DBシステムのDNS
DBシステムのDNSおよびホスト名解決を使用できます。
プライベートDNSリゾルバを使用して、オンプレミス・ホストとVCNリソースが相互に通信するときにホスト名の使用を有効にすることをお薦めします。
次の表に、DBシステムの各タイプでサポートされている選択肢と、そのDBシステムが機能するために解決する必要があるエンドポイントを示します。
DBシステムのタイプ | サポートされるDNSの選択肢 | 解決する必要があるエンドポイント |
---|---|---|
単一ノード仮想マシン |
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マルチノードのRAC仮想マシン |
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次の各項では、DNSの選択肢について詳しく説明します。
デフォルト(「Internet and VCN Resolver」)
インターネットおよびVCNリゾルバをサポートするDBシステムのタイプについては、前の表を参照してください。
インターネットおよびVCNリゾルバをDNSに使用することをお薦めします。これは、各VCNに付属するデフォルトの組込みDNS機能です。これにより、VCN内のホストは次の項目を解決できます:
- 同じVCN内の他のホストのホスト名
- インターネットに公開されたホスト名
DBシステムでは、インターネットおよびVCNリゾルバが、オブジェクト・ストレージ・エンドポイント(オブジェクト・ストレージ・エンドポイントとSwiftエンドポイントの両方を含む)、YUMリポジトリおよびSCAN (SCANはマルチノードRAC DBシステムでのみ使用されます)など、すべての必要なエンドポイントの解決を処理します。
デフォルトでは、各VCNはインターネットおよびVCNリゾルバを使用するように構成されています。カスタムDNSリゾルバの使用を計画している場合は、VCNを別の方法で構成する必要があります。
DBシステムでのInternet and VCN Resolverの使用
全体的なネットワーク設定の一部として、次のタスクを実行します:
- 必要なDNS設定を使用してVCNを作成します:
- VCNを作成する場合は、「このVCNでDNSホスト名を使用」のチェック・ボックスを選択します。
- VCNのDNSラベルを指定します。
- VCNの作成後は、これらのVCN DNS設定を変更できないことに注意してください。
- 必要なDNS設定を使用して各サブネットを作成します:
- VCN内にサブネットを作成する場合は、「このサブネットでDNSホスト名を使用」チェック・ボックスを選択します。
- サブネットのDNSラベルを指定します。
- サブネットの作成後は、これらのサブネットDNS設定を変更できないことに注意してください。
- VCNに付属するDHCPオプションのデフォルト・セットを使用します:
- 各サブネットを作成する際に、VCNのDHCPオプションのデフォルト・セットを使用するように構成します。
- デフォルトでは、DHCPオプションのデフォルト・セットはインターネットおよびVCNリゾルバを使用するように構成されています。
- ホスト名接頭辞を使用してDBシステムを作成します:
- 後でDBシステムを作成する際に、「ホスト名接頭辞」フィールドに値を指定します。
- DBシステムの「ホスト・ドメイン名」の値は、VCNおよびサブネットDNSのラベルに基づいて自動的に割り当てられることに注意してください。
生成されたDBシステムには、指定したホスト名接頭辞、VCNラベルおよびサブネット・ラベルに基づく完全修飾ドメイン名(FQDN)が割り当てられます。
詳細は、次の各トピックを参照してください:
Internet and VCN Resolverを使用するためのホスト名の制限
VCN、サブネットおよびDBシステムを作成する場合は、VCNのDNSに関連する次の識別子を慎重に設定する必要があります:
- VCNのDNSラベル。
- サブネットのDNSラベル。
- DBシステムのホスト名接頭辞
これらの値は、ノードのFQDNを構成します:
<hostname_prefix><RAC_node_#>.<subnet_DNS_label>.<VCN_DNS_label>.oraclevcn.com
マルチノードのRAC DBシステムの場合、ノード番号がホスト名の接頭辞の後に自動的に追加されます。
たとえば次のようにします。
- ノード1:
dbsys1.ad1.acmevcniad.oraclevcn.com
- ノード2:
dbsys2.ad1.acmevcniad.oraclevcn.com
DBシステムのホスト名接頭辞の要件:
- 推奨される最大文字数: 16文字。
- 英字で始める必要があります。
- 文字列localhostにすることはできません。
VCNおよびサブネットのDNSラベルの要件:
- 推奨される最大文字数: 15文字。
- ハイフンやアンダースコアは使用できません。
- 推奨: VCNの名前にはリージョン名を含め、サブネットの名前には可用性ドメイン名を含めます。
-
FQDNの合計文字数の上限は63文字であるため、VCNおよびサブネットのDNSラベルはその要件を満たす短さに設定します。安全な一般ルールを次に示します:
<16_chars_max>#.<15_chars_max>.<15_chars_max>.oraclevcn.com
ノート:
VCNおよびサブネットを作成するときに、推奨される最大値が強制されることはありません。ただし、FQDNが63文字を超えると、DBシステムのデプロイメントは失敗します。カスタムDNSリゾルバ
カスタムDNSリゾルバとは、ユーザーがオンプレミス・ネットワーク内に設定し、自分でメンテナンスするDNSサーバーです。これによってDBシステムに必要なエンドポイントが解決される必要があります。
デフォルトでは、VCNはインターネットおよびVCNリゾルバを使用するように構成されます。したがって、そのかわりにカスタムDNSリゾルバを使用する場合は、VCNとDHCPのオプションを別の方法で構成する必要があります。
DBシステムでのカスタムDNSリゾルバの使用
全体的なネットワーク設定の一部として、次のタスクを実行します:
- 推奨されるDNS設定を使用してVCNを作成します:
- VCNを作成する場合は、「このVCNでDNSホスト名を使用」チェック・ボックスを選択してから、VCNにDNSラベルを指定することをお薦めします。
- VCNの作成後は、前述のVCN DNS設定を変更できないことに注意してください。これらはカスタムDNSサーバーではオプションですが、インターネットおよびVCNリゾルバを使用する場合は必須です。そのため、後でインターネットおよびVCNリゾルバを使用する場合に備えて、ここで構成しておくことをお薦めします。
- 推奨されるDNS設定を使用して各サブネットを作成します:
- VCNでサブネットを作成する際、「このサブネットでDNSホスト名を使用」のチェック・ボックスを選択し、サブネットのDNSラベルを指定することをお薦めします。
- サブネットの作成後は、前述のサブネットDNS設定を変更できないことに注意してください。これらはカスタムDNSサーバーではオプションですが、インターネットおよびVCNリゾルバを使用する場合は必須です。そのため、後でインターネットおよびVCNリゾルバを使用する場合に備えて、ここで構成しておくことをお薦めします。
- カスタム・リゾルバを使用するには、DHCPオプションのデフォルト・セットを編集します:
- 各サブネットを作成する際に、VCNのDHCPオプションのデフォルト・セットを使用するように構成します。
- DHCPオプションのデフォルト・セットを編集して、「DNSタイプ」を「カスタム・リゾルバ」に設定します。少なくとも1つのDNSサーバーのIPアドレスを指定します(最大3つ)。オプションで、1つの検索ドメインを指定します(これは、ホストの
/etc/resolv.conf
ファイルに自動的に追加されます)。
- 必要なDNSエントリを使用してDBシステムを作成します:
- 後でDBシステムを作成する際に、ホスト名接頭辞を指定します。
- ホスト・ドメイン名について: 前述のステップで「DNSホスト名を使用」のチェック・ボックスを選択した場合、ホスト・ドメイン名はVCNおよびサブネットのDNSラベルから自動的に生成されます。そうでない場合は、「ホスト・ドメイン名」に値を指定する必要があります。
- DBシステムを起動する場合、IPアドレスはVCNのCIDRブロックから自動的に割り当てられ、アドレスはホストの
/etc/hosts
ファイルに基づいてローカルで解決されます。DBシステムの起動が成功するために、すでにカスタムDNSリゾルバがホスト名を解決している必要はありません。
詳細は、次の各トピックを参照してください:
カスタムDNSリゾルバの使用時のホスト名の制限
DBシステムのホスト名接頭辞の要件:
- 推奨される最大文字数: 16文字。
- 英字で始める必要があります。
- 文字列localhostにすることはできません。
VCNおよびサブネットのDNSラベルの要件:
-
DNSラベルに値を指定できるのは、VCNおよびサブネットの作成時に「DNSホスト名を使用」のチェック・ボックスを選択した場合のみです。結果となるDBシステムのFQDNは、次の形式です:
<hostname_prefix>.<subnet_DNS_label>.<VCN_DNS_label>.oraclevcn.com
- 各DNSラベルの推奨される最大文字数は15文字です。
- ハイフンやアンダースコアは使用できません。
- 推奨: VCNの名前にはリージョン名を含め、サブネットの名前には可用性ドメイン名を含めます。
-
FQDNの合計文字数の上限は63文字であるため、VCNおよびサブネットのDNSラベルはその要件を満たす短さに設定します。安全な一般ルールを次に示します:
<16_chars_max>.<15_chars_max>.<15_chars_max>.oraclevcn.com
ノート:
VCNおよびサブネットを作成するときに、推奨される最大値が強制されることはありません。ただし、FQDNが63文字を超えると、DBシステムのデプロイメントは失敗します。DBシステムのホスト・ドメイン名の要件:
- 「ホスト・ドメイン名」フィールドに値を指定できるのは、VCNおよびサブネットの作成時に「DNSホスト名を使用」のチェック・ボックスを選択しなかった場合のみです。
- ハイフンやアンダースコアは使用できません。
- 結果のFQDNが63文字を超えないような値にしてください。そうしない場合、DBシステムのデプロイメントは失敗します。
DNS: オンプレミス・ネットワークとVCNの間
インターネットおよびVCNリゾルバを使用しており、オンプレミス・ホストとVCNリソースが相互に通信するときにホスト名の使用を有効にする場合は、VCN内のインスタンスをカスタムDNSサーバーとして設定できます。
Oracle Terraformプロバイダを使用したこのシナリオの実装の例は、ハイブリッドDNS構成を参照してください。
DBシステムのDNSの設定
DNSを使用すると、IPアドレスのかわりにホスト名を使用してDBシステムと通信できます。
仮想クラウド・ネットワークのDNSの説明に従って、インターネットおよびVCNリゾルバ(VCNに組み込まれたDNS機能)を使用できます。
または、任意のDNSサーバーを使用することもできます。ホスト名とドメイン名をDBシステムのパブリックIPアドレスまたはプライベートIPアドレスに関連付けます。DBシステムのホスト名およびドメイン名とIPアドレスは、コンソールの「データベース」ページで確認できます。
ホスト名をDBシステムのパブリックIPアドレスまたはプライベートIPアドレスに関連付けるには、DNS管理者に連絡し、DBシステムのIPアドレスのカスタムDNSレコードをリクエストしてください。たとえば、ドメインがexample.com
で、ホスト名としてclouddb1
を使用する場合は、clouddb1.example.com
をDBシステムのIPアドレスに関連付けるDNSレコードをリクエストします。
前述のように、DNS管理者にパブリックIPアドレスを提供する場合は、カスタム・ドメイン名をDBシステムのパブリックIPアドレスに関連付ける必要もあります:
- ドメイン名は、サードパーティのドメイン登録ベンダー(register.comなど)を介して登録します。
- サードパーティのドメイン登録ベンダー・コンソールを使用して、ドメイン名をDBシステムのパブリックIPアドレスに解決します。詳細は、サードパーティのドメイン登録のドキュメントを参照してください。