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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Oracle Solaris
B57234-07
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A Oracle Grid Infrastructureのインストール・プロセスに関するトラブルシューティング

この付録では、Oracle Grid Infrastructureのインストールに関するトラブルシューティング情報について説明します。


関連項目:

ドキュメント・ディレクトリに含まれるOracle Database 11g Oracle RACのドキュメントを参照してください。
  • 『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

  • 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』


この付録の内容は次のとおりです。

A.1 一般的なインストールの問題

次に、インストール中に発生する可能性のある様々なエラーの例を示します。内容は次のとおりです。

ディスクの取得中にエラーが発生する
原因: 存在しないOracleホームを指しているエントリが/var/opt/oracle/oratabにあります。OUIのログ・ファイルには、エラーが「java.io.IOException: /home/oracle/OraHome//bin/kfod: 見つかりませんでした」のように出力されます。
処置: 存在しないOracleホームを指しているエントリを/etc/oratabから削除してください。
/usr/X11R6/bin/xdpyinfoコマンドを使用して表示色の自動チェックを実行できない
原因: DISPLAY変数が設定されていないか、インストールを実行しているユーザーにX Windowを開く権限がありません。これは、リモート端末からインストールを実行している場合や、ディスプレイ上でX Windowを開く権限のあるユーザーからX Windowを開く権限のないユーザー・アカウントへsuコマンドを使用して変更している場合(rootユーザーのコンソール・ディスプレイで低い権限のユーザーがウィンドウを開いている場合など)に起こります。
処置: echo $DISPLAYコマンドを使用して、環境変数に正しいディスプレイ、つまり正しいホストが設定されていることを確認してください。DISPLAY変数が正しく設定されていたら、X Windowを開く権限のあるユーザーでログインしていることを確認するか、またはxhost +コマンドを実行してすべてのユーザーにX Windowを開く許可を与えてください。

サーバー・コンソール上でrootとしてローカルでログインし、su -コマンドを使用してOracle Grid Infrastructureのインストール所有者に変更した場合は、サーバーからログアウトし、Gridのインストール所有者としてログインしなおしてください。

CRS-5823: エージェント・フレームワークを初期化できない
原因: root.shを実行したとき、Oracle Grid Infrastructureのインストールが失敗しました。ローカル・ホスト・エントリがhostsファイルから欠落しているため、Oracle Grid Infrastructureは起動に失敗しました。

Oracle Grid Infrastructureのalert.logファイルには、次のように示されます。

[/oracle/app/grid/bin/orarootagent.bin(11392)]CRS-5823:Could not initialize
agent framework. Details at (:CRSAGF00120:) in
/oracle/app/grid/log/node01/agent/crsd/orarootagent_root/orarootagent_root.log
2010-10-04 12:46:25.857
[ohasd(2401)]CRS-2765:Resource 'ora.crsd' has failed on server 'node01'.

crsdOUT.logファイルを確認し、次を見つけることで、これが原因であることを検証できます。

Unable to resolve address for localhost:2016
ONS runtime exiting
Fatal error: eONS: eonsapi.c: Aug 6 2009 02:53:02
処置: hostsファイルにローカル・ホスト・エントリを追加します。
サーバーに接続できない(サーバーによって接続を拒否されたか、または表示を開くことができない)
原因: これらは、xhostが適切に構成されていない場合か、Xサーバーを起動するためにstartxコマンドで使用したアカウントとは異なるユーザー・アカウントで実行している場合の、WindowsまたはUNIXシステムに特有のX Window表示エラーです。
処置: ローカル端末ウィンドウで、X Windowセッションを開始したユーザーとしてログインし、次のコマンドを入力してください。

$ xhost fullyqualifiedRemoteHostname

次に例を示します。

$ xhost somehost.example.com

その後、次のコマンドを入力してください。workstationnameはワークステーションのホスト名またはIPアドレスです。

Bourne、BashまたはKornシェル:

$ DISPLAY=workstationname:0.0
$ export DISPLAY

X Windowアプリケーションがローカル・システムで適切に表示されるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

$ xclock

モニターにXクロックが表示されます。このようにならない場合は、xhostコマンドの使用が制限されている可能性があります。

VNCクライアントを使用してサーバーにアクセスしている場合は、インストールに使用しようとしているユーザーに割り当てられているビジュアルにアクセスしていることを確認します。たとえば、suコマンドを使用して、別のユーザー・ビジュアルでインストール所有者になった場合、xhostコマンドの使用は制限され、xhostコマンドを使用して表示を変更することはできません。インストール所有者に割り当てられたビジュアルを使用すると、正しく表示でき、xclockコマンドの入力によってxclockが表示されます。

Xクロックが表示されたら、Xクロックを閉じてインストーラを再度起動します。

ocrconfigを初期化できない
原因: /etc/vfstabファイル内のNFS用に構成されたオプションが間違っています。

これを確認するには、Grid_home/log/nodenumber/clientパスにあるocrconfig.logファイルをチェックし、次の行を検索します。

/u02/app/grid/clusterregistry, ret -1, errno 75, os err string Value too large
for defined data type
2007-10-30 11:23:52.101: [ OCROSD][3085960896]utopen:6'': OCR location
処置: NFSにマウントされたファイル・システムの場合は、NFSマウントの正しいマウント構成を/etc/vfstabファイル内で指定します。
rw,sync,bg,hard,nointr,tcp,vers=3,timeo=300,rsize=32768,wsize=32768,actimeo=0

注意:

マウントの指定にnetdevvers=2を含めないでください。netdevオプションを必要とするのは、OCFSファイル・システムを対象とした場合のみです。また、vers=2を指定すると、カーネルによって強制的にNFSがマウントされます。この場合、古いバージョン2のプロトコルが使用されます。

NFSマウント情報を修正した後にNFSマウント・ポイントを再マウントし、root.shスクリプトを再度実行します。たとえば、マウント・ポイント/u02の場合は次のようになります。

# umount /u02
# mount -a -t nfs
# cd Grid_home
# sh root.sh
INS-32026 INSTALL_COMMON_HINT_DATABASE_LOCATION_ERROR
原因: クラスタ用のインストールでGridホームに選択した場所が、Oracleベース・ディレクトリの下にあります。
処置: クラスタ用Oracle Grid Infrastructureのインストールでは、Gridホームを、Oracleベース・ディレクトリ、Oracle Databaseインストール所有者のOracleホーム・ディレクトリ、インストール所有者のホーム・ディレクトリのいずれの下にも配置しないでください。インストール中に、Gridホームへのパスの所有権がrootに変更されます。この変更により、他のインストールで権限エラーが発生します。また、Oracle Clusterwareソフトウェア・スタックも、Oracleベース・パスの下に配置しないでください。
OUIのノードの選択画面で選択可能なノードがない
原因: Oracle Grid Infrastructureがインストールされていないか、またはOracle Grid Infrastructureサービスが起動および実行されていません。
処置: Oracle Grid Infrastructureをインストールするか、またはインストールの状態を確認してください。また、ノードを再起動すると問題を解決できる場合があります。
ノードnodenameに到達できない
原因: IPホストが使用不可能です。
処置: 次の手順を実行してください。
  1. シェル・コマンドifconfig -aを実行します。このコマンドの出力と/etc/hostsファイルの内容を比較して、ノードIPがリストされていることを確認します。

  2. シェル・コマンドnslookupを実行して、ホストが到達可能であるかどうかを確認します。

projadd: プロジェクト名user.gridの重複
原因: なんらかの理由で修正スクリプトが失敗した場合、修正スクリプトが正常に実行されなかったときに作成されたプロジェクト名を削除するまで、再実行できません。
処置: 次の手順を実行してください。
  1. rootユーザーでログインします。

  2. 次のようなコマンドを使用して、修正スクリプトが作成したプロジェクトを削除します(この場合はuser.grid)。

    # /usr/sbin/projdel "user.grid"
    
  3. 修正スクリプトを再実行します。

PROT-8: 指定したファイルからクラスタ・レジストリにデータをインポートできない
原因: 既存のOracle Cluster Registryデバイスのパーティションに十分な領域がないため、rootupgrade.shの実行中に移行障害が発生します。確認するには、ログ・ファイルでエラー「utopen:12:Not enough space in the backing store」を検索してください。Grid_homeはOracle Grid Infrastructureホームのパス、hostnameはサーバーの名前です。Grid_home/log/hostname/client/ocrconfig_pid.log
処置: 280MB以上の使用可能な領域があるストレージ・デバイスを指定します。ディスク全体をOracle ASMに割り当てることをお薦めします。
PRVE-0038: SSH LoginGraceTime設定(致命的: 認証前にタイムアウトした)
原因: PRVE-0038: ノードnodenameのSSH LoginGraceTime設定では、ユーザーがログイン完了前に切断される可能性があります。このエラーは、SSH接続のデフォルトのタイムアウト値が低すぎるか、LoginGraceTimeパラメータがコメント・アウトされているために発生します。
処置: OpenSSH構成ファイル/etc/ssh/sshd_configのLoginGraceTimeパラメータのコメントを解除し、値に0(無制限)を設定することをお薦めします。
CRSスタックの起動の待機中にタイムアウトした
原因: 構成の問題によってOracle Grid Infrastructureソフトウェアをすべてのノードに正常にインストールできない場合は、CRSスタックの起動の待機中にタイムアウトしたことを示すエラー・メッセージが表示される場合があります。または、インストーラを終了した後、Oracle Clusterwareで管理するリソースが一部のノードで作成されなかったことに気がつく場合があります。リソースのステータスがONLINE以外であることに気がつく場合もあります。
処置: バイナリを削除せずにOracle Grid Infrastructureインストールの構成を解除し、構成の問題の原因を判断するためにログ・ファイルを確認します。構成の問題を修正した後、インストール時に使用したスクリプトを再度実行し、Oracle Clusterwareを構成してください。
YPBINDPROC_DOMAIN: ドメインがバインドされない
原因: このエラーは、インストール後のテスト時に、ノードのパブリック・ネットワーク・インターコネクトが取り外され、VIPによるフェイルオーバーが行われない場合に発生する可能性があります。このエラーでは、ノードがハングし、ユーザーはシステムにログインできなくなります。このエラーは、Oracleホーム、listener.ora、Oracleログ・ファイルまたはアクション・スクリプトがNASデバイスまたはNFSマウントに格納されていて、ネーム・サービス・キャッシュ・デーモンnscdがアクティブになっていない場合に発生します。
処置: クラスタ内のすべてのノードで次のコマンドを入力して、nscdサービスを起動してください。
/sbin/service  nscd start

A.1.1 その他のインストールの問題およびエラー

エラー・メッセージの解決に関するその他のヘルプの詳細は、My Oracle Supportを参照してください。たとえば、Doc ID 1367631.1のNoteには、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Clusterwareの最も一般的なインストールの問題の一部が含まれています。

A.2 詳細モードによるCVUの「不明」出力メッセージの解釈

-verbose引数を使用してクラスタ検証ユーティリティを実行し、特定のノードに対するクラスタ検証ユーティリティ・コマンドの結果がUNKNOWNになる場合、その原因は、検証時に問題が検出されたかどうかをクラスタ検証ユーティリティで判断できないことにあります。結果が「不明」になる場合の、考えられる原因を次に示します。

  • ノードが停止している。

  • クラスタ検証ユーティリティで必要な、オペレーティング・システムの共通コマンド・バイナリが、Oracle Grid Infrastructureホームの/binディレクトリまたはOracleホーム・ディレクトリで不足している。

  • クラスタ検証ユーティリティを起動したユーザー・アカウントには、ノードでオペレーティング・システムの共通コマンドを実行する権限がない。

  • ノードで、オペレーティング・システム・パッチ、または必須パッケージが不足している。

  • ノードの最大プロセス数または最大オープン・ファイル数を超えているか、共有メモリー、セマフォなど、IPCセグメントに問題が発生している。

A.3 Oracle Grid Infrastructureの設定に関するCVUメッセージの解釈

Oracle Grid Infrastructureをインストールするための要件をシステムが満たしていないことがクラスタ検証ユーティリティのレポートに示された場合は、この項の説明に従ってレポートに示されている問題を解決し、クラスタ検証ユーティリティを再実行します。

「ユーザーのユーザー等価チェックが失敗しました。」
原因: すべてのノード間でユーザー等価関係の設定に失敗しました。必要なユーザーが作成されていないか、またはセキュア・シェル(SSH)構成が適切に完了していないことが原因である可能性があります。
処置: クラスタ検証ユーティリティによって、ユーザー等価関係の設定に失敗したノードのリストが表示されます。

失敗したノードと示されている各ノードに対して、ユーザー構成およびSSH構成が正常に完了していることをインストール所有者のユーザー構成で確認してください。Oracle Clusterwareのインストールを実行するユーザーには、SSH接続を作成する権限が必要です。

SSHの構成は、OUIのSSH構成オプションで行うことをお薦めします。手動でSSHの構成を行う場合はインストール前に、インストールのためにSSHが構成済の場合はインストール後に、クラスタ検証ユーティリティを使用できます。

たとえば、ユーザー・アカウントoracleのユーザー等価関係を確認するには、su - oracleコマンドを使用し、dateコマンド引数を指定したsshコマンドを次の構文を使用してローカル・ノードで実行し、ユーザー等価関係を手動で確認します。

$ ssh nodename date

このコマンドによって、nodenameに指定した値で指定されたリモート・ノードのタイムスタンプが出力されます。パスワードを求められた場合、SSHの構成を行う必要があります。デフォルトの場所(/usr/binディレクトリ)にsshがある場合は、sshを使用してユーザー等価関係を構成します。ユーザー等価関係は、rshを使用しても確認できます。

SSHを使用してdateコマンドを入力した際に次のメッセージが表示された場合、この問題はユーザー等価関係エラーが原因である可能性があります。

The authenticity of host 'node1 (140.87.152.153)' can't be established.
RSA key fingerprint is 7z:ez:e7:f6:f4:f2:4f:8f:9z:79:85:62:20:90:92:z9.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?

「yes」と入力してクラスタ検証ユーティリティを実行し、ユーザー等価関係エラーが解決されたかどうか確認します。

sshがデフォルト(/usr/bin)以外の場所にある場合は、クラスタ検証ユーティリティによって、ユーザー等価関係の検証に失敗したことがレポートされます。このエラーを回避するには、Grid_home/cv/adminディレクトリに移動し、テキスト・エディタでcvu_configファイルを開き、ORACLE_SRVM_REMOTESHELLキーを追加または更新してシステム上のsshパスの位置を指定します。次に例を示します。

# Locations for ssh and scp commands
ORACLE_SRVM_REMOTESHELL=/usr/local/bin/ssh
ORACLE_SRVM_REMOTECOPY=/usr/local/bin/scp

cvu_configファイルを変更する場合は、次の規則に注意します。

  • キー・エントリはname=value構文で指定する。

  • キーに割り当てる各キー・エントリおよび値は適切なものを1のみ定義する。

  • シャープ記号(#)で始まる行はコメント行であり無視される。

  • name=value構文が前にない行は無視される。

パス設定の変更後、再度クラスタ検証ユーティリティを実行します。また、sshがデフォルト以外の場所にある場合は、リモート・シェルおよびリモート・コピー・コマンドに別の場所を指定するために引数を追加してOUIを起動する必要があります。これらの引数の使用方法の詳細を表示するには、runInstaller -helpを入力してください。


注意:

ユーザーまたはOUIがsshまたはrshコマンド(ログインや起動するその他のシェル・スクリプトを含む)を実行し、それらのスクリプトによって出力が行われると、無効な引数または標準の入力に関するエラーが表示されます。これらのエラーの原因を解決する必要があります。

エラーを回避するには、sshまたはrshコマンドを実行すると出力を生成する、oracleユーザーのログイン・スクリプトからすべてのコマンドを削除してください。

X11転送についてのメッセージが表示されたら、「表示およびX11転送構成の設定」のタスクを完了し、この問題を解決します。

次のようなエラーが出力される場合もあります。

stty: standard input: Invalid argument
stty: standard input: Invalid argument

これらのエラーは、システム上の隠しファイル(.bashrc.cshrcなど)にsttyコマンドが含まれている場合に発生します。このエラーが表示された場合は、第2章「インストール中に端末出力コマンドによって発生するエラーの防止」を参照してこれらの問題の原因を解決してください。


「ノードからのノード到達可能性チェックが失敗しました。」または「ノード接続性チェックが失敗しました。」
原因: クラスタ内に、TCP/IPプロトコルを使用したパブリックまたはプライベート・インターコネクトで到達できない1つ以上のノードがあります。
処置: /bin/ping addressコマンドを使用して、各ノードのアドレスを確認してください。到達できないアドレスを発見した場合は、パブリックおよびプライベート・アドレスのリストを確認して、それらを正しく構成してください。他社ベンダーのクラスタウェアを使用する場合に役立つ情報については、そのベンダーのドキュメントを参照してください。パブリック・ネットワーク・インタフェースおよびプライベート・ネットワーク・インタフェースのインタフェース名は、クラスタ内の各ノードで同じである必要があります。
「ユーザーの存在チェックが失敗しました。」または「ユーザーとグループの関係チェックが失敗しました」
原因: インストールに必要なユーザーおよびグループの管理権限が付与されていないか、または正しくありません。
処置: 各ノードでidコマンドを使用して、インストール所有者ユーザー(gridoracleなど)が正しいグループ・メンバーシップで作成されていることを確認してください。必要なグループを作成していることを確認し、影響のあるノードでユーザー・アカウントを作成または変更して、必要なグループ・メンバーシップを設定してください。

関連項目:

必要なグループの作成方法およびインストール所有者ユーザーの構成方法については、第2章2.4項「Oracle Grid Infrastructureのグループ、ユーザーおよびパスの作成」を参照してください。

A.4 Oracle Clusterwareアラート・ログについて

深刻なエラーを見つけるには、まずOracle Clusterwareのアラート・ログを見ます。エラーが発生すると、エラーの原因に関する具体的な情報がある診断ログのパス情報が含まれていることがあります。

重要なイベントが発生した場合には、インストール後に、Oracle Clusterwareがアラート・メッセージを書き込みます。たとえば、Cluster Ready Services(CRS)デーモン・プロセスからのアラート・メッセージは、起動時、中断した場合、フェイルオーバー・プロセスが失敗した場合、CRSリソースの自動再起動が失敗した場合に出力されます。

Oracle Enterprise ManagerはClusterwareのログ・ファイルを監視し、エラーが検出されると「クラスタ・ホーム」ページにアラートを書き込みます。たとえば、投票ディスクが利用できない場合はCRS-1604エラーが発生し、「クラスタ・ホーム」ページにクリティカル・アラートが書き込まれます。「メトリックとポリシー設定」ページで、エラー検出とアラートの設定をカスタマイズできます。

Oracle Clusterwareのログ・ファイルの場所は、CRS_home/log/hostname/alerthostname.logです。CRS_homeはOracle Clusterwareがインストールされたディレクトリ、hostnameはローカル・ノードのホスト名です。


関連項目:

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

A.5 Oracle Grid Infrastructureのインストール中のクラスタ診断の実行

インストーラで「ノードの選択」ページが表示されない場合は、次のコマンド構文を使用してクラスタ・マネージャの整合性を検証します。

cluvfy comp clumgr -n node_list -verbose

前述の構文例で、node_list変数は、クラスタ内のノードのカンマ区切りリストです。


注意:

cronジョブの実行中または実行後に予期しないインストール・エラーが発生した場合は、インストールが完了する前にcronジョブによって一時ファイルが削除されている可能性があります。日常のcronジョブを実行する前にインストールを完了するか、インストールが完了するまで、クリーンアップを行う日常のcronジョブを無効にすることをお薦めします。

A.6 インストール後のCVUのクラスタ・ヘルス・チェックの使用について

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2(11.2.0.3)以上では、CVUのhealthcheckコマンド・オプションを使用してOracle ClusterwareおよびOracle Databaseインストールをチェックし、必須要件およびベスト・プラクティス・ガイドラインへの適合性を調べたり、正しく動作していることを確認できます。

次の構文を使用してhealthcheckコマンド・オプションを実行します。

cluvfy comp healthcheck [-collect {cluster|database}] [-db db_unique_name] [-bestpractice|-mandatory] [-deviations] [-html] [-save [-savedir directory_path]

次に例を示します。

$ cd /home/grid/cvu_home/bin
$ ./cluvfy comp healthcheck -collect cluster -bestpractice -deviations -html

オプションは次のとおりです。

  • -collect [cluster|database]

    このフラグを使用して、Oracle Clusterware(クラスタ)またはOracle Database(データベース)のチェックを実行することを指定します。healthcheckオプションでcollectフラグを使用しない場合、cluvfy comp healthcheckではOracle ClusterwareとOracle Databaseの両方のチェックが実行されます。

  • -db db_unique_name

    このフラグを使用して、dbフラグの後に入力した一意のデータベース名に対するチェックを指定します。

    CVUでは、JDBCを使用してcvusysユーザーとしてデータベースに接続し、様々なデータベース・パラメータが検証されます。このため、-dbフラグで指定したデータベースに対してチェックを実行する場合は、最初にそのデータベースでcvusysユーザーを作成し、このユーザーにCVU固有の役割であるcvusappを付与する必要があります。cvusappの役割のメンバーに、システム表に対するselect権限を付与する必要もあります。

    SQLスクリプトがCVU_home/cv/admin/cvusys.sqlに含まれており、このユーザーの作成を容易にします。このSQLスクリプトを使用して、CVUにより検証するすべてのデータベースでcvusysユーザーを作成します。

    dbフラグを使用し、一意のデータベース名を指定しない場合、CVUではクラスタのすべてのOracle Databaseが検出されます。これらのデータベースでベスト・プラクティス・チェックを実行する場合は、各データベースでcvusysユーザーを作成し、ベスト・プラクティス・チェックを実行するのに必要なcvusappの役割とselect権限をこのユーザーに付与する必要があります。

  • [-bestpractice | -mandatory] [-deviations]

    ベスト・プラクティス・チェックを指定するにはbestpracticeフラグを使用し、必須チェックを指定するにはmandatoryフラグを使用します。ベスト・プラクティスの推奨事項または必須要件からの差異のみを確認することを指定するには、deviationsフラグを追加します。-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれかのフラグを指定できますが、両方のフラグを指定することはできません。-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれも指定しない場合は、ベスト・プラクティスと必須要件の両方が表示されます。

  • -html

    htmlフラグを使用すると、詳細レポートがHTML形式で生成されます。

    htmlフラグを指定し、CVUで認識されるブラウザがシステムで使用可能な場合は、チェックの完了時にブラウザが起動されてレポートがブラウザに表示されます。

    htmlフラグを指定しない場合、詳細レポートはテキスト・ファイルで生成されます。

  • -save [-savedir dir_path]

    検証レポート(cvuchecdkreport_timestamp.txtおよびcvucheckreport_timestamp.htm)を保存するには、saveフラグまたは-save -savedirフラグを使用します(timestampは検証レポートの日時)。

    saveフラグを単独で使用すると、レポートはパスCVU_home/cv/reportに保存されます(CVU_homeはCVUバイナリの場所)。

    -save -savedirフラグを使用し、CVUレポートを保存するパスを入力すると、指定したパスにCVUレポートが保存されます。

A.7 インターコネクト構成の問題

インターコネクトに複数のネットワーク・インタフェース・カード(NIC)を使用する場合で、それらを冗長インターコネクトを使用してインストール時またはインストール後に構成していない場合は、サード・パーティのソリューションを使用して、オペレーティング・システム・レベルでインタフェースを集約する必要があります。そうしない場合、1つのNICの障害が、クラスタ・ノードの可用性に影響します。

A.7.1 IPネットワーク・マルチパス(IPMP)の問題

Oracle SolarisでIPネットワーク・マルチパス(IPMP)を使用してパブリック・ネットワークまたはプライベート・ネットワーク用に複数のインタフェースを集約する場合は、Oracle Grid Infrastructureのインストール時に、IPMPグループに集約したすべてのインタフェース名を、パブリック・ネットワークまたはプライベート・ネットワークに使用する必要があるインタフェースとして指定する必要があります。

A.7.2 集約されたNICカードの問題

集約されたNICカードを使用し、Oracle Clusterware冗長インターコネクト機能を使用する場合、それらのカードは異なるサブネット上に存在する必要があります。Oracle Solaris IPMPなどのサード・パーティ・ベンダーの集約方法を使用する場合は、ネットワーク・オプションに関する情報が記載されたマニュアルを参照してください。

エラーが発生したら、次のシステム検証を実行してください。

  • スイッチに適切なケーブル(長さやタイプ)やソフトウェアが使用されていることを、ネットワーク・プロバイダに確認してください。場合によっては、負荷によって切断を起こす不具合を回避するため、またはジャンボ・フレームなどの追加機能をサポートするために、インターコネクト・スイッチのファームウェアのアップグレードや、新しいNICドライバ、オペレーティング・システム・レベルの新しいファームウェアが必要になることがあります。こうした修正を行わずに実行すると、初めのインストールは正常に見えても、後でOracle RACデータベースが不安定になることがあります。

  • ベンダーおよびOracleの推奨事項に従って、VLAN構成、二重化設定、自動ネゴシエーションを確認してください。

A.7.3 高可用性IPアドレス(HAIP)の問題

AGFWで、リソース・タイプ[ ora.haip.type ]が見つかりませんでした
原因: プライベート・インターコネクト・インタフェースはIPMPグループのメンバーですが、プライベート・インターコネクトでのHAIPの使用はOracle Solaris 11でサポートされていません。
処置: 処置は必要ありません。HAIPのサポートが必要な場合は、Oracle Grid Infrastructureを再インストールし、プライベート・インターコネクトで使用するために、IPMPグループのメンバーではないインタフェースを指定する必要があります。

このエラーは、Oracle Solaris 11の構成で発生する可能性があります。

A.8 SCAN VIPおよびSCANリスナーの問題

インストール時にSCAN VIPアドレスまたはリスナーに関連するエラーが報告された場合、次の項目をチェックして、ネットワークが正しく構成されていることを確認します。

  • ファイル/etc/resolv.confをチェックして、内容が各ノードで同じであることを確認します。

  • SCANのDNSエントリが存在しており、SCANが3つの有効なIPアドレスに解決されることを確認します。コマンドnslookup scan-nameを使用します(このコマンドにより、DNSサーバー名およびSCAN用に構成された3つのIPアドレスが戻されます)。

  • pingコマンドを使用して、SCANに割り当てられたIPアドレスをテストします(IPアドレスごとにレスポンスを受信する必要があります)。


    注意:

    クラスタ環境用にDNSが構成されていない場合は、各ノードの/etc/hostsファイルでSCANのエントリを作成できます。ただし、/etc/hostsファイルを使用してSCANを解決すると、クラスタ全体で使用可能なSCANは3つではなく1つのみとなります。hostsファイルにおけるSCAN用の最初のエントリのみが使用されます。

  • パブリック・インタフェースと同じサブネットがSCAN VIPで使用されていることを確認してください。

SCAN、SCAN VIPまたはリスナーに関連するエラーのトラブルシューティングについてさらに支援が必要な場合は、My Oracle Supportを参照してください。たとえば、Doc ID 1373350.1のNoteには、SCAN VIPおよびリスナーの最も一般的な問題の一部が含まれています。

A.9 ストレージ構成の問題

次にストレージ構成の問題を示します。

A.9.1 ノード・ファイル・システムまたはGridホーム損失からのリカバリ

Oracle Clusterwareリリース11.2以上では、誤ってファイル・システムを削除したり、Oracle Local Registryを失うことになる別のストレージ構成の問題が発生したり、ノードが破損した場合は、次のいずれかの方法でノードをリカバリできます。

  1. オペレーティング・システム・レベルのバックアップからノードをリストアする(推奨)。

  2. ノードを削除した後、ノードを追加する。11.2以上のクラスタでは、プロファイル情報はノードにコピーされ、ノードがリストアされます。

クラスタ内の残りのノードからリストアできるように、クラスタ・ノードを削除して再度追加することを可能にする機能をグリッドのプラグ・アンド・プレイ(GPnP)と呼びます。グリッドのプラグ・アンド・プレイによって、ノードごとの構成データが削減され、明示的にノードを追加したり削除する必要性がなくなります。この機能によって、システム管理者は、テンプレートのシステム・イメージを取得するだけで、それ以上の構成を行わなくても、新しいノードでそのイメージを実行できます。そのため多くの手動操作が不要になり、エラーの発生する可能性が減るだけでなく、構成の変更をより簡単に行えるようになります。ノード単位の構成が排除されると、個々の状態をノードで保持して管理する必要がなくなるため、ノードの交換が容易になります。

グリッドのプラグ・アンド・プレイ機能により、ノード単位の状態が使い捨て可能になることで、データベース・ノードのインストール、構成および管理のコストが削減されます。これによって、再生成された状態でノードを簡単に交換できるようになります。

次のようなaddnode構文を使用してノードのリカバリを開始します。lostnodeは、クラスタに再度追加しているノードです。

グリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用している場合:

$ ./addNode.sh -silent "CLUSTER_NEW_NODES=lostnode"

GNSを使用していない場合:

$ ./addNode.sh -silent "CLUSTER_NEW_NODES={lostnode}" "CLUSTER_NEW_VIRTUAL_HOSTNAMES={lostnode-vip}"

リストアするノードでroot.shスクリプトを実行できるようにし、OCRキーを再作成し、他の構成タスクを実行するには、ルートにアクセスする必要があることに注意してください。/usr/local/binの既存の情報を上書きするプロンプトが表示された場合は、デフォルトを受け入れます。

The file "dbhome" already exists in /usr/local/bin. Overwrite it? (y/n) [n]:
The file "oraenv" already exists in /usr/local/bin. Overwrite it? (y/n) [n]:
The file "coraenv" already exists in /usr/local/bin. Overwrite it? (y/n) [n]:

A.10 スクリプトを実行する前のインストールの実行

root.shスクリプトの完了時、OUIで「OK」をクリックしてインストールを終了し、Configuration Assistantを起動する必要があります。root.shスクリプトが実行される前または実行が完了する前にOUIが終了した場合、Oracle Grid Infrastructureのインストールは不完全となります。

中断されたインストールを完了するには、gridユーザーとして、インストールが開始されたノードで次のコマンドを実行します。

$Grid_home/cfgtoollogs/configToolAllCommands

このコマンドは最初のノードでのみ実行します。このコマンドを実行することにより、Oracle Grid Infrastructureのインストールが完了します。configToolAllCommandsファイルが存在しない場合、ファイルを手動で作成する場合の支援についてMy Oracle Supportにお問い合せください。