Free Tier: UbuntuインスタンスへのApacheとPHPのインストール

このチュートリアルでは、Oracle Cloud Infrastructure Free Tierアカウントを使用して、最新バージョンのUbuntuにコンピュート・インスタンスを設定します。次に、Apache WebサーバーとPHPをインストールし、インターネットから新しいサーバーにアクセスします。最後に、このチュートリアルでは、ホストの仮想ネットワークを設定し、ホストをインターネットに接続するために必要なすべてのステップについて説明します。

主なタスクは:

  • 開発作業用のコンパートメントを設定します。
  • Ubuntuインスタンスをインストールし、仮想クラウド・ネットワーク(VCN)に接続します。
    • ホストがインターネットに接続するために必要なOracle Cloud Infrastructure仮想クラウド・ネットワークおよび関連するネットワーク・サービスを設定します。
    • Ubuntuサーバーにアクセスするためのssh暗号化キーを設定します。
  • VCNのイングレス・ルールを構成します。
  • インスタンスでApacheおよびPHP 8を構成します。
  • インターネットからインスタンスに接続します。

Linux VMの設定の簡単なダイアグラムを次に示します。

Oracle Cloud InfrastructureでApache Webサーバーを実行するために必要なコンポーネントのダイアグラム

その他の情報については、次のWebサイトを参照してください。

開始する前に

このチュートリアルを正常に完了するには、次が必要です:

要件

  • Oracle Cloud Infrastructure Free Tierアカウント。Oracle Cloud Infrastructure Free Tier
  • sshサポートがインストールされているMacOS、LinuxまたはWindowsコンピュータ。

1. 開発用のコンパートメントの設定

開発用のコンパートメントを構成します。

コンパートメントの作成

このチュートリアルで作成するリソースのコンパートメントを作成します。

  1. Oracle Cloud Infrastructureコンソールにサインインします。
  2. ナビゲーション・メニューを開き、「アイデンティティとセキュリティ」をクリックします。「アイデンティティ」で、「コンパートメント」をクリックします。
  3. 「コンパートメントの作成」をクリックします。
  4. 次の情報を入力します:
    • 名前: <your-compartment-name>
    • 説明: Compartment for <your-description>.
    • 親コンパートメント: <your-tenancy>(root)
  5. 「コンパートメントの作成」をクリックします。

参照: コンパートメントの作成

2. Ubuntu Linuxインスタンスのインストール

「VMインスタンスの作成」ワークフローを使用して、新しいコンピュート・インスタンスを作成します。

ワークフローでは、インスタンスのインストール時にいくつかのことが実行されます:

  • Ubuntu Linuxを実行しているコンピュート・インスタンスを作成およびインストールします。
  • Ubuntu Linuxインスタンスをインターネットに接続するために必要なサブネットおよびコンポーネントを含むVCNを作成します。
  • インスタンスへの接続に使用するsshキー・ペアを作成します。
インストール・ステップの確認

「VMインスタンスの作成」ワークフローを使用してインスタンスのインストールを開始するには、次のステップに従います:

重要

示されているステップは、Free Tierアカウント用です。有料アカウントを使用している場合は、ここに示すステップとは異なる場合があります。
  1. 「Oracle Cloud」アイコンをクリックして、メイン・ランディング・ページに移動します。
    • 「リソースの起動」までスクロールします。
    • 「VMインスタンスの作成」ワークフローを選択します。
    「コンピュート・インスタンスの作成」ページが表示されます。このページのセクションは次のとおりです
    • 名前およびコンパートメント
    • 配置
    • セキュリティ
    • イメージとシェイプ
    • ネットワーキング
    • SSHキーの追加
    • ブート・ボリューム
  2. 「名前」および「コンパートメント」を選択します。

    初期オプション

    • 名前: <name-for-the-instance>
    • コンパートメントに作成: <your-compartment-name>

    名前の値を入力するか、システム指定のデフォルトを使用します。コンパートメントには、作成したコンパートメントを選択します。

  3. 「配置」の設定を確認します。
    • デフォルト値を使用します。可用性ドメインが割り当てられます。

    データは次のようになります:

    可用性ドメイン

    • 可用性ドメイン: AD-1
    • 容量タイプ: オンデマンド容量
    • フォルト・ドメイン: 最適なフォルト・ドメインの選択をOracleに任せます
    ノート

    Free Tierの場合、可用性ドメインに「Always Free対象」オプションを使用します。
  4. 「セキュリティ」の設定を確認します。
    • デフォルト設定を使用します。

    データは次のようになります:

    セキュリティ

    • 保護インスタンス:無効
    • 機密コンピューティング:無効化
  5. 「イメージとシェイプ」の設定を確認します。オペレーティング・システム・イメージを変更します。
    • 「編集」をクリックします。
    • 「イメージの変更」をクリックします。
    • 「Ubuntu」をクリックします。
    • 「Canonical Ubuntu 22.04」またはそれ以降のバージョンを選択します。
    • 「イメージの選択」をクリックします。
    ノート

    次に示すのはAMD仮想マシンのサンプル・データです。実際の値は異なる場合があります。

    イメージとシェイプ

    • イメージ: Canonical Ubuntu 22.04
    • イメージ・ビルド: <current-build-date>
    • シェイプ: VM.Standard.E2.1.Micro
    • OCPU: 1
    • メモリー(GB): 1
    • ネットワーク帯域幅(Gbps): 0.48
    ノート

    Free Tierの場合、「Always Free対象」シェイプ・オプションを使用します。
    • 次のセクションに進みます。
  6. 「ネットワーキング」の設定を確認します。デフォルトを次のように変更します。
    • 「編集」をクリックします。
    • プライマリ・ネットワーク: 「新規仮想クラウド・ネットワークの作成」を選択します。
    • 新規仮想クラウド・ネットワーク名: 生成されたVCN名を使用するか、名前を指定します。
    • コンパートメントに作成: <your-compartment-name>
    • サブネット: 「新規パブリック・サブネットの作成」を選択します。
    • 新規サブネット名: 生成されたサブネット名を使用するか、名前を指定します。
    • コンパートメントに作成: <your-compartment-name>
    • CIDRブロック: デフォルト値を使用します(10.0.0.0/24など)。
    • パブリックIPv4アドレス: デフォルト値の「パブリックIPv4アドレスの割当て」を使用します。
    • 次のセクションに進みます。
  7. 「SSHキーの追加」の設定を確認します。ワークフローで提供されるデフォルト値を使用します。
    • 「キー・ペアを自動で生成」オプションを選択します。
    • 「秘密キーの保存」および「公開キーの保存」をクリックして、このコンピュート・インスタンスの秘密および公開SSHキーを保存します。

    独自のSSHキーを使用する場合は、いずれかのオプションを選択して公開キーを指定します。

    ノート

    秘密キーと公開キーのファイルは安全な場所に配置してください。コンピュート・インスタンスの作成後にキーを再度取得することはできません。
  8. 「ブート・ボリューム」の設定を確認します。

    「カスタム・ブート・ボリューム・サイズを指定します」設定を選択解除します。

    「転送中暗号化の使用」設定を選択します。

    「自分が管理するキーでこのボリュームを暗号化」設定を選択解除します。

  9. 「作成」をクリックして、インスタンスを作成します。システムのプロビジョニングには数分かかる場合があります。
Ubuntu Linuxインスタンスが正常に作成されました。

3. インターネット・アクセスの有効化

VMインスタンスの作成ウィザードでは、VMのVCNが自動的に作成されます。ポート80でのインターネット接続を許可するイングレス・ルールをサブネットに追加します。

VCNのイングレス・ルールの作成

次のステップに従って、VCNのパブリック・サブネットを選択し、イングレス・ルールを追加します。

  1. ナビゲーション・メニューを開いて「ネットワーキング」をクリックし、「仮想クラウド・ネットワーク」をクリックします。
  2. コンピュート・インスタンスを使用して作成したVCNを選択します。
  3. 新しいVCNが表示された状態で、<your-subnet-name>サブネット・リンクをクリックします。

    パブリック・サブネット情報は、ページの下部にあるセキュリティ・リストとともに表示されます。VCNのデフォルト・セキュリティ・リストへのリンクが表示されます。

  4. 「デフォルト・セキュリティ・リスト」リンクをクリックします。

    VCNのデフォルトのイングレス・ルールが表示されます。

  5. 「イングレス・ルールの追加」をクリックします。

    「イングレス・ルールの追加」ダイアログが表示されます。

  6. イングレス・ルールに次の情報を入力します。

    イングレス・ルールを次のように入力します:

    • ステートレス:選択
    • ソース・タイプ: CIDR
    • ソースCIDR: 0.0.0.0/0
    • IPプロトコル: TCP
    • ソース・ポート範囲: (空白のまま)
    • 宛先ポート範囲: 80
    • 説明: HTTP接続の許可

    「イングレス・ルールの追加」をクリックします。これで、HTTP接続が許可されます。VCNはApacheサーバー用に構成されています。

  7. 「イングレス・ルールの追加」をクリックします。
    これで、HTTP接続が許可されます。VCNはApacheサーバー用に構成されています。
インスタンスをインターネットから使用できるようにするイングレス・ルールが正常に作成されました。

4. ApacheおよびPHPの設定

次に、Ubuntu Linuxインスタンスで実行するApache WebサーバーとPHPをインストールおよび構成します。

ApacheとPHPのインストールおよび構成

ApacheとPHPをインストールして設定するには、次のステップを実行します:

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「コンピュート」で、「インスタンス」をクリックします。
  2. 前のステップで作成したインスタンスへのリンクをクリックします。

    「インスタンスの詳細」ページで、「インスタンス・アクセス」セクションの下の「パブリックIPアドレス」フィールドを確認します。システムによって作成されたパブリックIPアドレスを書き留めます。このIPアドレスを使用してインスタンスに接続します。

  3. ターミナルまたはコマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。
  4. 以前に作成したssh暗号化キーを格納したディレクトリに移動します。
  5. このSSHコマンドを使用してインスタンスに接続します。
    ssh -i <your-private-key-file> ubuntu@<x.x.x.x>

    インスタンスの作成時に公開キーを特定したため、このコマンドでインスタンスにログインします。sudoコマンドを発行して、サーバーをインストールおよび起動できるようになりました。

  6. Apacheサーバーをインストールします。
    sudo apt update
    sudo apt -y install apache2
  7. 次に、Apacheを起動します。
    sudo systemctl restart apache2
  8. ファイアウォール設定を更新します。

    Ubuntuファイアウォールはデフォルトで無効になっています。ただし、HTTPトラフィックを許可するように、iptables構成を更新する必要があります。次のコマンドを使用してiptablesを更新します。

    sudo iptables -I INPUT 6 -m state --state NEW -p tcp --dport 80 -j ACCEPT
    sudo netfilter-persistent save

    コマンドにより、HTTPトラフィックを許可するルールが追加され、変更がiptables構成ファイルに保存されます。

  9. これで、サーバーをテストできます。

    curl localhostを使用して、コマンドラインからサーバーをテストできます。または、インスタンスに割り当てられたパブリックIPアドレス(http://<x.x.x.x>)にブラウザを接続できます。ページは次のようになります: Apacheサーバーのテスト・ページ

  10. 次のコマンドを使用してPHP 8をインストールします。
    sudo apt -y install php libapache2-mod-php
  11. インストールを検証し、Apacheを再起動します。
    $ php -v
    $ sudo systemctl restart apache2
  12. PHPテスト・ファイルをインスタンスに追加します。

    ファイルを作成します:

    sudo vi /var/www/html/info.php
  13. ファイルに次のテキストを入力し、ファイルを保存します:
    <?php
    phpinfo();
    ?>
  14. http://<your-public-ip-address>/info.phpに接続します。

    ブラウザには、次のようなインスタンス上のPHP構成のリストが生成されます。

    ヒント

    イメージは、オペレーティング・システムの更新により異なります。
    PHP構成ページ
    ノート

    テストの完了後、info.phpをシステムから削除します。
完了しました。ApacheおよびPHP 8がOracle Cloud Infrastructureインスタンスに正常にインストールされました。

次の手順

Linuxインスタンスを使用して、Apache WebサーバーとPHPがOracle Cloud Infrastructureに正常にインストールおよびデプロイされました。

Oracle製品を使用した開発の詳細を確認するには、次のサイトを参照してください: