5 JMXコネクタを使用したリソースのリモート管理

Java Management Extensions (JMX)仕様バージョン1.4のJava Management Extensionsの計測仕様およびエージェント仕様の項では、コネクタという概念を定義しています。コネクタを使用すると、JMXテクノロジのMBeanサーバーからJavaテクノロジベースのリモート・クライアントへのアクセスが可能になります。コネクタのクライアント側は、MBeanサーバーと基本的に同じインタフェースをエクスポートします。

コネクタは、コネクタ・クライアントとコネクタ・サーバーからなります。コネクタ・サーバーはMBeanサーバーに接続して、クライアントからの接続要求を待機します。コネクタ・クライアントは、コネクタ・サーバーとの接続を確立します。通常、コネクタ・クライアントは、コネクタ・サーバーとは別のJVM内にあり、別のマシン上で実行されることが多くあります。

多くのコネクタ実装が可能です。特に、クライアントとサーバーの間の接続で通信するためのプロトコルは多種多様です。

コネクタ・サーバーには通常、アドレスがあり、コネクタ・クライアントとコネクタ・サーバーの間で接続を確立するために使用されます。コネクタによっては、接続の確立のために、接続スタブを用意している場合もあります。接続が確立される方法は、使用する検出、検索テクノロジに依存します。検出、検索サービスを参照してください。

RMIコネクタ

JMX Remote APIでは、RMIを基にした標準プロトコルを定義しています。RMIコネクタは、JMX Remote APIの各実装に存在しなければなりません。

RMIコネクタは、Java Remote Method Protocol (JRMP)トランスポートをサポートします。

JRMP上のRMIコネクタでは、クライアントとサーバーの間の接続をセキュリティ保護および認証するための単純なメカニズムを備えています。このメカニズムでは、RMIコネクタを使用する環境に対して、基本的なレベルのセキュリティを提供します。ジェネリックJMXMPコネクタでは、より高度なレベルのセキュリティを提供しています。

クライアントとサーバーの間の接続でSecure Socket Layer (SSL)を使用するようにRMIソケット・ファクトリを使用することで、JRMP上のRMIコネクタのセキュリティを向上できます。

ノート:

JMXには、RMIを介してサーバーにデシリアライズ・パラメータとして送信できるクラスのセットを制限する組込みフィルタがあります。com.sun.management.jmxremote.serial.filter.pattern管理プロパティを使用して、$JAVA_HOME/conf/management/management.propertiesファイルにフィルタのパターンを指定します。詳細は、『Java Platform, Standard Editionコア・ライブラリ』「ビルトイン・フィルタ」を参照してください。

ユーザー定義プロトコル

JMX Remote APIでは、すべてのプロトコル用のコネクタは定義していません。JMX Remote APIに定義されていないプロトコルを基にしたコネクタを実装できます。たとえば、HTTP/Sを使用するプロトコルを基にしたコネクタを実装できます。JMX仕様では、ユーザー定義プロトコルを基にしたコネクタの実装方法について説明しています。