目次 | 前の項目 | 次の項目 JDBCTM ガイド: 入門


1 はじめに

現在、ベンダーやエンドユーザの多くが、Java アプリケーションで使用できる簡単なデータベースアクセスを求めています。Java は堅固で安全、簡単に使えてわかりやすく、ネットワークで自動的にダウンロードできるので、データベースアプリケーションの開発にとても適した言語基盤です。C、C++、Smalltalk、BASIC、COBOL、4GLs に比べ、幅広い用途で多くの利点があります。

Java アプリケーション開発者の多くは、特定の DBMS や使用するデータベースコネクティビティ機構に依存しないコードを作成したいと考えています。また、DBMS に依存しないインタフェースは、幅広い DBMS へのアクセスを実装するための最適な方法だと考えられます。そこで、さまざまな異なるデータベース接続モジュール上に統一インタフェースを提供する、汎用の SQL データベースアクセスフレームワークを定義することは、Java コミュニティにとって有用であると判断しました。このフレームワークにより、プログラマは 1 つのデータベースインタフェースを作成するだけで良くなり、DBMS に依存しない Java アプリケーション開発ツールと製品が実現し、データベースコネクティビティのベンダーはさまざまなソリューションを提供できるようになります。

最初に行うべき事柄は、基本 SQL 機能をサポートする低レベル API を定義することでした。この API を JDBC と呼びます。この API により、高レベルのデータベースアクセスツールと API の開発が可能になります。

SQL API は、一から設計したのではなく、Microsoft の ODBC インタフェースの土台ともなった X/Open SQL CLI (Call Level Interface) をベースにしました。主な作業は、X/Open CLI で定義されている基本的概念に対して自然な Java インタフェースを定義することでした。

重要なことは、データベースのベンダーやコネクティビティのベンダー、ISV、アプリケーションの開発者に JDBC API が受け入れられることです。ODBC の抽象概念をベースにすることにより、Java はより受け入れられやすくなると考えられます。また技術的にも ODBC は優れた設計基盤だと思われます。

ODBC は C のインタフェースなので、Java から直接使用するのには適していません。Java からのネイティブ C コードの呼び出しには、セキュリティ、実装、堅牢さ、およびアプリケーションの移植性の面で多くの短所があります。そのため、簡単で短期的に ODBC 上に実装でき、他の方法を使えばより長期的に実装できる API を構築しました。

1.1     謝辞

レビューにご協力いただいた、データベース、データベースコネクティビティ、データベースツールの関係者の皆様に感謝いたします。

時間を割いて、さまざまなドラフトに目を通し、コメントしてくださったレビューアの皆様、特に絶えずレビューとフィードバックをくださいました Azad Bolour、Paul Cotton、Ed Garon、John Goodson、Mark Hapner、Tommy Hawkins、Karl Moss、Barbara Walters の諸氏に心より感謝いたします。

誤記および記載もれ等があれば、その責任は当方にあります。



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