認証ポリシーでサポートされるヘッダー値式

エンタープライズ・アプリケーションの認証ポリシーを構成する場合、事前定義済のユーザー属性のリストからユーザー属性を選択するか、式を入力することで、アプリケーションに転送されるリクエストにヘッダー変数を追加できます。

認証ポリシーのヘッダーの「値」フィールドで、リストからユーザー属性を選択するかわりに、単純なリテラル文字列または属性識別子を指定できます。属性識別子を使用すると、アプリケーション・ゲートウェイは、認証後に属性識別子を属性の値で置換しようとします。

認証ポリシーでは、次のタイプの属性識別子がサポートされます:

  • アプリケーション: この属性識別子は、IAMに登録されたエンタープライズ・アプリケーションの情報にアクセスします。

    フォーマット: $subject.client.<attr>

  • ユーザー: この属性識別子は、IAMにサインインしたユーザーの情報にアクセスします。

    フォーマット: $subject.user.<attr>

  • リクエスト: この属性識別子は、リクエスト情報にアクセスします。

    フォーマット: $request.<attr>

ユーザー属性スコープの場合、アプリケーション・ゲートウェイでは、stringbooleanまたはintの値など、/admin/v1/UsersからのJSONレスポンスの単純な最上位の属性がサポートされます。

また、アプリケーション・ゲートウェイでは、認証ポリシーのヘッダー値式としてユーザー拡張属性が$subject.user.urn:ietf:params:scim:schemas:extension:enterprise:2.0:User:<attributeName>というフォーマットを使用して、カスタム属性が$subject.user.urn:ietf:params:scim:schemas:idcs:extension:custom:User:<customAttributeName>というフォーマットを使用してサポートされます

ユーザー属性スコープ名および戻り値の例

属性名

ヘッダー値式

説明

フルネーム

$subject.user.name

ユーザーのフルネーム。

ユーザー名

$subject.user.userName

ユーザーのログイン・ユーザー名。

電子メール

$subject.user.emails

その他のタイプの電子メールもサポートされます: $subject.user.emails.recovery$subject.user.emails.other$subject.user.emails.homeおよび$subject.user.emails.work

ユーザーのプライマリ電子メール・アドレス。

Phone Numbers

$subject.user.phoneNumbers

その他のタイプの電話番号もサポートされます: $subject.user.phoneNumbers.mobile$subject.user.phoneNumbers.homeおよび$subject.user.phoneNumbers.work

ユーザーの電話番号

アドレス

$subject.user.addresses

ユーザーの郵送先住所。

グループ

$subject.user.groups

直接または間接メンバーシップによってユーザーが割り当てられるカンマ区切りのグループ名のリスト。

idcsCreatedBy

$subject.user.idcsCreatedBy

このリソースを作成したユーザーまたはアプリケーションの表示名。

idcsLastModifiedBy

$subject.user.idcsLastModifiedBy

このリソースを変更したユーザーまたはアプリケーションの表示名。

デパートメント

$subject.user.urn:ietf:params:scim:schemas:extension:enterprise:2.0:User:department

ユーザーの部門。

従業員番号

$subject.user.urn:ietf:params:scim:schemas:extension:enterprise:2.0:User:employeeNumber

ユーザーの従業員番号。

リクエスト属性スコープでサポートされる値の例:

リクエスト属性スコープ名およびサポートされる値の例

属性名

ヘッダー値式

説明

policy_appname

$request.policy_appname

IAMに登録されているエンタープライズ・アプリケーションの名前を返します。

policy_name

$request.policy_name

リクエストに一致する特定のポリシーのポリシー名を返します。

policy_res

$request.policy_res

リクエストに一致するリソースURLパターンを返します。フォーマットは"<type>:<pattern>"です

例: text:/my/resourceまたはregex:/my/resource/.*

policy_action

$request.policy_action

リクエストされたリソースへのアクセスに使用されるHTTPメソッド(GETPOSTなど)を返します。

res_host

$request.res_host

元のリクエストからホスト名を返します。

res_port

$request.res_port

元のリクエストからポート番号を返します。

res_type

$request.res_type

元のリクエストのプロトコル(HTTPまたはHTTPS)を返します。

res_url

$request.res_url

リクエストされた完全なURLを返します。