データ転送ユーティリティ
このトピックでは、ディスクベースのデータ転送で使用するデータ転送ユーティリティをインストールして構成する方法について説明します。また、このトピックでは、データ転送ユーティリティ・コマンドの構文について説明します。
重要
このリリースでは、データ転送ユーティリティでサポートされているのはディスクベースのデータ転送のみです。アプライアンスベースの転送でのデータ転送ユーティリティの使用は、Oracle Cloud Infrastructureコマンドライン・インタフェース(CLI)で置換されています。
データ転送ユーティリティは、Universal Permissive License 1.0およびApache License 2.0によってライセンス付与されています。サードパーティ・コンテンツは、コードで記述されているとおりに個別にライセンス付与されます。
ノート
データ転送ユーティリティは、rootユーザーとして実行する必要があります。
前提条件
データ転送ユーティリティをインストールして使用するには、次を取得します:
-
Oracle Cloud Infrastructureアカウント。
-
必要なIAMポリシーを持つ必要なOracle Cloud Infrastructureユーザーおよびグループ。
詳細を参照してください。
-
次のものがインストールされているデータ・ホスト・マシン:
-
Oracle Linux 6以上、Ubuntu 14.04以上、またはSUSE 11以上すべてのLinuxオペレーティング・システムには、EXTファイル・システムを作成する機能が必要です。
ノート
Windowsベースのマシンは、ディスクベースの転送ジョブではサポートされていません。 -
Java 1.8またはJava 1.11
-
hdparm 9.0以上
-
Cryptsetup 1.2.0以上
-
-
ファイアウォール・アクセス: データ転送ユーティリティを使用している環境に制限的なファイアウォールがある場合、ファイアウォール構成を次のIPアドレス範囲にオープンする必要があります: 140.91.0.0/16。
オブジェクト・ストレージのIPアドレス範囲にもアクセスをオープンする必要があります: 134.70.0.0/17。
データ転送ユーティリティのインストール
データ・ホストのオペレーティング・システムに対応するデータ転送ユーティリティのインストーラをダウンロードしてインストールします。
-
インストール.debファイルをダウンロードします。
-
/opt
ディレクトリに対する書込み権限を持つroot
ユーザーとして、apt install
コマンドを発行します。sudo apt install ./dts-X.Y.Z.x86_64.deb
X.Y.Z
は、ダウンロードしたインストーラに一致するバージョン番号を表します。 -
データ転送ユーティリティが正常にインストールされたことを確認します。
sudo dts --version
データ転送ユーティリティのバージョン番号が返されます。
-
インストール.rpmファイルをダウンロードします。
-
/opt
ディレクトリに対する書込み権限を持つroot
ユーザーとして、yum install
コマンドを発行します。sudo yum localinstall ./dts-X.Y.Z.x86_64.rpm
X.Y.Z
は、ダウンロードしたインストーラに一致するバージョン番号を表します。 -
データ転送ユーティリティが正常にインストールされたことを確認します。
sudo dts --version
データ転送ユーティリティのバージョン番号が返されます。
データ転送ユーティリティの構成
データ転送ユーティリティを使用する前に、Oracle Cloud Infrastructureベース・ディレクトリと、必要な資格証明を含む2つの構成ファイルを作成する必要があります。構成ファイルの1つは、データ転送管理者(転送ジョブを作成および管理するための認可と権限を持つIAMユーザー)用です。もう1つの構成ファイルは、データ転送アップロード・ユーザー(Oracleがデータをユーザーのかわりにアップロードするために使用する一時的なIAMユーザー)用です。
ベース・データ転送ディレクトリ
Oracle Cloud Infrastructureベース・ディレクトリを作成します:
mkdir /root/.oci/
データ転送管理者の構成ファイル
次の構造を持つデータ転送管理者の構成ファイル/root/.oci/config
を作成します:
[DEFAULT]
user=<The OCID for the data transfer administrator>
fingerprint=<The fingerprint of the above user's public key>
key_file=<The _absolute_ path to the above user's private key file on the host machine>
tenancy=<The OCID for the tenancy that owns the data transfer job and bucket>
region=<The region where the transfer job and bucket should exist. Valid values are: us-ashburn-1, us-phoenix-1, eu-frankfurt-1, and uk-london-1.>
例:
[DEFAULT]
user=ocid1.user.oc1..<unique_ID>
fingerprint=4c:1a:6f:a1:5b:9e:58:45:f7:53:43:1f:51:0f:d8:45
key_file=/home/user/ocid1.user.oc1..<unique_ID>.pem
tenancy=ocid1.tenancy.oc1..<unique_ID>
region=us-phoenix-1
データ転送管理者に対して、複数のユーザーの資格証明を使用した様々なプロファイル・セクションを含む単一の構成ファイルを作成できます。その後、‑‑profile
オプションを使用して、コマンドで使用するプロファイルを指定します。次に、異なるプロファイル・セクションを持つデータ転送管理者の構成ファイルの例を示します:
[DEFAULT]
user=ocid1.user.oc1..<unique_ID>
fingerprint=4c:1a:6f:a1:5b:9e:58:45:f7:53:43:1f:51:0f:d8:45
key_file=/home/user/ocid1.user.oc1..<unique_ID>.pem
tenancy=ocid1.tenancy.oc1..<unique_ID>
region=us-phoenix-1
[PROFILE1]
user=ocid1.user.oc1..<unique_ID>
fingerprint=4c:1a:6f:a1:5b:9e:58:45:f7:53:43:1f:51:0f:d8:45
key_file=/home/user/ocid1.user.oc1..<unique_ID>.pem
tenancy=ocid1.tenancy.oc1..<unique_ID>
region=us-ashburn-1
デフォルトでは、すべてのデータ転送ユーティリティ・コマンドにDEFAULT
プロファイルが使用されます。例:
dts job create --compartment-id <compartment_id> --bucket <bucket_name> --display-name <display_name> --device-type <disk>
かわりに、別のデータ転送管理者のプロファイルを指定するために、--profile
オプションを使用して任意のデータ転送ユーティリティ・コマンドを発行することもできます。例:
dts job create --compartment-id <compartment_id> --bucket <bucket_name> --display-name <display_name> --device-type <disk> --profile <profile_name>
前述の構成ファイルの例を使用すると、<profile_name>
はprofile1
になります。
データ転送アップロード・ユーザーの構成ファイル
次の構造を持つデータ転送アップロード・ユーザーの/root/.oci/config_upload_user
構成ファイルを作成します:
[DEFAULT]
user=<The OCID for the data transfer upload user>
fingerprint=<The fingerprint of the above user's public key>
key_file=<The _absolute_ path to the above user's private key file on the host machine>
tenancy=<The OCID for the tenancy that owns the data transfer job and bucket>
region=<The region where the transfer job and bucket should exist. Valid values are: us-ashburn-1, us-phoenix-1, eu-frankfurt-1, and uk-london-1.>
例:
[DEFAULT]
user=ocid1.user.oc1..<unique_ID>
fingerprint=4c:1a:6f:a1:5b:9e:58:45:f7:53:43:1f:51:0f:d8:45
key_file=/home/user/ocid1.user.oc1..<unique_ID>.pem
tenancy=ocid1.tenancy.oc1..<unique_ID>
region=us-phoenix-1
重要
複数のプロファイルを持つアップロード・ユーザーの構成ファイルの作成は、サポートされていません。
構成ファイルのエントリ
次の表に、各構成ファイルに必要な基本エントリと、各エントリに関する情報の取得場所を示します。
データ転送サービスでは、データ転送管理者とデータ転送アップロード・ユーザーの両方について、キー・ファイルのパスフレーズはサポートされていません。
エントリ | 説明および値の取得場所 | 必須? |
---|---|---|
user
|
データ転送管理者またはデータ転送アップロード・ユーザー(作成するプロファイルに基づく)のOCID。値を取得するには、必要なキーとOCIDを参照してください。 |
はい |
fingerprint
|
使用されるキー・ペアのフィンガープリント。値を取得するには、必要なキーとOCIDを参照してください。 |
はい |
key_file
|
秘密キーのフルパスとファイル名。 重要: キー・ペアはPEMフォーマットである必要があります。PEMフォーマットのキー・ペアを生成する手順は、必要なキーとOCIDを参照してください。 |
はい |
tenancy
|
テナンシのOCID。値を取得するには、必要なキーとOCIDを参照してください。 |
はい |
region
|
Oracle Cloud Infrastructureリージョン。リージョンと可用性ドメインを参照してください。 データ転送は、 |
はい |
次のコマンドを使用して、データ転送アップロード・ユーザーの資格証明を確認できます:
dts job verify-upload-user-credentials --bucket <bucket_name>
構成ファイルの場所
構成ファイルの場所は/root/.oci/config
です。
データ転送ユーティリティの使用
この項では、データ転送ユーティリティの構文の概要について説明します。
重要
データ転送ユーティリティは、root
ユーザーとして実行する必要があります。
次のコマンドを使用して、データ転送ユーティリティ・コマンドのオプションを指定できます:
--option <value>
または--option=<value>
構文
基本的なデータ転送ユーティリティの構文は:
dts <resource> <action> <options>
この構文は次のように適用されます:
dts
は短縮されたユーティリティ・コマンド名です-
job
は<resource>
の例です create
は<action>
の例です- その他のユーティリティ文字列は
<options>
です
次の例は、転送ジョブを作成するための一般的なデータ転送ユーティリティ・コマンドを示しています。
dts job create --compartment-id ocid.compartment.oc1..exampleuniqueID --display-name "mycompany transfer1" --bucket mybucket --device-type disk
または:
dts job create --compartment-id=compartment-id ocid.compartment.oc1..exampleuniqueID --display-name="mycompany transfer1" --bucket=mybucket --device-type=disk
前述の例では、‑‑display‑name
オプションを使用して転送ジョブにわかりやすい名前を指定しています。リソース名または説明を指定する場合、機密情報を入力することは避けてください。
データ転送ユーティリティのインストール・バージョンの確認
データ転送ユーティリティのインストール・バージョンを取得するには、--version
または-v
を使用します。例:
dts --version 0.6.183
データ転送ユーティリティのヘルプへのアクセス
すべてのデータ転送ユーティリティのヘルプ・コマンドには、コマンドラインからアクセスできるヘルプ・コンポーネントが関連付けられています。ヘルプを表示するには、任意のコマンドの後に--help
または-h
オプションを入力します。例:
dts job --help Usage: job [COMMAND] Transfer disk or appliance job operations - {job <action> [options]} Commands: create Creates a new transfer disk or appliance job. show Shows the transfer disk or appliance job details. update Updates the transfer disk or appliance job details. delete Deletes the transfer disk or appliance job. close Closes the transfer disk or appliance job. list Lists all transfer disk or appliance jobs. verify-upload-user-credentials Verifies the transfer disk or appliance upload user credentials.
指定したコマンドのヘルプ・オプション(--help
または-h
)を実行すると、データ転送ユーティリティのそのレベルに対するすべての下位コマンドとオプションが表示されます。特定の下位コマンドに関するデータ転送ユーティリティのヘルプにアクセスする場合は、そのコマンドをデータ転送ユーティリティの文字列に含めます。例:
dts job create --help Usage: job create --bucket=<bucket> --compartment-id=<compartmentId> [--defined-tags=<definedTags>] --device-type=<deviceType> --display-name=<displayName> [--freeform-tags=<freeformTags>] [--profile=<profile>] Creates a new transfer disk or appliance job. --bucket=<bucket> Upload bucket for the job. --compartment-id=<compartmentId> Compartment OCID. --defined-tags=<definedTags> Defined tags for the new transfer job in JSON format. --device-type=<deviceType> Device type for the job: DISK or APPLIANCE. --display-name=<displayName> Display name for the job. --freeform-tags=<freeformTags> Free-form tags for the new transfer job in JSON format. --profile=<profile> Profile.
次の手順
これで、ディスクベースのデータ転送を実行する準備ができました。インポート・ディスクへのデータのコピーを参照してください。