Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 11g リリース2 (11.2) for Linux and UNIX Systems B56272-08 |
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この章では、インストールの第2フェーズとして、Oracle Database 11g リリース2(11.2)およびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)をインストールする手順について説明します。第1フェーズでは、ご使用のプラットフォーム用のOracle Grid Infrastructureのインストレーション・ガイドの説明に従って、Oracle Clusterwareのインストールを実行します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Database 11gリリースでは、Oracle Application ExpressがOracle ApplicationオプションではなくOracle Databaseオプションとして提供されています。Oracle Clusterwareのインストール後にOracle Databaseをインストールする場合に、アップグレードする既存のOracle Databaseインストールが存在する場合は、次のOracle Application Expressの要件を確認します。
Oracle Application Expressアプリケーションを参照または開発するには、WebブラウザでJavaScript、HTML 4.0規格およびCSS 1.0規格がサポートされている必要があります。この要件を満たすブラウザは、次のとおりです。
Mozillaバージョン1.7以上
Firefoxバージョン1.0.4以上
Oracle Application Expressを実行するには、Oracle HTTP Serverとmod_plsql
にアクセス可能である必要があります。この要件を満たすバージョンのHTTP Serverおよびmod_plsql
が含まれている製品は、次のとおりです。
Oracle 9i Databaseリリース2(9.2)以上
Oracle 9i Application Serverリリース1(1.0.2.2)以上
Oracle Application Expressで検索可能なオンライン・ヘルプを使用できるように、Oracle Textがインストールされている必要があります。デフォルトでは、Oracle TextはOracle Databaseの一部としてインストールされます。
関連項目: Oracle Textの詳細は、『Oracle Textアプリケーション開発者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Database 11g リリース2(11.2)にアップグレードするには、アップグレードするOracle DatabaseにOracle XML DBがインストールされている必要があります。インストール中に作成された、またはDatabase Configuration Assistant(DBCA)によって作成された事前構成済データベースを使用している場合、Oracle XML DBはすでにインストールおよび構成されています。
関連項目: 既存のデータベースにOracle XML DBを手動で追加する方法の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。 |
この項では、Oracle RACのインストールを開始する前に理解しておく必要のあるOUI機能について説明します。
関連項目: シングル・インスタンスのデータベースをOracle RACに変換する方法については、付録C「シングル・インスタンスのOracle DatabaseからOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換」を参照してください。 |
「インストール・オプションの選択」ページには、次のオプションがあります。
データベースの作成および構成: このオプションを使用すると、特定のシステムのロード要求用に設計された事前構成済データベース・テンプレートを使用してデータベースを作成できます。たとえば、オンライン・トランザクション処理(OLTP)データベース、意思決定支援データベース、データ・ウェアハウス・データベースなどです。
データベース・ソフトウェアのみインストール: Oracle Databaseソフトウェアをインストールしますが、後でデータベース構成を完了する必要があります。
既存のデータベースのアップグレード: 既存のデータベースをアップグレードします。
Oracle Databaseソフトウェアをインストールする場合は、事前構成済データベース・オプションのいずれかを使用するか、構成の選択ページで「詳細」オプションを選択してカスタム初期データベースを構成することをお薦めします。
Oracle Database Vaultをインストールする場合は、次の情報を確認してください。
Oracle Database Vaultには、次のものが必要です。
Oracle Database Enterprise Editionインストール(シングル・インスタンスまたはOracle RAC)
初期化パラメータdb_block_size
の設定(4096以上)
Oracle Enterprise Managerコンソール
実行中のOracle Clusterware(Oracle RAC環境でのインストールの場合)
Oracle Database Vaultのインストール先のデータベース用に構成されたリスナー。新しいリスナー・プロセスがインストール時に起動されるようにするには、Oracle Universal Installerを起動する前に既存のリスナーを停止する必要があります。
oratabファイル(AIXでは/etc/oratab
、SolarisおよびHP-UXでは/var/opt/oracle/oratab
)およびoraInst.loc
ファイル(AIXでは/etc/oraInst.loc
、SolarisおよびHP-UXでは/var/opt/oracle/oraInst.loc
)に対するOracle Database Vaultインストール所有者の書込み権限。この権限は、Oracle Databaseインストールと同じ所有者か、oinstall
グループ・メンバーシップを持つ別のユーザーを使用することで提供されます。
Oracle Databaseの既存のパスワード・ファイル。また、パスワード・ファイルの認証パラメータREMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
をEXCLUSIVE
またはSHARED
に設定しておく必要があります。
REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
パラメータはOracle Database初期化ファイルで設定できます。パスワード・ファイルを作成および管理するには、orapwd
ユーティリティを使用します。
関連項目: パスワード・ファイルの作成および管理方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Database Vaultでは、インストール中に作成可能な2つのアカウントを求められます。Oracle Database Vault所有者アカウントとOracle Database Vaultアカウント・マネージャ・アカウントです。Database Vault所有者のアカウント名およびパスワードは、インストール中に指定する必要があります。これらの2つのユーザー・アカウントには、Oracle Database Vaultロールの名前(DV_OWNERおよびDVACCTMGRなど)を使用しないでください。Oracle Database Vaultアカウント・マネージャの作成は任意です。
関連項目: Oracle Database Vaultのロールをすべて示すリストについては、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Database Vault所有者アカウントには、DV_OWNER
ロールが付与されます。このアカウントでは、Oracle Database Vaultのロールおよび構成を管理できます。
Oracle Database Vault所有者のユーザー名は、2から30文字で指定できます。アカウント・パスワードは、8から30文字で指定できます。
Oracle Database Vault所有者アカウントには、セキュアなパスワードを選択してください。適用されるパスワード制限は、次のとおりです。
パスワードには少なくとも、英字1文字、数字1文字、英数字以外の記号1文字を含める必要があります。
パスワードとアカウント名は異なる必要があります。
パスワードには同じ文字を連続して使用することはできません。
Oracle Database Vaultアカウント・マネージャには、DV_ACCTMGR
ロールが付与されます。このアカウントは、データベース・ユーザー・アカウントの管理に使用されます。Oracle Database Vaultアカウント・マネージャを作成すると、職務を簡単に分離できます。Oracle Database Vaultアカウント・マネージャ・アカウントを作成しない場合、DV_ACCTMGR
ロールはデフォルトでOracle Database Vault所有者アカウントに付与されます。
Oracle Database Vaultアカウント・マネージャのユーザー名は、2から30文字で指定できます。アカウント・パスワードは、8から30文字で指定できます。
Oracle Database Vault所有者と同じパスワード制限が、Oracle Database Vaultアカウント・マネージャにも適用されます。
Oracle Database Vaultは、同じシステムの異なるOracleホームに複数回インストールできます。
リスナーおよびデータベースは、インストールを行ったノード以外のすべてのOracle RACノードで起動する必要があります。Oracle Database Vault Oracle RACインスタンスは、サーバー・コントロール(srvctl
)・ユーティリティを使用して起動および停止する必要があります。Oracle RACインスタンスの起動および停止に、SQL*Plusは使用しないでください。
次に例を示します。
$ORACLE_HOME/bin/lsnrctl start listener_name $ORACLE_HOME/bin/srvctl start instance -d database_name -i instance_name
Oracle Database Vaultは、拡張インストール・オプションでインストールします。DBCAを使用したインストール後にOracle Database Vaultを構成したり、Oracle Database Vaultを構成しないように選択することもできます。
Oracle RACのインストール時にOracle Database Vaultをインストールするには、次の手順を実行します。
Oracle Universal Installerを起動して、拡張インストールを選択します。
「Enterprise Edition」→「オプションの選択」を選択します。
デフォルトのインストール・コンポーネントに加えて、「Oracle Label Security (OLS)」と「Oracle Database Vault」を選択します。
インストールが終了したら、データベースの作成に進みます。
データベースを作成したら、DBCAを起動します。
データベースの構成オプションを選択します。
「OLS」と「Oracle Database Vault」を選択してデータベースを構成します。
必要なOracle Database VaultユーザーIDとパスワードを指定し、構成を続行します。個別のOracle Database Vault管理者を有効にする場合は、DV_ACCTMGRユーザーを構成します。
Oracle RACのインストール後にOracle Database Vaultを構成するには、次の手順を実行します。
Oracle RAC Enterprise Editionデータベースをインストールします。
すべてのデータベース・プロセスを停止します。
次のコマンドを入力します。
$ make -f $ORACLE_HOME/rdbms/lib/ins_rdbms.mk dv_on $ make -f $ORACLE_HOME/rdbms/lib/ins_rdbms.mk ioracle
すべてのOracle RACプロセスを起動します。
DBCAを起動して、「データベースの構成」オプションを選択します。
コンポーネント・リストで、「Oracle Label Security」と「Oracle Database Vault」を選択します。
必要な管理ユーザー・アカウントとパスワードを指定し、構成を続行します。
OUIを起動すると、標準または拡張インストール・タイプを選択できます。
標準インストール・タイプでは、基本的な構成を使用して、Oracle Databaseのデフォルト構成をインストールします。インストール・タイプとして「標準」を選択することをお薦めします。
拡張インストール・タイプはカスタマイズ・インストール用であり、SYS、SYSMAN、SYSTEMおよびDBSNMPアカウントに異なるパスワードが必要な場合、サーバーと異なるデータベース・キャラクタ・セットの使用が必要な場合、製品の言語の変更が必要な場合、その他、非標準の構成が必要な場合など、特定の要件があるときにのみ使用します。
クラスタの複数のノードでOracle RAC One Nodeをインストールできます。Oracle RAC One Nodeインストールは、Oracle RAC One Nodeプール・メンバーとして選択したノードのいずれかで、インスタンスを起動します。そのインスタンスが停止した場合、オンライン・データベース再配置を使用して別のプール・メンバーでそのOracle RAC One Nodeインスタンスが起動されます。オンライン・データベース再配置は、データベース・インスタンスと接続を他のクラスタ・ノードに移行することで高可用性を実現します。
関連項目: Oracle RAC One Nodeの詳細は、『Oracle Database高可用性概要』を参照してください。 |
「汎用目的/トランザクション処理」タイプおよび「データ・ウェアハウス」構成タイプでは、各データベース・タイプに適した事前構成済データベース・テンプレートが使用されます。
インストール中に、OUIによってOracle Network Configuration Assistant(NetCA)およびDBCAが起動され、以降は入力しなくても事前構成済データベースがインストールされます。データベースのインストール中、OUIにプログレス・バーが表示されます。
これら2つの構成タイプのDBCAの処理によって、初期データベースが作成され、Oracleネットワーク・サービスが構成されます。
詳細構成を選択した場合、次の項で説明するように、固有の情報を入力する必要があります。
拡張インストール・タイプは、インストールから追加または削除する特定のコンポーネントを選択したり、デフォルト以外のキャラクタ・セットでデータベースを作成したり、製品ユーザー・インタフェースを英語以外の言語に変換して追加するなど、特定の要件に対応するために使用します。デフォルトでは、新しいデータベースのキャラクタ・セットは、オペレーティング・システムの言語に基づいてインストール時に構成されます。
次の項では、Oracle RACデータベースを作成する場合のOUIおよびDBCAの処理について詳しく説明します。
関連項目: グローバリゼーションの構成情報については、ご使用のプラットフォーム用のOracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
インストール中、Oracle Configuration Managerの有効化に必要な情報を入力するように求められます。このオプションによって、Oracle RAC構成に関する情報をMy Oracle Support(以前のOracleMetaLink)アカウントに関連付けることができます。Oracleサポート・サービスのサポートが必要になった場合、この構成情報は問題を迅速に解決するのに役立ちます。
OCMツールを構成するには、サービス契約の次の情報が必要です。
My Oracle Support電子メール・アドレス/ユーザー名
パスワード
ホスト・システムがインターネットに直接接続されていない場合、サーバー・プロキシ情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。
登録エラーが発生し、正しい国番号が指定されているかどうかが不明な場合は、My Oracle Support(https://support.oracle.com
)を参照してください。My Oracle Supportアカウントに関連付けられた国名は、メニュー・オプション「詳細」を選択し、「設定」を選択して確認できます。「設定」メニューで、「アカウントと権限」を選択します。
関連項目: 詳細は、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。 |
インストール中、データベース・セキュリティ構成を選択するように求められます。「セキュアな構成」オプションでは、データベース監査オプション、パスワードの方針および有効期限の設定をデータベースに構成できます。
新しいデータベースのインストールには、Oracle Database 11g リリース2(11.2)のデフォルト構成に「セキュアな構成」オプションが含まれています。これらの拡張セキュリティ制御を無効にする場合は、「セキュリティ設定の無効化」ボックスを選択できます。選択すると、Oracle Databaseは、Oracle Database 10gリリース2のデフォルト・オプションでインストールされます。インストール後、DBCAを起動してセキュリティ設定を変更できます。監査やパスワードなどのセキュリティ設定を有効または無効にしたり、以前のセキュリティ設定に戻すこともできます。
データベース・アップグレードの場合、アップグレードしたデータベースでは、既存のデータベース・セキュリティ構成が保持され、既存のアプリケーションとの互換性が確保されます。インストール後、DBCAを使用して、「セキュアな構成」で監査やパスワードなどのセキュリティ設定を有効または無効にしてテストできます。
インストール後に、セキュアな構成を有効または無効にするには、コマンドラインDBCAオプションを使用する必要があります。DBCA 11g リリース2以降のグラフィカル・ユーザー・インタフェースには、仕様より、セキュアな構成を有効または無効にするためのオプションがありません。
注意: インストール時またはインストール後にコマンドラインDBCAを使用して、データベースに「セキュアな構成」オプションを構成することをお薦めします。 |
すべてのデータベースには、管理アカウントSYS
、SYSTEM
およびSYSMAN
が含まれています。管理アカウントは高度な権限を持つアカウントであり、データベースの起動と停止、データベース・メモリーと記憶域の管理、データベース・ユーザーの作成と管理などの管理タスクを実行する権限のあるユーザーのみに必要です。
SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSMPを除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。インストール後に管理アカウントおよびDBSMPのパスワードを変更する必要があります。管理アカウントのパスワードを、デフォルトのパスワードとは異なるパスワードに変更する必要があります。
参照: 管理アカウントの詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のオンライン・ヘルプおよび『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
パスワードの指定では、次のガイドラインに従います。
パスワードは8から30文字で指定する必要があります。
パスワードの最初の文字を数字にすることはできません。
パスワードとアカウント名は異なる必要があります。
パスワードにOracle予約語は使用できません。
SYS
アカウント・パスワードにchange_on_install
は使用できません。
SYSTEM
アカウント・パスワードにmanager
は使用できません。
SYSMAN
アカウント・パスワードにsysman
は使用できません。
DBSNMP
アカウント・パスワードにdbsnmp
は使用できません。
すべてのアカウントに同じパスワードを使用する場合、そのパスワードにchange_on_install
、manager
、sysman
またはdbsnmp
は使用できません。
パスワードには少なくとも、英字1文字、数字1文字、句読点1文字を含める必要があります。
パスワードに、welcome、account、database、userなどの単純でわかりやすい語を使用しないでください。
Oracle Databaseのインストールが完了すると、OUIによってDBCAが起動され、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインに従ってデータベースが作成されます。つまり、DBCAによって、標準的なファイルのネーミング方法および配置方法に従って、デフォルトのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を含むデータベース・ファイルが作成されます。
データベースを作成します。
必要に応じて、Oracleネットワーク・サービスを構成します。
リスナーおよびデータベース・インスタンスを起動します。
スタンドアロン・モードでDBCAを使用して、データベースを作成または削除したり、Oracle Enterprise Manager Database ControlからOracle Enterprise Manager Grid Controlにデータベース管理を切り替えることもできます。
Oracle Databaseリリース11.1以降のリリースでは、DBCAを使用したOracle RACデータベースのサービスの管理は実行されなくなったことに注意してください。サービスのあらゆる管理および監視には、srvctl
、Oracle Enterprise Manager DB ControlまたはGrid Controlを使用します。Oracle Net Configuration Assistant(NetCA)は、Oracle Grid Infrastructureインストールの一部として実行されます。
関連項目: 詳細は、次のドキュメントを参照してください。
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Oracle Database 10g以上のリリースでは、一部のデータベースの言語および地域の定義ファイルが更新され、関連ロケールで使用されるロケール表記規則がより正確に反映されるようになりました。
デフォルトのNLSパラメータ値で行われた変更が、既存のアプリケーションに悪影響を与える場合は、Oracle9iの互換性定義ファイルをインストールすることで、変更を元に戻すことができます。Oracle11gのファイルのかわりにOracle9iのファイルをインストールするには、「Oracle Universal Installerを使用したOracle RACのインストール」の手順に従ってOUIをコマンドラインから起動し、次の文を使用してb_cr9idata
変数をtrue
に設定する必要があります。
./runInstaller oracle.rsf.nlsrtl_rsf:b_cr9idata=true
関連項目: Oracle Databaseの言語および地域の定義ファイルの更新の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。 |
データベースまたはデータベースで実行されているアプリケーションで、デフォルト(英語)以外の言語を使用する場合は、拡張インストール・タイプを使用する必要があります。
関連項目: 『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』 |
データベース名の入力フィールドは、次のOracle初期化パラメータ値の設定に使用されます。
DB_NAME
DB_UNIQUE_NAME
DB_DOMAIN
Oracle RAC環境では、データベース名(DB_UNIQUE_NAME)部分は30文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)およびシャープ記号(#)を使用できますが、先頭は英字である必要があります。その他の特殊文字はデータベース名に使用できません。データベースのDB_NAMEパラメータは、データベース名の最初の8文字に設定されます。
グローバル・データベース名のドメイン部分(DB_DOMAIN)は、128文字以内にします。ドメイン名にアンダースコア(_)は使用できません。DB_UNIQUE_NAME.DB_DOMAINの値は、それ全体で企業内で一意である必要があります。
たとえば、データベースのグローバル・データベース名がorl$racprod2551.example.com
,の場合(インストール時に指定したもの)、次の値が初期化パラメータに使用されます。
パラメータ | 値 |
---|---|
DB_UNIQUE_NAME | orl$racprod2551 |
DB_DOMAIN | example.com |
DB_NAME | orl$racp |
SID接頭辞は、データベース名の最初の8文字です。SID接頭辞には、a-z、A-Zおよび0-9の文字のみを使用できます。SID接頭辞には、オペレーティング・システムの特殊文字を含めることはできないため、データベース名の最初の8文字に特殊文字を使用した場合、この特殊文字はSID接頭辞では省略されます。各データベースに1つのSID接頭辞があります。データベースのSID接頭辞は、クラスタ内で一意である必要があります。
Oracle RACデータベースの場合、各インスタンスに、SID接頭辞とインスタンス番号で構成される一意の識別子(ORACLE_SID)があります。Oracle RACデータベース・インスタンスのORACLE_SIDは、そのデータベースに選択した管理方法に応じて異なる方法で生成されます。ポリシー管理型のデータベースを選択した場合、Oracleはname_#(nameはDB_UNIQUE_NAMEの最初の8文字の英数字で、#はインスタンス番号)という形式のSIDを生成します。管理者管理型のデータベースを選択した場合、DBCAはインスタンス名のSIDを先に生成し、SIDはname#という形式になります。
たとえば、データベースのDB_UNIQUE_NAMEがorl$racprod2551の場合、次のSID値が使用されます。
データベースまたはインスタンスのタイプ | ORACLE_SIDに使用される値 |
---|---|
シングル・インスタンスのOracle Database | orlracpr |
ポリシー管理型のOracle RACインスタンス | orlracpr_1 |
管理者管理型のOracle RACインスタンス | orlracpr1 |
Oracle DatabaseソフトウェアとOracle RACをインストールするには、次の手順を実行します。
SSHで他のノードにアクセスできることを確認します。OUIでは、Oracle RACインストールを実行しているユーザー・アカウントで、パスワードなしのSSHを設定できる必要があります。OUIで自動的にこれを設定することも、インストールを開始する前にシステム管理者が設定することもできます。
OUIを実行する端末を開き、Oracle Databaseインストールの所有者になるユーザー・アカウント(oracle
など)でログインします。
stty
コマンドを無効にできない場合、またはOUIからのSSHの自動構成を妨げるその他の制限がある場合は、インストーラを起動する前に、SSHを構成し、有効にしておく必要があります。
インストール中、root
ユーザーとしてスクリプトを実行するように求められるため、su
またはsudo
の資格証明を持っていることを確認します。
ソフトウェア更新オプションを使用して最新のシステム要件の更新、重要なパッチ更新、およびその他のインストールに関して推奨される更新を取得するには、有効なMy Oracle Supportのユーザー名およびパスワードを使用するか、プロンプトが表示されたらダウンロードされたソフトウェア更新オプション・パッケージへのパスを指定します。
Oracle Database 11g リリース2(11.2)インストール・メディアのDisk1またはインストール・バイナリをダウンロードした場所からrunInstaller
コマンドを起動します。たとえば、ソフトウェアのバイナリをダウンロードした場所が/home/oracle/oraclesw
である場合、次のコマンドを入力します。
$ cd /home/oracle/oraclesw/Disk1 $ ./runInstaller
OUIのプロンプトに従って情報を入力するか、またはroot
としてスクリプトを実行します。インストール手順の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。ログ・ファイルを参照するには、「詳細」をクリックしてください。
注意: root.sh スクリプトを、Oracle RACのインストールまたはアップグレード用のクラスタ内のすべてのノードで同時に実行できます。 |
インストール中に問題が発生した場合は、インストール・ログ・ファイルに記録されているOUI の動作を調査します。このログ・ファイルはOracle Inventoryディレクトリの次の場所に格納されます。
OraInventory/logs/installActionsdate_time.log
注意: データベースのインストールで使用するOracleホームの名前とパスは、第1フェーズのOracle Grid Infrastructureのインストール時に使用したホームとは異なるものにする必要があります。Oracle Database 11g およびOracle RACソフトウェアは、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureソフトウェアをインストールしたホームにはインストールしないでください。Oracle ASMは、Oracle Grid Infrastructureホームの一部であるため、Oracle RACのインストール中にアップグレードできません。 |
インストールの第2フェーズ(最終フェーズ)を完了したら、第4章「Oracle Real Application Clustersのインストール後の手順」に進んでインストール後の作業を実行します。
注意: インストールが完了し、データベースを作成した後で、データベースにOracle Database 11g リリース2(11.2)製品をさらにインストールする場合は、追加の製品をインストールする前に、Oracleホームで実行されているすべてのプロセスを停止する必要があります。すべてのデータベース・プロセスを停止する必要があるのは、Oracle Universal Installerが特定の実行可能ファイルおよびライブラリに再リンクするためです。詳細は、付録E「既存のOracle Real Application Clustersデータベースでのプロセスの停止方法」を参照してください。 |
次に、インストールの注意に関する追加情報を示します。
Grid Control Management Agentのインストールを完了している場合は、「データベース管理オプションの選択」ページで、Grid ControlまたはローカルのDatabase Controlのいずれかを選択できます。それ以外の場合は、データベース管理用のローカルのDatabase ControlのみがOracle RACでサポートされます。ローカルのDatabase Controlを使用する場合は、電子メール・オプションを選択して、送信SMTPサーバー名と電子メール・アドレスを選択できます。
Oracle Enterprise Managerを含まない拡張インストールによるソフトウェア・インストール、Oracle Enterprise Manager構成を含まないインストール、ユーザー独自のスクリプトによるデータベースの作成など、Oracle Enterprise Managerを含まないインストールを実行する場合は、OUI、DBCAまたはOracle Enterprise Manager Configuration Assistant(EMCA)ユーティリティを使用して、後でOracle Enterprise Managerを構成できます。
Oracle RAC One Nodeをインストールするには、次の手順を実行します。
OUIを実行する端末を開き、Oracle Databaseインストールの所有者になるユーザー・アカウント(oracle
など)でログインします。
stty
コマンドを無効にできない場合、またはOUIからのSSHの自動構成を妨げるその他の制限がある場合は、インストーラを起動する前に、SSHを構成し、有効にしておく必要があります。
インストール中、root
ユーザーとしてスクリプトを実行するように求められるため、su
またはsudo
の資格証明を持っていることを確認します。
Oracle Database 11g リリース2(11.2)インストール・メディアのDisk1またはインストール・バイナリをダウンロードした場所からrunInstaller
コマンドを起動します。たとえば、ソフトウェアのバイナリをダウンロードした場所が/home/oracle/oraclesw
である場合、次のコマンドを入力します。
$ cd /home/oracle/oraclesw/Disk1 $ ./runInstaller
Oracle RAC One Nodeデータベースを選択して構成し、Oracle RAC One Nodeが実行されるすべてのノードでOracle RACを選択してインストールします。
OUIのプロンプトに従って情報を入力するか、またはroot
としてスクリプトを実行します。インストール手順の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。ログ・ファイルを参照するには、「詳細」をクリックしてください。
注意: root.sh スクリプトを、Oracle RACのインストールまたはアップグレード用のクラスタ内のすべてのノードで同時に実行できます。 |
インストール中に問題が発生した場合は、インストール・ログ・ファイルに記録されているOUI の動作を調査します。このログ・ファイルはOracle Inventoryディレクトリの次の場所に格納されます。
OraInventory/logs/installActionsdate_time.log
クラスタ・ノードにのみOracle RACソフトウェアをインストールすることを選択した場合、Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)を使用してOracle RAC One Nodeを構成できます。
インストール後にDBCAを起動し、「ようこそ」ページで、「Oracle RAC One Nodeデータベース」を選択します。DBCAは、選択した複数のノードのうちの1つのノードでのみ起動します。クラスタには後でノードを追加できます。
1つのノードを選択すると、1つのノードでOracle RAC One Nodeがデプロイされます。Oracle RAC One Nodeのフェイルオーバー先となるクラスタ内ですべてのノードを選択することをお薦めします。
2つ未満のノードを選択するか、2
以上のカーディナリティでサーバー・プールを作成すると、選択したこの構成ではOracle RAC One Nodeインスタンスのフェイルオーバーがサポートされないことを示す警告メッセージが、DBCAによって表示されます。
管理者管理のOracle RAC One Nodeデータベースを作成した場合、そのデータベースが、バイナリをインストールしたノードのプールの1つのみで起動されている間は、すべての候補サーバーが汎用サーバー・プールに配置される点に注意してください。候補サーバーがまだ汎用または空きに存在しない場合、候補サーバーで実行されているリソースが停止することがあります。
関連項目: Oracle RAC One Nodeの詳細は、Oracle Technology Networkを参照してください。
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