rmidコマンド

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名前

rmid - オブジェクトを登録し、Java Virtual Machine (JVM)でアクティブ化できるようにする起動システム・デーモン

シノプシス

rmid [options]

options
これは、rmidコマンドのコマンド行オプションです。 「rmidのオプション」を参照してください。

説明

非推奨通知: RmidツールおよびRMIアクティブ化メカニズムは非推奨になり、将来のバージョンのプラットフォームから削除される可能性があります。 詳細は、JEP 385を参照してください。

rmidコマンドは、起動システム・デーモンを開始します。 起動システム・デーモンを開始してからでないと、起動可能オブジェクトを起動システムに登録したり、JVM内で起動することができません。

次のように、rmidコマンドを実行し、セキュリティ・ポリシー・ファイルを指定して、デーモンを開始します。

rmid -J-Djava.security.policy=rmid.policy

rmidコマンドのOracleの実装を実行する場合、デフォルトでは、起動グループ用にJVMを開始する際に各ActivationGroupDesc内の情報を使用できるかどうかをrmidコマンドが検証できるように、セキュリティ・ポリシー・ファイルを指定する必要があります。 特に、ActivationGroupDescコンストラクタに渡されるCommandEnvironmentや任意のプロパティによって指定されるコマンドおよびオプションは、rmidコマンドのセキュリティ・ポリシー・ファイルで明示的に許可されることが必要になりました。 sun.rmi.activation.execPolicyプロパティの値によって、起動グループ用にJVMを開始する際にActivationGroupDesc内の情報を使用できるかどうかを判断するときにrmidコマンドが使用するポリシーが決定されます。 詳細は、-J-Dsun.rmi.activation.execPolicy=policyオプションの説明を参照してください。

rmidコマンドを実行すると、アクティベータおよび内部レジストリがデフォルト・ポート1098で開始され、この内部レジストリ内でActivationSystemjava.rmi.activation.ActivationSystemという名前にバインドされます。

レジストリに代替のポートを指定するには、rmidコマンドを実行するときに-portオプションを指定する必要があります。 たとえば、次のコマンドは、起動システム・デーモンおよびレジストリをレジストリのデフォルト・ポート1099で開始します。

rmid -J-Djava.security.policy=rmid.policy -port 1099

RMID on Demand (Linuxのみ)の開始

コマンドラインからrmidを起動するかわりに、オンデマンドでrmidを起動するようにxinetd (Linux)を構成することもできます。

RMIDを開始すると、System.inheritedChannelメソッドを呼び出して、継承されたチャネル(inetd/xinetdから継承)を取得しようとします。 継承されたチャネルがnullであるか、java.nio.channels.ServerSocketChannelのインスタンスでない場合、RMIDはそのチャネルがinetd/xinetdによって開始されたものではないと見なし、前述のように開始します。

継承されたチャネルがServerSocketChannelインスタンスである場合、RMIDは、自分がエクスポートするリモート・オブジェクト(java.rmi.activation.ActivationSystemがバインドされているレジストリとjava.rmi.activation.Activatorリモート・オブジェクト)に対する要求を受信するサーバー・ソケットとして、ServerSocketChannelから取得したjava.net.ServerSocketを使用します。 このモードでは、RMIDの動作は、次の場合を除いて、コマンド行から開始した場合と同じです。

rmidのオプション

-Coption

rmidコマンドの子プロセス(起動グループ)が作成されたときに、それぞれの子プロセスにコマンド行引数として渡されるオプションを指定します。 たとえば、次のように指定すると、起動システム・デーモンによって生成される各仮想マシンにプロパティを渡すことができます。

rmid -C-Dsome.property=value

コマンド行引数を子プロセスに渡す機能は、デバッグを行う場合に便利です。 たとえば、次のコマンドを使用すると、すべての子JVMでサーバー呼出しのロギングが可能になります。

rmid -C-Djava.rmi.server.logCalls=true

-Joption

RMIDコマンドを実行しているJavaインタプリタに渡されるオプションを指定します。 たとえば、rmidコマンドがrmid.policyという名前のポリシー・ファイルを使用するように指定するには、rmidのコマンド行で-Jオプションを使用して、java.security.policyプロパティを定義します。次に例を示します。

rmid -J-Djava.security.policy-rmid.policy

-J-Dsun.rmi.activation.execPolicy=policy

起動グループが実行されることになるJVMの起動に使用されるコマンドおよびコマンド行オプションをチェックするために、RMIDコマンドが採用するポリシーを指定します。 このオプションは、Java RMI起動デーモンのOracleの実装のみに存在します。 コマンド行にこのプロパティを指定しない場合、結果は-J-Dsun.rmi.activation.execPolicy=defaultを指定した場合と同じになります。

policyに指定可能な値は、defaultpolicyClassNameまたはnoneです。

  • default

    execPolicyの値がdefaultまたは指定されていない場合、rmidコマンドが使用するセキュリティ・ポリシー・ファイル内のコマンドおよびオプションを実行するためのアクセス権がrmidコマンドに付与されているときにのみ、rmidコマンドは特定のコマンド行オプションを付けてコマンドを実行できます。 デフォルトの実行ポリシーで使用できるのは、デフォルトの起動グループ実装のみです。

    rmidコマンドは、起動グループの登録済起動グループ記述子であるActivationGroupDesc内の情報を使用して、そのグループ用のJVMを起動します。 グループ記述子は、起動グループを開始する際に実行するコマンドと、そのコマンド行に追加されるコマンド行オプションが含まれるオプションのActivationGroupDesc.CommandEnvironmentを指定します。 デフォルトでは、rmidコマンドは、java.homeにあるjavaコマンドを使用します。 グループ記述子には、コマンドラインに次のように定義されたオプションとして追加されるプロパティ・オーバーライドも含まれます。: -D property = value com.sun.rmi.rmid.ExecPermissionアクセス権は、rmidコマンド・アクセス権を付与して、グループ記述子CommandEnvironmentで指定されているコマンドを実行し、アクティベーション・グループを開始します。 アクセス権com.sun.rmi.rmid.ExecOptionPermissionを使用すると、rmidコマンドで、起動グループを開始するときにグループ記述子でプロパティ・オーバーライドとして指定され指定されたコマンド行オプションまたはCommandEnvironmentでオプションとして指定されたコマンド行オプションを使用できるようになります。 rmidコマンドに様々なコマンドおよびオプションを実行するアクセス権を付与する場合は、アクセス権ExecPermissionおよびExecOptionPermissionをすべてのコード・ソースに付与する必要があります。

    ExecPermissionクラス: rmidコマンドが特定のコマンドを実行して起動グループを開始するためのアクセス権を表します。

    ExecPermissionの構文: ExecPermissionの名前は、rmidコマンドに実行するアクセス権を付与するためのコマンドのパス名です。

    スラッシュ(/)とアスタリスク(*)で終わるパス名は、すべてのファイルがそのディレクトリに含まれることを示します(スラッシュはファイル・セパレータFile.separatorCharです)。

    スラッシュ(/)とマイナス記号(-)で終わるパス名は、(再帰的に)すべてのファイルとサブディレクトリがそのディレクトリに格納されていることを示します。

    特別なトークン<<ALL FILES>>で構成されるパス名は、任意のファイルと一致します。

    アスタリスク(*)で構成されるパス名は、現在のディレクトリ内にあるすべてのファイルを示します。

    マイナス記号(-)で構成されるパス名は、すべてのファイルが現在のディレクトリ内にあり、(再帰的に)すべてのファイルおよびサブディレクトリが現在のディレクトリに格納されていることを示します。

    ExecOptionPermissionクラス: 起動グループを開始する際に、rmidコマンドが特定のコマンド行オプションを使用するためのアクセス権を表します。 ExecOptionPermissionの名前は、コマンド行オプションの値です。

    ExecOptionPermissionの構文: オプションでは、ワイルドカードが限定的にサポートされます。 アスタリスクは、ワイルドカードの一致を表し、オプション名自体として使用したり(任意のオプションと一致)、アスタリスク(*)がドット(.)または等号(=)の後に続く場合にかぎってオプション名の末尾に使用できます。

    たとえば、*-Dmydir.*または-Da.b.c=*は有効ですが、*mydir-Da*bまたはab*は無効です。

    rmidのポリシー・ファイル

    rmidコマンドに様々なコマンドおよびオプションを実行するためのアクセス権を付与する場合は、アクセス権ExecPermissionおよびExecOptionPermissionを汎用的にすべてのコード・ソースに付与する必要があります。 これらのアクセス権をチェックするのはrmidコマンドだけなので、これらのアクセス権を汎用的に付与しても安全です。

    rmidコマンドに様々な実行アクセス権を付与するポリシー・ファイルの例を、次に示します。

    • Linux:

      grant {
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecPermission
              "/files/apps/java/jdk1.7.0/linux/bin/java";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecPermission
              "/files/apps/rmidcmds/*";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecOptionPermission
              "-Djava.security.policy=/files/policies/group.policy";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecOptionPermission
              "-Djava.security.debug=*";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecOptionPermission
              "-Dsun.rmi.*";
      };
    • Windows:

      grant {
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecPermission
              "c:\\files\\apps\\java\\jdk1.7.0\\win\\bin\\java";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecPermission
              "c:\\files\\apps\\rmidcmds\\*";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecOptionPermission
              "-Djava.security.policy=c:\\files\\policies\\group.policy";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecOptionPermission
              "-Djava.security.debug=*";
      
          permission com.sun.rmi.rmid.ExecOptionPermission
              "-Dsun.rmi.*";
      };

    1番目に付与されているアクセス権を使用すると、rmidコマンドは明示的なパス名で指定されたjavaコマンドの1.7.0リリースを実行できます。 デフォルトでは、java.homeで見つかったバージョンのjavaコマンド(rmidコマンドが使用するバージョンと同じ)が使用されるため、ポリシー・ファイルで指定する必要はありません。 2番目の権限により、rmidコマンドは、ディレクトリ/files/apps/rmidcmds (LinuxとmacOS)またはディレクトリc:\files\apps\rmidcmds\ (Windows)のいずれかで任意のコマンドを実行できます。

    3番目に付与された権限であるExecOptionPermissionを使用すると、rmidコマンドで、/files/policies/group.policy (Linux)またはc:\files\policies\group.policy (Windows)のいずれかのセキュリティ・ポリシー・ファイルを定義する起動グループを起動できます。 その次に付与されているアクセス権を使用すると、起動グループがjava.security.debugプロパティを使用できます。 最後のアクセス権を使用すると、起動グループがsun.rmiというプロパティ名の階層内の任意のプロパティを使用できます。

    ポリシー・ファイルを指定してrmidコマンドを開始するには、rmidのコマンド行でjava.security.policyプロパティを指定する必要があります。次に例を示します。

    rmid -J-Djava.security.policy=rmid.policy

  • policyClassName

    デフォルトの動作では十分な柔軟性が得られない場合、管理者はrmidコマンドの起動時に、checkExecCommandメソッドが実行されるクラスの名前を指定してrmidコマンドで実行されるコマンドをチェックできます。

    policyClassNameには、引数のないpublicコンストラクタを持ち、次のようなcheckExecCommandメソッドを実装しているpublicクラスを指定します。

     public void checkExecCommand(ActivationGroupDesc desc, String[] command)
            throws SecurityException;

    起動グループを開始する前に、rmidコマンドは、ポリシーのcheckExecCommandメソッドを呼び出し、そのメソッドに起動グループ記述子と、起動グループを開始するための完全なコマンドを含む配列を渡します。 checkExecCommandSecurityExceptionをスローすると、rmidコマンドはその起動グループを開始せず、オブジェクトの起動を試行している呼出し側にActivationExceptionがスローされます。

  • none

    sun.rmi.activation.execPolicyプロパティの値がnoneの場合、rmidコマンドは、起動グループを開始するコマンドの検証を一切実行しません。

-log dir
起動システム・デーモンがデータベースおよび関連情報を書き込むのに使用するディレクトリの名前を指定します。 デフォルトでは、rmidコマンドが実行されたディレクトリに、logというログ・ディレクトリが作成されます。
-port port

レジストリで使用されるポートを指定します。 起動システム・デーモンは、このレジストリの中で、java.rmi.activation.ActivationSystemという名前でActivationSystemをバインドします。 ローカル・マシン上のActivationSystemは、次のようにNaming.lookupメソッドを呼び出すことによって取得できます。

import java.rmi.*;
import java.rmi.activation.*;

ActivationSystem system; system = (ActivationSystem)
Naming.lookup("//:port/java.rmi.activation.ActivationSystem");
-stop
-portオプションで指定されたポートについて、rmidコマンドの現在の呼出しを停止します。 ポートが指定されていない場合、このオプションはポート1098で実行されているrmidの呼出しを停止します。