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Oracle® Database SQL言語リファレンス
11gリリース2 (11.2)
B56299-08
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STATS_ONE_WAY_ANOVA

構文

stats_one_way_anova.gifの説明が続きます。
図「stats_one_way_anova.gif」の説明

用途

STATS_ONE_WAY_ANOVAファンクションによる一元配置分散分析では、分散の2つの異なる推定値を比較して、(複数のグループまたは変数の)平均値の差をテストして統計学的有意差を求めます。1つ目の推定値は、各グループまたはカテゴリ内の分散に基づきます。これは、群内平均平方または平均平方誤差と呼ばれます。2つ目の推定値は、グループの平均値の分散に基づきます。これは、群間平均平方と呼ばれます。グループの平均値に有意差がある場合、その群間平均平方は期待値より大きくなり、群内平均平方に一致しません。グループの平均平方が一貫している場合、2つの分散の推定値はほぼ同じになります。

STATS_ONE_WAY_ANOVAは、2つの式とVARCHAR2型の戻り値の3つの引数を取ります。expr1には、データをグループの集合に分割する独立変数またはグループ変数を指定します。expr2には、グループの各構成要素に対応する値を含む従属変数(数式)を指定します。このファンクションは、3つ目の引数に従って1つの数値を戻します。3つ目の引数を指定しない場合、デフォルトでSIGが戻り値になります。表5-8に、戻り値の意味を示します。

表5-8 STATS_ONE_WAY_ANOVAの戻り値

戻り値 意味

SUM_SQUARES_BETEEN

グループ間平方和

SUM_SQUARES_WITHIN

グループ内平方和

DF_BETWEEN

グループ間の自由度

DF_WITHIN

グループ内の自由度

MEAN_SQUARES_BETWEEN

グループ間平均平方

MEAN_SQUARES_WITHIN

グループ内平均平方

F_RATIO

群内平均平方に対する群間平均平方の比率(MSB(グループ間平均平方)/MSW(グループ内平均平方))

SIG

有意性


一元配置分散分析の有意性は群間平均平方と群内平均平方の比率に対するf検定の片側有意を求めることによって判断されます。f検定では片側有意を使用する必要があります。これは、群間平均平方は、群内平均平方以上のみになるためです。そのため、STATS_ONE_WAY_ANOVAが戻す有意性は、グループ間の差が偶然である確率で、0(ゼロ)から1の数値です。この数値が小さいほど、グループ間の有意差が大きくなります。f検定の実行の詳細は、「STATS_F_TEST」を参照してください。

STATS_ONE_WAY_ANOVAの例 次の例では、収入水準内での売上平均の差と、収入水準間での売上平均の差の有意性を判断します。p_valuesが0(ゼロ)に近いという結果は、男性と女性の両方に対して、様々な収入水準の人々に販売された商品の金額には有意差があることを示しています。

SELECT cust_gender,
       STATS_ONE_WAY_ANOVA(cust_income_level, amount_sold, 'F_RATIO') f_ratio,
       STATS_ONE_WAY_ANOVA(cust_income_level, amount_sold, 'SIG') p_value
  FROM sh.customers c, sh.sales s
  WHERE c.cust_id = s.cust_id
  GROUP BY cust_gender
  ORDER BY cust_gender;

C    F_RATIO    P_VALUE
- ---------- ----------
F 5.59536943 4.7840E-09
M  9.2865001 6.7139E-17