1 Java仮想マシン・テクノロジの概要

この章では、Java仮想マシン(JVM)の実装およびJava HotSpotテクノロジの主な機能について説明します。

  • 適応型コンパイラ: アプリケーションの起動に標準のインタプリタが使用されます。アプリケーションを実行すると、コードが解析され、パフォーマンス・ボトルネックまたはホット・スポットが検出されます。Java HotSpot VMは、パフォーマンスを向上させるためにパフォーマンスに不可欠なコード部分はコンパイルしますが、ほとんど使用されないコード(アプリケーションの大部分)はコンパイルしません。Java HotSpot VMは、適応型コンパイラを使用して、インライン化などの技術で、コンパイルしたコードを最適化する方法を判断します。
  • 高速メモリー割当てとガベージ・コレクション: Java HotSpotテクノロジは、オブジェクトの高速メモリー割当てに加え、高速で効率のよい、最先端のガベージ・コレクタを提供します。
  • スレッドの同期: Java HotSpotテクノロジは、大規模なメモリー共有マルチプロセッサ・サーバーで使用するために拡張できるように設計された、スレッド処理機能を提供します。

Oracle Java Runtime Environment (JRE) 8以前では、クライアント、サーバーおよび埋込みシステムとして一般に使用される構成用に、様々なJVM (クライアントVM、サーバーVMおよび最小VM)の実装がサポートされていました。ほとんどのシステムでサーバーVMを活用できるようになったため、Oracle Java Runtime Environment (JRE) 9ではそのVM実装のみを提供します。