1秒当たりのリクエスト数の計算
同期統合がタイムアウトし続ける場合や、完了に通常より時間がかかる場合、統合によって処理されるリクエストが多すぎる可能性があります。インスタンスが1秒間に処理するリクエストを知ることは、必要な高速レスポンスを提供する同期統合の設計に役立ちます。
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通常、「メッセージ」と「リクエスト」の単語は同義です。ただし、大きなペイロードを操作する場合は、リクエストごとに複数のメッセージを消費する場合があります。この変更は計算に影響します。「サービス・インスタンスおよび請求メッセージ・メトリックの表示」を参照してください。
この項の計算では、すべてのリクエストが50KB以下であると想定しています。
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この計算は通常、TPS (1秒当たりのトランザクション)と呼ばれます。TPSは、次の2つの理由でOracle Integrationに直接適用されません:
- Oracle Integrationは、トランザクションではなくリクエストを処理します。
- Oracle Integrationでのサイズ設定は、秒単位の消費ではなく、メッセージの1時間単位の消費に基づきます。
Oracle IntegrationでのTPSと同等のものは1秒当たりのリクエスト数で、これは同時実行性です。
- インスタンスが1分間で処理できるリクエストの概数を決定します。
- 同時実行性(システムがクライアント・アプリケーションから処理できる同時リクエストの数)を計算します。
例6-1最大同時リクエスト数の処理
55の同時リクエストを処理できるインスタンスがフル・キャパシティで動作している場合のサンプル・リクエスト・キューを見てみましょう。
次の表に、1秒ごとにどのようにリクエストが到着し完了するかを示します。キュー内のリクエストの合計は、55に達するまで増加し、無期限に55のままになります。5秒(レスポンス時間)後に、リクエストの処理が開始されます。
経過した時間 | 到着したリクエスト | 完了したリクエスト | キュー内の合計リクエスト数 |
---|---|---|---|
1秒 |
11 |
0 |
11 |
2秒 |
11 |
0 |
22 |
3秒 |
11 |
0 |
33 |
4秒 |
11 |
0 |
44 |
5秒 |
11 |
11 |
55 |
6秒 |
11 |
11 |
55 |
7秒 |
11 |
11 |
55 |
8秒 |
11 |
11 |
55 |
例6-2最大同時リクエスト数の超過
同じインスタンスが、1秒当たり最大同時実行性の値よりも多い数のリクエストを受信したとします。次の表に、同時実行性を数リクエストのみ超えた場合でも、キュー内のリクエスト数をどれだけ迅速に構築できるかを示します。3秒後、インスタンスではすでに同時リクエストの最大数を超え、8秒以内には、インスタンスは同時リクエストの最大数の2倍を処理しています。
統合がインスタンスの最大同時実行性を超える可能性がある場合、統合が同期統合として構築されると、タイムアウトが発生する可能性があります。かわりに、非同期統合として統合を構築します。
経過した時間 | 到着したリクエスト | 完了したリクエスト | キュー内の合計リクエスト数 |
---|---|---|---|
1秒 |
20 |
0 |
20 |
2秒 |
20 |
0 |
40 |
3秒 |
20 |
0 |
60 |
4秒 |
20 |
0 |
80 |
5秒 |
20 |
11 |
89 |
6秒 |
20 |
11 |
98 |
7秒 |
20 |
11 |
107 |
8秒 |
20 |
11 |
116 |