OCI-KVMユーティリティの使用

OCI-KVM (oci-kvm)ユーティリティを使用すると、Oracle Cloud Infrastructureインスタンス上にKVMゲストを作成して構成できます。

自動ゲスト作成プロセス中に、このユーティリティによって、Oracle Cloud Infrastructureリソースが複数のKVMゲストに割り当てられていないことが保証されます。ゲストが不要になったときは、このユーティリティを使用して、ゲストを削除し、ゲストに割り当てられているすべてのシステム・リソースの構成を解除できます。

oci-kvm create

説明

  • ルート・ディスクとネットワーク・インタフェースの両方にOracle Cloud Infrastructureブロック・ストレージおよびOracle Cloud Infrastructure VNICを使用するKVMゲストを作成するために必要なすべてのアクションを実行します。
  • ブロック・ストレージの場合、デバイスを検証およびチェックして、別のゲストに割り当てられていないことを確認します。ストレージ・プールも使用できます。
  • 仮想ネットワーク・インタフェースの場合、すべての仮想ネットワーク・インフラストラクチャ(仮想機能、VLAN、個々のブロック・ストレージ・デバイス、各ゲストに必要なVNICなど)を作成します。
  • ゲストは、VNICまたはブロック・ストレージ・デバイスを共有できません。
  • ゲストに複数のVNICを割り当てることができます。また、ゲストを複数の仮想ネットワークにアタッチできます。

使用法

oci-kvm create [-h] [-D | --domain vm_name] [-d | --disk device_path] [-p | --pool pool_name] [-s | --disk-size disk_size] [-n | --net ip_vnic] [-v | --virtual-network virtual_network_name] [-V | --virt opt_args]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-D | --domain vm_name
仮想マシンの名前。
-d | --disk device_path
VMのルート・ディスクとして使用されるブロック・デバイスのパス。-p | --poolおよび-s | --disk-sizeとともに使用します。
-s | --disk-size disk_size
ストレージ・プールの使用時に作成されるディスクのサイズ(GB)。-d | --diskおよび-p | --poolとともに使用します。
-p | --pool pool_name
ルート・ディスクに使用されるストレージ・プールの名前。-d |--diskおよび-s | --disk-sizeとともに使用します。
-v | --virtual-network virtual_network_name
ゲストをアタッチするlibvirtネットワークの名前。繰り返すと、ゲストを複数のネットワークにアタッチすることができます。
-n | --net ip_vnic
ゲストに割り当てるVNICのIPまたは名前。繰り返すと、複数のVNICを割り当てることができます。
-V | --virt optional_arguments
virt-installに指定するその他のオプションの引数。これらの引数は、oci-kvmで認識されない引数の場合でも、変更されずにvirt-installに渡されます。

この例では、MY_VMという名前のゲストを作成する方法を示します。これは、MY_POOLという名前のストレージ・プール上に128GBのルート・ディスクがあり、192.168.100.1 VNICを使用します。

oci-kvm create -D MY_VM --disk-size 128 --disk DEVICE_PATH --pool MY_POOL --net
            192.168.100.1 --virt --vcpu 1 --memory 8g --pxe

この例では、ストレージ・プール、複数のVNIC (この例では-nオプションを使用する2つのVNIC)、コンソール出力用のシリアル・コンソールを使用するように構成された、Oracle Linux 7 Update 8ゲストを作成する方法を示します。

oci-kvm create -D MY_VM -p MY_POOL -s 35
                -n 10.0.0.97 -n 10.0.1.2 -V --vcpus 4 --memory 8192 --boot cdrom,hd --location
                /tmp/OracleLinux-R7-U8-Server-x86_64-dvd.iso --nographics --console
                pty,target_type=serial --console pty,target_type=virtio --noautoconsole
                --os-variant=rhel7 --extra-args "console=ttyS0,115200n8"

oci-kvm destroy

説明

  • KVMゲストを完全に削除します。
  • オプションで、関連付けられたストレージ・プールベースのディスクを削除します。

使用法

oci-kvm destroy [-D | --domain vm_name][--destroy-disks] [-f | --force vm_name] [-s | --stop vm_name]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-D | --domain vm_name
仮想マシンの名前。
--destroy-disks
ストレージ・プールベースのディスクを削除します。
-f | --force vm_name
仮想マシンを強制的に停止します。
-s | --stop vm_name
仮想マシンを停止します。

この例では、MY_VM仮想マシンを停止および破棄し、関連するストレージ・プールベースのディスクを削除する方法を示します。

oci-kvm destroy -s -D MY_VM --destroy-disks

oci-kvm create-pool

説明

  • ゲスト仮想ディスクをホストするためのストレージ・プールを作成します。
  • プールは、ブロック・デバイスまたはFSSファイル・システム上に作成できます。

使用法

oci-kvm create-pool [-n | --name pool_name][-d | --disk device_path]

oci-kvm create-pool [-n | --name pool_name][-N | --netfshost ip_nfs][-p | --path path_netfs]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-n | --name pool_name
ストレージ・プールの名前。
-d | --disk device_path
ストレージ・プールが作成されるディスクのパス。
-N | --netfshost ip_nfs
ストレージ・プールが作成されるNFSサーバーの名前またはIP。-p | --pathとともに使用します。
-p | --path path_netfs
NETFSリソースのパス。-N | --netfshostとともに使用します。

この例では、ディスク/dev/sdb上にディスクベースのストレージ・プールを作成する方法を示しています。

oci-kvm create-pool --disk /dev/sdb

この例では、NFSサーバー192.168.100.1上のNFSリソースFileSystem-20201212-1454に、MY_POOLという名前のNETFSベースのストレージ・プールを作成する方法を示しています。

oci-kvm create-pool --netfshost 192.168.100.2 --path /FileSystem-20201212-1454 --name MY_POOL 

oci-kvm list-pool

説明

インスタンスに関連付けられているストレージ・プールをリストします。

使用法

oci-kvm list-pool [--output-mode mode]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
--output-mode mode
出力表示モードを設定します。modeには、parsabletablejsonまたはtextを指定します。

この例では、テキスト出力モードでプールをリストします。

oci-kvm list-pool --output-mode text

oci-kvm create-network

説明

  • Oracle Cloud Infrastructure VNICを使用する仮想(libvirt)ネットワークを作成します。
  • 作成されたlibvirtネットワークは、他のKVMゲストが使用できるIP範囲を提供します。

使用法

oci-kvm create-network [-n | --net ip_vnic] [-N | --network-name network_name] [-B | --ip-bridge ip_bridge] [-S | --ip-start ip_start] [-E | --ip-end ip_end] [-P | --ip-prefix ip_prefix]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-n | --net ip_vnic
ネットワークの構築に使用されるVNICのIP。
-N | --network-name network_name
仮想ネットワークの名前。
-B | --ip-bridge ip_bridge
仮想ネットワーク・アドレス空間のブリッジIP。
-S | --ip-start ip_start
仮想ネットワーク・アドレス空間内のゲストのIP範囲の先頭。
-E | --ip-end ip_end
仮想ネットワーク・アドレス空間内のゲストのIP範囲の末尾。
-P | --ip-prefix ip_prefix
仮想ネットワークで使用されるIP接頭辞。

この例では、MYNET0という名前の仮想ネットワークをVNIC上に作成する方法を示します。このIPアドレスは10.0.1.2、ブリッジIPは192.168.100.9、IP範囲は192.168.100.10 - 192.268.100.30、IP接頭辞は24です。

oci-kvm create-network --network-name=MYNET0 --net=10.0.1.2 --ip-bridge=192.168.100.9
            --ip-start=192.168.100.10 --ip-end=192.168.100.30 --ip-prefix=24 

oci-kvm delete-network

説明

oci-kvm create-networkコマンドを使用して以前に作成されたlibvirtネットワークを削除します。

使用法

oci-kvm delete-network [-N | --network-name network_name][-y | --yes]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-N | --network-name network_name
仮想ネットワークの名前。
-y | --yes
プロンプトを表示せずに、仮想ネットワークの削除を確認できます。

この例では、MYNET0という名前の仮想ネットワークを削除する方法を示しています。

oci-kvm delete-network --network-name=MYNET0 -y