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Oracle® Database 2日でセキュリティ・ガイド
11g リリース2(11.2)
B56296-05
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3 Oracle Databaseユーザー・アカウントの保護

この章の内容は次のとおりです。


関連項目:

ユーザー・アカウントの保護の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

Oracle Databaseユーザー・アカウントの保護について

多くの方法を使用してデータベース・ユーザー・アカウントを保護できます。たとえば、Oracle Databaseには、パスワードに対する一連の組込み保護があります。この章では、デフォルトのデータベース・アカウントとパスワードを保護する方法およびデータベース・アカウントの管理方法について説明します。

『Oracle Database 2日でデータベース管理者』では、ユーザー・アカウントの作成および管理の基礎(ユーザー・ロールの管理方法、管理アカウントの概要、パスワード・ポリシーの作成におけるプロファイルの使用方法など)について説明します。

ユーザー・アカウントを作成した後で、この項の手順を使用し、次の方法に従ってこれらのアカウントをより強力に保護できます。

  • 事前定義データベース・アカウントの保護。Oracle Databaseのインストール時に、事前定義済のアカウントが作成されます。パスワードを変更することで、これらのアカウントをできるだけ早く保護する必要があります。同じ方法を使用して、通常のユーザー・アカウント、管理アカウント、事前定義のアカウントのいずれであるかにかかわらず、すべてのパスワードを変更できます。このマニュアルでは、最もセキュアなパスワードを作成する方法のガイドラインも示します。

  • データベース・アカウントの管理。データベース・アカウントを期限切れにしたり、ロックできます。

  • パスワードの管理。初期化パラメータを設定することで、パスワードを管理および保護できます。初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。


関連項目:


Oracle Databaseから提供される事前定義されるユーザー・アカウント

Oracle Databaseをインストールすると、インストール・プロセスにより事前定義されたアカウントのセットが作成されます。これらのアカウントは次のカテゴリにあります。

事前定義された管理アカウント

Oracle Databaseのデフォルトのインストールで、事前定義された管理アカウントのセットが提供されます。これらのアカウントには、SYSスキーマが所有するパッケージのEXECUTE権限、CREATE ANY TABLE権限、またはALTER SESSIONのような、データベースの領域の管理に必要となる特別な権限を持ちます。管理アカウントのデフォルトの表領域は、SYSTEMSYSAUXです。

これらのアカウントを無許可アクセスから保護するため、インストール・プロセスにより表3-1に示されたアカウントを除く、ほとんどのアカウントが期限切れにされ、ロックされます。データベース管理者は、「データベース・アカウントの期限切れおよびロック」で説明されているとおりにアカウントのロックを解除し、リセットする責任があります。

表3-1に、Oracle Databaseで提供される管理ユーザー・アカウントを示します。

表3-1 事前定義されたOracle Databaseの管理ユーザー・アカウント

ユーザー・アカウント 説明 インストール後のステータス

ANONYMOUS

Oracle XML DBへのHTTPアクセスを許可するアカウント。EPG (Embedded PL/SQL Gateway)をデータベースにインストールするときにAPEX_PUBLIC_USERアカウントのかわりに使用されます。

EPGはOracle Databaseとともに使用されるWebサーバーです。動的アプリケーションの作成に必要なインフラストラクチャを提供します。

期限切れおよびロック済

CTXSYS

Oracle Textを管理するためのアカウント。Oracle Textを使用すると、テキスト問合せアプリケーションおよびドキュメント分類アプリケーションを作成できます。Oracle Textは、テキスト用の索引付け、語とテーマの検索および表示機能を提供します。

『Oracle Textアプリケーション開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

DBSNMP

データベースの監視および管理を行うためにOracle Enterprise ManagerのManagement Agentのコンポーネントによって使用されるアカウント。

『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーションおよび基本構成』を参照してください。

オープン

パスワードはインストール時またはデータベースの作成時に作成されます。

EXFSYS

Rules Manager機能およびExpression Filter機能と関連付けられるEXFSYSスキーマにアクセスするために内部で使用されるアカウント。この機能により複雑なPL/SQLのルールおよび表現を構築できます。EXFSYSにはRules ManagerやExpression FilterのDDL、DML、および関連するメタデータが含まれています。

『Oracle Database Rules ManagerおよびExpression Filter開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

LBACSYS

Oracle Label Security (OLS)を管理するためのアカウント。Label Securityオプションをインストールするときのみ作成されます。

「Oracle Label Securityによる行レベルのセキュリティの強制」および『Oracle Label Security管理者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

MDSYS

Oracle SpatialおよびOracle Multimedia Locator管理者アカウント。

『Oracle Spatial開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

MGMT_VIEW

Oracle Enterprise Manager Database Controlで使用されるアカウント。

オープン

パスワードはインストール時またはデータベースの作成時にランダムに生成されます。ユーザーがこのパスワードを知る必要はありません。

OLAPSYS

OLAPカタログ(CWMLite)を所有するアカウント。このアカウントは、非推奨となりましたが、下位互換性のために保持されています。

期限切れおよびロック済

ORDDATA

このアカウントにはOracle Multimedia DICOMのデータ・モデルが含まれています。詳細はOracle Multimedia DICOM開発者ガイドを参照してください。

期限切れおよびロック済

OWBSYS

Oracle Warehouse Builderのリポジトリを管理するためのアカウント。

インストール中にこのアカウントにアクセスし、リポジトリのベース言語を定義し、Warehouse Builderの作業領域とユーザーを定義します。データ・ウェアハウスは問合せおよび分析のために設計されたリレーショナル・データベースまたは多次元データベースです。

『Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

ORDPLUGINS

Oracle Multimediaユーザー。Oracleおよびサード・パーティにより提供されたプラグイン(フォーマット・プラグイン)はこのスキーマにインストールされています。

Oracle MultimediaによりOracle Databaseで画像、音声、動画、DICOMフォーマットの医療用画像などのオブジェクトや、その他の企業情報と統合された異機種間のメディア・データを格納、管理および取得できます。

『Oracle Multimediaユーザーズ・ガイド』および『Oracle Multimediaリファレンス』を参照してください。

期限切れおよびロック済

ORDSYS

Oracle Multimedia管理者アカウント。

『Oracle Multimediaユーザーズ・ガイド』『Oracle Multimediaリファレンス』および『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

OUTLN

プラン・スタビリティをサポートするアカウント。プラン・スタビリティにより、ストアド・アウトラインに実行プランが保存され、特定のデータベースの環境の変更がアプリケーションのパフォーマンス特性に影響するのを防ぎます。OUTLNは、ストアド・アウトラインに関連付けられたメタデータを集中管理するロールを実行します。

『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

SI_INFORMTN_SCHEMA

SQL/MM Still Image Standard向けの情報ビューを保存しているアカウント。

『Oracle Multimediaユーザーズ・ガイド』および『Oracle Multimediaリファレンス』を参照してください。

期限切れおよびロック済

SYS

データベース管理タスクの実行に使用されるアカウント。

『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

オープン

パスワードはインストール時またはデータベースの作成時に作成されます。

SYSMAN

Oracle Enterprise Managerデータベースの管理タスクの実行に使用するアカウント。SYSおよびSYSTEMのアカウントでもこれらのタスクを実行できます。

『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーションおよび基本構成』を参照してください。

オープン

パスワードはインストール時またはデータベースの作成時に作成されます。

SYSTEM

Oracle Databaseのデフォルトの汎用データベース管理者アカウント。

本番システムでは、データベース管理操作用に汎用SYSTEMアカウントを使用せずに、個々のデータベース管理者アカウントを作成することをお薦めします。

『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

オープン

パスワードはインストール時またはデータベースの作成時に作成されます。

WK_TEST

デフォルトのインスタンス(WK_INST)のインスタンス管理者。このアカウントのロックを解除し、このユーザーにパスワードを割り当ててから、管理ツールの「インスタンスの編集」ページを使用して、キャッシュ済のスキーマ・パスワードを更新する必要があります。

Ultra Searchは、Oracle Database、その他のODBC準拠のデータベース、IMAPメール・サーバー、Webサーバーで管理されるHTMLドキュメント、ディスク上のファイルなどの複数のリポジトリに対する統一された検索機能および位置特定機能を提供します。

『Oracle Ultra Search管理者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

WKSYS

Ultra Searchデータベースのスーパーユーザー。WKSYSはスーパーユーザー権限をWK_TESTなどの他のユーザーに付与できます。すべてのOracle Ultra Searchデータベース・オブジェクトは、WKSYSスキーマにインストールされます。

『Oracle Ultra Search管理者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

WKPROXY

Oracle9i Application Server Ultra Searchの管理アカウント。

『Oracle Ultra Search管理者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

WMSYS

Oracle Workspace Managerのメタデータ情報の格納に使用されるアカウント。

『Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

XDB

Oracle XML DBデータおよびメタデータの保存に使用されるアカウント。

Oracle XML DBはOracle Databaseのデータに対し、パフォーマンスの高いXMLの格納および取得を提供します。

『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済



注意:

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスを作成すると、ASMSNMPアカウントが作成されます。Oracle Enterprise Managerはこのアカウントを使用して、ASMインスタンスを監視し、ASM関連のデータ・ディクショナリ・ビューからデータを取得します。ASMSNMPアカウントのステータスはアカウントの作成時にOPENに設定され、SYSDBA権限が付与されます。詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

事前定義された非管理ユーザー・アカウント

表3-2には、Oracle Databaseをインストールするときに作成されるデフォルトの非管理ユーザー・アカウントがリストされています。非管理ユーザー・アカウントはジョブの実行に最低限必要な権限のみ所有します。デフォルトの表領域はUSERSです。

これらのアカウントを無許可アクセスから保護するため、インストール・プロセスにより表3-2に示されたアカウントを除く、ほとんどのアカウントがインストール後すぐにロックされ、期限切れになります。データベース管理者は、「データベース・アカウントの期限切れおよびロック」で説明されているとおりにアカウントのロックを解除し、リセットする責任があります。

表3-2 事前定義されたOracle Databaseの非管理ユーザー・アカウント

ユーザー・アカウント 説明 インストール後のステータス

APEX_PUBLIC_USER

Oracle Database Application Expressのアカウント。このアカウントはデータベース・アクセス記述子(DAD)でデータベースに接続するために使用するOracleのスキーマの指定に使用します。

Oracle Application ExpressはOracle Database用の迅速なWebアプリケーション開発ツールです。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

DIP

Oracle Label SecurityとともにインストールされるOracle Directory Integration and Provisioning(DIP)のアカウント。このプロファイルはOracle Internet Directoryが有効なOracle Label Securityのインストール・プロセスの一部として自動的に作成されます。

『Oracle Label Security管理者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

FLOWS_040100

Oracle Database Application Expressのインストール中に作成されるほとんどのデータベース・オブジェクトを所有するアカウント。オブジェクトには、表、ビュー、トリガー、索引、パッケージなどが含まれます。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

FLOWS_FILES

ファイルのアップロードやダウンロードなどmodplsqlのドキュメント転送に関連するOracle Database Applicationのインストール中に作成されるデータベース・オブジェクトを所有するアカウント。オブジェクトには、表、ビュー、トリガー、索引、パッケージなどが含まれます。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

MDDATA

格納されるジオコーダおよびルーターのデータ用にOracle Spatialに使用されるスキーマ。

Oracle SpatialはSQLスキーマおよびファンクションを提供し、これによりOracle DatabaseのSpatial機能の格納、取得、更新、問合せができます。

『Oracle Spatial開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

ORACLE_OCM

Oracle Configuration Managerと使用するアカウント。この機能により現在のOracle Databaseインスタンスの構成情報をMy Oracle Supportと関連付けることができます。サービス・リクエストを記録すると、データベース・インスタンスの構成情報と関連付けられます。

使用しているプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

SPATIAL_CSW_ADMIN_USR

Catalog Services for the Web(CSW)のアカウントです。このアカウントはOracle Spatial CSW Cache Managerにより、データベースからすべてのレコード・タイプのメタデータとレコード・インスタンスを、キャッシュされたレコード・タイプのメイン・メモリーにロードするために使用されます。

『Oracle Spatial開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

SPATIAL_WFS_ADMIN_USR

Web Feature Service(WFS)のアカウントです。このアカウントはOracle Spatial WFS Cache Managerにより、データベースからすべての機能タイプのメタデータと機能インスタンスを、キャッシュされた機能タイプのメイン・メモリーにロードするために使用されます。

『Oracle Spatial開発者ガイド』を参照してください。

期限切れおよびロック済

XS$NULL

セッション内にユーザーが存在しないことを表す内部アカウント。XS$NULLは、ユーザーではないため、Oracle Databaseインスタンスによってのみアクセスできます。XS$NULLには権限がなく、XS$NULLとして認証したり、XS$NULLに認証資格証明を割り当てることはできません。

期限切れおよびロック済


事前定義されたサンプル・スキーマ・ユーザー・アカウント

このガイドの例を完了するために必要となるサンプル・スキーマをインストールすると、Oracle Databaseはサンプル・ユーザー・アカウントのセットを作成します。サンプル・スキーマ・ユーザー・アカウントはすべて非管理アカウントで、表領域は USERS です。

これらのアカウントを無許可アクセスから保護するため、インストール・プロセスによりこれらのアカウントがインストール直後にロックされ、期限切れになります。データベース管理者は、「データベース・アカウントの期限切れおよびロック」で説明されているとおりにアカウントのロックを解除し、リセットする責任があります。サンプル・スキーマ・アカウントの詳細は『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』を参照してください。

表3-3には様々な製品を製造している架空の企業の個別の部門を表すサンプル・スキーマ・ユーザー・アカウントがリストされています。

表3-3 デフォルトのサンプル・スキーマ・ユーザー・アカウント

ユーザー・アカウント 説明 インストール後のステータス

BI

Oracleサンプル・スキーマに含まれているBI(Business Intelligence)スキーマを所有するアカウント。

関連項目: 『Oracle Warehouse Builderソースおよびターゲット・ガイド』

期限切れおよびロック済

HR

HR(Human Resources)スキーマを管理するためのアカウント。このスキーマには企業の従業員および施設に関する情報が格納されます。

期限切れおよびロック済

OE

OE(Order Entry)スキーマを管理するためのアカウント。このスキーマには製品のインベントリや、様々なチャネルによる製品の売上が格納されます。

期限切れおよびロック済

PM

PM(Product Media)スキーマを管理するためのアカウント。このスキーマには企業が販売した各製品の説明と詳細情報が含まれます。

期限切れおよびロック済

IX

IX(Information Exchange)スキーマを管理するためのアカウント。このスキーマによりB2B(Business-to-Business)アプリケーションを介した発送が管理されます。

期限切れおよびロック済

SH

SH(Sales)スキーマを管理するためのアカウント。このスキーマにはビジネス上の決断を容易にするビジネス戦略が格納されます。

期限切れおよびロック済


サンプル・スキーマ・アカウントに加えて、Oracle Databaseでは別のサンプル・スキーマ・アカウント(SCOTT)が提供されます。SCOTTスキーマには、表EMPDEPTSALGRADEおよびBONUSが含まれています。SCOTTアカウントはOracle Databaseのドキュメント・セット全体の例で使用されます。Oracle Databaseをインストールすると、SCOTTアカウントはロックされ、期限が切れます。

データベース・アカウントの期限切れおよびロック

ユーザーのパスワードを期限切れにすると、パスワードは存在しなくなります。パスワードを期限切れにしない場合は、そのアカウントのパスワードを変更します。アカウントをロックすると、他のアカウント情報と同じようにユーザー・パスワードも保持されますが、そのアカウントを使用してデータベースにログインするユーザーに対してアカウントが使用不可になります。ロックを解除すると、アカウントは再度使用可能になります。

Database Controlを使用してデータベース・アカウントのロックを解除する方法については、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。また、Database Controlを使用して、データベース・アカウントを期限切れにしたり、ロックすることもできます。

データベース・アカウントの期限切れおよびロックを実行するには、次のようにします。 

  1. Database Controlを起動します。

    Database Controlを起動する手順については、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

  2. 管理者権限を使用してログインします。

    次に例を示します。

    login.gifの説明が続きます
    login.gifの説明

    データベースのホームページが表示されます。

  3. 「サーバー」をクリックして、「サーバー」サブページを表示します。

  4. 「セキュリティ」セクションで「ユーザー」をクリックします。

    「ユーザー」ページに、現行のデータベース・インスタンスで作成されたユーザー・アカウントが表示されます。「アカウント・ステータス」列は、アカウントが期限切れか、ロックされているか、オープンかを表します。

  5. 「選択」列で期限切れにするアカウントを選択し、「編集」をクリックします。

    「ユーザーの編集」ページが表示されます。

  6. 次のいずれかの操作を行います。

    • パスワードを期限切れにするには、「期限切れパスワード」をクリックします。

      パスワードが期限切れにならないようにするには、「パスワードの入力」および「パスワードの確認」フィールドに新しいパスワードを入力します。パスワードの要件については、「パスワードの作成要件」を参照してください。

    • アカウントをロックするには、「ロック」を選択します。

  7. 「適用」をクリックします。

パスワードの作成要件

ユーザー・アカウントを作成すると、Oracle Databaseによって、そのユーザーのデフォルトのパスワード・ポリシーが割り当てられます。パスワード・ポリシーは、最低文字数や有効期限など、パスワードの作成方法に関するルールを定義します。パスワード・ポリシーを使用してパスワードを強化できます。

セキュリティを考慮して、パスワードを作成する際は、次のガイドラインに従います。

  • パスワードは12から30文字の英数字で指定します。

  • パスワードには、大/小文字と特殊文字を混在させて使用します。(詳細は、Oracle Databaseセキュリティ・ガイドを参照)。

  • パスワードの文字には、データベースのキャラクタ・セットを使用します。これには、アンダースコア(_)、ドル記号($)およびシャープ記号(#)の文字を含めることができます。

  • 実在する単語をパスワードに使用しないでください。

パスワードをさらにセキュアなものにする方法については、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。


関連項目:


デフォルト・パスワードの検索および変更

Oracle Databaseをインストールする場合、管理アカウントを含むデフォルトのデータベース・ユーザー・アカウントがデフォルトのパスワードなしで作成されます。インストール中にパスワードを作成した管理者アカウント(ユーザーSYSなど)を除き、デフォルトのユーザー・アカウントはパスワードが期限切れになっており、ロックされています。以前のリリースのOracle Databaseからアップグレードした場合は、デフォルトのパスワードを持つデータベース・アカウントが存在する可能性があります。これらは、データベースの作成時に作成されるデフォルトのアカウント(HROESCOTTなど)です。

セキュリティは、デフォルトのデータベース・ユーザー・アカウントがインストール後デフォルト・パスワードを使用していると、最も容易に危険にさらされます。ユーザー・アカウントSCOTTはよく知られているアカウントで侵入されやすい可能性があるため、これが特に当てはまります。デフォルト・パスワードが使用されているアカウントを検索してから、そのパスワードを変更します。

デフォルト・パスワードを検索して変更するには、次のようにします。 

  1. 管理者権限を使用してSQL*Plusにログインします。

    sqlplus system
    Enter password: password
    
  2. DBA_USERS_WITH_DEFPWDデータ・ディクショナリ・ビューから選択します。

    SELECT * FROM DBA_USERS_WITH_DEFPWD;
    

    DBA_USERS_WITH_DEFPWDには、ユーザー・デフォルト・パスワードを持つアカウントが表示されます。次に例を示します。

    USERNAME
    ------------
    SCOTT
    
  3. DBA_USERS_WITH_DEFPWDデータ・ディクショナリ・ビューに表示されたアカウントのパスワードを変更します。

    たとえば、ユーザーSCOTTのパスワードを変更するには、次のように入力します。

    PASSWORD SCOTT
    Changing password for SCOTT
    New password: password
    Retype new password: password
    Password changed
    

    「パスワードの作成要件」に示されているガイドラインに従って、passwordをセキュアなパスワードに置き換えます。セキュリティを考慮して、以前のリリースのOracle Databaseで使用していたパスワードと同じパスワードは再利用しないでください。

    また、パスワードは、ALTER USER SQL文を使用して変更することもできます。

    ALTER USER SCOTT IDENTIFIED BY password;
    

管理権限がある場合は、Database Controlを使用して、(デフォルトのユーザー・アカウントのパスワードのみでなく)ユーザー・アカウントのパスワードを変更できます。個々のユーザーがDatabase Controlを使用して自分のパスワードを変更することもできます。

Database Controlを使用してデータベース・アカウントのパスワードを変更するには、次のようにします。 

  1. Database Controlを起動します。

    Database Controlを起動する手順については、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

  2. 管理者のユーザー名とパスワード(SYSTEMなど)を入力し、「ログイン」をクリックします。

  3. 「サーバー」をクリックして、「サーバー」サブページを表示します。

  4. 「セキュリティ」セクションで「ユーザー」をクリックします。

    「ユーザー」ページに、現行のデータベース・インスタンスで作成されたユーザー・アカウントが表示されます。「アカウント・ステータス」列は、アカウントが期限切れか、ロックされているか、オープンかを表します。

  5. 「選択」列で変更するアカウントを選択し、「編集」をクリックします。

    「ユーザーの編集」ページが表示されます。

  6. 「パスワードの入力」および「パスワードの確認」フィールドに新しいパスワードを入力します。

  7. 「適用」をクリックします。


関連項目:


デフォルト管理ユーザー・パスワードの処理のガイドライン

SYSSYSTEMSYSMANDBSNMP管理アカウントでは、同じパスワードを使用することも異なるパスワードを使用することもできます。それぞれに対して異なるパスワードを使用することをお薦めします。どのようなOracle Database環境(本番環境もしくはテスト環境)でも、これらの管理者アカウントには強力でセキュアな固有のパスワードを割り当ててください。Database Configuration Assistantを使用して新規データベースを作成する場合は、SYSアカウントおよびSYSTEMアカウントに対してパスワードを作成する必要があります。

SYSMANおよびDBSNMPを含むすべての管理者アカウントでデフォルト・パスワードは使用しないでください。Oracle Database 11g リリース2(11.2)以上では、デフォルト・パスワードを持つこれらのアカウントはインストールされませんが、以前のリリースのOracle Databaseからアップグレードした場合、デフォルト・パスワードを使用するアカウントが存在している可能性があります。これらのアカウントは、「デフォルト・パスワードの検索および変更」の手順を使用して検索および変更する必要があります。

データベース作成の最後に、Database Configuration Assistantにより、SYSおよびSYSTEMユーザー・アカウントの新しいパスワードの入力および確認を要求するページが表示されます。

管理ユーザー・パスワードは、インストール後にDatabase Controlを使用して変更できます。パスワード変更の詳細は、「デフォルト・パスワードの検索および変更」を参照してください。

パスワード管理の強制のガイドライン

すべてのユーザー・パスワードに基本的なパスワード管理ルール(パスワードの長さ、履歴、複雑度など)を適用します。Oracle Databaseでは、デフォルト・プロファイルでパスワード・ポリシーが有効になります。パスワード・ポリシーを作成するためのガイドラインについては、「パスワードの作成要件」を参照してください。パスワードの管理を実行するために設定する初期化パラメータについては、表3-4を参照してください。

DBA_USERSビューを問い合せることで、ユーザー・アカウントに関する情報を検索できます。DBA_USERSビューでは、ユーザー・アカウント・ステータス、アカウントがロックされているかどうか、パスワードのバージョンなど、有用な情報が提供されます。DBA_USERSは次のように問い合せることができます。

sqlplus system
Enter password: password

SQL> SELECT * FROM DBA_USERS;

また、可能な場合は、ネットワーク認証サービス(Kerberosなど)、トークン・カード、スマート・カードあるいはX.509証明書とともに、Oracle Advanced Security(Oracle Database Enterprise Editionのオプション)を使用することをお薦めします。これらのサービスはユーザーの厳密な認証を可能にし、Oracle Databaseへの無許可アクセスに対してより強力な保護を実現します。


関連項目:

  • パスワードの管理の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

  • ユーザーおよびプロファイルに関する情報を検索するために問い合せることができる追加のビューについては、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。


ユーザー・アカウントの保護に使用されるパラメータ

表3-4に、ユーザー・アカウントを保護するために設定する初期化パラメータおよびプロファイル・パラメータを示します。

表3-4 ユーザー・アカウント・セキュリティに使用される初期化パラメータおよびプロファイル・パラメータ

パラメータ デフォルト設定 説明

SEC_CASE_SENSITIVE_LOGON

TRUE

パスワードの大文字と小文字の区別を管理します。TRUEで大文字と小文字の区別が有効になります。FALSEで区別が無効になります。

SEC_MAX_FAILED_LOGIN_ATTEMPTS

デフォルト設定なし

Oracle Call Interface(OCI)アプリケーションへの接続時にユーザーが失敗できる最大の回数を設定します。

FAILED_LOGIN_ATTEMPTS

10

ユーザー・ログインが何度も失敗した場合に、アカウントがロックされるまでの最大の回数を設定します。

注意: SEC_MAX_FAILED_LOGIN_ATTEMPTS初期化パラメータを使用して、権限のないユーザー(おそらく侵入者)がOracle Call Interfaceアプリケーションへのログインを試行する最大回数の制限も設定できます。

PASSWORD_GRACE_TIME

7

パスワードが期限切れになる前に、パスワードを変更する猶予期間の日数を設定します。

PASSWORD_LIFE_TIME

180

現行のパスワードを使用できる日数を設定します。

PASSWORD_LOCK_TIME

1

ログインが指定回数以上失敗した場合にユーザー・アカウントをロックする日数を設定します。

PASSWORD_REUSE_MAX

UNLIMITED

現行のパスワードの再使用が許可されるまでに必要なパスワードの変更回数を指定します。

PASSWORD_REUSE_TIME

UNLIMITED

パスワードの再使用が許可される日数を指定します。



注意:

これらのパラメータのほとんどは、ユーザー・プロファイルを作成するために使用できます。ユーザー・プロファイル設定の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

初期化パラメータを変更するには、「初期化パラメータ値の変更」を参照してください。初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。