ロード・バランシング・ポリシー

Compute Cloud@Customerでは、ロード・バランサを作成した後、トラフィック分散を制御するポリシーをバックエンド・サーバーに適用できます。ロード・バランシング・サービスでサポートされる主なポリシー・タイプは、ラウンド・ロビン、最小接続およびIPハッシュです。

Round Robin

デフォルトのロード・バランサ・ポリシーは、ラウンド・ロビン・ポリシーです。このポリシーによって、受信トラフィックは、バックエンド・セット・リストの各サーバーに順番に分散されます。各サーバーが接続を受信すると、ロード・バランサは同じ順序でリストを繰り返します。

Round Robinは、単純なロード・バランシング・アルゴリズムです。最適なのは、すべてのバックエンド・サーバーの容量が類似しており、各リクエストで要求される処理の負荷が大きく異ならない場合です。

最少接続

「最少接続」ポリシーでは、スティッキーではない受信リクエスト・トラフィックは、アクティブ接続が最も少ないバックエンド・サーバーにルーティングされます。このポリシーは、バックエンド・サーバーでアクティブな接続を平等に分散するのに役立ちます。ラウンド・ロビン・ポリシーと同様に、各バックエンド・サーバーに重みを割り当て、トラフィック分散をさらに制御できます。

このポリシーは、LDAPやSQLなどの長いセッションを使用するプロトコルに最適です。HTTPのユース・ケースで一般的に見られるような短いセッションにはお薦めしません。HTTP接続の最小接続ポリシーを選択した場合、ロード・バランサはかわりにラウンド・ロビンを内部的に適用し、サーバーの重み付けを動的に調整することもできます。

ノート

TCPのユースケースでは、接続はアクティブであっても、現在のトラフィックがない可能性があります。このような接続は、良好な負荷メトリックとして機能しません。

IPハッシュ

IPハッシュ・ポリシーでは、受信リクエストのソースIPアドレスがハッシュ・キーとして使用され、スティッキーではないトラフィックが同じバックエンド・サーバーにルーティングされます。ロード・バランサは、サーバーがあるかぎり、同じクライアントから同じバックエンド・サーバーにリクエストをルーティングします。このポリシーでは、初期接続を確立するときにサーバーの重み設定が考慮されます。

警告

プロキシまたはNATルーターを介してロード・バランサに接続する複数のクライアントのIPアドレスは、同じです。IPハッシュ・ポリシーをバックエンド・セットに適用すると、ロード・バランサは、受信IPアドレスに基づいてトラフィックをルーティングし、それらのプロキシ設定されたクライアント・リクエストを同じバックエンド・サーバーに送信します。プロキシ設定されたクライアント・プールが大きい場合、リクエストでバックエンド・サーバーが一杯になる可能性があります。

処理の負荷または容量がバックエンド・サーバー間で異なる場合、これらの各ポリシー・タイプをバックエンド・サーバーの重み付けに従って調整できます。重み付けは、各サーバーに送信されるリクエストの割合に影響します。たとえば、「3」と重み付けされたサーバーは、「1」と重み付けされたサーバーの3倍の接続数を受け取ります。各サーバーのトラフィック処理容量など、選択した基準に基づいて重みを割り当てます。重みの値は1から100である必要があります。