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Java Accessibility の概要


Java Accessibility は、Java Virtual Machine 内のユーザインタフェースオブジェクトに関するユーザ補助情報を取得するための、ユーザ補助機能 (または技術) の使用を可能にします。 Java Accessibility は、バージョン 1.1 以上の Java プラットフォームに対応しており、以下のいくつかの方法で提供されます。

  1. UI コンポーネント用インタフェースの「文例集」を提供する Java Accessibility API ツールキット。 このインタフェースを利用すると、AccessibleName、AccessibleDescription などのユーザ補助コンポーネントすべてに共通の情報を取得できるほか、AccessibleValue、AccessibleSelection などのコンポーネント固有の情報を取得できる
  2. ユーザ補助機能開発者を支援する Java Accessibility のユーティリティ
  3. グラフィカルユーザインタフェースコンポーネントのキーボードナビゲーションサポート機能
  4. Java Foundation Class のユーザ補助設計。 アプリケーションを変更しないで、異なるアプリケーションの外観をプラグインする機能が含まれる
API パッケージ、インタフェース、およびクラスの説明

ここでは、Java 2 プラットフォームの Accessibility API の概要について説明します。 詳細については、javax.accessibility パッケージの API のマニュアルを参照してください。

javax.accessibility パッケージ

ユーザインタフェースコンポーネント、およびこれらにアクセスするためのユーザ補助機能の規約を定義します。
Accessible インタフェース
Accessibility パッケージの主要なインタフェースです。
AccessibleAction インタフェース
アクションを実行するオブジェクトでは、AccessibleAction インタフェースがサポートされていなければなりません。
AccessibleComponent インタフェース
画面上で描画されるオブジェクトでは、AccessibleComponent インタフェースがサポートされていなければなりません。
AccessibleHypertext インタフェース
ディスプレイ上でハイパーテキスト情報を表示するすべてのクラスの基底クラスです。
AccessibleIcon インタフェース
アイコンが関連付けられているオブジェクト (ボタンなど) では、AccessibleIcon インタフェースがサポートされていなければなりません。
AccessibleSelection インタフェース
現在選択されている子オブジェクトの特定、および選択セットの変更を行う補助的な技術用の標準的な機構を提供します。
AccessibleTableModelChange インタフェース
テーブルモデルの変更内容を示します。
AccessibleText インタフェース
ディスプレイ上に文字情報を表示するクラスには、すべて AccessibleText インタフェースが実装されていなければなりません。
AccessibleValue インタフェース
数値をサポートしているオブジェクト (スクロールバーなど) では、AccessibleValue インタフェースがサポートされていなければなりません。
AccessibleBundle クラス
強く型付けされた列挙を維持するために使用される基底クラスです。
AccessibleContext クラス
すべてのユーザ補助のオブジェクトが返す最低限の情報を表します。
AccessibleHyperlink クラス
リンクまたはリンクセットをカプセル化したクラスです。
AccessibleRelation クラス
AccessibleRelation を実装するオブジェクトと、その他の 1 つまたは複数のオブジェクトの間の関係を示します。
AccessibleRelationSet クラス
コンポーネントの関係セットを定義します。
AccessibleResourceBundle クラス
Accessibility パッケージ内に地域対応された文字列を含むリソースバンドルです。
AccessibleRole クラス
コンポーネントの機能を定義します。
AccessibleState クラス
コンポーネントの特定の状態を示します。
AccessibleStateSet クラス
コンポーネントの状態セットを定義します。
AccessibleTable クラス
2 次元テーブル形式でデータを表すユーザインタフェースコンポーネントを示します。
Java Accessibility ユーティリティ
Java Accessibility ユーティリティは、個別にダウンロードできるパッケージとして Sun から配布されます。ユーザ補助機能ベンダーは、Java Virtual Machine で動作する Java アプリケーションにアクセスする製品内で、このユーティリティを使用します。 このパッケージでは、Java Virtual Machine で動作する Java アプリケーション内のユーザインタフェースオブジェクトの検索およびクエリーを、ユーザ補助機能を利用して行うときに必要な機能が提供されます。 また、これらのオブジェクトに対して「イベントリスナー」をインストールする機能も提供されます。 このイベントリスナーを利用すると、JDK 1.1 から導入された委譲イベントモデルに定義されているピアツーピア方式を使用して、ほかのオブジェクトで発生した特定のイベントの状態をオブジェクトに通知することができます。

現在、以下の Accessibility ユーティリティを利用できます。

詳細は、「Java Accessibility Utilities」を参照してください。
キーボードナビゲーションサポート機能
対話型のユーザインタフェースコンポーネントでは、あらゆる種類のキーボードバインディングが提供されるので、マウスを使わずにコンポーネントのナビゲーション、編集、および制御を行うことができます。 開発者は、これらの機能を使用するときに特別な操作を行う必要はありません。ただし、必要な場合は、キーバインディングを簡単に変更できます。
プラグイン可能な Look & Feel
JFC (Java Foundation Classes) によって、プラグイン可能な Look & Feel アーキテクチャが実装されます。 Look & Feel アーキテクチャを利用すると、視覚表示されないユーザインタフェースを、特定のアプリケーションの視覚表示に置換したり、拡張したりすることができます。 ユーザインタフェースの表示は、各コンポーネントの基本的な構造およびデータには依存しません。 この非依存性は、コンポーネントのユーザインタフェースをそのモデルから独立させることで実現されます。 コンポーネントのモデルとは、ユーザインタフェースによってユーザに表示される状態と情報がカプセル化された構造のことです。 このアーキテクチャの詳細は、「The Swing Connection」を参照してください。

* この Web サイトで使用されている用語「Java Virtual Machine」または「JVM」は、Java プラットフォーム用の仮想マシンを表します。


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