ノート:

• このチュートリアルは、Oracle提供の無料ラボ環境で提供されています。
• Oracle Cloud Infrastructureの資格証明、テナンシおよびコンパートメントの値の例を使用します。演習を完了するときは、これらの値をクラウド環境に固有の値に置き換えます。

Network Manager CLIを使用したネットワーク・ボンドの作成

イントロダクション

ネットワーク・ボンドは、システム上の複数の物理ネットワーク・インタフェースを単一の論理グループ・インタフェースにグループ化し、ネットワーク・スイッチに接続されます。結合では、結合グループ内のリンクに障害が発生した場合に接続を維持することで、冗長性により高い接続可用性が容易になります。また、物理ネットワーク・インタフェースの集約によって、結合内のインタフェース間でトラフィックをロード・バランシングすることで、スループットが向上します。このラボでは、NMCLIユーティリティを使用して、複数の物理インタフェースを使用したネットワーク・ボンド・インタフェースの作成、そのボンド・モードの変更、およびボンド・インタフェースの削除を行います。

目的

この演習では、次のことを学習します。

• 結合インタフェースの作成
• ボンド インターフェイス グループ内のリンクとして複数の物理インターフェイスを追加する
• ボンド・インタフェース・リンク全体のステータスのモニタリングおよびトラフィックの分散に使用されるボンド・モードの変更
• ボンド・インタフェースの削除

ノート:このチュートリアルの手順は、Oracle Engineeringの推奨事項に従います。

前提条件

• 現在のリリースのOracle Linux 8がインストールされているクラウド・インスタンス・システム

結合インタフェースの作成

この演習環境で使用されるインスタンスはOracle Linux 8クラウド・インスタンスであり、4つのネットワーク・インタフェースを使用できます。これらのネットワーク・インタフェースの3つを使用して、結合インタフェースを作成します。すべてのインタフェースが同じ仮想クラウド・ネットワーク・プライベート・サブネット上にあります。

ノート:チュートリアルの最後にある「追加情報」セクションのリンクに従って、結合インタフェースの作成方法を示す無料ビデオを視聴できます。

1. Oracle Linux Labの基本の手順に従って、SSH接続を確立し、演習システム・インスタンスにログインします。

   次の項では、インスタンスにSSH接続する方法を示します。

   • パブリックIPアドレスのコピー
   • Oracle Linuxインスタンスへの接続

   ssh oracle@<ip address of instance>
   

2. 結合インタフェースを作成します。ボンド接続名を Bondconn1に設定し、インタフェース名を bond0に設定します。

   sudo nmcli connection add type bond con-name "Bondconn1" ifname bond0
   

3. 作成された新しいボンドを表示します。

   sudo nmcli connection
   

   出力例:

   NAME       UUID                                  TYPE      DEVICE 
   Bondconn1    6a5605dc-49ad-4f8d-8e10-7c130b95aba7  bond      bond0  
   System ens3  21d47e65-8523-1a06-af22-6f121086f085  ethernet  ens3 
   

4. ボンド構成ファイルを表示して、新しいボンド・インタフェースの詳細情報を確認します。

   sudo nmcli connection show "Bondconn1"
   

   ノート:出力の次のページに進むには、「スペース」キーを使用します。'q'キーを使用して出力を終了し、コマンドラインに戻ります。

   出力例:

   connection.id:                          Bondconn1
   connection.uuid:                        e8092374-4397-4452-bc55-2f64c506b518
   connection.stable-id:                   --
   connection.type:                        bond
   connection.interface-name:              bond0
   connection.autoconnect:                 yes
   connection.autoconnect-priority:        0
   connection.autoconnect-retries:         -1 (default)
   connection.multi-connect:               0 (default)
   ...
   ...
   bond.options:                           mode=balance-rr
   proxy.method:                           none
   proxy.browser-only:                     no
   proxy.pac-url:                          --
   proxy.pac-script:                       --
   GENERAL.NAME:                           Bondconn1
   GENERAL.UUID:                           37845378-f29a-4b10-8107-49b9f5a0f564
   GENERAL.DEVICES:                        bond0
   GENERAL.IP-IFACE:                       --
   GENERAL.STATE:                          activating
   ...
   ...
   connection.master:                      --
   connection.slave-type:                  --
   connection.autoconnect-slaves:          -1 (default)
   connection.secondaries:                 --
   connection.gateway-ping-timeout:        0
   connection.metered:                     unknown
   connection.lldp:                        default
   connection.mdns:                        -1 (default)
   connection.llmnr:                       -1 (default)
   connection.wait-device-timeout:         -1
   ipv4.method:                            auto
   lines 1-25
   

   ボンドID、UUID、インタフェース名、IP設定などの出力で情報を検索し、使用するボンド・モードをメモします。

結合モードの変更

ボンド・モードでは、ボンディング・インタフェースがリンクにトラフィックを分散する方法と、ロード・バランシングおよびデバイス・フェイルオーバーの動作を変更することによって、結合グループ内の1つ以上のリンクの障害をどのように処理するかを示します。

1. ボンドインタフェースで使用されるボンドモードを、bond.options "mode=active-backup"コマンドオプションを使用して Round Robinから Active Backupに変更します。

   sudo nmcli connection modify Bondconn1 bond.options "mode=active-backup"
   

   ノート:サポートされるモードは、デフォルトのラウンド・ロビン(balance-rr)、アクティブ・バックアップ(active-backup)、XOR(balance-xor)、ブロードキャスト(broadcast)、802.3ad(802.3ad)、適応型送信ロード・バランシング(balance-tlb)、および適応型ロード・バランシング(balance-alb)です。

   様々な結合モードの動作の詳細は、次のドキュメント・リンクを参照してください。

   ドキュメント:Oracle Linux 8 -ネットワーク結合の使用

2. 新しいボンド インターフェイスの詳細情報を表示して、変更されたボンド モードを確認します。

   sudo nmcli connection show "Bondconn1"
   

   出力例:

   ...
   ...
   ...
   cipv6.dhcp-timeout:                      0 (default)
   ipv6.dhcp-send-hostname:                yes
   ipv6.dhcp-hostname:                     --
   ipv6.dhcp-hostname-flags:               0x0 (none)
   ipv6.token:                             --
   bond.options:                           mode=active-backup
   proxy.method:                           none
   proxy.browser-only:                     no
   proxy.pac-url:                          --
   lines 56-80
   

結合インタフェースへのインタフェース・リンクの追加

1. システムのネットワークデバイスインタフェース情報を表示します。

   sudo nmcli device
   

   出力例:

   DEVICE   TYPE      STATE                                  CONNECTION  
   ens3     ethernet  connected                              System ens3 
   bond0    bond      connecting (getting IP configuration)  Bondconn1   
   ens5     ethernet  disconnected                           --          
   ens6     ethernet  disconnected                           --          
   ens7     ethernet  disconnected                           --
   lo       loopback  unmanaged                              --
   

   ボンド インターフェイスと4つのネットワーク デバイスが表示されます。デバイスens5、ens6、ens7は「切断」としてリストされます。これらのデバイスは、結合インタフェースのインタフェースリンクとして使用できます。

2. インタフェースens5を結合インタフェース・グループのリンクとして追加します。

   sudo nmcli connection add type ethernet slave-type bond con-name bond0-if1 ifname ens5 master bond0
   

   出力例:

   Connection 'bond0-if1' (56e98603-099c-46d1-acd5-1268e4ef9005) successfully added.
   

3. インタフェースens6を結合インタフェース・グループの2番目のリンクとして追加します。

   sudo nmcli connection add type ethernet slave-type bond con-name bond0-if2 ifname ens6 master bond0
   

   出力例:

   Connection 'bond0-if2' (577a9de4-43f4-46c7-9b29-dc51ef0f7c65) successfully added.
   

4. システムのネットワークデバイスインタフェース情報を表示します。

   sudo nmcli device
   

   出力例:

   DEVICE  TYPE      STATE                                  CONNECTION  
   ens3    ethernet  connected                              System ens3 
   ens5    ethernet  connected                              bond0-if1   
   ens6    ethernet  connected                              bond0-if2   
   bond0   bond      connecting (getting IP configuration)  Bondconn1   
   ens7    ethernet  disconnected                           --          
   lo      loopback  unmanaged                              --
   

   これで、2つのリンクは結合インタフェースに関連付けられます。

ボンド・インタフェースへのIPアドレスの構成

デフォルトでは、ボンドはDHCPを使用するように構成されます。IPアドレスの割当て、ゲートウェイおよびネットワーク解決情報は、論理結合インタフェースに構成できます。

1. コマンドip addrを使用して、bond0がそのステータスをUPとしてレポートしていることを確認します。

   ip addr
   

   出力例:

   17: bond0: <BROADCAST,MULTICAST,MASTER,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP group default qlen 1000
   link/ether 02:00:17:09:f8:b0 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
   inet6 fe80::cd09:f18d:f202:3ae4/64 scope link noprefixroute 
      valid_lft forever preferred_lft forever
   

   • 出力にbond0がDOWNと表示されている場合は、コマンドsudo nmcli connection up "Bondconn1"を実行して状態をUPに変更します。

     sudo nmcli connection up "Bondconn1"
     

     出力例:

     Connection successfully activated (master waiting for slaves) (D-Bus active path: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/61)
     

2. '192.168.1.10/24'のIPアドレスおよびサブネット・マスクを、ipv4.addressesコマンド・オプションを使用してbond0インタフェースに割り当てます。

   sudo nmcli connection modify "Bondconn1" ipv4.addresses '192.168.1.10/24'
   

3. IPアドレスの割り当て方法を手動に設定します。これにより、結合インタフェースのIPアドレスとマスクが構成されます。

   sudo nmcli connection modify "Bondconn1" ipv4.method manual
   

4. システムのレイヤー3のネットワーク情報を表示します。

   これで、bond0インタフェースにIPアドレスが割り当てられました。

   ip addr
   

   出力例:

   33: bond0: <BROADCAST,MULTICAST,MASTER,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP group default qlen 1000
       link/ether 00:00:17:01:2f:ef brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
       inet 192.168.1.10/24 brd 192.168.1.255 scope global noprefixroute bond0
          valid_lft forever preferred_lft forever
       inet6 fe80::5149:fd05:55e5:9eff/64 scope link noprefixroute 
          valid_lft forever preferred_lft forever
   

ボンド・インタフェースへの追加リンクの割当て

1. 最後の未割当てのネットワーク・デバイスens7をbond0インタフェースに割り当てます。

   sudo nmcli conn add type ethernet slave-type bond con-name bond0-if3 ifname ens7 master bond0
   

   コマンド出力は、結合インタフェースが正常に追加されたことを示しています。

2. システムのネットワークデバイスインタフェース情報を表示します。

   sudo nmcli device
   

   出力例:

   DEVICE  TYPE      STATE      CONNECTION  
   ens3    ethernet  connected  System ens3 
   bond0   bond      connected  Bondconn1   
   ens5    ethernet  connected  bond0-if1   
   ens6    ethernet  connected  bond0-if2   
   ens7    ethernet  connected  bond0-if3   
   lo      loopback  unmanaged  --
   

   出力は、結合インタフェースに接続された3番目のネットワークデバイスを示しています。

3. ボンド構成情報を表示します。

   ボンド、そのステータス、およびボンド・グループのリンク・インタフェースとそのステータスに関する情報が表示されます。

   cat /proc/net/bonding/bond0
   

   出力例:

   Ethernet Channel Bonding Driver: v3.7.1 (April 27, 2011)
   
   Bonding Mode: load balancing (round-robin)
   MII Status: up
   MII Polling Interval (ms): 100
   Up Delay (ms): 0
   Down Delay (ms): 0
   Peer Notification Delay (ms): 0
   
   Slave Interface: ens5
   MII Status: up
   Speed: Unknown
   Duplex: Unknown
   Link Failure Count: 0
   Permanent HW addr: 02:00:17:09:f8:b0
   Slave queue ID: 0
   
   Slave Interface: ens6
   MII Status: up
   Speed: Unknown
   Duplex: Unknown
   Link Failure Count: 0
   Permanent HW addr: 00:00:17:02:a1:10
   Slave queue ID: 0
   
    Slave Interface: ens7
   MII Status: up
   Speed: Unknown
   Duplex: Unknown
   Link Failure Count: 0
   Permanent HW addr: 02:00:17:03:f1:3a
   Slave queue ID: 0
   

   出力には、ボンド構成とステータス(どのボンド・リンクがアクティブであるか、その情報とそのステータスなど)が表示されます。

ボンド・リンクの削除

ボンド インターフェイスを削除するには、まずボンド リンクを削除します。

注意:アクティブ・インタフェース・リンクが接続されている結合インタフェースは削除しないでください。

1. コマンドsudo nmcli connection deleteを使用して、結合リンク・インタフェース名を追加します。まず、bond0-if3接続を削除してから、残りの結合インタフェースに対するアクションを繰り返します。

   ノート:ボンド・リンクを削除する順序は重要ではありません。

   sudo nmcli connection delete bond0-if3
   

   出力例:

   Connection 'bond0-if3' (5751ef04-43f4-46c7-9b29-dc51ef0f7c65) successfully deleted.
   

   sudo nmcli connection delete bond0-if2
   

   出力例:

   Connection 'bond0-if2' (577a9de4-43f4-46c7-9b29-dc51ef0f7c65) successfully deleted.
   

   sudo nmcli connection delete bond0-if1
   

   出力例:

   Connection 'bond0-if1' (56e98603-099c-46d1-acd5-1268e4ef9005) successfully deleted.
   

2. コマンド sudo nmcli deviceを使用して、デバイスが切断されていることを確認します。

   sudo nmcli device
   

   出力例:

   DEVICE  TYPE      STATE         CONNECTION  
   ens3    ethernet  connected     System ens3 
   bond0   bond      connected     Bondconn1   
   ens5    ethernet  disconnected  --          
   ens6    ethernet  disconnected  --          
   ens7    ethernet  disconnected  --          
   lo      loopback  unmanaged     -- 
   

ボンド・インタフェースの削除

ボンド・インタフェースを削除する前に、sudo nmcli connection downコマンドを使用してdown状態への接続を設定します。

1. ボンド インターフェイスをトランジションします。

   sudo nmcli connection down "Bondconn1"
   

   出力例:

   Connection 'Bondconn1' successfully deactivated (D-Bus active path: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/86)
   

2. コマンドip addrを使用して、結合インタフェースが削除されたことを確認します。

   ip addr
   

   出力は、結合インタフェースがリストされなくなったことを示しています。

3. ボンド・インタフェースを削除するには、コマンドsudo nmcli connection deleteを結合インタフェース名とともに使用します。

   sudo nmcli connection delete "Bondconn1"
   

   出力例:

   Connection 'Bondconn1' (a3d42efc-52ba-474a-9eea-67a4342420df) successfully deleted.
   

4. コマンドsudo nmcli connectionを使用して検証します。

   sudo nmcli connection
   

   出力例:

   NAME         UUID                                  TYPE      DEVICE 
   System ens3  21d47e65-8523-1a06-af22-6f121086f085  ethernet  ens3
   

   出力には、接続はens3のみです。

5. ボンド構成ファイルを表示します。

   cat /proc/net/bonding/bond0
   

   cat: /proc/net/bonding/bond0: No such file or directory
   

   ノート:ボンド・インタフェースを削除すると、その構成ファイルも削除されます。

追加情報

他の関連リソースを参照してください。

• Oracle Learning Library
• Oracleドキュメント
• ビデオ: NMCLIユーティリティを使用したOracle Linuxのネットワーク・ボンディング

その他の学習リソース

他のラボをdocs.oracle.com/learnで探すか、Oracle Learning YouTubeチャネルでより無料の学習コンテンツにアクセスします。また、education.oracle.com/learning-explorerにアクセスしてOracle Learning Explorerになります。

製品のドキュメントは、Oracle Help Centerを参照してください。

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タイトルおよび著作権情報

Create Network Bonds using Network Manager CLI

F56784-01

May 2022

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