CORBAの互換性情報 - J2SE 5.0

J2SE 1.4.xとJ2SE 5.0.xの間でのCORBA APIの変更
J2SE 5.0.xでのCORBAサポートの公式仕様
その他の互換性情報

J2SE 1.3とJ2SE 5.0の間でのCORBA APIの変更

このドキュメントでは、CORBAの機能に関連してJDK 1.3と5.0の間で変更されたすべてのAPIについて情報を提供します。この変更は、JDK 5.0に組み込まれるCORBA技術用のAPIを、次に示すOMGドキュメントに規定されているCORBA 2.3マッピングに準拠させるために行われたものです。

CORBA 2.3.1 (formal/99-10-07)
IDLからJava言語へのマッピング(ptc/00-01-08)
JavaからIDL言語へのマッピング(ptc/00-01-06)
Interoperable Naming Service (/ptc/00-08-07)
ポータブル・インタセプタ(ptc/2001-03-04)

`org.omg.COSNaming`クラスでのAPIの変更

CORBAバージョン2.3仕様で規定されているIDLからJavaへのマッピングに準拠するため、次に示すorg.omg.COSNamingクラスを、JDKに同梱されているidljコンパイラで再生成しました。この変更(CCC 4284015)には、次のようなAPIの変更が含まれます。互換性への影響: なし。

CORBA V (2.3)のセクション1.5.2にあるすべてのHelperに関する仕様(ptc/00-01-08.pdf)に準拠するため、Helperはすべてabstract publicクラスになりました。次に、org.omg.CosNamingに属するクラスでabstract publicクラスに変更されたすべてのHelperクラスを示します。
- BindingHelper.java
- BindingIteratorHelper.java
- BindingListHelper.java
- BindingTypeHelper.java
- IStringHelper.java
- NameComponentHelper.java
- NameHelper.java
- NamingContextHelper.java
- AlreadyBoundHelper.java
- CannotProceedHelper.java
- InvalidNameHelper.java
- NotEmptyHelper.java
- NotFoundHelper.java
- NotFoundReasonHelper.java
セクション1.7にあるOMG仕様(ptc/00-01-08.pdf)の「Mapping for Enum」に準拠するため、次に示すEnumコンストラクタのマッピングがprotectedに変更されました。

クラス変更前変更後

BindingType.java private BindingType(int) protected BindingType(int)

NotFoundReason.java private NotFoundReason(int) protected NotFoundReason(int)

クラス	変更前	変更後
`BindingType.java`	private BindingType(int)	protected BindingType(int)
`NotFoundReason.java`	private NotFoundReason(int)	protected NotFoundReason(int)

CORBA 2.3仕様(ptc/00-01-08.pdf)の「Deletion of constructors in Stub classes」に準拠するため、次に示すコンストラクタが削除されました。

クラス	変更前	変更後
`_BindingIteratorStub.java`	public _BindingIteratorStub(org.omg.CORBA.portable.Delegate d)	このコンストラクタは削除。
`_NamingContextStub.java`	public _NamingContextStub(org.omg.CORBA.portable.Delegate d)	このコンストラクタは削除。

CORBA 2.3仕様(ptc/00-01-08.pdf)に準拠するため、次に示す例外が変更されました。

クラス	変更前	変更後
`AlreadyBound.java`	public final class AlreadyBound extends org.omg.CORBA.UserException implements org.omg.CORBA.portable.IDLEntity	public final class AlreadyBound extends org.omg.CORBA.UserException
`AlreadyBound.java`	デフォルト・コンストラクタのみ	新しいコンストラクタpublic AlreadyBound (String reason)を追加
`CannotProceed.java`	public final class CannotProceed extends org.omg.CORBA.UserException implements org.omg.CORBA.portable.IDLEntity	public final class CannotProceed extends org.omg.CORBA.UserException
`CannotProceed.java`	デフォルト・コンストラクタのみ	新しいコンストラクタpublic CannotProceed (String reason)を追加
`InvalidName.java`	public final class InvalidName extends org.omg.CORBA.UserException implements org.omg.CORBA.portable.IDLEntity	public final class InvalidName extends org.omg.CORBA.UserException
`InvalidName.java`	デフォルト・コンストラクタのみ	新しいコンストラクタpublic InvalidName (String reason)を追加
`NotEmpty.java`	public final class NotEmpty extends org.omg.CORBA.UserException implements org.omg.CORBA.portable.IDLEntity	public final class NotEmpty extends org.omg.CORBA.UserException
`NotEmpty.java`	デフォルト・コンストラクタのみ	新しいコンストラクタpublic NotEmpty (String reason)を追加
`NotFound.java`	public final class NotFound extends org.omg.CORBA.UserException implements org.omg.CORBA.portable.IDLEntity	public final class NotFound extends org.omg.CORBA.UserException
`NotFound.java`	デフォルト・コンストラクタのみ	新しいコンストラクタpublic NotFound (String, org.omg.CosNaming.NamingContextPackage.NotFoundReason, org.omg.CosNaming.NameComponent[])を追加

CORBA 2.3仕様に準拠するため、次に示すクラスが追加されました。
- NamingContextPOA.java
- BindingIteratorPOA.java
CORBA 2.3仕様に準拠するため、次に示すクラスが非推奨になりました。
- _NamingContextImplBase.java
- _BindingIteratorImplBase.java

`org.omg.CORBA`クラスでのAPIの変更

OMG仕様99-07-57「IDL to Java mapping」に準拠するため、次に示すメソッドが変更されました。
- メソッドorg.omg.CORBA.Any.insert_fixed(java.math.BigDecimal、org.omg.CORBA.TypeCode)のシグニチャが、例外org.omg.CORBA.Bad_INV_ORDERをスローするように変更されました。ユーザーのコードでシステム例外を宣言する必要はありません。(CCC 4340915)
- メソッドTypeCode.equivalentがabstractとして定義されています。変更前: NO_IMPLEMENT例外をスローしました。互換性への影響: ライセンシには最小限の影響がありますが、エンド・ユーザーには影響がありません。ライセンシは、このメソッドのダミー実装を提供する必要があります。(CCC 4340932)
- メソッドTypeCode.get_compact_typecodeがabstractとして定義されています。変更前: NO_IMPLEMENT例外をスローしました。互換性への影響: ライセンシには最小限の影響がありますが、エンド・ユーザーには影響がありません。ライセンシは、このメソッドのダミー実装を提供する必要があります。(CCC 4340932)
- org.omg.CORBA.portable.Delegate.javaのメソッドget_interface_def(org.omg.CORBA.Object)のマッピングがabstractとして定義されています。互換性への影響: はい。非abstractメソッドがabstractに変換されます。(CCC 4366071)
- org.omg.CORBA.portable.OutputStream.javaのメソッドwrite_Principal()のマッピングがabstractではなくなりました。互換性への影響: いいえ。abstractメソッドが非abstractに変換されます。(CCC 4366072)
- org.omg.CORBA.portable.InputStream.javaのメソッドread_Principal()のマッピングがabstractではなくなりました。互換性への影響: なし。abstractと宣言されていたメソッドがabstractでなくなっても、既存のバイナリとの互換性は影響を受けません。(CCC 4366074)
CORBA 2.3仕様に準拠するため、org.omg.DomainManagerOperationsインタフェースはorg.omg.CORBA.Objectを拡張したものではなくなりました。互換性への影響: なし。DomainManagerOperationsインタフェースを直接に使用するCORBAプログラムはありません。プログラムはDomainManagerOperationsインタフェースをDomainManagerインタフェースを介して使用する必要があり、そのインタフェースはすでにorg.omg.CORBA.Objectを拡張したものとなっています。(CCC 4340907)
次に示すクラスは、abstractとして宣言されており、privateコンストラクタはなくなりました。(CCC 4372196)
- org.omg.CORBA.ServiceDetailHelper
- org.omg.CORBA.ServiceInformationHelper
セクション1.15.2の「IDL to Java」仕様に準拠するため、次に示すorg.omg.CORBAファイルにあるデフォルト・コンストラクタのjavadocコメントがCOMPLETED_MAYBEからCOMPLETED_NOに変更されました。互換性への影響: なし。(CCC 4363355)
- INTERNAL.java
- INVALID_TRANSACTION.java
- INV_OBJREF.java
org.omg.CORBA内の次のHelperクラスは、public finalからpublic abstractに変更され、Helperクラスのデフォルト・コンストラクタが削除されました。この変更は、CORBA 2.3.1で定義されているORBコア仕様と、ptc/00-01-08で定義されているIDL/Java言語マッピングに準拠するために行われました。互換性への影響: 最小限。OMG IDL/Java言語マッピング仕様に定義されているとおりHelperクラスが「abstract」になったため、Helperクラスのインスタンスを生成していた以前のアプリケーションでは問題を起こします。しかし、Helperクラスに含まれているのはstaticメソッドのみなので、アプリケーションでHelperクラスのインスタンスを生成しても意味がありません。(CCC 4364208)
- AnySeqHelper.java
- BooleanSeqHelper.java
- CharSeqHelper.java
- DoubleSeqHelper.java
- FloatSeqHelper.java
- LongLongSeqHelper.java
- LongSeqHelper.java
- OctetSeqHelper.java
- ShortSeqHelper.java
- StringValueHelper.java
- ULongLongSeqHelper.java
- ULongSeqHelper.java
- UShortSeqHelper.java
- WCharSeqHelper.java
- WStringValueHelper.java
最近承認されたOMG問題3015 (新しいクラスAbstractInterfaceDefをインタフェース・リポジトリ・クラスに追加する)に準拠するため、次のような新しい定数をorg.omg.CORBA.DefinitionKindに追加しました。互換性への影響: なし。(CCC 4367601)
- _dk_AbstractInterface=24。インタフェース・リポジトリ・オブジェクトがabstractオブジェクトを表していることを示す定数です。
- public static final DefinitionKind dk_AbstractInterface = new DefinitionKind(_dk_AbstractInterface)。これは、DefinitionKindのstaticインスタンスで、インタフェース・リポジトリ・オブジェクトがabstractインタフェースを表していることを示します。
次に示すタイプ・コード用のorg.omg.CORBA APIが、OMG仕様に準拠するように変更されました。これらのクラスはすべて、org.omg.CORBAパッケージに含まれています。互換性への影響: はい。詳細は、下記のそれぞれの変更内容を参照してください。(CCC 4368800)
- Typecodeのメソッドfixed_digits、fixed_scale、member_visibility、type_modifiedおよびconcrete_base_typeがconcreteからabstractに変更されました。タイプ・コードは、常にORBの実装者によって実装されます。また、ORBユーザーがサブクラス化することはないため、この変更がユーザーに影響することはありません。
- TCKind.from_intは、非チェック例外BAD_PARAMをスローすることがなくなりました。BAD_PARAMは非チェック例外なので、この例外を削除しても、コンパイル時にユーザーのコードに影響はありません。
- Principalは、メソッドのあるconcreteクラスに変更され、abstractメソッドのあるabstractクラスからNO_IMPLEMENTをスローするようになりました。Principalは非推奨で、ほとんど使用されることはありません。いずれにしても、このクラスをユーザーがサブクラス化することはほとんどなく、通常はORBの実装者が完全に実装します。
- extract_StreamableメソッドがAnyに追加されました。メソッドの追加は互換性に影響を与えません。
- Any.insert_object(object, Typecode)が、BAD_PARAMをスローするように変更されました。BAD_PARAMは非チェック例外なので、この例外を追加しても、コンパイル時にユーザーのコードに影響はないはずです。
- Anyのメソッドinsert_Streamable、extract_Principal、およびinsert_Principalが、abstractではなくなりました。AnyはORBの実装者によって完全に実装され、ORBユーザーがサブクラス化することはないため、これはユーザーに影響しないはずです。
- Anyのメソッドextract_valueおよびinsert_valueが、abstractに変更されました。AnyはORBの実装者によって完全に実装され、ORBユーザーがサブクラス化することはないため、これはユーザーに影響しないはずです。
Identifierフィールドがorg.omg.CORBA.Initializerに追加されました。互換性への影響: なし。(CCC 4372194)
ptc/00-01-08.pdfに準拠するため、次のクラスが変更されました。
- org.omg.CORBA.ORBPackage.InvalidName.javaはfinalとして宣言されています。互換性への影響: はい。InvalidNameはfinalとして宣言されているため、このクラスをサブクラス化しているソース・コードに影響があります。ただし、これは例外の型なので、そのようなコーディングは想定されていません。(CCC 4366734)
- org.omg.stub.java.rmi._Remote_Stub.javaは、_type_idsのコピーを返します。そのため、外部のユーザーは元のtype_ids_配列を分解できません。(CCC 4366734)
- org.omg.CORBA.SetOverrideType内のfrom_int(Int i)メソッドは、例外BAD_PARAMをスローしないようになりました。互換性への影響: いいえ。非チェック例外の宣言を削除したので、互換性の問題は起きません。(CCC 4369490)
- org.omg.CORBA.DefinitionKindのfrom_int(Int i)メソッドは、例外BAD_PARAMをスローしないようになりました。互換性への影響: いいえ。(CCC 4370659)
- org.omg.CORBA.DynamicImplementationは、Portable Object Adapter (POA)のために、OMGによって非推奨になりました。デフォルトの呼出し本体が提供されます。互換性への影響: いいえ。このクラスの実装者に影響はありません。(CCC 4369490)
エラーを修正するため、次のクラスが変更されました。互換性への影響: いいえ。(CCC 4362556)
- HelperおよびHolderクラスがUnknownUserException.javaに追加されました。互換性への影響はありません。
- HelperおよびHolderクラスがWrongTransaction.javaに追加され、このクラスはfinalとして宣言されるようになりました。互換性への影響はありません。
- CompletionStatus.javaはfinalとして宣言されるようになりました。また、IDLEntityを実装しなくなり、privateコンストラクタに変更されました。BAD_PARAM RuntimeExceptionがfrom_intによって明示的にスローされることがなくなりました。互換性への影響: はい。新しいCompletionStatus.javaクラスを使用して記述する新規コードでは、BAD_PARAM実行時例外を明示的にキャッチする必要がありません。そのコードを以前のバージョンのJDKで再コンパイルすると、コンパイル時にエラーが起きます。これらの変更は、JCKリグレッション(4375061)のために元に戻されました。代わりに、OMG問題が登録されました(http://www.omg.org/issues/java-rtf.html#Issue3946)。
- INV_POLICY.javaがfinalとして宣言されるようになりました。互換性への影響はありません。
ポータブル・インタセプタが追加されたため、既存のCORBA APIに新しいメソッドを追加することと、IDLのtypedefから4つの新しいクラスを生成することが必要になりました。互換性への影響: なし。これらの変更はすべて追加です。(CCC 4379826)
- register_initial_referenceがpublic class org.omg.CORBA.ORBに追加されました。
- 新しいクラスorg.omg.CORBA.StringSeqHelperが2つのIDL typedefに追加されました。
- 新しいクラスorg.omg.CORBA.StringSeqHolderが2つのIDL typedefに追加されました。
- 新しいクラスorg.omg.CORBA.WStringSeqHelperが2つのIDL typedefに追加されました。
- 新しいクラスorg.omg.CORBA.WStringSeqHolderが2つのIDL typedefに追加されました。

javax.rmi.CORBAクラスでのAPIの変更

OMGのAPI仕様に準拠するため、javax.rmi.CORBAに次のような変更を加えました。

javax.rmi.CORBA.Stubのprotectedコンストラクタを削除しました。互換性への影響: なし。(CCC 4366722)
OMG仕様00-01-06.pdfに準拠するため、jaxax.rmi.CORBA.ClassDescコンストラクタを削除しました。(CCC 4366734)

API以外の変更

JDK 5.0には、次のようなAPI以外の変更も実装されています。

リポジトリIDの計算が修正されました。互換性への影響: はい。ORBのバージョン管理サポートが追加されたため、JDK 1.3 ORBとの相互運用が可能で、下位互換性が維持されています。また、他のベンダーのORBとの相互運用も可能です。(CCC 4365188)
最近承認されたOMG問題3015に準拠するため、インタフェース・リポジトリ関連のバージョン・プラグマをすべて、org.omg.CORBA.ir.idlの外に取り出しました。さらに、org.omg.CORBAに組み込んだ少数のIRインタフェースのリポジトリID値も変更しました。たとえば、IDLTypeHelperでは、
private static String_id = "IDL:omg.org/CORBA/IDLType:2.3";
を、次のように変更しました。
private static String_id = "IDL:omg.org/CORBA/IDLType:1.0";

互換性への影響: はい。この変更は、既存の実装との相互運用性に影響を与えることがあります。COMM_FAILURE例外(または類似の例外)を受け取った場合は、アプリケーションおよびIRを再起動してください。(CCC 4372718)
すべてのorg.omg.*パッケージ・ファイルに@serial excludeタグが追加されました。そのため、JAVADOCは、直列化の仕様についてパッケージ全体を無視することになります。Object Management Group (OMG)からは、異なるバージョン間での直列化の互換性については何も要求が出されていません。実用上は、org.omgクラスを1つのバージョンで直列化した後、別のバージョンで直列化解除するといった処理は行われることがありません。互換性への影響: なし。(CCC 4394004)
POAのサポートのため、idljコンパイラの引数が変更されました。POAは、Merlinで導入されたCORBAの新機能です。idljツールの引数に対する変更には、次のようなものがあります。
- ドキュメント化されていない-poaフラグが削除されました。
- 標準のPOAベース・スケルトンの生成がデフォルトで有効にされるようになりました。
- 新しいフラグとして-oldImplBaseが追加されました。これにより、下位互換性のあるスケルトン(JDK 1.2および1.3と互換性がある)を生成できます。
互換性への影響: はい。このコンパイラを使用する既存のプログラムに対してidljを呼び出すときに互換性を維持するには、-oldImplBaseフラグを追加する必要があります。(CCC 4407835)

新規API

JDK 5.0には、次のような新しいAPIが追加されました。

PortableInterceptor APIが追加されました。テスト・プランでは、間違った仕様ptc/2000-04-05が参照されていました。機能リストでは、別の間違った仕様orbos/99-12-02が参照されていました(ptc/2000-04-05は、形式が変更されたこと以外はorbos/99-12-02と同じ)。この新規APIの正しい仕様参照は、http://www.omg.org/cgi-gin/doc?ptc/2001-03-04です。CCC 4307834に、ptc/2000-04-05に対する変更と追加のリストが含まれています。互換性への影響: なし。これは新機能なので、これを使用している既存のコードはありません。
ポータブル・インタセプタが追加されたため、publicインタフェースorg.omg.PortableServer.POAに新しいメソッドidが必要になりました。

J2SE 5.0でのCORBAサポートの公式仕様

仕様の参照

Java 2 Platform Standard Edition (J2SE) 5.0 ORBのコンパイル時に適用される仕様は次のとおりです。これらのリンクから正しい仕様を参照できない場合は、OMGがURLを変更した可能性があるので、正しい仕様を検索するためにwww.omg.orgにリンクしてかまいません。

CORBA 2.3.1 (formal/99-10-07)
IDLからJava言語へのマッピング(ptc/00-01-08)
改訂されたIDLからJava言語へのマッピング(ptc/00-11-03)
JavaからIDL言語へのマッピング(ptc/00-01-06)
Interoperable Naming Service (ptc/00-08-07)
ポータブル・インタセプタ(ptc/2001-08-31)

上記に記載したのは、このドキュメントで参照されている仕様だけです。

サポートされている仕様の詳細

J2SE 5.0のORBでは、現在のところ、上記の仕様のすべてが実装されているわけではありません。サポートされているセクションは次のとおりです。

CORBA 2.3.1の第1 - 3章および第6 - 9章
改訂されたIDLからJava言語へのマッピング、セクション1.21.8.2、orb.propertiesファイル。
CORBA 2.3.1の第4章。ただし、一部の内容が、ポータブル・インタセプタ仕様の次のセクションで置き換えられています。
- セクション4.2.3.5 destroy
- セクション4.5.2 CodeFactoryおよびPICurrentが必要
- register_initial_referenceの更新としてのセクション4.5.3.4
CORBA 2.3.1の第5章。ただし、ポータブル・インタセプタ仕様の次のセクションの更新が優先されます。
- 5.5.2 StringSeqおよびWStringSeqが必要です。これにより、次のクラスがorg.omg.CORBAに追加されます。
- - StringSeqHolder
  - StringSeqHelper
  - WStringSeqHolder
  - WStringSeqHelper
CORBA 2.3.1のセクション10.6.1および10.6.2 (リポジトリIDに対してサポートされる)。
CORBA 2.3.1のセクション10.7 (TypeCode APIに対して)。
CORBA 2.3.1の第11章「Portable Object Adapter (POA)」。ただし、ポータブル・インタセプタ仕様の次のセクションの更新が優先されます。
- セクション11.3.7。POAはすべてのポリシーを保持しなければならない
- セクション11.3.8.2。POAはすべてのポリシーを保持しなければならない
- セクション11.3.8.26。POA::idが必要。
CORBA 2.3.1の第13章および第15章(GIOP 1.0、1.1、および1.2の定義)。J2SE 5.0のORBでは、すべてのバージョンのGIOPが完全にサポートされますが、セクション15.8および15.9で定義されている双方向GIOP機能は例外的にサポートされません。
Interoperable Naming Serviceの仕様はすべてサポートされています。
ポータブル・インタセプタ・セクション13.8 (新しいCoderおよびDecoderインタフェース)と、第21章全体(インタセプタの仕様)。
改訂されたIDLからJava言語へのマッピング仕様(ptc/00-11-03)のセクション1.21.8は、IDLからJava言語へのマッピング仕様(ptc/00-01-08)の内容から変更されました。

ツール

IDLからJavaへのコンパイラ(idlj)は、次に準拠しています。
- CORBA 2.3.1の第3章(IDLの定義)
- CORBA 2.3.1の第5章および第6章(Value型のセマンティックス)
- CORBA 2.3.1のセクション10.6.5 (プラグマ)
- IDLからJavaへのマッピング仕様
- 改訂されたIDLからJavaへのマッピング仕様のセクション1.12.1「local interfaces」
JavaからIDLへのコンパイラ(rmicのIIOPバックエンド)は、次の仕様に準拠しています。
- CORBA 2.3.1の第5章および第6章(Value型)
- JavaからIDL言語へのマッピング仕様。IDLからJava言語へのマッピング仕様のセクション1.21を暗黙的に参照
- -idlフラグを指定して生成されるIDLは、CORBA 2.3.1の第3章に準拠しています。

その他の互換性情報

java.util.Calendarクラスは、RMI-IIOPを使用すると、J2SE 1.3.xとJ2SE 5.0の間で相互運用性がありません。この点はOMG問題3151で解決される予定ですが、それが実装されるのはJavaプラットフォームの将来のリリースになる見込みです。
J2SE 5.0バージョンのCalendarのwriteObjectメソッドでは、ZoneInfoオブジェクトを書き出します。同様に、そのオブジェクトを読み取るにはreadObjectメソッドを呼び出します。古いバージョンと対話している場合は、オブジェクトが存在しないため、ストリームはJavaオブジェクト直列化仕様に基づきEOFExceptionをスローします。ストリームの位置は変わりません。

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