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Oracle Database JDBC開発者ガイド
11gリリース2(11.2)
B56281-01
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22 実行時接続ロード・バランシング

Oracle Database 11gには、実行時接続ロード・バランシング機能があります。この章の内容は次のとおりです。


注意:

Oracle Database 11gリリース2 (11.2)から、この機能は非推奨となり、Universal Connection Pool (UCP) for JDBCがこれに置き換わりました。新しいアーキテクチャは、以前より強力でパフォーマンスも向上しているため、こちらを使用することをお薦めします。詳細は、次のリンクを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/tech/java/sqlj_jdbc/index.html

実行時接続ロード・バランシングの概要

Oracle Real Application Clusters環境では、接続は関連サービスを提供するインスタンスに属しています。すべてのインスタンスが等しく実行され、接続がキャッシュからランダムに取り出されるのが最も理想的です。しかし、あるインスタンスのパフォーマンスが他のインスタンスを上回る場合、接続をランダムに選択すると効率が悪くなります。実行時接続ロード・バランシング機能を使用すると、最適なパフォーマンスを提供するインスタンスに作業要求がルーティングされるため、作業を再配置する必要が最小限になります。

図22-1は、実行時接続ロード・バランシングを示しています。実行時接続ロード・バランシングを暗黙的接続キャッシュで有効にすると、次の処理が実行されます。

  1. クライアントは、DataSourceオブジェクトのgetConnectionメソッドをコールして、接続キャッシュから接続を要求します。

  2. 実行時接続ロード・バランシング・メカニズムによって、接続キャッシュから最適なインスタンスに属する接続が選択されます。図22-1の例では、インスタンス1またはインスタンス2が該当します。

  3. 最適な応答時間でクライアントが接続を受け取り、作業要求が処理されます。

図22-1 実行時接続ロード・バランシング

実行時接続ロード・バランシング機能
「図22-1 実行時接続ロード・バランシング」の説明

ロード・バランシング・アドバイザに基づく接続取出しは自動的に行われます。接続の要求は、ロード・バランシング・アドバイザによって決定されたサービス目標に基づいて接続を選択することで処理されます。このサービス目標によって、接続が最高のサービス品質を提供するかどうか(つまり1つのトランザクションがどの程度効率的に完了するか)、あるいは最適なスループットを提供するかどうか(つまりジョブ全体または長時間実行される問合せがどの程度効率的に完了するか)が決まります。ロード・バランシング・アドバイザは、Oracle Real Application Clustersによってイベントが送信されているかぎり、接続キャッシュによって使用されます。イベントの着信が停止すると、接続キャッシュはキャッシュからのランダムな接続取出しに戻ります。

実行時接続ロード・バランシングはOracle Notification Service(ONS)インフラストラクチャに依存します。実行時接続ロード・バランシングでは、高速接続フェイルオーバー処理で使用するのと同じバンド外ONSイベント・メカニズムを使用します。したがって、高速接続フェイルオーバーが有効になると、実行時接続ロード・バランシングもデフォルトで有効になります。実行時接続ロード・バランシングが機能するためにONSの追加設定や構成は必要ありません。

実行時接続ロード・バランシングの有効化

実行時接続ロード・バランシングを有効にして使用するには、次の方法でOracle Real Application Clustersデータベースを構成する必要があります。

これらの目標は、dbms_service.create_serviceまたはdbms_service.modify_serviceをコールする場合、設定する必要があります。サービス目標はgoalパラメータを使用して、接続バランシング目標はclb_goalパラメータを使用して設定できます。


注意:

接続バランシング目標は、LONGに設定することができます。ただし、これはクローズされたワークロードに対して、つまり完了した作業の割合と新しく始める作業の割合が等しいときに、最も有効です。


関連項目:

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』