で上書きされます。

入力データ値を使用した既存のデータベース値に対する追加または減算も可能です。たとえば、週次値をロードする場合、それらの週次値を追加してデータベース内に月次値を作成できます。

Delimiter

この値には、タブ、スペース、または“を除く任意の1文字を指定できます。

  • タブ

  • スペース

  • “以外の任意の1文字

この値は、Excelシートで直接更新する必要があります。キューブ・デザイナ・インタフェースでは更新できません。

Header Rows to Skip

正数またはゼロ。

データ・ロードまたはディメンション構築の実行時にスキップするヘッダー行の数。

この値は、Excelシートで直接更新する必要があります。キューブ・デザイナ・インタフェースでは更新できません。

Sign Flip Dimension

Dimension name

符号を反転させることによりデータ・フィールドの値を逆にします。

「符号反転ディメンション」フィールドにディメンションの名前を入力し、指定したディメンション内の選択したUDAを「符号反転UDA」フィールドに入力します。

この値は、Excelシートで直接更新する必要があります。キューブ・デザイナ・インタフェースでは更新できません。

Sign Flip UDA

  • Flip

  • Blank

符号を反転させることによりデータ・フィールドの値を逆にします。

「符号反転ディメンション」フィールドにディメンションの名前を入力し、指定したディメンション内の選択したUDAを「符号反転UDA」フィールドに入力します。

この値は、Excelシートで直接更新する必要があります。キューブ・デザイナ・インタフェースでは更新できません。

Ignore column header

無視

見出しを含む列内のデータ。IGNOREは、データ・ロード時とディメンション構築時に無視されます。

この値は、Excelシートで直接更新する必要があります。キューブ・デザイナ・インタフェースでは更新できません。

データ・ソース 有効なデータ・ソース名。 この値は、データ・ソース定義に定義されているソースからデータを取得する場合に使用されます。この値は、アプリケーション・ワークブックで直接更新する必要があります。キューブ・デザイナ・インタフェースでは更新できません。

データ操作

データをロードするときに、キューブ内の既存のデータ値に対して置換、加算または減算を実行できます。これらのオプションのうち、どれを使用するのかをデータ・ワークシートのデータ・ロード・オプションフィールドで指定します。

  • 置換: データ・ソースの値でキューブの値を上書きします。「置換」がデフォルトです。
  • 追加: キューブ値にデータ・ソースの値を追加します。たとえば、週次値をロードする場合、それらの週次値を追加してキューブ内に累積データ値を作成できます。
  • 減算: データベース値からデータ・ソース値を差し引きます。たとえば、前週の予算値から週のデータ支出を減算して、週別の使用可能な予算をトラッキングできます。

ルール・ファイル

キューブを構築すると、Essbase Webインタフェースにデータ・ファイルおよびデータ・ロード・ルール・ファイルが作成されます。これらのファイルは後ほどデータをキューブにロードするときに使用できます。データ・ファイルの名前はデータ・シートの定義領域で指定されたファイル名と.txt拡張子で構成されます。たとえば、cube_basic.txtのようになります。ルール・ファイルの名前はデータ・シートの定義領域で指定されたファイル名と.rul拡張子で構成されます。たとえば、cube_basic.rulのようになります。

デザイナ・パネルでデータ・ワークシートを変更できます。「キューブ・デザイナでのデータ・ワークシートの操作」を参照してください。