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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58879-09
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B レスポンス・ファイルを使用したOracle Database Clientのインストール

この付録では、レスポンス・ファイルを使用して、Oracle Database Clientのサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールを実行する方法について説明します。内容は次のとおりです。

B.1 レスポンス・ファイルの使用方法

Oracle Universal Installerの起動時にレスポンス・ファイルを指定すると、Oracleソフトウェアのインストールおよび構成のすべてまたは一部を自動化できます。Oracle Universal Installerでは、一部またはすべてのプロンプトに対する応答にレスポンス・ファイル内の値が使用されます。

通常、Oracle Universal Installerは対話モードで実行されます。つまり、Graphical User Interface(GUI)画面で情報の入力を要求されます。レスポンス・ファイルを使用してこの情報を入力する場合は、次のいずれかのモードでコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行します。

  • サイレント・モード: 画面は一切表示されません。かわりに、Oracle Universal Installerの起動に使用したコマンド・ウィンドウに進捗情報が表示されます。サイレント・モードを使用するには、-silentパラメータを指定してsetup.exeを実行し、Oracle Universal Installerのプロンプトに対する応答を保持しているレスポンス・ファイルを組み込みます。

  • レスポンス・ファイル・モード: Oracle Universal Installerでは、レスポンス・ファイルで情報を指定しなかった画面のみが表示されます。レスポンス・ファイルの変数またはコマンドライン・プロンプトを使用して、情報を入力する必要のない「ようこそ」画面や「サマリー」画面などの他のOracle Universal Installer画面も抑止できます。レスポンス・ファイル・モードを使用するには、-silentパラメータを指定しないでsetup.exeを実行し、適用するレスポンス・ファイルまたは他のパラメータを組み込みます。

レスポンス・ファイルにリストされている変数に値を入力して、サイレント・インストールまたはレスポンス・ファイル・インストールの設定を定義します。たとえば、Oracleホームを指定するには、次の例に示すように、ORACLE_HOME変数に適切な値を入力します。

ORACLE_HOME="C:\app\product"

関連項目:

  • レスポンス・ファイルの形式の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • レスポンス・ファイルの詳細は、My Oracle SupportのWebサイトを参照してください。

    https://support.oracle.com/


B.1.1 サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用する理由

表B-1に、Oracle Universal Installerをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行する理由をいくつか示します。

表B-1 サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用する理由

モード 使用方法

サイレント

次の場合にサイレント・モードを使用します。

  • アンアテンド・インストールを実行する場合

  • ユーザーとの対話なしで複数のシステムに同様のインストールを複数実行する場合

Oracle Universal Installerでは、起動に使用したウィンドウに進捗情報が表示されますが、Oracle Universal Installerの画面は表示されません。

レスポンス・ファイル

類似するOracleソフトウェアを複数のシステムにインストールし、すべてのOracle Universal Installerプロンプトではなく一部にのみデフォルトの応答を指定する場合には、レスポンス・ファイル・モードを使用します。

特定のインストーラ画面に必要な情報をレスポンス・ファイルに指定しないと、Oracle Universal Installerによりその画面が表示されます。必要な情報をすべて指定した画面は表示されません。


B.1.2 レスポンス・ファイルの一般的な使用手順

レスポンス・ファイルを使用してOracle Database Clientをインストールする一般的な手順は、次のとおりです。

  1. インストール設定に必要なレスポンス・ファイルをカスタマイズまたは作成します。

    レスポンス・ファイルは、次のいずれかの方法で作成できます。

    • インストールで提供されるサンプル・レスポンス・ファイルの1つを変更します。

    • 実行中にレスポンス・ファイル・オプションを保存します。

    レスポンス・ファイルをカスタマイズまたは作成する方法は、「レスポンス・ファイルの準備」を参照してください。

  2. レスポンス・ファイルを指定し、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用して、コマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行します。


    注意:

    Windows Vista、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2では、コマンド・プロンプトで管理者権限が必要です。

    レスポンス・ファイルを使用してOracle Universal Installerを実行する方法は、「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」を参照してください。

B.2 レスポンス・ファイルの準備

この項では、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでのインストール時に使用するレスポンス・ファイルを準備するための方法について説明します。

B.2.1 レスポンス・ファイル・テンプレートの編集

Oracleには、データベース・クライアントおよび構成ツールに対して、レスポンス・ファイルのテンプレートが用意されています。これらのファイルは、Oracle Databaseインストール・メディアのclient\responseディレクトリにあります。

表B-2に、使用可能なOracle Database Clientサンプル・レスポンス・ファイルを示します。

表B-2 レスポンス・ファイル

レスポンス・ファイル名 目的

client_install.rsp

Oracle Database Clientのインストール

netca.rsp

Oracle Net Configuration Assistantでクライアント・インストール・タイプによる構成を実行します。


レスポンス・ファイルをコピーおよび変更する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Databaseインストール・メディアのclient\responseディレクトリから、該当するレスポンス・ファイルを自分のハード・ドライブにコピーします。

  2. テキスト・ファイル・エディタでレスポンス・ファイルを変更します。


    関連項目:

    レスポンス・ファイルの生成の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。インストールしたOracle Databaseで、「スタート」「プログラム」「Oracle - HOME_NAME」「Oracle Installation Products」「Universal Installer Concepts Guide」の順に選択します。HTML形式で表示されます。

  3. 「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」の手順に従って、レスポンス・ファイルを実行します。

B.2.2 レスポンス・ファイルの保存

Oracle Universal Installerを対話モードで使用してレスポンス・ファイルを保存し、このファイルを編集してからサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールに使用できます。

Oracle Database 11g リリース2(11.2)以降では、「サマリー」ページで「レスポンス・ファイルの保存」をクリックすると、インストール中のすべてのインストール手順をレスポンス・ファイルに保存できます。後で、サイレント・インストールを実行する際に生成されたレスポンス・ファイルを使用できます。

レスポンス・ファイルを保存する場合、インストールを完了するか、またはインストーラがシステムへのソフトウェアのコピーを開始する前に「サマリー」ページでインストーラを終了できます。

インストール中にレスポンス・ファイルを保存すると、元のソース・レスポンス・ファイルに指定した変数値が新しいレスポンス・ファイルに保存されます。


注意:

Oracle Universal Installerは、レスポンス・ファイルにパスワードを保存しません。

レスポンス・ファイルを保存する手順は、次のとおりです。

  1. レスポンス・ファイルの作成対象のコンピュータが、第2章に記載されている要件を満たしていることを確認してください。

    レスポンス・ファイルを保存するためにOracle Universal Installerを実行すると、システムをチェックして、ソフトウェアをインストールするための要件を満たしているかどうかが検証されます。このため、必要なインストール前の作業をすべて完了してから、インストール実行中にレスポンス・ファイルを保存することをお薦めします。

  2. コマンド・プロンプトでcdコマンドを使用して、Oracle Universal Installerのsetup.exe実行可能ファイルを格納するディレクトリに移動します。


    注意:

    Windows Vista、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2では、コマンド・プロンプトで管理者権限が必要です。

    インストール・メディアでは、setup.exedatabaseディレクトリにあります。あるいは、インストール・ファイルをダウンロードまたはコピーしたディレクトリに移動します。

  3. setup.exeを実行します。

  4. Oracle Universal Installerの起動後、インストール設定を入力してレスポンス・ファイルを保存します。

  5. インストーラに「サマリー」画面が表示されたら、次の手順を実行します。

    • 「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルのファイル名および場所を指定します。次に、「保存」をクリックしてファイルに値を保存します。

    • 「終了」をクリックしてレスポンス・ファイルを作成し、インストールを続行します。

      レスポンス・ファイルの作成のみを実行し、インストールを続行しない場合は、「取消」をクリックします。インストールは中止されますが、入力した設定はレスポンス・ファイルに保存されます。

  6. 保存したレスポンス・ファイルを別のシステムで使用するには、事前にそのファイルを編集し、必要な変更を行います。

    ファイルを編集する際は、ファイル内の指示に従ってください。

B.3 レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行

この段階では、作成したレスポンス・ファイルを指定してコマンドラインからOracle Universal Installerを実行し、インストールを実行する準備ができています。Windows Vista、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2では、コマンド・プロンプトは管理者権限で開く必要があります。Oracle Universal Installerの実行可能ファイルsetup.exeには、いくつかのオプションが用意されています。これらのオプション全体のヘルプ情報を表示するには、次のように-helpオプションを指定してsetup.exeを実行します。

DRIVE_LETTER:\setup.exe_location setup -help

起動の準備中メッセージとともに新しいコマンド・ウィンドウが表示されます。ヘルプ情報が、すぐにこのウィンドウに表示されます。

Oracle Universal Installerを実行してレスポンス・ファイルを指定する手順は次のとおりです。

  1. Oracle Database Clientをインストールするコンピュータにレスポンス・ファイルを置きます。

  2. コマンド・プロンプトで、該当するレスポンス・ファイルを指定してOracle Universal Installerを実行します。Windows Vista、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2では、コマンド・プロンプトは管理者権限で開く必要があります。

    サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでOracle Universal Installerを起動するには、次のようなコマンドを入力します。

    DRIVE_LETTER:\setup.exe_location [-silent] "variable=setting" [-nowelcome] [-nowait] [-noconfig]  -responseFile filename 
    

    注意:

    レスポンス・ファイルへの相対パスは指定しないでください。相対パスを指定すると、Oracle Universal Installerは正常に動作しません。

    各項目の意味は次のとおりです。

    • DRIVE_LETTER: DVD上のデータベース・ディレクトリのパス。

    • setup.exe_location: setup.exeの場所を示します。

    • -silent: Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行することを示します。

    • "variable=setting"は、レスポンス・ファイルに設定するのでなく、コマンドラインで実行するレスポンス・ファイル内の変数を参照します。変数とその設定値は引用符で囲みます。

    • -nowelcome: インストール時に表示されるようこそウィンドウを非表示にします。

    • -nowait: サイレント・インストールが完了すると、コンソール・ウィンドウを閉じます。

    • -noconfig: インストール時にコンフィギュレーション・アシスタントの実行を抑制し、かわりにソフトウェアのみのインストールを実行します。

    • filename: 構成したインストール・レスポンス・ファイルのフルパスおよびファイル名です。

B.4 レスポンス・ファイルを使用したOracle Database Clientのインプレース・アップグレードの実行

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降は、レスポンス・ファイルを使用してOracle Database Clientのインプレース・アップグレードを実行できるようになりました。

  1. client_install.rspファイルのoracle.install.client.upgradingエントリを編集し、trueに設定します。デフォルトでは、oracle.install.client.upgradingエントリはfalseに設定されています。

  2. 「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」に従って、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行します。