Oracle Data Pumpを使用したAutonomous Databaseからのデータのエクスポート
Oracle Data Pumpは、Autonomous Databaseと他のOracleデータベース間で、データおよびメタデータの非常に高速な一括移動を実現します。
Autonomous Databaseから他のOracleデータベースにデータをエクスポートする場合は、最新のOracle Data Pumpバージョンを使用することをお薦めします。これには操作性向上のための拡張機能と修正が含まれています。「Oracle Instant Clientのダウンロード」から、使用しているプラットフォーム用の最新バージョンのOracle Instant Clientおよびツール・パッケージ(Oracle Data Pumpが含まれる)をダウンロードします。Oracle Instant Clientおよびツール・パッケージをダウンロードした後に必要なインストール・ステップについては、プラットフォーム・インストールのダウンロード・ページでインストールの手順を参照してください。
-
オプション1: Data Pump Exportを使用したデータのAutonomous Databaseディレクトリへの移動
Oracle Data Pumpを使用して、データベースのディレクトリにデータをエクスポートし、ディレクトリからクラウド・オブジェクト・ストアにデータを移動します。この方法は、Autonomous Databaseから複数のターゲット・データベースにデータを移動する場合に役立ちます。データを複数のクラウド・オブジェクト・ストアにエクスポートするかわりに、ダンプ・ファイル・セットを1回作成して複数のターゲット・データベースに使用できます。
次のステップを実行して、データをデータベースのディレクトリにエクスポートしてAutonomous Databaseからデータを移動します:- データをAutonomous Databaseのディレクトリにエクスポートし、ダンプ・ファイル・セットをディレクトリからクラウド・オブジェクト・ストアに移動します。Autonomous Databaseでのディレクトリを使用したデータのエクスポートを参照してください。
- クラウド・オブジェクト・ストアからダンプ・ファイルをダウンロードし、データをターゲット・データベースにインポートして、クラウド・オブジェクト・ストアをクリーン・アップします。ダンプ・ファイルのダウンロード、Data Pump Importの実行、およびオブジェクト・ストアのクリーン・アップを参照してください。
-
オプション2: Data Pump Exportを使用したデータのオブジェクト・ストアへの移動
このエクスポート方法を使用する場合、Oracle Data Pumpを使用して、オブジェクト・ストアにデータを直接エクスポートします。このエクスポート方法は、Oracle Cloud Infrastructure Object StorageおよびOracle Cloud Infrastructure Object Storage Classicでサポートされています。これにより、Autonomous Databaseのディレクトリにダンプ・ファイル・セットを作成してから、ダンプ・ファイル・セットをクラウド・オブジェクト・ストアに移動するというオーバーヘッドを回避できます。データを単一のターゲット・データベースに移動する予定の場合、この方法により作業が節約され、エクスポート・プロセスが高速化されます。
次のステップを実行して、データをオブジェクト・ストアに直接エクスポートしてAutonomous Databaseから移動します:- Autonomous Databaseからクラウド・オブジェクト・ストアにデータを直接エクスポートします。Autonomous Databaseからオブジェクト・ストアへのデータの直接エクスポートを参照してください。
- クラウド・オブジェクト・ストアからダンプ・ファイルをダウンロードし、データをターゲット・データベースにインポートして、クラウド・オブジェクト・ストアをクリーン・アップします。ダンプ・ファイルのダウンロード、Data Pump Importの実行、およびオブジェクト・ストアのクリーン・アップを参照してください。
- Autonomous Databaseでのディレクトリを使用したデータのエクスポート
- Autonomous Databaseからオブジェクト・ストアへのデータの直接エクスポート
Oracle Data Pumpを使用してAutonomous Databaseからクラウド・オブジェクト・ストアにデータを直接エクスポートする方法を示します。 - ダンプ・ファイルのダウンロード、Data Pump Importの実行、およびオブジェクト・ストアのクリーン・アップ
必要に応じて、クラウド・オブジェクト・ストアからダンプ・ファイルをダウンロードし、Oracle Data Pump Importを使用してダンプ・ファイル・セットをターゲット・データベースにインポートします。次に、必要なクリーン・アップを実行します。
Autonomous Databaseのディレクトリを使用したデータのエクスポート
Data Pumpを使用したAutonomous Databaseでのダンプ・ファイル・セットの作成
-
エクスポート済のデータを含むダンプ・ファイルを格納するディレクトリを作成します。例:
CREATE DIRECTORY data_export_dir as 'data_export';
-
dumpfileパラメータを設定し、filesizeパラメータを50G未満に設定し、directoryパラメータを設定して、Data Pump Exportを実行します。たとえば、次の例は、
ATPC1
という名前のAutonomous Database内のSALES
という名前のスキーマを、16のOCPUでエクスポートする方法を示しています:expdp sales/password@ATPC1_high directory=data_export_dir dumpfile=exp%L.dmp parallel=16 encryption_pwd_prompt=yes filesize=1G logfile=export.log
Data Pumpパラメータに関するノート:-
ECPUの場合、
parallel
はECPU数の0.25倍に設定する必要があります。前述のECPUが16個の場合、parallel
は0.25 x 16 (つまり、4はexpdp
)に設定されます。 -
expdp
でのエクスポート中にencryption_pwd_prompt=yes
パラメータを使用する場合、インポートでencryption_pwd_prompt=yes
を使用し、impdp
のプロンプトで同じパスワードを入力してダンプ・ファイルを復号化する必要があります(エクスポートで指定したパスワードを覚えておいてください)。暗号化パスワードの最大長は128バイトです。 -
dumpfile
パラメータでは、レガシーの%U
および%u
ワイルドカードに加えて、%L
および%l
ワイルドカードがサポートされています。たとえば、dumpfile=export%L.dmp
です。Oracle Databaseリリース12.2以降からのエクスポートには、
%L
または%l
ワイルドカードを使用します。このワイルドカードは、ダンプファイルファイル名を3桁から10桁の可変幅増分整数に拡張し、100から2147483646で終わります。
最適なエクスポート・パフォーマンスを得るには、エクスポート接続に
HIGH
データベース・サービスを使用して、PARALLEL
パラメータにデータベース内のCPUの数を設定します。Data Pump Exportを実行するために接続するデータベース・サービス名の詳細は、Autonomous Databaseの事前定義済データベース・サービス名を参照してください。エクスポートが完了したら、次のような問合せを実行して、生成されたダンプ・ファイルを確認できます:SELECT * FROM DBMS_CLOUD.LIST_FILES('DATA_EXPORT_DIR');
たとえば、この問合せの結果の出力には、生成されたダンプ・ファイルとエクスポート・ログ・ファイルが表示されます:OBJECT_NAME BYTES CHECKSUM CREATED LAST_MODIFIED ---------------------- ---------- ----–---- –------------------------–----- -------------------- exp01.dmp 12288 12-NOV-19 06.10.47.0 PM GMT 12-NOV-19... exp02.dmp 8192 12-NOV-19 06.10.48.0 PM GMT 12-NOV-19... exp03.dmp 1171456 12-NOV-19 06.10.48.0 PM GMT 12-NOV-19... exp04.dmp 348160 12-NOV-19 06.10.48.0 PM GMT 12-NOV-19... export.log 1663 12-NOV-19 06.10.50.0 PM GMT 12-NOV-19...
-
-
完全エクスポートを実行する場合や、他のユーザーが所有するオブジェクトをエクスポートする場合は、
DATAPUMP_CLOUD_EXP
ロールが必要です。 -
ダンプ・ファイルをオブジェクト・ストレージに移動するために使用するAPIでサポートされるファイル・サイズは最大50GBであるため、filesize引数でそれより大きいサイズを指定しないでください。
-
Oracle Data Pump Exportの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。
Autonomous Databaseからクラウド・オブジェクト・ストアへのダンプ・ファイル・セットの移動
-
Autonomous Databaseに接続します。
-
DBMS_CREDENTIAL.CREATE_CREDENTIAL
プロシージャを使用して、クラウド・オブジェクト・ストレージ資格証明を格納します。例:BEGIN
DBMS_CREDENTIAL.CREATE_CREDENTIAL
( credential_name => 'DEF_CRED_NAME', username => 'adb_user@oracle.com', password => 'password' ); END; /username
およびpassword
に指定する値は、使用しているクラウド・オブジェクト・ストレージ・サービスによって異なります:-
Oracle Cloud Infrastructure Object Storage:
username
はOracle Cloud Infrastructureのユーザー名で、password
はOracle Cloud Infrastructureの認証トークンです。認証トークンの作業を参照してください。 -
Oracle Cloud Infrastructure Object Storage Classic:
username
はOracle Cloud Infrastructure Classicのユーザー名で、password
はOracle Cloud Infrastructure Classicのパスワードです。この操作によって、資格証明が暗号化された形式でデータベースに格納されます。資格証明には任意の名前を使用できます。オブジェクト・ストアの資格証明を変更しないかぎり、このステップが必要なのは1回のみです。資格証明を格納した後は、すべてのデータ・ロードで同じ資格証明名を使用できます。
-
-
DBMS_CLOUD.PUT_OBJECT
をコールして、ダンプ・ファイルをAutonomous Databaseからクラウド・オブジェクト・ストアに移動します。例:BEGIN
DBMS_CLOUD.PUT_OBJECT
(credential_name => 'DEF_CRED_NAME', object_uri => 'https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/idthydc0kinr/mybucket/exp01.dmp', directory_name => 'DATA_EXPORT_DIR', file_name => 'exp01.dmp');DBMS_CLOUD.PUT_OBJECT
(credential_name => 'DEF_CRED_NAME', object_uri => 'https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/idthydc0kinr/mybucket/exp02.dmp', directory_name => 'DATA_EXPORT_DIR', file_name => 'exp02.dmp');DBMS_CLOUD.PUT_OBJECT
(credential_name => 'DEF_CRED_NAME', object_uri => 'https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/idthydc0kinr/mybucket/exp03.dmp', directory_name => 'DATA_EXPORT_DIR', file_name => 'exp03.dmp');DBMS_CLOUD.PUT_OBJECT
(credential_name => 'DEF_CRED_NAME', object_uri => 'https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/idthydc0kinr/mybucket/exp04.dmp', directory_name => 'DATA_EXPORT_DIR', file_name => 'exp04.dmp'); END; /PUT_OBJECT
の詳細は、PUT_OBJECTプロシージャを参照してください。
Autonomous Databaseからオブジェクト・ストアへのデータの直接エクスポート
Oracle Data Pumpを使用してAutonomous Databaseからクラウド・オブジェクト・ストアにデータを直接エクスポートする方法を示します。
ダンプ・ファイルのダウンロード、Data Pump Importの実行、およびオブジェクト・ストアのクリーン・アップ
必要に応じて、クラウド・オブジェクト・ストアからダンプ・ファイルをダウンロードし、Oracle Data Pump Importを使用してダンプ・ファイル・セットをターゲット・データベースにインポートします。次に、必要なクリーン・アップを実行します。
Oracle Data Pump Importパラメータの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。