カスタム・プロパティを使用してメタデータをエンリッチ

技術メタデータおよびビジネス・メタデータを取得およびカスタマイズして、データ・カタログ内の特定のオブジェクトをエンリッチします。

データ・ソースの収集中に作成されるデフォルトのプロパティでは、データ・カタログ・オブジェクトのすべてのコンテキストを取得できない場合があります。たとえば、データ・アナリストは、カー・アクセサリ部門の収益表から技術メタデータのみを取得します。ビジネスの説明、更新頻度、認証ステータス、データ所有者などの詳細を追加すると、技術メタデータにより多くのビジネス・コンテキストが提供され、データ・ユーザーにメリットがあります。ビジネス・メタデータを活用して、データ・コンシューマはデータをより適切に理解、検出および分類できます。

Oracle Cloud Infrastructure Data Catalogのカスタム・プロパティ機能を使用すると、技術メタデータおよびビジネス・メタデータを取得およびカスタマイズして、特定のオブジェクトをエンリッチできます。たとえば、表の場合、データ所有者、有効性および更新頻度を定義できます。カスタム・プロパティは柔軟性があり、構成可能で、簡単に使用できます。

このチュートリアルでは、次を実行します:
  • 次のカスタム・プロパティを作成し、それらをオブジェクト・タイプに関連付けます:
    • データ所有者
    • ビジネスの説明
    • データ機密性
    • 認証済
    • アーカイブ日
  • 異なるオブジェクトのプロパティの値を移入します。
  • カスタム・プロパティを使用して、データを検索、フィルタおよび探索します。
  • カスタム・プロパティ構成を編集します。
  • カスタム・プロパティを削除します。

開始する前に

このチュートリアルを実行するには、次が必要です:

1. アクセス・ポリシーの作成

カスタム・プロパティを作成するには、CATALOG_NAMESPACE_UPDATE権限が必要です。

コンパートメントを管理するためのポリシーの追加

管理者は、テナンシ内のコンパートメントをグループで管理できるようにするポリシーを追加します。

コンパートメントを管理するためのポリシーを追加するには、次のステップに従います:

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「アイデンティティとセキュリティ」をクリックします。「アイデンティティ」で、「ポリシー」をクリックします。
  2. 「ポリシー」ページで、「ポリシーの作成」をクリックします。
  3. 「ポリシーの作成」パネルで、次の表の説明に従って詳細を入力します:
    フィールド 説明
    名前 ポリシーの一意の名前を入力します。この名前は、テナンシ内のすべてのポリシー間で一意である必要があります。名前は後で変更できません。たとえば、manage-compartmentsです
    説明 テナンシ内のコンパートメントを管理するためのグループへのアクセス権の付与などの説明を入力します。
    コンパートメント ポリシーを作成するコンパートメントを選択します。
    ポリシー・ビルダー このセクションでは、スライダを「手動エディタの表示」に移動して、次のポリシー・ルールを入力します:
    allow group <the-group-your-username-belongs> to manage compartments in tenancy
  4. 「作成」をクリックします。
コンパートメントの作成

このチュートリアルで作成するリソースのコンパートメントを作成します。

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「アイデンティティとセキュリティ」をクリックします。「アイデンティティ」で、「コンパートメント」をクリックします。
  2. 「コンパートメントの作成」をクリックします。
  3. 次の情報を入力します:
    • 名前: <your-compartment-name>
    • 説明: <your-description>のコンパートメント。
    • 親コンパートメント: <your-tenancy>(root)
  4. 「コンパートメントの作成」をクリックします。
ポリシーの作成

2. カスタム・プロパティの作成

様々なカスタム・プロパティの作成方法を学習します。

データ所有者
  1. データ所有者カスタム・プロパティを作成するデータ・カタログの「ホーム」タブに移動します。
  2. 「カスタム・プロパティ」をクリックします。
  3. 表示される「Custom Properties」ページで、「Create Custom Property」をクリックします。
  4. 「カスタム・プロパティの作成」パネルで、次の詳細を入力します:
    • 名前 - データ所有者と入力します。
      ノート

      次の特殊文字を名前に使用することはできません:

      & < > " ' / \ = ;

    • 説明 - 説明を追加します。
    • データ型 - データ所有者の値(電子メール・アドレスなど)は単純な文字列テキストであるため、「文字列(プレーン・テキスト)」を選択します。
    • 値オプション - このフィールドを使用して、カスタム・プロパティに値を入力する方法を構成します。表に複数のデータ所有者が存在する可能性があるため、「複数値の許可」を選択します。
    • データ・カタログ・オブジェクト・タイプ - このフィールドを使用して、データ所有者を関連付けるオブジェクト・タイプを選択します。たとえば、「データ・エンティティ」、「フォルダ」を選択します。
    • 検索結果オプション - このフィールドを使用して、検索結果のカスタム・プロパティの動作を構成します。データ所有者のカスタム・プロパティについて、次を選択します:
      • 検索結果に表示: 検索サマリー表でデータ所有者をすぐに表示する場合
      • フィルタリングを許可: データ所有者の名前に基づいて検索結果をフィルタする場合
      ノート

      • 「検索結果に表示」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「ソートを許可」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「フィルタリングを許可」オプションに対して最大20個のカスタム・プロパティを構成できます。
    • オプションの表示および編集- データ・エンティティの「属性」表に表示されるようにデータ所有者カスタム・プロパティを構成するには、「表示および編集の許可」チェック・ボックスを選択します。
  5. 「作成」をクリックします。
ビジネスの説明
  1. ビジネスの説明カスタム・プロパティを作成するデータ・カタログの「ホーム」タブに移動します。
  2. 「カスタム・プロパティ」をクリックします。
  3. 表示される「カスタム・プロパティ」ページで、「カスタム・プロパティの作成」をクリックします。
  4. 「カスタム・プロパティの作成」パネルで、次の詳細を入力します:
    • 名前 - ビジネスの説明と入力します。
      ノート

      次の特殊文字を名前に使用することはできません:

      & < > " ' / \ = ;

    • 説明 - 説明を追加します。
    • データ型 - ビジネスの説明の値には説明情報を含めることができるため、「文字列(リッチ・テキスト)」を選択します。
    • データ・カタログ・オブジェクト・タイプ - このフィールドを使用して、ビジネスの説明を関連付けるオブジェクト・タイプを選択します。たとえば、「データ・アセット」、「属性」を選択します。
    • 検索結果オプション - このフィールドを使用して、検索結果のカスタム・プロパティの動作を構成します。
      ノート

      • 「検索結果に表示」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「ソートを許可」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「フィルタリングを許可」オプションに対して最大20個のカスタム・プロパティを構成できます。
  5. 「作成」をクリックします。
データ機密性
  1. データ機密性カスタム・プロパティを作成するデータ・カタログの「ホーム」タブに移動します。
  2. 「カスタム・プロパティ」をクリックします。
  3. 表示される「Custom Properties」ページで、「Create Custom Property」をクリックします。
  4. 「カスタム・プロパティの作成」パネルで、次の詳細を入力します:
    • 名前 - データ機密性と入力します。
      ノート

      次の特殊文字を名前に使用することはできません:

      & < > " ' / \ = ;

    • 説明 - 説明を追加します。
    • データ型 - データ機密性の値(1、5、9など)は数値であるため、「数値」を選択します。
    • 値オプション - このフィールドを使用して、カスタム・プロパティに値を入力する方法を構成します。データ機密性に対して固定の値セットのみを許可するには、「値リストの使用」を選択します。このオプションを選択すると、値リストが表示され、カスタム・プロパティに1つ以上の値を入力できます。カスタム・プロパティには後でさらに値を入力できます。ただし、すでに指定されている値は削除できません。
    • データ・カタログ・オブジェクト・タイプ - このフィールドを使用して、データ機密性を関連付けるオブジェクト・タイプを選択します。たとえば、「用語集」、「用語」、「カテゴリ」を選択します。
    • 検索結果オプション - このフィールドを使用して、検索結果のカスタム・プロパティの動作を構成します。
      ノート

      • 「検索結果に表示」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「ソートを許可」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「フィルタリングを許可」オプションに対して最大20個のカスタム・プロパティを構成できます。
    • オプションの表示および編集 - データ・エンティティの「属性」表に表示されるようにデータ機密性カスタム・プロパティを構成する場合は、「表示および編集の許可」チェック・ボックスを選択します。
  5. 「作成」をクリックします。
認証済
  1. 認証済カスタム・プロパティを作成するデータ・カタログの「ホーム」タブに移動します。
  2. 「カスタム・プロパティ」をクリックします。
  3. 表示される「カスタム・プロパティ」ページで、「カスタム・プロパティの作成」をクリックします。
  4. 「カスタム・プロパティの作成」パネルで、次の詳細を入力します:
    • 名前 - 認証済と入力します。
      ノート

      次の特殊文字を名前に使用することはできません:

      & < > " ' / \ = ;

    • 説明 - 説明を追加します。
    • データタイプ- 「ブール」を選択します。
    • データ・カタログ・オブジェクト・タイプ - このフィールドを使用して、認証済カスタム・プロパティを関連付けるオブジェクト・タイプを選択します。たとえば、「データ・エンティティ」を選択します。
    • 検索結果オプション - このフィールドを使用して、検索結果のカスタム・プロパティの動作を構成します。
      ノート

      • 「検索結果に表示」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「ソートを許可」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「フィルタリングを許可」オプションに対して最大20個のカスタム・プロパティを構成できます。
    • オプションの表示および編集- データ・エンティティの「属性」表に表示されるように「認証済」カスタム・プロパティを構成するには、「表示および編集の許可」チェック・ボックスを選択します。
  5. 「作成」をクリックします。
アーカイブ日
  1. アーカイブ日カスタム・プロパティを作成するデータ・カタログの「ホーム」タブに移動します。
  2. 「カスタム・プロパティ」をクリックします。
  3. 表示される「カスタム・プロパティ」ページで、「カスタム・プロパティの作成」をクリックします。
  4. 「カスタム・プロパティの作成」パネルで、次の詳細を入力します:
    • 名前 - アーカイブ日と入力します。
      ノート

      次の特殊文字を名前に使用することはできません:

      & < > " ' / \ = ;

    • 説明 - 説明を追加します。
    • データタイプ- 「日付」を選択します。
    • データ・カタログ・オブジェクト・タイプ - このフィールドを使用して、ビジネスの説明を関連付けるオブジェクト・タイプを選択します。たとえば、「データ・エンティティ」を選択します。
    • 検索結果オプション - このフィールドを使用して、検索結果のカスタム・プロパティの動作を構成します。たとえば、「ソートを許可」を選択すると、日付に基づいて検索結果をソートできます。
      ノート

      • 「検索結果に表示」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「ソートを許可」オプションに対して最大7つのカスタム・プロパティを構成できます。
      • 「フィルタリングを許可」オプションに対して最大20個のカスタム・プロパティを構成できます。
    • オプションの表示および編集 - データ・エンティティの「属性」表に表示されるようにアーカイブ日カスタム・プロパティを構成する場合は、「表示および編集の許可」チェック・ボックスを選択します。
  5. 「作成」をクリックします。

3. カスタム・プロパティの値の設定

カスタム・プロパティを関連付けたデータ・カタログ・オブジェクト・タイプのオブジェクト詳細タブから、プロパティの値を設定、表示および変更できます。前のトピックで作成したカスタム・プロパティの値を設定する方法を学習します。

データ・エンティティ・カスタム・プロパティ

カスタム・プロパティの作成時に、データ所有者認証済およびアーカイブ日をデータ・エンティティに関連付けました。プロパティの値を設定するには、次のステップに従います:

  1. 「ホーム」タブで「データ・エンティティ」をクリックして、「データ・エンティティ」タブにアクセスします。
  2. 「データ・エンティティ」リストで、編集するデータ・エンティティを選択します。データ・エンティティの詳細タブが開きます。「カスタム・プロパティ」セクションで、「データ所有者」「認証済」および「アーカイブ日」カスタム・プロパティがリストされていることがわかります。
  3. 「カスタム・プロパティ」セクションで、「編集」リンクをクリックします。
  4. オーバーレイとして開く「カスタム・プロパティの編集」パネルで、次を実行します:
    • 「データ所有者」フィールドに、1つ以上の値を追加します。
    • 「認証済」フィールドで、データ・エンティティが認証されているかどうかに基づいて、「True」または「False」を選択します。
    • 「アーカイブ日」フィールドで、データをアーカイブする必要がある日付を選択します。
  5. 「変更の保存」をクリックします。
データ・アセット・カスタム・プロパティ

カスタム・プロパティの作成時に、ビジネスの説明をデータ・アセットに関連付けました。プロパティの値を設定するには、次のステップに従います:

  1. 「ホーム」タブで「データ・アセット」をクリックして、「データ・アセット」タブにアクセスします。
  2. 「データ・アセット」リストで、編集するデータ・アセットをクリックします。「データ・アセットの詳細」タブが開きます。「カスタム・プロパティ」セクションで、「ビジネスの説明」カスタム・プロパティがリストされていることがわかります。
  3. 「カスタム・プロパティ」セクションで、「編集」リンクをクリックします。
  4. オーバーレイとして開く「カスタム・プロパティの編集」パネルで、次を実行します:
    • 「ビジネスの説明」フィールドに、データに関する情報を入力します。
  5. 「変更の保存」をクリックします。
属性カスタム・プロパティ

カスタム・プロパティの作成時に、ビジネスの説明を属性に関連付けました。プロパティの値を設定するには、次のステップに従います:

  1. タブから「+」をクリックし、「属性」を選択します。
  2. 「属性」リストで、編集する属性を選択します。「属性の詳細」タブが開きます。「カスタム・プロパティ」セクションで、「ビジネスの説明」カスタム・プロパティがリストされていることがわかります。
  3. 「カスタム・プロパティ」セクションで、「編集」リンクをクリックします。
  4. オーバーレイとして開く「カスタム・プロパティの編集」パネルで、次を実行します:
    • 「ビジネスの説明」フィールドに、データに関する情報を入力します。
  5. 「変更の保存」をクリックします。
用語集、カテゴリまたは用語カスタム・プロパティ

カスタム・プロパティの作成時に、データ機密性を用語集、カテゴリおよび用語に関連付けました。プロパティの値を設定するには、次のステップに従います:

  1. 「用語集詳細」タブにアクセスします。
  2. 「階層」ペインで、編集する用語集、カテゴリまたは用語を選択します。
  3. 「カスタム・プロパティ」から「編集」をクリックします。「カスタム・プロパティの編集」パネルがオーバーレイとして開きます。「カスタム・プロパティ」セクションで、「データ機密性」カスタム・プロパティがリストされていることがわかります。
  4. オーバーレイとして開く「カスタム・プロパティの編集」パネルで、次を実行します:
    • 「データ機密性」フィールドで、データの機密性を説明する値を選択します。値リストは、プロパティの作成時に構成した値に基づいて表示されます。
  5. 「変更の保存」をクリックします

4. カスタム・プロパティを使用した検索およびフィルタ

検索結果をカスタマイズして、データ・カタログに作成したカスタム・プロパティを使用します。次の手順では、データ所有者カスタム・プロパティを使用するように検索結果をカスタマイズする方法について説明します。

  1. ホームで、「データ・エンティティ」をクリックします。
  2. 「データ・エンティティ」リストで、検索集計のすべてのデータ・エンティティのデータ所有者カスタム・プロパティを表示します。
  3. データ所有者カスタム・プロパティも「カスタム・フィルタ」の下に表示されます。データ所有者を選択します。「データ・エンティティ」リストが更新され、選択したデータ所有者に一致する結果のみが表示されます。
  4. ソート・リストから、データ所有者の昇順または降順を選択します。「データ・エンティティ」リストが更新され、選択した順序でデータ所有者別に結果が表示されます。

5. カスタム・プロパティ構成の編集

  1. 「カスタム・プロパティ」ページで、カスタム・プロパティのリストから、編集するカスタム・プロパティをクリックします。
  2. カスタム・プロパティの詳細ページで、「編集」をクリックします。
  3. 「カスタム・プロパティの編集」パネルで、必要な変更を行います。
    ノート

    • カスタム・プロパティのデータ型は変更できません。
    • すでに選択されている「複数値の許可」は、以前に選択されている場合はクリアすることができません。
    • カスタム・プロパティに追加できるのは、追加の値のみです。既存の値は削除できません。
    • 追加のデータ・カタログ・オブジェクトをカスタム・プロパティに関連付けたり、既存のデータ・カタログ・オブジェクトの関連付けを解除できます。カスタム・プロパティの関連付けを解除できるのは、そのタイプのオブジェクトのカスタム・プロパティの使用量がゼロの場合のみです。オブジェクトの関連付けを解除すると、削除ジョブが作成されます。
    • いずれかのデータ・カタログ・オブジェクト・タイプがカスタム・プロパティにすでに関連付けられている場合、変更を加えると、関連付けられているタイプに影響します。
  4. 「変更の保存」をクリックします。

6. カスタム・プロパティの削除

  1. 「カスタム・プロパティ」ページで、カスタム・プロパティのリストから、削除するカスタム・プロパティをクリックします。
  2. プロパティの詳細ページで、「削除」をクリックします。
  3. 表示される「カスタム・プロパティの削除」確認ボックスで、「削除」と入力して削除を確認します。カスタム・プロパティを削除すると、カスタム・プロパティとデータ・カタログ・オブジェクトの関連付けが削除されます。
  4. 「削除」をクリックします。

次の手順

これで、他のカスタム・プロパティを作成し、その値を設定できるようになりました。