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Oracle® Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス
11gリリース2(11.2)
B56270-05
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REPORT

用途

REPORTコマンドを使用すると、RMANリポジトリの詳細分析を実行できます。RMANは、レポートを標準出力またはメッセージ・ログ・ファイルに書き出します。


関連項目:

RMANレポートの作成方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

前提条件

このコマンドは、RMANプロンプトでのみ実行してください。次のいずれかの条件が満たされている必要があります。

  • RMANがターゲット・データベースに接続されている必要があります。

  • RMANはリカバリ・カタログに接続され、SET DBIDが実行されている必要があります。

セマンティクス

report

この句では、レポートのタイプを指定します。

構文要素 説明
needBackupOption
バックアップの必要なファイルをリストします。

関連項目: needBackupOptionを参照してください。

OBSOLETE obsOperandList RMANリポジトリに記録され、不要になったために削除できる全体バックアップ、データファイルのコピーおよびアーカイブREDOログ・ファイルをリストします。出力の説明は、表3-6を参照してください。このコマンドは、次の2つの手順で使用します。
  1. バックアップされているデータファイルごとに、RMANでは、保存方針に従って不要とされていない最も古い全体バックアップ、レベル0のバックアップまたはイメージ・コピーが識別されます。この手順で識別されたバックアップまたはイメージ・コピーよりも古いデータファイルのバックアップは、すべて不要とみなされます。

  2. 不要ではない最も古い全体バックアップよりも古いアーカイブREDOログ・ファイルおよびレベル1の増分バックアップは、すべて不要とみなされます。これらのファイルは、適用可能な全体バックアップまたはレベル0のバックアップが存在しないため不要となります。レベル1の増分バックアップまたはアーカイブREDOログ・ファイルは、不要とされていないレベル0のバックアップや全体バックアップに適用可能であれば、不要とみなされません。

副次句obsOperandListには、RMANで不要と判断するために使用する条件を記述します。obsOperandListでパラメータを指定しなければ、RMANでは、CONFIGURE RETENTION POLICYで指定したオプションが使用されます(例3-16を参照)。このオプションをDEVICE TYPEと併用すると、RMANでは指定したデバイスで作成されたバックアップとコピーのみが考慮されます。保存方針が無効化されている場合、RMANはどのバックアップも不要とみなしません。したがって、他のオプションを指定しないでREPORT OBSOLETEを実行し、保存方針がNONEに指定されている場合に、RMANはエラーを発行します。

注意: KEEP UNTIL TIME句を使用して作成したバックアップは、構成済の保存方針の設定に関係なく、KEEP時間を過ぎると不要とされます。

SCHEMA 指定時点でのターゲット・データベースのすべてのデータファイル(永続および一時)と表領域の名前をリストします。出力の説明は、表3-1を参照してください。

forDbUniqueNameOptionが指定されていないREPORT SCHEMAの場合、ターゲット・データベース接続は必須ですが、リカバリ・カタログ接続はオプションです。

   forDbUniqueNameOption
DB_UNIQUE_NAMEで指定したデータベースのすべてのデータファイルと表領域の名前をレポートします。

データベースはdb_unique_nameで指定できますが、ALLを使用すると、特定のDBIDについてカタログに記録されている一意の名前のデータベースをすべて指定できます。リカバリ・カタログ内のデータベースは、DBIDおよびDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値によって一意に識別されます。

RMANは、リカバリ・カタログに接続している必要があります。RMANがターゲット・データベースに接続され、SET DBIDが実行されている必要があります。

関連項目: この句のオプションについては、forDbUniqueNameOptionを参照してください。

   atClause
SCN、ログ順序番号または時間を指定します。
UNRECOVERABLE reportObject リカバリ不能なすべてのデータファイルをリストします。出力の説明は、表3-7を参照してください。

データファイルの最後のバックアップ以降に、データファイル内のオブジェクトに対してリカバリ不能操作が実行されると、そのデータファイルはリカバリ不能とみなされます。リカバリ不能操作では、REDOは生成されません。例は、表データのダイレクト・ロードとNOLOGGINGオプションを使用した更新です。

注意: データファイルのバックアップのいずれかが存在しないということのみでは、リカバリ不能とみなされる理由にはなりません。このようなデータファイルは、ファイルの作成時以降のREDOログが存在していれば、CREATE DATAFILEコマンドを使用してリカバリできます。


   DEVICE TYPE
   deviceSpecifier
ストレージ・デバイスのタイプを指定します。RMANは、レポート用に指定したデバイスに存在しているバックアップとコピーのみを使用可能とみなします。

needBackupOption

この句は、バックアップの必要なファイルに関してのみレポートを行います。

構文要素 説明
NEED BACKUP 新しいバックアップが必要で、指定したreportObjectにあるすべてのデータファイルをリストします。

レポートは、最新のバックアップをリストアすることを前提としています。オプションを指定しなければ、RMANは現行の保存方針の構成を使用します。保存方針が無効化されている場合(CONFIGURE RETENTION POLICY TO NONE)、RMANはエラーを生成します。

   DAYS integer 完全なリカバリのために、指定した日数より多くのアーカイブREDOログ・ファイルを必要とするすべてのデータファイルをリストします。たとえば、REPORT NEED BACKUP DAYS 7 DATABASEでは、リカバリに7日間分より多くのアーカイブREDOログ・ファイルが必要なデータファイルが表示されます。出力の説明は、表3-2を参照してください。

ターゲット・データベースの制御ファイルがマウントされている現行ファイルである場合、RMANはこのレポートに次のような最適化を行います。

  • オフラインであって、最新のバックアップにすべての変更内容が保存されているファイルは含まれません。

  • 以前はオフラインであったが、現在はオンラインであり、最新のバックアップにオフラインのときまでのすべての変更内容が保存されているファイルは、オンラインの期間が指定した日数を超えている場合にかぎり、レポートに含まれます。

   INCREMENTAL integer リカバリに必要な増分バックアップのしきい値を指定します(例3-15を参照)。データファイルの完全リカバリにintegerで指定した数より多くの増分バックアップが必要な場合、データファイルには新規の全体バックアップが必要になります。出力の説明は、表3-3を参照してください。

注意: バックアップが存在しないファイルはこのリストには表示されません。それらを表示するには、REPORT NEED BACKUP REDUNDANCYコマンドを発行します。


RECOVERY WINDOW
OF integer DAYS
指定した日数の期間、リカバリ期間ベースの保存方針を満たすための十分なバックアップがないデータファイル、つまりSYSDATE - integerの任意の時点までPoint-in-Timeリカバリを行うための十分なバックアップがないデータファイルです。出力の説明は、表3-4を参照してください。
   REDUNDANCY integer データファイルをバックアップが必要ない範囲にあるとみなすために必要なバックアップまたはコピーの最小数を指定します。つまり、データファイルのバックアップまたはコピーがintegerより少ない場合、このファイルにはバックアップが必要です。たとえば、REDUNDANCY 2は、データファイルのバックアップまたはコピーが2つ未満の場合は、新しいバックアップが必要であることを意味します。出力の説明は、表3-5を参照してください。
reportObject
レポートを生成するオブジェクトを指定します。

reportObject

この副次句では、レポートに含めるデータファイルを指定します。レポートには、データベース全体(必要に応じて、特定の表領域をスキップ)または表領域のリスト、データファイルのリストを含めることができます。RMANには以前のインカネーションからのオブジェクトが含まれます。

構文要素 説明
DATABASE データベースにある全ファイルのバックアップまたはデータファイルのコピーをリストします。

注意: DATABASE指定から特定の表領域を除外できるように、SKIP TABLESPACE tablespace_nameを指定します。

DATAFILE datafileSpec 指定したデータファイルをリストします。RMANは、指定したデータファイルを少なくとも1つ含むバックアップまたはデータファイルのコピーについてレポートを作成します。
TABLESPACE tablespace_name 指定した表領域にあるデータファイルをリストします。RMANは、指定した表領域のデータファイルを1つ以上含むバックアップまたはデータファイルのコピーについてレポートを作成します。

atClause

この副次句では、時刻、SCNまたはログ順序番号で特定の時点を指定します。AT句を使用してREPORT SCHEMAコマンドを発行するときは、リカバリ・カタログに接続している必要があります。

構文要素 説明
AT SCN integer SCNを指定します。
AT SEQUENCE integer ログ順序番号を指定します。この整数は、指定したログが最初にオープンされた時刻を示します。
   THREAD integer REDO THREAD番号を指定します。この整数は、スレッドが最初にオープンされた時刻を示します。
AT TIME 'date_string' 日付を指定します(例3-14を参照)。NLS_LANGおよびNLS_DATE_FORMAT環境変数で時刻の書式を指定します。

レポート出力

出力で表示される情報については、次の表を参照してください。

表3-1 データベース・スキーマのレポート

指定対象

File

絶対データファイル番号。

Size(MB)

MB単位のファイル・サイズ。

Tablespace

表領域名。

RB segs

データファイル専用。表領域にロールバック・セグメントがある場合はYES、ない場合はNOです(リカバリ・カタログに接続されている場合のみ)。RMANをカタログに接続していない場合、***が表示されます。

Datafile Name

永続データファイル専用。データファイルのファイル名。

Maxsize(MB)

一時ファイル専用。一時ファイルの最大サイズ。

Tempfile Name

一時ファイル専用。一時ファイルのファイル名。


表3-2 n日分より多くのアーカイブ・ログがリカバリ用に必要なファイルのレポート

指定対象

File

n日分より多くのアーカイブREDOログ・ファイルがリカバリ用に必要であるデータファイルの絶対ファイル番号。

Days

リカバリ用に必要なアーカイブREDOデータの日数。

Name

データファイルの名前。


表3-3 nより多くの増分がリカバリ中に必要なファイルのレポート

指定対象

File

nより多くの増分が完全リカバリのために必要なデータファイルの絶対ファイル番号。

Incrementals

完全リカバリのために必要な増分バックアップの数。

Name

データファイルの名前。


表3-4 n日のリカバリ期間を満たすようにバックアップを行う必要があるファイルのレポート

指定対象

File

n日のリカバリ期間を満たすようにバックアップを行う必要があるデータファイルの絶対ファイル番号。

Days

完全リカバリのために必要な日数。

Name

バックアップを必要とするデータファイルの名前。


表3-5 n未満の冗長度のバックアップしかないファイルのレポート

指定対象

File

n未満の冗長度のバックアップしかないデータファイルの絶対データファイル番号。

#bkps

このファイルに対して存在しているバックアップの数。

Name

ファイルの名前。


表3-6 不要なバックアップとコピーのレポート

指定対象

Type

オブジェクトがバックアップ・セットか、バックアップ・ピースか、プロキシ・コピーかまたはデータファイルのコピーかの区分。

Key

ターゲット・データベースの制御ファイルでこのバックアップを識別する一意のキー。

Completion Time

バックアップまたはコピーを取った時刻。

Filename/handle

バックアップまたはデータファイルのコピーのファイル名またはメディア・ハンドル。


表3-7 リカバリ不能操作が原因でバックアップが必要となったファイルのレポート

指定対象

File

リカバリ不能操作のために新しいバックアップが必要となったデータファイルの絶対番号。

Type Of Backup Required

FULLまたはINCREMENTAL(このファイル内のすべてのデータのリカバリ可能性を保証するために必要なバックアップのタイプによる)。FULLの場合、全体バックアップ、レベル0のバックアップまたはデータファイルのコピーを作成します。INCREMENTALの場合、全体バックアップまたは増分バックアップも満たします。

Name

データファイルの名前。


例3-14 データベース・スキーマのレポート

リカバリ・カタログが必要なこの例では、20分前のすべてのデータファイルの名前と表領域をレポートします。

RMAN> REPORT SCHEMA AT TIME 'sysdate-20/1440';

Report of database schema for database with db_unique_name PROD
 
List of Permanent Datafiles
===========================
File Size(MB) Tablespace           RB segs Datafile Name
---- -------- -------------------- ------- ------------------------
1    450      SYSTEM               YES     /disk1/oradata/prod/system01.dbf
2    197      SYSAUX               YES     /disk1/oradata/prod/sysaux01.dbf
3    20       UNDOTBS              YES     /disk1/oradata/prod/undotbs01.dbf
4    10       CWMLITE              YES     /disk1/oradata/prod/cwmlite01.dbf
5    10       DRSYS                YES     /disk1/oradata/prod/drsys01.dbf
6    10       EXAMPLE              YES     /disk1/oradata/prod/example01.dbf
7    10       INDX                 YES     /disk1/oradata/prod/indx01.dbf
8    10       TOOLS                YES     /disk1/oradata/prod/tools01.dbf
9    10       USERS                YES     /disk1/oradata/prod/users01.dbf
 
List of Temporary Files
=======================
File Size(MB) Tablespace           Maxsize(MB) Tempfile Name
---- -------- -------------------- ----------- --------------------
1    40       TEMP                 32767       /disk1/oradata/prod/temp01.dbf

例3-15 増分バックアップが必要なデータファイルのレポート

この例では、データベース内のデータファイルのうち、現行の状態にリカバリするために1つ以上の増分バックアップの適用が必要なすべてのデータファイルをレポートします。

RMAN> REPORT NEED BACKUP INCREMENTAL 1;
 
Report of files that need more than 1 incrementals during recovery
File Incrementals Name
---- ------------ ----------------------------------------------
1    2            /disk1/oradata/prod/system01.dbf
2    2            /disk1/oradata/prod/sysaux01.dbf
3    2            /disk1/oradata/prod/undotbs01.dbf
4    2            /disk1/oradata/prod/cwmlite01.dbf
5    2            /disk1/oradata/prod/drsys01.dbf
6    2            /disk1/oradata/prod/example01.dbf
7    2            /disk1/oradata/prod/indx01.dbf
9    2            /disk1/oradata/prod/users01.dbf

例3-16 不要なバックアップとコピーのレポート

次の例では、現在の保存方針に従って冗長とみなされる不要なバックアップとコピーをレポートします。保存方針は冗長度1に設定されています。

RMAN> REPORT OBSOLETE;

RMAN retention policy will be applied to the command
RMAN retention policy is set to redundancy 1
Report of obsolete backups and copies
Type                 Key    Completion Time    Filename/Handle
-------------------- ------ ------------------ --------------------
Archive Log          1022   19-FEB-07          /disk1/prod/arch/archive1_59_614712405.dbf
Archive Log          1023   19-FEB-07          /disk1/prod/arch/archive1_61_614712405.dbf
Archive Log          1024   19-FEB-07          /disk1/prod/arch/archive1_60_614712405.dbf
Archive Log          1025   19-FEB-07          /disk1/prod/arch/archive1_55_614712405.dbf
Backup Set           1032   19-FEB-07
  Backup Piece       1050   19-FEB-07         
 /disk2/PROD/backupset/2007_02_19/o1_mf_nnndf_TAG20070216T173839_2xnpmp0l_.bkp
Datafile Copy        1073   19-FEB-07         
 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_system_2xmz5l5m_.dbf
Backup Set           1035   19-FEB-07
  Backup Piece       1053   19-FEB-07         
 /disk2/PROD/backupset/2007_02_19/o1_mf_nnndf_TAG20070219T111434_2xnpozym_.bkp
Datafile Copy        1074   19-FEB-07         
 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_sysaux_2xmz6zdg_.dbf
Datafile Copy        1075   19-FEB-07         
 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_undotbs_2xmz7rof_.dbf
Datafile Copy        1076   19-FEB-07         
 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_cwmlite_2xmz7vrg_.dbf
Datafile Copy        1077   19-FEB-07          /disk2/PROD/datafile/o1_mf_drsys_2xmz7wyc_.dbf
Datafile Copy        1078   19-FEB-07         
 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_example_2xmz7y5s_.dbf
Datafile Copy        1079   19-FEB-07          /disk2/PROD/datafile/o1_mf_indx_2xmz81jg_.dbf
Datafile Copy        1081   19-FEB-07          /disk2/PROD/datafile/o1_mf_users_2xmz85vo_.dbf
Datafile Copy        1777   20-FEB-07          /disk2/users01.dbf