Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 11g リリース2 (11.2) for Linux and UNIX Systems B56272-08 |
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ここでは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のインストールおよび構成に関連する新機能について説明します。内容は次のとおりです。
リリース2(11.2.0.4)の新機能は、次のとおりです。
Oracle Grid Infrastructure 11g リリース2 (11.2.0.4)から、トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタが、Oracle Grid Infrastructureインストールに付属して自動的にインストールされます。トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタは、Oracle Clusterware、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACシステムの診断データ収集を簡素化する、診断収集ユーティリティです。
注意: トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタは、Oracle Grid Infrastructure 11g リリース2(11.2.0.4)以上で使用可能です。 |
関連項目: トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタの使用に関する詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Grid Infrastructure 11g リリース2 (11.2.0.4)からは、Oracle RACの構成監査ツール(RACcheck)を使用し、構成に関する既知の問題、ベスト・プラクティス、定期的なヘルス・チェック、アップグレード前および後のベスト・プラクティスについて、シングル・インスタンスとOracle RACデータベース・インストールを評価することができます。
注意: Oracle RACの構成監査ツールは、Oracle Grid Infrastructure 11g リリース2 (11.2.0.4)から利用できるようになりました。 |
関連項目: 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』 |
Oracle Grid Infrastructure 11g リリース2 (11.2.0.4)から、次の機能がサポートされなくなりました。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降、ソフトウェア更新のダウンロードの詳細を指定する際、プロキシ・レルム情報を入力できます。プロキシ・レルムは、認証に使用されるセキュリティ・データベースを識別します。プロキシ・レルムがない場合、「プロキシ・ユーザー名」、「プロキシ・パスワード」および「プロキシ・レルム」の各フィールドに入力する必要はありません。大/小文字が区別されます。
このプロキシ・レルムは、ソフトウェア更新のダウンロードのみを対象とします。
リリース2(11.2.0.2)の新機能は、次のとおりです。
Oracle Database 11g リリース2のリリース11.2.0.2以降のパッチ・セットでは、Oracle Databaseパッチ・セットによってOracle Databaseソフトウェアが完全にインストールされます。新しいパッチ・セットのパッケージの次の変更に注意してください。
以前のリリース(11.x、10.x)からの最新のパッチ・セットへの直接アップグレードがサポートされます。
アウトオブプレース・パッチ・セットによるアップグレード(パッチ・セットを新規の別のOracleホームにインストールする)を、ベスト・プラクティスとしてお薦めします。インプレース・アップグレードはサポートされますが、お薦めしません。
新規インストールでは、基になるリリースをインストールしてからパッチ・リリースにアップグレードするのではなく、最新のパッチ・セットをインストールします。
関連項目: My Oracle SupportのNote 1189783.1「Important Changes to Oracle Database Patch Sets Starting With 11.2.0.2」を参照してください。次のURLから入手可能です。 |
ソフトウェアの更新機能を使用し、Oracle Databaseインストールの一部として、ソフトウェアの更新を動的にダウンロードして適用します。downloadUpdatesオプションを使用して更新を個別にダウンロードし、更新が格納されている場所を指定することによって、インストール中に後で適用することもできます。
Oracle RAC One Nodeは、クラスタの1つのノードで実行されているシングル・インスタンスのOracle RACです。Oracle RAC One Nodeを使用すると、最小のオーバーヘッドで単一クラスタ上の多くのデータベースを統合する一方で、オペレーティング・システムおよびOracle Clusterwareに対してフェイルオーバー保護、オンライン・ローリング・パッチ適用およびローリング・アップグレードの高可用性のメリットを提供できます。Oracle RAC One Nodeで、企業全体ですべてのOracle Databaseデプロイメントを標準化できます。
Oracle DatabaseとOracle Grid Infrastructure構成アシスタント(Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)、RCONFIGなど)を使用すると、Oracle RAC One Nodeデータベースを構成できます。
Oracle RAC One Nodeは、シングル・インスタンスのOracle RACデータベースです。計画的なオンライン再配置を使用すると、新しいターゲット・ノードで一時的に2つ目のOracle RAC One Nodeインスタンスを起動して、この新しいターゲット・ノードに現在のOracle RAC One Nodeインスタンスを移行できるようになります。移行後、ソース・ノードのインスタンスは停止されます。Oracle RAC One Nodeデータベースは、Oracle RAC One Nodeデータベースの現在のノードが失敗した場合に、クラスタ・ノードのホスティング・サーバー・プール内の別のクラスタ・ノードにフェイルオーバーすることもできます。
サード・パーティのクラスタウェア・ソフトウェア(Veritas、SFRAC、IBMPowerHA、HP Serviceguardなど)を使用する場合、Oracle RAC One Nodeはサポートされません。現時点では、Sun Solaris Clusterはサポートされていません。
Oracle Databaseリリース2(11.2.0.2)では、Oracle RAC One Nodeは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)が動作保証されているすべてのプラットフォームでサポートされます。
以前のリリースでは、インターコネクトに冗長ネットワークを使用するには、ボンディング、トランキング、チーム化などのテクノロジが必要でした。現在、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACは冗長ネットワーク・インターコネクトを使用できるようになり、他のネットワーク・テクノロジを使用しなくても、クラスタ内の最適な通信を拡張できるようになりました。この機能は、Oracle Database 11g リリース2(11.2.0.2)以上で使用可能です。
冗長インターコネクトを使用することによって、複数(最大4つ)のプライベート・ネットワーク(インターコネクトとも呼ばれる)におけるロード・バランシングおよび高可用性が実現します。
リリース2(11.2)の新機能は次のとおりです。
Oracle Clusterware 11g リリース2(11.2)では、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)がOracle Grid Infrastructureインストールの一部になりました。Oracle ClusterwareおよびOracle RACのインストールで、Oracle ASMはOracle Clusterwareホームにインストールされます。また、別々の管理権限が必要になるようにOracle ASMを構成して、データベース層と記憶域層の両方に対する管理者アクセス権がOSDBAのメンバーシップによって付与されないようにすることができます。
Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)は、新しいマルチプラットフォームのスケーラブルなファイル・システムであり、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)テクノロジを強化し、あらゆるアプリケーション・データをサポートするためのストレージ管理設計です。Oracle ACFSでは、ファイル・システムの動的なサイズ変更が可能で、使用可能なすべてのストレージにわたる分散、バランシングおよびストライプ化のテクノロジによってパフォーマンスを向上させ、Oracle ASMのミラー化およびパリティ保護によってストレージの信頼性をもたらします。
Oracle ACFSは、Linuxで使用可能です。このリリースの時点では、UNIXプラットフォームでは使用できません。
クラスタ検証ユーティリティ(CVU)には、次の新機能があります。
インストールの失敗の原因となる可能性があるシステム上の問題を特定するとともに、インストールを正常に実行するために必要なシステム構成を実行するシェル・スクリプト(修正スクリプト)を生成できます。
インストール、構成および動作の問題に対処するための追加チェックを実行できます。
OUIから自動的にコールされて前提条件を確認し、インストールの妨げとなるシステム構成上の多くの問題を解決するための修正スクリプトを作成するように求めるプロンプトを表示します。
DBCAは、LOCAL_LISTENERの値を設定しなくなりました。Oracle Clusterwareによってデータベース・リソースが起動されると、インスタンス・パラメータが更新されます。LOCAL_LISTENERは、ローカル・ノードのリスナー・アドレスの仮想IPエンドポイントに設定されます。このLOCAL_LISTENERの設定は変更しないでください。新しいインストール・インスタンスは、リモート・リスナーとして単一クライアント・アクセス名(SCAN)リスナーへの登録のみを行います。SCANは、個々のノードではなくクラスタに割り当てられる仮想IPアドレスであるため、クラスタによるクライアントの更新を必要とせずに、クラスタ・メンバーを追加または削除できます。アップグレードされたデータベースは、引き続きすべてのノード・リスナーに登録され、さらにSCANリスナーにも登録されます。
夏時間変更によってタイムゾーン・バージョン・ファイルが更新されると、TIMESTAMP WITH TIMEZONE(TSTZ)データが古くなる可能性があります。以前のリリースでは、データベース管理者がSQLスクリプトutltzuv2.sql
を実行し、タイムゾーン・バージョンの変更によって影響を受けたTSTZデータを検出し、多くの手動手順を実行してTSTZデータを更新する必要がありました。
新しく提供されたDBMS_DST PL/SQLパッケージを使用して、最小限の手動手順でTSTZデータが透過的に更新されます。また、クライアントがタイムゾーン・データ・ファイルにパッチを適用する必要がなくなりました。
関連項目: TIMESTAMP WITH TIME ZONEデータをアップグレードするための準備については『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』、タイムゾーン・ファイルとTIMESTAMP WITH TIME ZONEデータをアップグレードする方法については『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』、および異なるバージョンのタイムゾーン・ファイルで動作するクライアントおよびサーバーのパフォーマンスへの影響については、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』を参照してください。 |
Database Control 11g には、Oracle ClusterwareおよびOracle RACのインストール環境を新しいノードに自動的にプロビジョニングし、それらのプロビジョニングしたノードに対してOracle ClusterwareおよびOracle RACの既存のデータベースを拡張する機能があります。このプロビジョニング手順を実行するには、この機能を使用する前にOracle RACが正常にインストールされている必要があります。
関連項目: この機能の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
Enterprise Managerの「クラスタ・ホーム」ページを使用して、高可用性アプリケーションに対する対する完全な管理および監視のサポートおよびOracle Clusterwareのリソース管理を実行できます。これらの管理作業には、サーバー・プールの作成と変更などがあります。
これまでは、クラスタに対してサーバーの追加または削除を行う場合、様々な準備を手動で行う必要がありました。グリッドのプラグ・アンド・プレイは、サーバー・ノードのインストール、構成および管理にかかるコストを低減できます。これは、クラスタ内でグリッド・ネーミング・サービスを使用し、各ノードで次のタスクを動的に実行できるようすることで実現されます。
ノード自身による適切なネットワークIDのネゴシエート
構成プロファイルからの動作に必要な追加情報の取得
ホスト名およびアドレスをネットワーク上で解決可能にするための、プロファイル・データを使用したノードの構成または再構成
これらの作業がサーバーによって動的に実行されるため、ノードの追加および削除を行う場合に管理者が行う必要があるのは、サーバーをクラスタに接続し、クラスタでノードを構成できるようにすることのみです。グリッド・プラグ・アンド・プレイを使用し、ベスト・プラクティスの推奨事項に従った場合、データベース・クラスタへのノードの追加はサーバーの通常の再起動の一環として行われ、サーバーが停止されると、自動的にクラスタからノードが削除されます。
Oracle Configuration Assistantによって、推奨デプロイメントを行い、構成上の問題を回避するための追加のガイドラインが提供されます。また、Configuration Assistantによって、構成が検証され、問題点を修正するスクリプトが提供されます。このスクリプトは受け入れることも、拒否することもできます。この修正スクリプトを受け入れた場合は、構成上の問題点が自動的に修正されます
Oracle Configuration Assistantには、手動による追加手順なしでOracle Real Application Clustersの構成解除と削除を行う機能もあります。
単一クライアント・アクセス名(SCAN)が、クラスタに接続しているすべてのクライアントに提供されるアドレスです。SCANは、ドメイン・ネーム・サービス(DNS)またはグリッド・ネーミング・サービス(GNS)のいずれかにある3つのIPアドレスに登録されるドメイン名です。SCANにより、クラスタに対してノードを追加または削除するときにクライアントを変更する必要がなくなります。SCANを使用しているクライアントは、簡易接続を使用してクラスタにアクセスすることもできます。
Opatchは、複数ノードに対して複数パッチ方式でパッチを適用できるようになり、非ローリング・パッチが適用されているインスタンスを起動しなくなりました(データベース内の他のインスタンスにこのパッチがない場合)。また、データベース・スキーマが新しいパッチより前のパッチ・レベルかどうかを検出し、SQLコマンドを実行してそのスキーマを新しいパッチ・レベルにするようにもなりました。
関連項目: 『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』 |
今回のリリースでは、次の変更点に注意してください。
インストール時に、ファイルをRAWデバイスにインストールするオプションを使用できなくなりました。共有ファイル・システムまたはOracle Automatic Storage Managementを使用する必要があります。以前のリリースからアップグレードし、現在RAWデバイスを使用している場合は、既存のRAWデバイスを引き続き使用できます。アップグレードが完了すると、Oracle ASMまたは共有ファイルシステム(選択した場合)に移行できます。
Oracle ASMインスタンスで管理者として機能するSYSDBA権限が、このリリースでは削除されています。ただし、データベースのオペレーティング・システムOSDBAグループが、Oracle Automatic Storage ManagementのOSASMグループとして指定されているグループと同じグループである場合は除きます。
別々のOracle ASMアクセス権限が有効になっているときにデータベース管理者がOSASMグループのメンバーでない場合、データベース管理者がOracle ASMファイルにアクセスするには、ASMのOSDBAグループのメンバーある必要があります。Oracle RACデータベースのOSDBAグループをOracle ASMインスタンスのOSDBAグループとして指定できます。
Oracle RAC 11g リリース1(11.1)での新機能を次に示します。
注意: このリストの一部の機能、特にOracle ASMの機能は、11.2リリースでの変更によって置き換えられています。 |
Oracle Database 11gリリース1では、Oracle Clusterwareを独立した製品としてインストールまたは構成できます。また、記憶域の管理に関するドキュメントが追加されています。インストール計画については、次のドキュメントを参照してください。
2ノードのOracle ClusterwareおよびOracle RAC環境をインストールして構成する手順の概要と例を示します。
プラットフォーム固有のマニュアルで、Oracle Clusterwareをスタンドアロン製品としてインストールするか、Oracle ClusterwareとともにOracle DatabaseまたはOracle RACをインストールする手順について説明します。システム管理者権限を必要とするシステム構成手順が含まれています。
(現在参照中の)このマニュアルです。Oracle Clusterwareのインストールが正常に完了した後に、Oracle RACをインストールする手順について説明します。データベース管理者のためのデータベース構成手順が含まれています。
このマニュアルでは、ストレージの管理またはOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)の構成および管理を行うデータベース管理者およびストレージ管理者用の情報を記載しています。
Oracle Database 11gでのインストール・オプションの変更を次に示します。
Oracle Application Express: この機能はOracle Database 11gとともにインストールされます。以前はHTML DBと呼ばれ、Companion CDの個別のコンポーネントとして使用可能でした。
Oracle Configuration Manager: Oracle Configuration Manager(OCM)は、Oracle Universal Installerと統合されています。ただし、データベースおよびクライアントのインストールではオプションのコンポーネントになります。Oracle Configuration Managerは、以前のリリースではカスタマ構成リポジトリ(CCR)として使用されていたツールで、Oracle ASMおよびデータベースのOracleホーム・ディレクトリ内のソフトウェアの構成に関連する詳細情報を収集および格納します。
Oracle Data Mining: Enterprise Editionインストール・タイプでは、デフォルトでOracle Data Miningオプションが選択されます。Oracle Database 11gでは、「データベースの作成」オプションを選択すると、SYS
メタデータとともにData Miningメタデータが作成されます。
Oracle Database: この機能はOracle Universal Installerと統合されています。ただし、データベースのインストールではオプションのコンポーネントになります。
Oracle SQL Developer: この機能は、汎用、トランザクション処理、データ・ウェアハウスなどのテンプレートベースのデータベースのインストール時に、デフォルトでインストールされます。また、データベース・クライアントの管理者、ランタイムおよび拡張インストールでもインストールされます。
Oracle Warehouse Builder: 情報統合ツールです。Oracle DatabaseのStandard EditionとEnterprise Editionの両方でインストールされるようになりました。Enterprise Editionの場合は、追加の拡張プロセスを購入できます。Oracle Databaseをインストールすると、Oracle Warehouse Builderの使用に必要な生成前のリポジトリOWBSYS
もインストールされます。
Oracle Ultra Search: Oracle Database 11g以上では、Oracle Databaseと統合されています。以前のリリースでは、この製品はCompanion CDのコンポーネントとして使用可能でした。
Oracle XML DB: Oracle Database 11g以上では、オプションの機能ではなくなりました。すべてのデータベースのインストールで、Database Configuration Assistantを使用してインストールおよび構成されます。
Oracle Database 11gのインストール時にインストール可能な新しいコンポーネントを次に示します。
Oracle Application Express: Oracle Database 11g以上では、HTML DBはCompanion CDのコンポーネントとして使用できなくなりました。Oracle Application Expressという名前に変更され、Oracle Database 11gとともにインストールされます。
Oracle Database 11gでは、Oracle Application ExpressにiSQL*Plusの機能も含まれています。
関連項目: Oracle Application Expressの詳細は、Oracle Application Expressユーザーズ・ガイドを参照してください。 |
Oracle Configuration Manager: この機能は拡張インストール中にインストールできます。以前はカスタマ構成リポジトリ(CCR)と呼ばれていました。データベースおよびクライアントのインストールではオプションのコンポーネントになります。Oracle Configuration Managerでは、データベースのOracleホーム・ディレクトリ内のソフトウェアの構成に関連する詳細情報が収集および格納されます。
Oracle Database Vault: この機能はデータベースのインストール時のオプション・コンポーネントです。
関連項目: Oracle Databaseの詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Real Application Testing: Oracle Database 11gのEnterprise Editionインストール・タイプでは、この機能はデフォルトでインストールされます。
関連項目: Oracle Real Application Testingの詳細は、『Oracle Database Real Application Testingユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
Oracle SQL Developer: この機能は、汎用、トランザクション処理、データ・ウェアハウスなどのテンプレートベースのデータベースのインストール時に、デフォルトでインストールされます。また、データベース・クライアントの管理者、ランタイムおよび拡張インストールでもインストールされます。
関連項目: Oracle SQL Developerの詳細は、Oracle SQL Developerユーザーズ・ガイドを参照してください。 |
Oracle Warehouse Builder: この機能はデータベースのインストール時に、オプションとして選択できるようになりました。
注意: Oracle Database 11g リリース2(11.2)のStandard EditionおよびEnterprise Editionでは、基本機能を備えたOracle Warehouse Builderがインストールされます。ただし、Enterprise EditionではOracle Warehouse Builderの拡張オプションを購入できます。 |
関連項目: Oracle Warehouse Builderの詳細は、『Oracle Warehouse Builderソースおよびターゲット・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Database 11g リリース2(11.2)での拡張機能および新機能を次に示します。
自動診断リポジトリは、Oracle Database 11gで追加された機能です。この機能の主な目的は、バグの解決に必要な時間を短縮することです。自動診断リポジトリは、Oracle Database 11gで実装される診断フレームワークのレイヤーで、診断データが格納されています。データにアクセスするためのサービスAPIも提供されます。診断データが格納されるデフォルトのディレクトリは、$ORACLE_BASE/diag
です。
自動診断リポジトリでは、次のものが実装されます。
ディスク上のリポジトリに書き込まれる、すべてのOracle製品の診断データ
リポジトリへの簡単なナビゲーションとデータの読取りおよび書込み機能を提供するインタフェース
Oracle RACインストールで共有Oracle Databaseホームを使用する場合は、自動データ・リポジトリをすべてのノードからアクセス可能な共有記憶域の場所に配置する必要があります。
Oracle Clusterwareでは、診断データは継続してGrid_home
/log
ディレクトリに格納されます。Grid_home
はOracle Clusterwareホームです。
Oracle ASMの高速ミラー再同期化では、ディスク・パスに一時的な障害が発生した場合でも、ディスク・ドライブのメディアが破損していないかぎり、1つのディスク・グループ内のOracle ASMディスクを迅速に再同期できます。障害グループが一時的に使用不可能になるすべての障害が、一時的な障害とみなされます。一時的な障害は、ケーブルの切断、ホスト・バス・アダプタまたはコントローラの障害、ディスクの電源障害などのディスク・パス障害によって発生する可能性があります。高速ミラー再同期化にかかる時間は、停止していた時間によって異なります。再同期化にかかる時間は、通常、Oracle ASMディスク・グループ全体を完全に再構築する場合にかかる時間よりも大幅に短くなります。
関連項目: 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 |
ASM Configuration Assistant(ASMCA)は、クラスタ用のOracle Grid Infrastructureホームから実行できる新しい構成ツールです。ASMCAによって、ASMインスタンス、ディスク・グループ、ボリュームおよびファイル・システムが構成されます。ASMCAは、インストール中に実行し、DBCAのような管理構成ツールとして使用できます。
Database Configuration Assistant(DBCA)、Database Upgrade Assistant(DBUA)、Oracle Net Configuration Assistant(NetCA)の機能は改善されています。改善点は、次のとおりです。
DBCAは、次の機能によって拡張されています。
Oracle Enterprise Manager Database Control用に構成されたデータベースをOracle Enterprise Manager Grid Controlに切り替えることができるようになりました。
この機能では、Oracle ASM管理作業を実行するための新しいSYSASM
権限が導入されています。SYSDBA
権限ではなくSYSASM
権限を使用することで、Oracle ASM管理とデータベース管理の責任分担を明確にすることができます。
OSASMは、Oracle ASM専用の新しいオペレーティング・システム・グループです。OSASMグループのメンバーは、オペレーティング・システム認証を使用してSYSASMとして接続できるのみでなく、Oracle ASMへの完全なアクセス権を持ちます。
以前のリリースのOracle ASMでは、データ読取りの優先ディスクとして、ミラー化されたエクステントのプライマリ・コピーを持つディスクが使用されていました。今回のリリースでは、ファイルの新しい初期化パラメータasm_preferred_read_failure_groups
を使用することで、特定のクラスタ・ノードの近くに配置されているディスクを、そのノードがミラー化されたデータを取得するための優先ディスクとして指定できます。このオプションはDatabase Configuration Assistant(DBCA)で提供され、インストール後に構成できます。この変更によって、分散されている共有ストレージ・システムや拡張クラスタ(様々な場所にノードが分散されているクラスタ)のデータの処理が高速になり、障害に対するリカバリ準備も向上します。
Oracle ASMのローリング移行では、データベースの可用性を低下させることなく、クラスタOracle ASMノードのOracle ASMインスタンスをアップグレードしたり、パッチを適用することができます。ローリング移行によって、可用性が大幅に向上し、あるリリースから次のリリースへのOracle ASMソフトウェアの移行をより正確に実行できるようになります。この機能は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上で実行されるOracle ASM構成に適用されます。つまり、ローリング移行を実行するには、Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールしておく必要があります。
注意: アップグレード中に、Oracle ASMまたはOracle Databaseホームの所有者を変更することはできません。既存のOracle ASMまたはOracle Databaseホームを所有しているOracleソフトウェア所有者を使用する必要があります。 |
関連項目: 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 |
Oracle Database 11gでは、SYSユーザーとしてSQLスクリプトcatproc.sql
を実行すると、データ・マイニング・スキーマが作成されます。このため、Database Configuration Assistantの「データベース・オプション」画面からデータ・マイニングのオプションが削除されています。
Oracle Disk Manager(ODM)では、オペレーティング・システム・カーネルのNFSドライバを使用せずに、独自でネットワーク・ファイル・システム(NFS)を管理できます。これは、Direct NFSと呼ばれます。Direct NFSによって、Oracle Databaseカーネルでバージョン3のNFSプロトコルが実装されます。この変更によって、ODMインタフェースを使用して、NFSの状態を監視できるようになりました。Oracle Databaseカーネル・ドライバでは、ドライバの自動チューニングによって、使用可能なリソースを最大限活用できます。
この機能の特長は次のとおりです。
Oracleカーネルがネットワーク・ファイル・サーバーへの入出力パスを制御することで、オペレーティング・システム・レベルでのネットワーク・パフォーマンスのチューニングが不要になるため、簡単なチューニングで診断能力を提供できます。
データベース操作に対して、高度な安定性を持ち、高度に最適化されたNFSクライアントを提供します。
ネットワーク通信用にオペレーティング・システム・カーネルのネットワーク・ファイル・システム・レイヤーを予約した状態で、ユーザーの作業用のOracleネットワーク・ファイル・システム・レイヤーを使用できます。
ファイル・システム・キャッシュではなく、Oracleバッファ・キャッシュを使用することで、チューニングが簡単になります。
Linux、UNIXおよびWindowsプラットフォーム間で、一貫性のある共通NFSインタフェースを使用できます。
Oracle RACに対応したNFSパフォーマンスを提供します。オペレーティング・システムのNFSドライバでは、ローカルでファイル属性を格納することでファイル・システム・キャッシュが最適化されないように、NFSが共有ファイル・システムである場合でも、noac
オプション(属性キャッシュなし)を指定してNFSドライバをマウントする必要があります。ODM NFSでは、Oracle RACインスタンスが自動的に認識され、ユーザー、システム管理者またはDBAに追加の再構成を要求することなく、データ・ファイルに対して適切な操作が実行されます。Oracle Clusterwareの投票ディスクまたはOracle Cluster Registry(OCR)ファイルをNFSに格納している場合は、noac
オプションを使用した投票ディスクのマウントを継続する必要があります。
Stripe and Mirror Everything(SAME)アーキテクチャの開発と、ストレージ・デバイスの記憶域およびスループットの容量拡大により、OFAの目的は、当初のパフォーマンスの向上から、別々のソフトウェア、構成ファイルおよびデータを使用した計画的なOracleのインストールを提供する役割へと変化しています。この分割によって、セキュリティが向上し、アップグレード、クローニングおよび他の管理作業が簡単になります。
Oracle Database 11g リリース2(11.2)では、こうした用途の変化に対応するため、OFAにいくつかの変更が行われています。
次のような変更があります。
Oracle RACのインストール中に、デフォルトの場所を使用するか、またはOracleホーム・ディレクトリではなく、Oracleベース・ディレクトリの場所を選択するように求められます。この変更によって、共通の場所に複数のOracleホーム・ディレクトリを簡単にインストールできるようになります。また、ソフトウェア・ユニットを分割することで、管理が簡単になります。
今回のリリースでは、自動診断リポジトリ(ADR)の実装の一部として、次のadmin
ディレクトリが変更されています。
bdump
: background_dump_dest
初期化パラメータで設定される場所で、Oracleバックグラウンド・プロセスのトレース・ファイルの記憶域です。
cdump
: core_dump_dest
初期化パラメータで設定される場所で、Oracleコア・ダンプ・ファイルの記憶域です。
udump
: user_dump_dest
初期化パラメータで設定される場所で、OracleユーザーSQLのトレース・ファイルの記憶域です。
デフォルトでは、これらのトレース・ファイルおよびコア・ファイルの場所は、/diag
ディレクトリ(パス$ORACLE_BASE/diag
)にあります。
初期化パラメータBACKGROUND_DUMP_DEST
およびUSER_DUMP_DEST
は非推奨となりました。引き続き設定できますが、これらのパラメータを手動で設定しないでください。
新しい初期化パラメータが導入されています。DIAGNOSTIC_DEST
では、1つ以上の自動データベース・リポジトリのホームが格納されるベース・ディレクトリである「ADRベース」の場所が設定されます。通常、Oracleドキュメントでは、これらのホームをADRホームと呼んでいます。各データベース・インスタンスにはADRホームが含まれています。ADRホームは、トレース・ファイル、アラート・ログ、状態モニター・レポート、重大なエラーのダンプが含まれている多数のディレクトリに対するルート・ディレクトリです。また、SQL文select name, value from v$diag_info
を使用してアラートおよびトレース・ファイルを表示することもできます。
デフォルトの高速リカバリ領域(以前のフラッシュ・リカバリ領域)は、$ORACLE_HOME/../recovery_area
から$ORACLE_BASE/recovery_area
に移動されています。
デフォルトのデータ・ファイルの場所は、$ORACLE_HOME/../oradata
から$ORACLE_BASE/oradata
に移動されています。
新しいユーティリティであるADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)が導入されています。ADRCIによって、アラート・ログおよびトレース・ファイルを簡単に確認できます。
Oracle RACインストールでは、高速リカバリ領域とデータ・ファイルの場所は、すべてのノードで共有されている場所である必要があります。Oracle Universal Installerを使用する場合、この要件はインストール時にのみ適用されます。
この変更は、Oracle Clusterwareのトレース・ファイルの場所には影響しません。
関連項目: これらの変更の詳細は『Oracle Database管理者ガイド』、ADRCIを使用したアラート・ログの確認およびトレース・ファイルの表示方法の詳細は『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。 |
インストール中に、Oracle Configuration Manager(OCM)をインストールするかどうかを選択します。OCMはオプションのツールで、構成情報をMy Oracle Support(以前のOracleMetalink)アカウントに関連付けることができます。これによって、サーバー・システム情報を常に使用できるため、サービス要求の処理が簡単になります。
OCMツールを構成するには、サービス契約の次の情報が必要です。
My Oracle Support電子メール・アドレス/ユーザー名
パスワード
ホスト・システムがインターネットに直接接続されていない場合、サーバー・プロキシ情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。
大規模なデータ・ファイルのサポートは、Oracle ASM上の大きいファイルの効率的なサポートとファイルの最大サイズの増加を可能にする自動機能です。
関連項目: 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 |
以前のリリースでは、Database Configuration Assistantに、作成時にデータベースをDatabase ControlまたはGrid Controlで構成する機能や、作成後にデータベースを再構成する機能が組み込まれていました。ただし、Database ControlからGrid Controlへの構成変更は、手間がかかる作業でした。Oracle Database 11gでは、Database Configuration AssistantでOracle Enterprise Manager構成プラグインを実行することで、データベースの構成をDatabase ControlからGrid Controlに切り替えることができます。