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Oracle® Database管理者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56301-08
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20 表の管理

この章の内容は、次のとおりです。

表について

表は、Oracle Databaseのデータ記憶域の基本単位です。データは、行および列に格納されます。表は、employeesなどの表名と一連の列で定義します。各列には列名(employee_idlast_namejob_idなど)、データ型(VARCHAR2DATENUMBERなど)および幅を指定します。幅は、DATEデータ型の場合のようにデータ型によって事前に決定されている場合があります。NUMBERデータ型の列の場合は、幅ではなく、精度および位取りを定義します。行は、単一のレコードに対応する列情報の集合です。

表の各列にはルールを指定できます。これらのルールは整合性制約と呼ばれています。NOT NULLは、整合性制約の1つです。これは、各行の列に値を指定することを強制する制約です。

透過的データ暗号化を起動して、データを暗号化してから格納できます。ユーザーが、オペレーティング・システムのツールを使用してOracleデータファイルの内容を直接参照することによって、データベース・アクセス制御メカニズムを迂回しようとした場合でも、暗号化によって、このようなユーザーが機密データを参照できないようにします。

表には仮想列を含めることもできます。仮想列は表の他の列とほぼ同じですが、値が式を評価して導出される点が異なります。式には、同じ表からの列、制約、SQL関数およびユーザー定義PL/SQL関数を含めることができます。仮想列に明示的に書き込むことはできません。

列の型には、LOB、VARRAYおよびネストした表のように専用セグメントに格納されるものがあります。LOBとVARRAYはLOBセグメントに格納されますが、ネストした表は記憶表に格納されます。これらのセグメントに対してSTORAGE句を指定し、表レベルで指定した記憶域パラメータを上書きできます。

表を作成した後は、SQL文またはOracleのバルク・ロード・ユーティリティを使用してデータ行を挿入します。表データは、SQLを使用して問合せ、削除または更新できます。


関連項目:

  • 表の概要は、『Oracle Database概要』を参照してください。

  • Oracle Databaseのデータ型の説明は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • 表の領域を管理するためのガイドラインは、第19章「スキーマ・オブジェクトの領域の管理」を参照してください。

  • 整合性制約の指定や表の分析など、表の管理に関するその他の詳細は、第18章「スキーマ・オブジェクトの管理」を参照してください。

  • 透過的データ暗号化の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。


表を管理するためのガイドライン

ここでは、表を管理するときに従うべきガイドラインについて説明します。これらのガイドラインに従うことで、表の作成や表データのロード、更新および問合せを行うときに、表の管理が容易になり、パフォーマンスの向上にもつながります。

次の内容について説明します。

作成前の表の設計

通常、アプリケーション開発者は、表などのアプリケーションの要素を設計する必要があります。データベース管理者は、アプリケーション表を保持する、基礎となる表領域に対する属性の設定を担当します。DBAまたはアプリケーション開発者は(あるいは双方が協力して)、サイトの業務に基づいて実際の表の作成を担当します。

表を設計する場合は、アプリケーション開発者と協力し、次のガイドラインを考慮してください。

  • 表、列、索引およびクラスタには、内容を表現する名前を使用します。

  • 表名および列に略語を使用する場合や、単数形と複数形の使用には、一貫性を持たせます。

  • COMMENTコマンドを使用して、各表とその列の意味を記載します。

  • 各表は正規化します。

  • 各列に適切なデータ型を選択します。

  • 一部の表に仮想列を1つ以上追加した場合、アプリケーションに利点があるかどうかを検討します。

  • 記憶域を節約するために、NULLを許可する列を最後に定義します。

  • 記憶域を節約し、SQL文のパフォーマンスを最適化するために、適切な場合は必ず表をクラスタ化します。

表を作成する前に、整合性制約の使用についても判断します。表の列に整合性制約を定義することによって、データベースのビジネス・ルールを自動的に徹底できます。

作成する表のタイプの指定

作成できる表のタイプは次のとおりです。

表のタイプ 説明
通常の(ヒープ構成)表 この章の主な説明の対象でもある基本的で多目的な表です。この表のデータは、順序付けされていないコレクション(ヒープ)として格納されます。
クラスタ化表 クラスタ化表は、クラスタの一部である表です。クラスタとは、各表が共通の列を共有していて一緒に使用されるケースが多いために、同じデータ・ブロックを共有する表のグループです。

クラスタおよびクラスタ化表の詳細は、第22章「クラスタの管理」を参照してください。

索引構成表 通常の(ヒープ構成)表とは異なり、索引構成表のデータはBツリーの索引構造に主キー・ソート方式で格納されます。Bツリーの各索引エントリには、索引構成表の行の主キーの列値のみでなく、非キーの列値も格納されます。

索引構成表の詳細は、「索引構成表の管理」を参照してください。

パーティション表 パーティション表では、データをパーティションと呼ばれるさらに小さく管理が容易な単位に分割でき、さらにサブパーティションに分割することもできます。各パーティションには、圧縮の有効化または無効化、圧縮のタイプ、物理記憶域設定、表領域など別個の物理属性を指定できるため、可用性およびパフォーマンスをより適切にチューニングできる構造になります。さらに、各パーティションを個別に管理できるため、バックアップや管理が簡素化され、これらの処理に必要な時間を削減できます。

パーティション表の詳細は、『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。


各表の位置の指定

新しい表を格納する表領域を識別するには、CREATE TABLE文にTABLESPACE句を指定します。パーティション表の場合は、各パーティションを格納する表領域をオプションとして指定できます。使用する表領域に対する適切なシステム権限と割当て権限があることを確認してください。CREATE TABLE文で表領域を指定しない場合は、作成したユーザーのデフォルト表領域内に表が作成されます。

新しい表を含む表領域を指定するときは、その選択が意味することを確実に理解しておいてください。各表の作成時に表領域を適切に指定することによって、データベース・システムのパフォーマンスが向上し、データベース管理に必要な時間を短縮できます。

次のように、表領域を指定しない場合や不適切な表領域を指定した場合は、パフォーマンスに影響を与えます。

  • ユーザーのオブジェクトをSYSTEM表領域に作成すると、データ・ディクショナリ・オブジェクトとユーザー・オブジェクトの両方が同じデータファイルを求めて競合し、データベースのパフォーマンスが低下するおそれがあります。ユーザーのオブジェクトはSYSTEM表領域に格納しないでください。これを回避するには、データベースに表領域が作成される際に、すべてのユーザーにデフォルトの表領域が割り当てられていることを確認します。

  • アプリケーションに関係する表をいろいろな表領域に無計画に格納すると、アプリケーションのデータ管理操作(バックアップやリカバリなど)に要する時間が増大する可能性があります。

表作成のパラレル化

CREATE TABLE文で副問合せ(AS SELECT)を使用して表を作成する際は、パラレル実行を使用できます。複数のプロセスが同時に動作して表を作成するため、表を作成するときのパフォーマンスが向上します。

表作成のパラレル化の説明は、「表作成のパラレル化」を参照してください。

表作成時のNOLOGGINGの使用

表を最も効率よく作成するには、CREATE TABLE...AS SELECT文でNOLOGGING句を使用します。NOLOGGING句を指定すると、表の作成中に最小限のREDO情報しか生成されません。これには、次のような利点があります。

  • REDOログ・ファイルの領域を節約できます。

  • 表の作成に要する時間が削減できます。

  • 大規模な表のパラレル作成のパフォーマンスが向上します。

また、NOLOGGING句を指定することで、SQL*Loaderを使用した後続のダイレクト・ロードおよびダイレクト・ロードINSERT操作がロギングされなくなります。後続のデータ操作文(DML)文(UPDATEDELETEおよび従来型パスの挿入)は、表のNOLOGGING属性の影響を受けず、REDOを生成します。

表の作成後にその表の損失(たとえば、表の作成に使用したデータにアクセスできなくなるなど)を避ける必要がある場合は、作成直後に表のバックアップを取得してください。一時的に使用するために作成する表など、そのような予防策が不要な場合もあります。

一般に、NOLOGGINGを指定して表を作成するときは、小規模な表より大規模な表の方が相対的にパフォーマンスの向上が大きくなります。小規模な表の場合は、NOLOGGINGを指定しても、表作成に要する時間にほとんど影響はありません。一方、大規模な表では、特に表作成をパラレル化したときにもパフォーマンスが著しく向上します。

表圧縮の使用

データベースが大きくなるにつれて、表圧縮の使用を検討してください。圧縮を使用すると、ディスク領域が節約され、データベース・バッファ・キャッシュのメモリー使用が削減されて、読込み中の問合せ実行速度が大幅に向上します。圧縮には、データのロードやDMLのためのCPUオーバーヘッドがかかります。ただし、この負荷はI/O要件の削減によって相殺される可能性があります。

表の圧縮は、アプリケーションに対して完全に透過的です。意思決定支援システム(DSS)、オンライン・トランザクション処理(OLTP)システムおよびアーカイブ・システムで役立ちます。

圧縮は、表領域、表またはパーティションに対して指定できます。表領域レベルで指定した場合、その表領域内に作成されるすべての表がデフォルトで圧縮されます。

圧縮は、表に対するデータの挿入、更新またはバルク・ロード中に実行できます。圧縮が許可される操作は次のとおりです。

  • 単一行または単一配列の挿入および更新

  • 次のダイレクト・パスINSERT方法

    • ダイレクト・パスSQL*Loader

    • CREATE TABLE AS SELECT

    • パラレルINSERT

    • APPENDまたはAPPEND_VALUESヒントを指定したINSERT

Oracle Databaseでは、表の圧縮でいくつかの方法がサポートされます。これらの方法を表20-1にまとめます。

表20-1 表圧縮方法

表圧縮方法 圧縮レベル CPUオーバーヘッド アプリケーション 注意

基本圧縮

最小限

DSS

なし。

OLTP圧縮

最小限

OLTP、DSS

なし。

ウェアハウス圧縮(ハイブリッド列圧縮)

より高い

より高い

DSS

圧縮レベルとCPUオーバーヘッドは、指定された圧縮レベル(LOWまたはHIGH)に応じて変化します。

アーカイブ圧縮(ハイブリッド列圧縮)

最高

最高

アーカイブ

圧縮レベルとCPUオーバーヘッドは、指定された圧縮レベル(LOWまたはHIGH)に応じて変化します。


基本圧縮、ウェアハウス圧縮またはアーカイブ圧縮を使用する場合、圧縮はデータが表にバルク・ロードされるときにのみ実行されます。

OLTP圧縮を使用する場合、圧縮は、表に対するデータの挿入、更新またはバルク・ロード中に実行されます。圧縮が許可される操作は次のとおりです。

  • 単一行または単一配列の挿入および更新

    挿入および更新は即時に圧縮されません。すでに圧縮されているブロックを更新する場合、更新されない列は通常、圧縮されたままです。更新された列は、圧縮されていないブロックと同様に非圧縮形式で格納されます。更新された値は、ブロックがデータベース制御されたしきい値に達すると、再圧縮されます。挿入されたデータも、ブロック内のデータがデータベース制御されたしきい値に達すると、圧縮されます。

  • 次のダイレクト・パスINSERT方法

    • ダイレクト・パスSQL*Loader

    • CREATE TABLE AS SELECT

    • パラレルINSERT

    • APPENDまたはAPPEND_VALUESヒントを指定したINSERT

基本圧縮は、ダイレクト・パス・ロードによって挿入されたデータのみを圧縮し、制限されたデータ型およびSQL操作をサポートします。OLTP圧縮はOLTPアプリケーション向けで、すべてのSQL操作によって操作されたデータを圧縮します。

ウェアハウス圧縮とアーカイブ圧縮では、ハイブリッド列圧縮テクノロジが使用されるため、最高の圧縮レベルが実現します。ハイブリッド列圧縮テクノロジでは、行優先ストレージではなく、修正された形式の列指向ストレージが使用されます。これにより、データベースでは、同様のデータをまとめて格納できるため、圧縮アルゴリズムの効率性が向上します。データを更新する場合、ハイブリッド列圧縮ではより多くのCPUが使用され、将来の更新を迅速に行うために、更新された行は行形式に移動されます。このような最適化が行われるため、更新頻度の低いデータにのみこの圧縮機能を使用してください。

より高い圧縮レベルのハイブリッド列圧縮は、ダイレクト・パス・インサートが行われるデータでのみ実現されます。従来の挿入および更新もサポートされますが、その場合、行が列形式から行形式に移動され、圧縮レベルも低下します。

圧縮方法に関係なく、圧縮されたブロックに対するDELETE操作は、圧縮されていないブロックに対するDELETE操作と同じです。SQL DELETE操作によってデータ・ブロックで取得される領域はすべて、後続のSQL INSERT操作で再利用されます。ハイブリッド列圧縮テクノロジを使用すると、圧縮単位内の行がすべて削除された場合、圧縮単位内の領域は再利用に使用できます。

表20-2は、表の各圧縮方法の特徴を示しています。

表20-2 表の圧縮の特徴

表圧縮方法 CREATE/ALTER TABLEの構文 ダイレクト・パスINSERT 注意

基本圧縮

COMPRESS [BASIC]

行は基本圧縮方式で圧縮されます。

COMPRESSCOMPRESS BASICは同等です。

ダイレクト・パス・インサートを使用せずに挿入された行と更新された行は圧縮されません。

OLTP圧縮

COMPRESS FOR OLTP

行はOLTP圧縮方式で圧縮されます。

ダイレクト・パス・インサートを使用せずに挿入された行と更新された行は、OLTP圧縮を使用して圧縮されます。

ウェアハウス圧縮(ハイブリッド列圧縮)

COMPRESS FOR QUERY [LOW|HIGH]

行はウェアハウス圧縮方式で圧縮されます。

この圧縮方式は高いCPUオーバーヘッドが発生する可能性があります。

更新された行およびダイレクト・パス・インサートを使用せずに挿入された行は、列形式ではなく行形式で格納されるため、圧縮レベルが低下します。

アーカイブ圧縮(ハイブリッド列圧縮)

COMPRESS FOR ARCHIVE [LOW|HIGH]

行はアーカイブ圧縮方式で圧縮されます。

この圧縮方式は高いCPUオーバーヘッドが発生する可能性があります。

更新された行およびダイレクト・パス・インサートを使用せずに挿入された行は、列形式ではなく行形式で格納されるため、圧縮レベルが低下します。


表圧縮の指定には、CREATE TABLE文のCOMPRESS句を使用します。既存の表で圧縮を有効にするには、ALTER TABLE文でこれらの句を使用します。この場合、圧縮を使用可能にした後で挿入または更新されたデータのみが圧縮されます。同様に、ALTER TABLE...NOCOMPRESS文を使用すると、既存の圧縮表に対する表圧縮を使用禁止にできます。この場合、すでに圧縮されているすべてのデータは圧縮されたままですが、新規データは圧縮されずに挿入されます。

COMPRESS FOR QUERY HIGHオプションは、デフォルトのデータ・ウェアハウス圧縮モードです。Exadataストレージでハイブリッド列圧縮を使用する場合に、高い圧縮レベルと優れたパフォーマンスが実現します。COMPRESS FOR QUERY LOWオプションは、ロード・パフォーマンスが非常に重要な環境で使用する必要があります。このオプションでは、COMPRESS FOR QUERY HIGHオプションで圧縮されたデータより高速にロードが行われます。

COMPRESS FOR ARCHIVE LOWオプションは、デフォルトのアーカイブ圧縮モードです。これにより、高い圧縮レベルが実現し、頻繁にアクセスしないデータに最適です。めったにアクセスされないデータに対しては、COMPRESS FOR ARCHIVE HIGHオプションを使用する必要があります。

DBMS_COMPRESSIONパッケージで提供される圧縮アドバイザを使用すると、特定の表に特定の圧縮方法を適用したときに予想される圧縮レベルを確認できます。


注意:

ハイブリッド列圧縮は、基礎となるストレージ・システムに依存します。詳細は、『Oracle Databaseライセンス情報』を参照してください。


関連項目:


表圧縮に関連のある例

次に示す例は、表圧縮に関連があります。

例20-1 OLTP表圧縮を使用した表の作成

次の例では、表ordersに対してOLTP表圧縮を使用可能にします。

CREATE TABLE orders  ...  COMPRESS FOR OLTP;

orders表のデータは、ダイレクト・パスINSERTおよび従来のDMLの両方で圧縮されます。

例20-2 基本表圧縮を使用した表の作成

次に示す同等の文では、データ・ウェアハウス内のファクト表であるsales_history表に対して基本表圧縮を使用可能にします。

CREATE TABLE sales_history  ...  COMPRESS BASIC;

CREATE TABLE sales_history  ...  COMPRESS;

この表には問合せが頻繁に実行されますが、DMLの実行は想定されていません。

例20-3 ダイレクト・パス・インサートを使用した表への行の挿入

この例では、ダイレクト・パスINSERTを使用してsales_history表に行を挿入する場合にAPPENDヒントを使用する方法を示しています。

INSERT /*+ APPEND */ INTO sales_history SELECT * FROM sales WHERE cust_id=8890;
COMMIT;

例20-4 ウェアハウス圧縮を使用した表の作成

この例では、表sales_historyでハイブリッド列圧縮を使用可能にします。

CREATE TABLE sales_history  ...  COMPRESS FOR QUERY;

表は、デフォルトのCOMPRESS FOR QUERY HIGHオプションを使用して作成されます。このオプションは、基本圧縮またはOLTP圧縮よりも高レベルの圧縮を実現します。ロード・パフォーマンスが重要であり、問合せが頻繁に表に対して実行され、DMLが予期されない場合に適しています。

例20-5 アーカイブ圧縮を使用した表の作成

次の例では、表sales_historyでハイブリッド列圧縮を使用可能にします。

CREATE TABLE sales_history  ...  COMPRESS FOR ARCHIVE;

表は、デフォルトのCOMPRESS FOR ARCHIVE LOWオプションを使用して作成されます。このオプションでは最高レベルの圧縮が実現され、頻繁にアクセスされないデータの場合に適しています。

圧縮とパーティション表

表には圧縮パーティションと非圧縮パーティションの両方を含めることができ、異なるパーティションでは異なる圧縮方法を使用できます。表に対する圧縮の設定とそのパーティションに対する設定が一致しない場合、パーティションについてはパーティションの設定が優先されます。

パーティションの圧縮方法を変更するには、次のどちらかを実行します。

  • 新しいデータのみの圧縮方法を変更するには、ALTER TABLE ... MODIFY PARTITION ... COMPRESS ...を使用します。

  • 新しいデータと既存のデータの両方の圧縮方法を変更するには、ALTER TABLE ... MOVE PARTITION ... COMPRESS ...または表のオンライン再定義のどちらかを使用します。

表が圧縮されているかどうかの確認

*_TABLESデータ・ディクショナリ・ビューで、圧縮表にはCOMPRESSION列にENABLEDと表示されます。パーティション表では、この列はNULLですが、*_TAB_PARTITIONSビューのCOMPRESSION列に、圧縮されているパーティションが表示されます。また、COMPRESS_FOR列には、表またはパーティションで使用中の圧縮方法が表示されます。

SQL> SELECT table_name, compression, compress_for FROM user_tables;
 
TABLE_NAME       COMPRESSION   COMPRESS_FOR
---------------- ------------  -----------------
T1               DISABLED
T2               ENABLED       BASIC
T3               ENABLED       OLTP
T4               ENABLED       QUERY HIGH
T5               ENABLED       ARCHIVE LOW

SQL> SELECT table_name, partition_name, compression, compress_for
  FROM user_tab_partitions;

TABLE_NAME  PARTITION_NAME   COMPRESSION   COMPRESS_FOR
----------- ---------------- -----------   ------------------------------
SALES       Q4_2004          ENABLED       ARCHIVE HIGH
  ...
SALES       Q3_2008          ENABLED       QUERY HIGH
SALES       Q4_2008          ENABLED       QUERY HIGH
SALES       Q1_2009          ENABLED       OLTP
SALES       Q2_2009          ENABLED       OLTP

圧縮されている行の確認

ハイブリッド列圧縮表が更新されると、行はウェアハウス圧縮(QUERY HIGH)からOLTP圧縮または圧縮なしなどの低レベルの圧縮に変更されます。行の圧縮レベルを確認するには、DBMS_COMPRESSIONパッケージのGET_COMPRESSION_TYPEファンクションを使用します。

たとえば、次の問合せは、hr.employees表の行の圧縮タイプを返します。

SELECT DECODE(DBMS_COMPRESSION.GET_COMPRESSION_TYPE(
                 ownname => 'HR', 
                 tabname => 'EMPLOYEES', 
                 row_id  => 'AAAVEIAAGAAAABTAAD'), 
   1,  'No Compression',
   2,  'Basic or OLTP Compression', 
   4,  'Hybrid Columnar Compression for Query High',
   8,  'Hybrid Columnar Compression for Query Low',
   16, 'Hybrid Columnar Compression for Archive High',
   32, 'Hybrid Columnar Compression for Archive Low',
   'Unknown Compression Type') compression_type
FROM DUAL;

表の行をサンプリングすることで、高レベルの圧縮ではなくなった行の割合を確認できます。ALTER TABLEまたはMOVE PARTITIONを使用すると、より高い圧縮レベルを指定できます。たとえば、行のうちの10パーセントが最高の圧縮レベルでなくなった場合、表を変更するか、パーティションを移動してより高い圧縮レベルを指定できます。


関連項目:

GET_COMPRESSION_TYPEの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

圧縮レベルの変更

パーティション、表または表領域の圧縮レベルは変更できます。たとえば、ある企業でその売上データにウェアハウス圧縮を使用している一方で、6か月より古い売上データにはめったにアクセスしないとします。売上データがその経過時間に基づいてパーティション化された表に格納されている場合、古いデータの圧縮レベルをアーカイブ圧縮に変更して、ディスク領域を解放できます。

表がパーティション化されている場合、DBMS_REDEFINITIONパッケージを使用して表の圧縮レベルを変更できます。このパッケージでは、表の再定義をオンラインで実行するために、再定義中に表のデータを保持する一時コピーを作成します。再定義される表は、再定義中でも引き続き問合せやDML文に対応できます。オンラインでの表の再定義に使用される空き領域の容量は、既存の表と新しい表の相対的な圧縮レベルに応じて変化します。DBMS_REDEFINITIONパッケージを使用する前に、システム上に十分なハード・ディスク領域が存在することを確認してください。

表がパーティション化されていない場合、ALTER TABLE...MOVE...COMPRESS FOR...文を使用して圧縮レベルを変更できます。ALTER TABLE...MOVE文では、コマンドの実行中に表に対するDML文は許可されません。

パーティションの圧縮レベルを変更するには、ALTER TABLE...MODIFY PARTITION文を使用します。表領域の圧縮レベルを変更するには、ALTER TABLESPACE文を使用します。


関連項目:

  • ALTER TABLEコマンドの詳細は、「新規セグメントまたは表領域への表の移動」を参照してください。

  • DBMS_REDEFINITIONパッケージの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。


圧縮表の列の追加と削除

圧縮表に列を追加する場合、次の制限が適用されます。

  • 基本圧縮: 追加される列にはデフォルト値を指定できません。

  • OLTP圧縮: 追加される列にデフォルト値を指定する場合、列はNOT NULLであることが必要です。デフォルト値が設定されたNULL値可能列の追加はサポートされません。

圧縮表の列を削除する場合、次の制限が適用されます。

  • 基本圧縮: 列の削除はサポートされていません。

  • OLTP圧縮: DROP COLUMNはサポートされていますが、長時間実行される解凍と再圧縮の操作を避けるために、データベースでは列が内部的にUNUSEDに設定されます。

ハイブリッド列圧縮表のエクスポートおよびインポート

ハイブリッド列圧縮表は、データ・ポンプのインポート・ユーティリティのimpdpコマンドを使用してインポートできます。デフォルトでは、impdpコマンドは表プロパティを保存し、インポートされた表はハイブリッド列圧縮表となります。ハイブリッド列圧縮をサポートしていない表領域では、impdpコマンドは失敗し、エラーが表示されます。表はexpdpコマンドでエクスポートすることもできます。

ハイブリッド列圧縮表は、impdpコマンドのTRANSFORM:SEGMENT_ATTRIBUTES=nオプション句を使用して、非圧縮表としてインポートできます。

非圧縮表またはOLTP圧縮表は、インポート中にハイブリッド列圧縮形式に変換できます。ハイブリッド列圧縮表でない表をハイブリッド列圧縮表に変換するには、次のようにします。

  1. ALTER TABLESPACE ... SET DEFAULT COMPRESSコマンドを使用して、表領域のデフォルト圧縮を指定します。

  2. インポート中にインポートされた表のSEGMENT_ATTRIBUTESオプションを上書きします。


関連項目:

  • データ・ポンプのインポート・ユーティリティの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

  • ALTER TABLESPACEコマンドの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。


ハイブリッド列圧縮表のリストア

ハイブリッド列圧縮表をバックアップからリストアする必要がある場合があります。表はハイブリッド列圧縮をサポートしているシステム、またはハイブリッド列圧縮をサポートしていないシステムにリストアできます。ハイブリッド列圧縮が含まれる表をハイブリッド列圧縮をサポートしているシステムにリストアする場合は、通常どおり、Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用してファイルをリストアします。

ハイブリッド列圧縮表がハイブリッド列圧縮をサポートしていないシステムにリストアされている場合は、表をハイブリッド列圧縮からOLTP圧縮形式または非圧縮形式に変換する必要があります。表をリストアするには、次のようにします。

  1. 環境に非圧縮形式またはOLTP圧縮形式のデータを保存するに十分なストレージがあることを確認します。

  2. RMANを使用して、ハイブリッド列圧縮表領域をリストアします。

  3. 次のいずれかのアクションを実行して、表をハイブリッド列圧縮からOLTP圧縮形式または非圧縮形式に変換します。

    • 次の文を使用して、データ圧縮をハイブリッド列圧縮からCOMPRESS FOR OLTPに変更します。

      ALTER TABLE table_name MOVE COMPRESS FOR OLTP;
      
    • 次の文を使用して、データ圧縮をハイブリッド列圧縮からNOCOMPRESSに変更します。

      ALTER TABLE table_name MOVE NOCOMPRESS;
      
    • 各パーティションをNOCOMPRESSに変更するには、次の文を使用します。

      ALTER TABLE table_name MOVE PARTITION partition_name NOCOMPRESS;
      

      各パーティションは個別に変更します。

    • 次の文を使用して、データをNOCOMPRESSに並列で移動します。

      ALTER TABLE table_name MOVE NOCOMPRESS PARALLEL;
      

関連項目:

  • RMANの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • ALTER TABLEコマンドの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。


圧縮表に関する注意およびその他の制限事項

圧縮表に関して、次の注意点や制限があります。

  • オンラインによるセグメントの縮小は、圧縮表ではサポートされていません。

  • この項で説明する表圧縮方法は、SecureFilesラージ・オブジェクト(LOB)には適用されません。SecureFiles LOBには独自の圧縮方法があります。詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。

  • 圧縮テクノロジではCPUを使用します。追加の負荷を処理するために使用可能なCPUが十分にあることを確認する必要があります。

  • 基本圧縮で作成された表では、特に指定しないかぎり、PCT_FREEパラメータが自動的に0(ゼロ)に設定されます。

圧縮表のパック

基本圧縮またはハイブリッド列圧縮で圧縮した表で従来のDMLを使用すると、挿入および更新されるすべての行は非圧縮、または低レベルの圧縮形式で保存されます。このような行が圧縮されるように圧縮表をパックするには、ALTER TABLE MOVE文を使用できます。この操作には表の排他ロックが必要なため、この操作が完了するまで更新とロードを実行しないでください。このような状況が望ましくない場合は、表のオンライン再定義を使用できます。


関連項目:


機密データを格納する列の暗号化

機密データを格納する個々の表の列を暗号化できます。機密データには、社会保障番号、クレジット・カード番号、医療記録などがあります。列の暗号化は、アプリケーションに対して完全に透過的ですが、いくつか制限事項があります。

暗号化は、セキュリティの問題をすべて解決するわけではありませんが、ユーザーがデータベースのセキュリティ機能を迂回して、オペレーティング・システムのファイル・システムから直接データベース・ファイルにアクセスしようとした場合に、そのユーザーからデータを保護します。

列暗号化はOracle Databaseの透過的データ暗号化機能を使用しますが、この機能を使用するには、データベースのマスター暗号化鍵を保存するためにOracleウォレットを作成する必要があります。暗号化列を含む表を作成する場合、および暗号化データを格納または取得する場合は、ウォレットがオープンしている必要があります。ウォレットは、オープンするとすべてのセッションで使用可能になり、明示的にクローズするか、データベースが停止されるまではオープンしたままになります。

透過的データ暗号化では、次に示すAdvanced Encryption Standard(AES)アルゴリズムやTriple Data Encryption Standard(3DES)アルゴリズムなど、業界標準の暗号化アルゴリズムがサポートされています。

  • AES256

  • AES192

  • AES128

  • 3DES168

使用するアルゴリズムは表の作成時に選択します。表のすべての暗号化列で同じアルゴリズムが使用されます。デフォルトはAES192です。暗号化キーの長さはアルゴリズム名で示されています。たとえば、AES128アルゴリズムでは128ビットのキーが使用されます。

1つ以上の表にある多数の列を暗号化する場合は、かわりに表領域全体を暗号化してその表領域にこれらの表を格納することも考慮できます。表領域の暗号化でも同様に透過的データ暗号化機能が使用されますが、物理的なブロック・レベルで暗号化されるため、多数の列を暗号化するよりパフォーマンスが向上します。表領域レベルで暗号化する別の理由は、列暗号化の次の制限事項に対処するためです。

  • COMPATIBLE初期化パラメータが10.2.0(透過的データ暗号化を使用可能にするための最小設定値)に設定されている場合、ソートまたはハッシュ結合に関与していて一時表領域に書き込まれる暗号化列のデータは、平文で書き込まれるため、攻撃にさらされます。一時表領域に書き込まれる暗号化データを暗号化されたままにするには、COMPATIBLEを11.1.0以上に設定する必要があります。なお、UNDO表領域またはREDOログに書き込まれる場合は、COMPATIBLEが10.2.0以上に設定されていれば、暗号化列のデータは暗号化されたままです。

  • オブジェクト・データ型などの特定のデータ型は、列暗号化ではサポートされていません。

  • 暗号化列がある表が含まれた表領域に対しては、トランスポータブル表領域機能を使用できません。

  • その他の制限の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。


関連項目:

  • 「暗号化された表領域」

  • 「例: 表の作成」

  • 透過的データ暗号化の詳細およびウォレットを作成して開く手順は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

  • CREATE TABLE文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • Oracle Real Application Clusters環境でOracleウォレットを使用する方法については、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

  • 「データベース間での表領域のトランスポート」


セグメント作成の遅延の理解

Oracle Database 11g リリース2以降、ローカルで管理される表領域内にヒープ構成表を作成すると、最初の行が挿入されるまで表セグメントの作成が遅延されます。

さらに、セグメントの作成は、表のすべてのLOB列、表作成の一環として暗黙的に作成されたすべての索引、および後から明示的にその表に作成されたすべての索引に対して遅延されます。


注意:

リリース11.2.0.1では、パーティション表に対するセグメント作成の遅延はサポートされていません。この制限は、リリース11.2.0.2以降では除去されています。

この領域割当て方法の利点は次のとおりです。

  • インストール時に何百もの表が作成され、その表の多くに一度もデータが移入されないようなアプリケーションで、ディスク領域が大幅に削減されます。

  • アプリケーションのインストール時間が短縮されます。

最初の行が挿入される際に新しいセグメントを作成する必要があるため、パフォーマンスが多少低下します。

セグメント作成の遅延を有効にするには、互換性を11.2.0以上に設定する必要があります。

CREATE TABLE文に新たに導入された句は、次のとおりです。

  • SEGMENT CREATION DEFERRED

  • SEGMENT CREATION IMMEDIATE

これらの句は、セグメントの作成を遅延するDEFERRED_SEGMENT_CREATION初期化パラメータのデフォルト設定であるTRUEを上書きします。セグメントの作成の遅延を無効にするには、このパラメータをFALSEに設定します。

セグメント作成を遅延する設定で表を作成すると、新しい表が*_TABLESビューに表示されますが、その表のエントリは最初の行を入力するまで*_SEGMENTSビューに表示されません。

セグメント作成の遅延を確認するには、非パーティション表の場合は*_TABLES*_INDEXES*_LOBSの各ビュー、パーティション表の場合は*_TAB_PARTITIONS*_IND_PARTITIONS*_LOB_PARTITIONSの各ビューでSEGMENT_CREATED列を参照します。


注意:

この新しい割当て方法では、適切な容量計画を行い、表へのデータ移入時にセグメントの作成を処理できるだけの十分なディスク領域がデータベースにあるようにすることが重要です。「データベース・オブジェクトの容量計画」を参照してください。

次の例では2つの表を作成し、遅延セグメント作成を実現します。最初の表はSEGMENT CREATION DEFERRED句を使用します。最初はセグメントが作成されません。2番目の表はSEGMENT CREATION IMMEDIATE句を使用するため、セグメントが即時作成されます。

CREATE TABLE part_time_employees (
    empno NUMBER(8),
    name VARCHAR2(30),
    hourly_rate NUMBER (7,2)
    )   
    SEGMENT CREATION DEFERRED;
 
CREATE TABLE hourly_employees (
    empno NUMBER(8),
    name VARCHAR2(30),
    hourly_rate NUMBER (7,2)
    ) 
   SEGMENT CREATION IMMEDIATE
   PARTITION BY RANGE(empno)
    (PARTITION empno_to_100 VALUES LESS THAN (100),
    PARTITION empno_to_200 VALUES LESS THAN (200));

USER_SEGMENTSに対する次の問合せにより、HOURLY_EMPLOYEESの行はパーティションごとに1つずつ計2つ返されますが、PART_TIME_EMPLOYEESの行はこの表のセグメント作成が遅延されたため返されません。

SELECT segment_name, partition_name FROM user_segments;
 
SEGMENT_NAME         PARTITION_NAME                                
-------------------- ------------------------------                             
HOURLY_EMPLOYEES     EMPNO_TO_100                       
HOURLY_EMPLOYEES     EMPNO_TO_200       

USER_TABLESビューには、PART_TIME_EMPLOYEESにセグメントがないことが示されます。

SELECT table_name, segment_created FROM user_tables;
 
TABLE_NAME                     SEGMENT_CREATED
------------------------------ ----------------------------------------
PART_TIME_EMPLOYEES            NO
HOURLY_EMPLOYEES               N/A

HOURLY_EMPLOYEES表がパーティション表である場合、SEGMENT_CREATED列はN/Aになっています。これは、USER_TABLESビューには、パーティション表のこの列に関する情報がないためです。次のように、USER_TAB_PARTITIONSビューから参照できます。

SELECT table_name, segment_created, partition_name
 FROM user_tab_partitions;

TABLE_NAME           SEGMENT_CREATED      PARTITION_NAME
-------------------- -------------------- ------------------------------
HOURLY_EMPLOYEES     YES                  EMPNO_TO_100
HOURLY_EMPLOYEES     YES                  EMPNO_TO_200

次の文は、従業員をこれらの表に追加しています。

INSERT INTO hourly_employees VALUES (99, 'FRose', 20.00);
INSERT INTO hourly_employees VALUES (150, 'LRose', 25.00);
 
INSERT INTO part_time_employees VALUES (50, 'KReilly', 10.00);

前述のように同じSELECT文を繰り返すと、行データが挿入されるため、PART_TIME_EMPLOYEESにセグメントが作成されました。HOURLY_EMPLOYEESは前述のままです。

SELECT segment_name, partition_name FROM user_segments;
 
SEGMENT_NAME         PARTITION_NAME
-------------------- ------------------------------
PART_TIME_EMPLOYEES
HOURLY_EMPLOYEES     EMPNO_TO_100
HOURLY_EMPLOYEES     EMPNO_TO_200
SELECT table_name, segment_created FROM user_tables;
 
TABLE_NAME           SEGMENT_CREATED
-------------------- --------------------
PART_TIME_EMPLOYEES  YES
HOURLY_EMPLOYEES     N/A
                                         

USER_TAB_PARTITIONSビューに変更はありません。


関連項目:

セグメント作成の遅延に関する注意および制限は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

セグメントのマテリアライズ

Oracle Database 11g リリース2(11.2.0.2)からは、DBMS_SPACE_ADMINパッケージにはMATERIALIZE_DEFERRED_SEGMENTS()プロシージャが含まれています。このプロシージャを使用すると、セグメント作成の遅延が有効であるときに作成された表、表パーティションおよび依存オブジェクトのセグメントをマテリアライズできます。

最初から必要以上のセグメントを設定して不必要にデータベース・リソースを使用するのではなく、必要に応じてセグメントを追加できます。

次の例では、HRスキーマのEMPLOYEES表のセグメントをマテリアライズしています。

BEGIN
  DBMS_SPACE_ADMIN.MATERIALIZE_DEFERRED_SEGMENTS(
    schema_name  => 'HR',
    table_name   => 'EMPLOYEES');
END;

関連項目:

このプロシージャの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

表サイズの見積りと見積りに応じた計画

表を作成する前に表のサイズを見積ります。見積りは、なるべくデータベース計画の一部として実行します。データベース表のサイズと用途を確認することは、データベース計画の重要な部分です。

表の見積りサイズの合計と、索引、UNDO領域およびREDOログ・ファイルの見積りを使用して、作成するデータベースを格納するために必要なディスク容量を決定できます。この見積りによって、適切なハードウェアを購入できます。

見積ったサイズと個々の表サイズの増加率を使用すると、作成する表に最適な表領域の属性とその基礎となるデータファイルを的確に判断できます。これによって、表のディスク領域の管理が容易になり、表を使用するアプリケーションのI/Oパフォーマンスが向上します。

表作成時の制限事項

表の計画と使用に影響を与える可能性のある制限事項がいくつかあります。

  • オブジェクト型を含む表は、Oracle8より古いバージョンのデータベースにインポートできません。

  • エクスポートされた表は、異なるスキーマで同じ名前の付いた既存の表にマージできません。

  • オリジナルのデータがデータベースにまだ存在するときは、型とエクステント表を異なるスキーマには移動できません。

  • Oracle Databaseには、表が持つ列(またはオブジェクト型の属性)の合計数に制限があります。この制限の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

    ユーザー定義型のデータを含む表を作成すると、ユーザー定義型の列はその型データを格納するリレーショナル列にマップされます。これにより、追加のリレーショナル列が作成されます。これらのリレーショナル列は「非表示」で、DESCRIBE表の文では表示されず、SELECT *文でも返されません。したがって、オブジェクト表、REFの列を持つリレーショナル表、VARRAY、ネストした表またはオブジェクト型を作成するときは、データベースが表に対して実際に作成した列の合計数が、指定した数よりも多くなることがあるので注意してください。


    関連項目:

    ユーザー定義型の詳細は、Oracle Databaseオブジェクト・リレーショナル開発者ガイドを参照

表の作成

自分のスキーマに新しい表を作成するには、CREATE TABLEシステム権限が必要です。別のユーザーのスキーマに表を作成するには、CREATE ANY TABLEシステム権限が必要です。また、表の所有者には、その表を含む表領域に対する割当て制限またはUNLIMITED TABLESPACEシステム権限が必要です。

表はSQL文CREATE TABLEを使用して作成します。

この項の内容は次のとおりです。

例: 表の作成

次の文を発行すると、表admin_emphrスキーマに作成され、admin_tbs表領域に格納されます。

CREATE TABLE hr.admin_emp (
         empno      NUMBER(5) PRIMARY KEY,
         ename      VARCHAR2(15) NOT NULL,
         ssn        NUMBER(9) ENCRYPT USING 'AES256',
         job        VARCHAR2(10),
         mgr        NUMBER(5),
         hiredate   DATE DEFAULT (sysdate),
         photo      BLOB,
         sal        NUMBER(7,2),
         hrly_rate  NUMBER(7,2) GENERATED ALWAYS AS (sal/2080),
         comm       NUMBER(7,2),
         deptno     NUMBER(3) NOT NULL
                     CONSTRAINT admin_dept_fkey REFERENCES hr.departments
                     (department_id))
   TABLESPACE admin_tbs
   STORAGE ( INITIAL 50K);

COMMENT ON TABLE hr.admin_emp IS 'Enhanced employee table';

次に、この例について説明します。

  • 表の複数の列で整合性制約が定義されています。

  • STORAGE句では、第1エクステントのサイズが指定されています。この句の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • 1つの列(ssn)で、Oracle Databaseの透過的データ暗号化機能を使用した暗号化が定義されています。したがって、このCREATE TABLE文を正常に実行するためには、Oracleウォレットがオープンしている必要があります。

  • photo列はデータ型がBLOBで、これはラージ・オブジェクト(LOB)と呼ばれるデータ型のセットのメンバーです。LOBは、準構造化データ(XMLツリーなど)および非構造化データ(カラー・イメージのビット・ストリームなど)の保存に使用されます。

  • 1つの列(hrly_rate)が仮想列として定義されています。この列は、年収を2,080で除算して従業員の時給を計算しています。仮想列に関するルールの説明は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • COMMENT文を使用して、表に関するコメントが格納されています。*_TAB_COMMENTSデータ・ディクショナリ・ビューを問い合せると、このようなコメントを取得できます。詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。


関連項目:

  • 表の列に指定できるデータ型の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • 「整合性制約の管理」

  • 透過的データ暗号化およびOracleウォレットの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

  • LOBの詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。


一時表の作成

一時表は、複数のDML操作の実行によって作成されるため、結果セットがバッファリング(一時的に保存)されるアプリケーションに有用です。たとえば、次の場合を考えてみましょう。

Webベースの航空予約アプリケーションでは、顧客がオプションの旅程を複数作成できます。各旅程は一時表の行で表されます。アプリケーションは、旅程への変更を反映するように行を更新します。使用する旅程を顧客が決定すると、アプリケーションは、該当する旅程の行を永続表に移動します。

セッションの開始時から終了時まで旅程データはプライベートです。セッションの終了時に、オプションの旅程は削除されます。

一時表の定義はすべてのセッションで参照できますが、一時表内のデータを参照できるのは、そのデータを表に挿入するセッションのみです。

CREATE GLOBAL TEMPORARY TABLE文を使用して一時表を作成します。ON COMMIT句は、表内のデータがトランザクション固有(デフォルト)またはセッション固有のいずれであるかを示し、それぞれの意味は次のとおりです。

ON COMMIT設定 意味
DELETE ROWS トランザクション固有の一時表を作成します。セッションは、表に最初に挿入するトランザクションを持つ一時表に対するバインドになります。バインドは、トランザクション終了時に消失します。表は、各コミット後に切捨て(すべての行を削除)が行われます。
PRESERVE ROWS セッション固有の一時表を作成します。セッションは、セッション内で表に最初に挿入される一時表に対するバインドになります。このバインドは、セッションの最後で、またはセッション内で表に対するTRUNCATEが発行されることによって消去されます。表は、セッション終了時に切り捨てられます。

次の文では、トランザクション固有の一時表を作成しています。

CREATE GLOBAL TEMPORARY TABLE admin_work_area
        (startdate DATE,
         enddate DATE,
         class CHAR(20))
      ON COMMIT DELETE ROWS;

一時表には索引を作成できます。この索引も一時索引であり、索引内のデータのセッションまたはトランザクションの有効範囲は、基礎となる表のデータと同じです。

デフォルトで、一時表の行は、作成したユーザーのデフォルト一時表領域に保存されます。ただし、一時表の作成時にCREATE GLOBAL TEMPORARY TABLETABLESPACE句を使用することにより、一時表を別の表領域に割り当てることができます。この機能を使用することにより、一時表が使用する領域を節約できます。たとえば、多数の小さな一時表操作を実行する必要があり、デフォルトの一時表領域がソート操作用に構成されていて、かつ大きなエクステント・サイズを使用する場合、これらの小さな操作は大量の不必要なディスク領域を消費します。このような場合、小さいエクステント・サイズを持つ別の一時表領域を割り当てることをお薦めします。

次の2つの文では、エクステント・サイズが64KBで一時表領域が作成され、その表領域に新規の一時表が作成されます。

CREATE TEMPORARY TABLESPACE tbs_t1 
    TEMPFILE 'tbs_t1.f' SIZE 50m REUSE AUTOEXTEND ON
    MAXSIZE UNLIMITED
    EXTENT MANAGEMENT LOCAL UNIFORM SIZE 64K;

CREATE GLOBAL TEMPORARY TABLE admin_work_area
        (startdate DATE,
         enddate DATE,
         class CHAR(20))
      ON COMMIT DELETE ROWS
      TABLESPACE tbs_t1;

関連項目:

「一時表領域」

永続表とは異なり、一時表とその索引には、作成時にセグメントが自動的に割り当てられません。かわりに、最初にINSERT(またはCREATE TABLE AS SELECT)が実行されると、セグメントが割り当てられます。したがって、最初のINSERTの前に、SELECTUPDATEまたはDELETEが実行されると、表が空に見えます。

既存の一時表でDDL操作(TRUNCATEを除く)が許可されるのは、その一時表にバインドされているセッションがない場合のみです。

トランザクションをロールバックすると、入力したデータは消失しますが、表定義はそのまま残ります。

トランザクション固有の一時表では、1回に1トランザクションのみが許可されます。単一のトランザクションに複数の自律型トランザクションがある場合、各自律型トランザクションは、直前のトランザクションのコミット直後にのみ表を使用できます。

一時表のデータは、その定義どおり一時的なため、一時表データのバックアップとリカバリはシステム障害のイベントでは使用できません。このような障害に備えて、一時表データを保存する代替方法を用意してください。

表作成のパラレル化

表の作成にAS SELECT句を指定して、別の表からデータを移入すると、パラレル実行を使用できます。CREATE TABLE...AS SELECT文には、CREATE部分(DDL)とSELECT部分(問合せ)の2つの部分があります。Oracle Databaseでは、この文の両方の部分をパラレル化できます。CREATEの部分がパラレル化されるのは、次の中の1つに該当する場合です。

  • PARALLEL句がCREATE TABLE...AS SELECT文に含まれている。

  • ALTER SESSION FORCE PARALLEL DDL文が指定されている。

問合せ部分がパラレル化されるのは、次のすべてに該当する場合です。

  • 問合せにパラレル・ヒントの指定(PARALLELまたはPARALLEL_INDEX)が含まれるか、またはCREATEの部分にPARALLEL句が含まれているか、または問合せで参照されているスキーマ・オブジェクトにPARALLEL宣言が関連付けられている。

  • 問合せに指定された少なくとも1つの表で、全表スキャンまたは複数のパーティションに及ぶ索引レンジ・スキャンが必要である。

表の作成をパラレル化した場合、その表には対応付けられたパラレル宣言(PARALLEL句)が付きます。表に対するその後のすべてのDMLまたは問合せでは、パラレル化が可能な場合、パラレル実行の使用が試みられます。

表の作成をパラレル化し、表圧縮を使用して圧縮形式で結果を格納する簡単な文を次に示します。

CREATE TABLE hr.admin_emp_dept
     PARALLEL COMPRESS
     AS SELECT * FROM hr.employees
     WHERE department_id = 10;

この場合のPARALLEL句は、表の作成時に最適な数のパラレル実行サーバーを選択することをデータベースに指示しています。


関連項目:


表のロード

ここでは、データを表にロードするための手法について説明します。内容は、次のとおりです。


注意:

Oracle Databaseのリリース11.2.0.2からは、パーティション表のすべての新規セグメントについて、第1エクステントのデフォルトのサイズが64KBではなく8MBになりました。このことは、パーティション表に対する挿入と問合せのパフォーマンス向上に役立ちます。パーティション表の初期サイズが大きくても、十分なデータが挿入されると、領域消費は以前のリリースと同じになります。このデフォルトは、表の記憶域句にINITIALサイズを設定して上書きできます。この新しいデフォルトは、表パーティションおよびLOBパーティションにのみ適用されます。

表のロード方法

表にデータを挿入または初期ロードするには、いくつかの方法があります。最も一般的に使用される方法は、次のとおりです。

方法 説明
SQL*Loader これは、外部ファイルからOracle Databaseの表にデータをロードするOracleのユーティリティ・プログラムです。

SQL*Loaderの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

CREATE TABLE ... AS SELECT文(CTAS) このSQL文を使用すると、表を作成し、外部表を含む別の既存の表から選択したデータを移入できます。
INSERT INSERT文を使用すると、列値を指定するか、または外部表を含む別の既存の表からデータを選択する副問合せを指定することによって、行を表に追加できます。

INSERT文の1つの形式では、ダイレクト・パスINSERTが使用可能になり、これよってパフォーマンスを改善でき、バルク・ロードの際に役立ちます。「ダイレクト・パスINSERTを使用したINSERTパフォーマンスの向上」を参照してください。

大量のデータを挿入するときにエラーが発生した場合の文の終了およびロールバックを回避するには、DMLエラー・ロギングを指定して挿入できます。「DMLエラー・ロギングを使用したバルクINSERT失敗の回避」を参照してください。

MERGE MERGE文を使用すると、別の既存の表から行を選択することによって、行を表に挿入するか、または表の行を更新できます。新しいデータの行が、表にすでに存在している項目に対応している場合はUPDATEが実行され、対応する項目がない場合はINSERTが実行されます。

CREATE TABLE ...の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。AS SELECTINSERTおよびMERGE


注意:

このマニュアルに記載されている、表にデータを挿入する詳細と例は少数です。データ・ウェアハウスおよびアプリケーション開発に関するオラクル社のマニュアルには、表へのデータの挿入および操作に関する広範囲にわたる情報が記載されています。関連項目:
  • 『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』

  • 『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』



関連項目:

「外部表の管理」

ダイレクト・パスINSERTを使用したINSERTパフォーマンスの向上

大量のデータをロードするときは、ダイレクト・パスINSERTを使用してロードのパフォーマンスを高めることができます。

この項の内容は次のとおりです。

ダイレクト・パスINSERTの概要

Oracle Databaseでは、次の2つのいずれかの方法でデータが挿入されます。

  • 従来型のINSERT処理では、表内の空き領域が再利用され、新規に挿入するデータと既存のデータが相互に配置されます。このような操作では、参照整合性制約も維持されます。

  • ダイレクト・パスINSERT処理では、表内の既存データの後ろに挿入データが追加されます。データは、バッファ・キャッシュを回避してデータファイルに直接書き込まれます。表の空き領域は再利用されず、参照整合性制約は無視されます。ダイレクト・パスINSERTは従来型のインサートよりもパフォーマンスが大幅に優れています。

データベースは、1つのプロセスが文を実行するシリアル・モードか、同時に多数のプロセスが連携して1つのSQL文を実行するパラレル・モードでデータを挿入できます。後者はパラレル実行と呼ばれます。

ダイレクト・パスINSERTの利点は、次のとおりです。

  • ダイレクト・パスINSERTでは、REDOおよびUNDOエントリのロギングを使用禁止にしてロード時間を削減できます。これに対して、従来型のインサート処理では空き領域を再利用し、参照整合性を維持するため、これらのエントリを常にロギングする必要があります。

  • ダイレクト・パスINSERT処理は、パラレル・モードで実行する場合でも、トランザクションの原子性が保証されます。原子性は、パラレル・ダイレクト・パス・ロード(SQL*Loaderを使用)では保証されません。

パラレル・ダイレクト・パス・ロード実行時のSQL*LoaderとINSERT文の間の大きな違いの1つは、SQL*Loaderによるパラレル・ダイレクト・パス・ロード中にエラーが発生した場合、ロードは完了しますが、一部の索引にはロードの終了時にUNUSABLEのマークが付くことです。対照的に、パラレル・ダイレクト・パスINSERTの場合は、索引更新時にエラーが発生すると、文がロールバックされます。


注意:

従来のINSERT操作では、挿入中のNOT NULL制約の違反をチェックします。そのため、従来のINSERT操作のNOT NULL制約に違反すると、挿入時にエラーが返されます。ダイレクト・パスINSERT操作では、挿入前にNOT NULL制約の違反をチェックします。そのため、ダイレクト・パスINSERT操作のNOT NULL制約に違反した場合は、挿入前にエラーが返されます。

ダイレクト・パスINSERTの動作

ダイレクト・パスINSERTは、パーティション表と非パーティション表の両方で使用できます。

パーティション表または非パーティション表へのシリアル・ダイレクト・パスINSERT

単一のプロセスは、表セグメントまたは各パーティション・セグメントの現在の最高水位標を超えてもデータを挿入します。(最高水位標とは、ブロックがデータを受け取るためにフォーマットされたことのないレベルを指します。)COMMITが実行されると、最高水位標が新しい値に更新され、データがユーザーに表示可能になります。

パーティション表へのパラレル・ダイレクト・パスINSERT

この状況は、シリアル・ダイレクト・パスINSERTと類似しています。各パラレル実行サーバーが1つ以上のパーティションに割り当てられ、1つのパーティションでは1つのプロセスしか実行されません。各パラレル実行サーバー割り当てられたパーティション・セグメントの現在の最高水位標を超えてもデータを挿入します。COMMITが実行されると、各パーティション・セグメントの最高水位標が新しい値に更新され、データがユーザーに表示可能になります。

非パーティション表へのパラレル・ダイレクト・パスINSERT

各パラレル実行サーバーは、新しい一時セグメントを割り当て、その一時セグメントにデータを挿入します。COMMITを実行すると、パラレル実行コーディネータが新しい一時セグメントをプライマリ表セグメントにマージし、ユーザーにデータが表示されます。

ダイレクト・パスINSERTを使用したデータのロード

ダイレクト・パスINSERT SQL文を使用してパラレル・モードでデータを挿入するか、またはOracleのSQL*Loaderユーティリティをダイレクト・パス・モードで使用することによって、ダイレクト・パスINSERTを使用してデータをロードできます。ダイレクト・パスINSERTトは、シリアル・モードまたはパラレル・モードで実行できます。

SQL文を使用したシリアル・モード・インサート

SQLを使用したシリアル・モードでのダイレクト・パスINSERTは、次の方法でアクティブ化します。

  • 副問合せを使用してINSERTを実行している場合は、INSERTキーワードの直後またはINSERT文の副問合せのSELECTキーワードの直後にある各INSERT文にAPPENDヒントを指定します。

  • VALUES句を使用してINSERTを実行している場合は、INSERTキーワードの直後にある各INSERT文にAPPEND_VALUESヒントを指定します。VALUES句を使用するダイレクト・パスINSERTは、ロードする行が数百、数千またはさらに膨大な数になる場合の使用が最適です。一般的な使用例として、OCIを使用した配列の挿入があります。また、PL/SQLのFORALL文での挿入に使用する例もあります。

VALUES句を使用するINSERT文にAPPENDヒント(APPEND_VALUESヒントではなく)を指定すると、このAPPENDヒントは無視され、従来の挿入が実行されます。

ダイレクト・パスINSERTを実行するためにAPPENDヒントを使用する例を次に示します。

INSERT /*+ APPEND */ INTO sales_hist SELECT * FROM sales WHERE cust_id=8890;

次のPL/SQLコードの一部は、APPEND_VALUESヒントの使用例です。

FORALL i IN 1..numrecords
  INSERT /*+ APPEND_VALUES */ INTO orderdata 
  VALUES(ordernum(i), custid(i), orderdate(i),shipmode(i), paymentid(i));
COMMIT;
SQL文を使用したパラレル・モード・インサート

パラレル・モードで挿入する場合は、ダイレクト・パスINSERTがデフォルトです。ただし、NOAPPEND PARALLELヒントを使用して、従来型のINSERTを使用したパラレル・モードでの挿入も実行できます。

パラレルDMLモードで実行するには、次の要件を満たす必要があります。

  • Oracle Enterprise Editionがインストールされていること。

  • セッションでパラレルDMLが使用可能であること。そのためには、次の文を発行します。

    ALTER SESSION { ENABLE | FORCE } PARALLEL DML;
    
  • 次の要件を最低1つ満たす必要があります。

    • ターゲット標のパラレル属性を、作成時またはその後に指定すること。

    • 各挿入操作に対してPARALLELヒントを指定すること。

    • データベースの初期化パラメータPARALLEL_DEGREE_POLICYAUTOに指定すること。

ダイレクト・パスINSERTを使用禁止にするには、各INSERT文にNOAPPENDヒントを指定します。この指定によって、パラレルDMLモードが無視されます。


注意:

ダイレクト・パスINSERTによって挿入したデータを、挿入した直後に問合せまたは変更することはできません。問合せまたは変更を試みると、ORA-12838エラーが発生します。新しく挿入したデータの読取りまたは変更を試みる前に、COMMIT文を発行する必要があります。


関連項目:

  • 「従来型のインサートを使用した表のロード」

  • ヒントの使用方法の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

  • INSERT文の副問合せ構文の詳細およびダイレクト・パスINSERTの使用に関する追加の制限事項は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。


ダイレクト・パスINSERTのロギング・モードの指定

ダイレクト・パスINSERTでは、インサート処理中のREDOおよびUNDO情報を記録するかどうかを選択できます。

  • 作成時(CREATE文で)または作成後(ALTER文で)に、表、パーティション、索引またはLOB記憶域について、ロギング・モードを指定できます。

  • 作成時または作成後にLOGGINGまたはNOLOGGINGを指定しないと、次のようにデフォルト設定されます。

    • パーティションのロギング属性は、その表のロギング属性にデフォルト設定されます。

    • 表または索引のロギング属性は、常駐している表領域のロギング属性にデフォルト設定されます。

    • LOB記憶域のロギング属性は、LOB記憶域にCACHEを指定した場合はLOGGINGにデフォルト設定されます。CACHEを指定しなかった場合、ロギング属性はLOB値が常駐している表領域の属性にデフォルト設定されます。

  • CREATE TABLESPACEまたはALTER TABLESPACE文で、表領域のロギング属性を設定します。


    注意:

    データベースまたは表領域がFORCE LOGGINGモードの場合、ダイレクト・パスINSERTは、ロギング設定に関係なく常にロギングされます。

ロギング付きダイレクト・パスINSERT

このモードでは、Oracle Databaseによってインスタンスの完全なREDOロギングおよびメディア・リカバリが実行されます。データベースがARCHIVELOGモードの場合は、REDOログをテープにアーカイブできます。データベースがNOARCHIVELOG モードの場合、インスタンスのクラッシュはリカバリできますが、ディスク障害はリカバリできません。

ロギングなしダイレクト・パスINSERT

このモードでは、Oracle DatabaseはデータをREDOまたはUNDOロギングなしでデータを挿入します。かわりにデータベースは少数のブロック範囲無効化REDOレコードをロギングし、定期的に最新の直接書込みに関する情報で制御ファイルを更新します。

ロギングなしダイレクト・パスINSERTを使用すると、パフォーマンスが向上します。ただし、後でメディア・リカバリを実行する必要がある場合は、REDOデータがロギングされていないため、無効化REDOレコードによって一連のブロックに論理的破損のマークが付きます。したがって、このようなインサート処理の後にはデータをバックアップすることが重要です。

Oracle Databaseのリリース11.2.0.2からは、制御ファイルの定期更新を無効にして、リカバリ不能なダイレクト・パス・インサートのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。このことを行うには、DB_UNRECOVERABLE_SCN_TRACKING初期化パラメータをFALSEに設定します。ただし、これらの制御ファイルの更新を無効化してリカバリ不能なダイレクト・パス・インサートを実行すると、データファイルが現在リカバリ不能かどうかをデータベースに問い合せて正確に判断できなくなります。


関連項目:

  • リカバリ不能なデータファイルの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • 『Oracle Data Guard概要および管理』のリカバリ不能操作後にバックアップが必要かどうかの判断に関する項を参照してください。


ダイレクト・パスINSERTのその他の考慮事項

ダイレクト・パスINSERTを使用する際には、さらに次の考慮事項があります。

圧縮表

表が基本圧縮で作成されている場合は、ダイレクト・パスINSERTを使用して、表のデータをロード時に圧縮する必要があります。表がOLTP、ウェアハウスまたはアーカイブ圧縮で作成されている場合は、ダイレクト・パスINSERTによって最適な圧縮率が得られます。

詳細は、「表圧縮の使用」を参照してください。

ダイレクト・パスINSERTでの索引メンテナンス

索引がある(パーティションまたは非パーティション)表では、ダイレクト・パスINSERT処理の終了時に、Oracle Databaseが索引メンテナンスを実行します。この索引メンテナンスは、パラレル・ダイレクト・パスINSERTに対してはパラレル実行サーバーで、シリアル・ダイレクト・パスINSERTに対してはシングル・プロセスで実行されます。INSERT処理の前に索引を使用禁止にし、後で再作成することによって、索引メンテナンスでのパフォーマンスへの影響を回避できます。

ダイレクト・パスINSERTでの領域に関する考慮事項

ダイレクト・パスINSERTは、従来型パスINSERTよりも多くの領域を必要とします。

すべてのシリアル・ダイレクト・パスINSERT処理では、パーティション表へのパラレル・ダイレクト・パスINSERTと同様に、影響を受けるセグメントの最高水位標の上にデータが挿入されます。このため、追加の領域が必要となります。

非パーティション表へのパラレル・ダイレクト・パスINSERTは、各並列度ごとに一時セグメントを作成するため、より多くの領域を必要とします。非パーティション表が自動セグメント領域管理モードのローカル管理表領域にない場合は、NEXTおよびPCTINCREASE記憶域パラメータ、およびMINIMUM EXTENT表領域パラメータの値を変更して、一時セグメントに十分な(かつ過剰ではない)記憶域を用意してください。次の事項を考慮に入れ、これらのパラメータに値を選択します。

  • 各エクステントのサイズは、さほど小さくありません(1MB以上)。この設定は、オブジェクト内のエクステント総数に影響を与えます。

  • 各エクステントのサイズが小さいと、パラレルINSERTでは、必要以上に大きいセグメントで領域を無駄にすることになります。

これらのパラメータは、ダイレクト・パスINSERT処理の完了後に、シリアル処理に適した設定に再設定できます。

ダイレクト・パスINSERTでのロックに関する考慮事項

ダイレクト・パスINSERT中は、データベースは表(またはパーティション表のすべてのパーティション)に対して排他的ロックを取得します。その結果、ユーザーは同時挿入、更新、または削除操作を表に対して実行できず、同時索引作成および構築操作は許可されません。ただし、同時問合せはサポートされますが、問合せで返されるのは挿入操作前の情報のみです。

従来型のインサートを使用した表のロード

従来型のINSERT処理では、表内の空き領域が再利用され、新規に挿入するデータと既存のデータが相互に配置されます。このような操作では、参照整合性制約も維持されます。ダイレクト・パスINSERT操作と異なり、従来型のINSERT操作は表に対する排他的ロックを必要としません。

ダイレクト・パスINSERT操作に適用される他のいくつかの制約も、従来型のINSERT操作には該当しません。これらの制限事項については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

従来型のINSERT操作は、NOAPPENDヒントを使用して、シリアル・モードまたはパラレル・モードで実行できます。

従来型のINSERTをシリアル・モードで実行するためにNOAPPENDヒントを使用する例を次に示します。

INSERT /*+ NOAPPEND */ INTO sales_hist SELECT * FROM sales WHERE cust_id=8890;

従来型のINSERTをパラレル・モードで実行するためにNOAPPENDヒントを使用する例を次に示します。

INSERT /*+ NOAPPEND PARALLEL */ INTO sales_hist
   SELECT * FROM sales;

パラレルDMLモードで実行するには、次の要件を満たす必要があります。

  • Oracle Enterprise Editionがインストールされていること。

  • セッションでパラレルDMLが使用可能であること。そのためには、次の文を発行します。

    ALTER SESSION { ENABLE | FORCE } PARALLEL DML;
    
  • 次の要件を最低1つ満たす必要があります。

    • ターゲット標のパラレル属性を、作成時またはその後に指定すること。

    • 各挿入操作に対してPARALLELヒントを指定すること。

    • データベースの初期化パラメータPARALLEL_DEGREE_POLICYAUTOに指定すること。

DMLエラー・ロギングを使用したバルクINSERT失敗の回避

副問合せでINSERT文を使用して表をロードすると、エラーが発生した場合は文が終了して文全体がロールバックされます。これは、時間とシステム・リソースを無駄に消費することになります。このようなINSERT文の場合は、DMLエラー・ロギング機能を使用することで、この状況を回避できます。

DMLエラー・ロギングを使用するには、データベースがDML操作中に検出したエラーを記録するエラー・ロギング表の名前を指定する文の句を追加します。このエラー・ロギング句をINSERT文に追加すると、特定のタイプのエラーで文が終了およびロールバックしなくなります。そのかわり、それぞれのエラーがロギングされ、文が続行します。その後、エラーの発生した行に対して修正アクションを取ることができます。

DMLエラー・ロギングは、INSERTUPDATEMERGEおよびDELETE文で機能します。ここでは、特にINSERT文について説明します。

DMLエラー・ロギングを使用してデータを挿入する手順は、次のとおりです。

  1. エラー・ロギング表を作成します。(オプション)

    表は、手動で作成するか、またはDBMS_ERRLOGパッケージを使用して自動的に作成できます。詳細は、「エラー・ロギング表の作成」を参照してください。

  2. エラー・ロギング句を指定してINSERT文を実行します。この句は、次のように動作します。

    • 必要に応じて、作成したエラー・ロギング表を参照します。エラー・ロギング表名を指定しない場合、データベースは、デフォルトの名前のエラー・ロギング表に記録します。デフォルトのエラー・ロギング表名は、ERR$_の後に、挿入対象となる表名の最初の25文字を付加した名前です。

    • オプションで、エラーの原因となった文を識別するためにエラー・ログに追加されるタグ(丸括弧でくくられた数値または文字列リテラル)が含まれます。タグを省略すると、NULL値が使用されます。

    • 必要に応じて、REJECT LIMIT副次句を指定します。

      この副次句は、INSERT文が終了およびロールバックされるまでに検出が許可されるエラーの最大数を示します。UNLIMITEDも指定できます。デフォルトの拒否の上限は0(ゼロ)で、これは最初のエラーが検出されると、エラーがロギングされて文がロールバックされることを表します。パラレルDML操作の場合、拒否の制限はパラレル・サーバーごとに適用されます。


    注意:

    拒否の上限を超えて文がロールバックされた場合、エラー・ロギング表には、その時点までに記録されたログ・エントリが保持されます。

    エラー・ロギング句の構文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  3. エラー・ロギング表を問い合せ、エラーの原因となった行に対する訂正処理を実行します。

    エラー・ロギング表の構造は、後述の「エラー・ロギング表の書式」を参照してください。

例: 次の文は、DW_EMPL表に行を挿入し、ERR_EMPL表にエラーを記録します。タグ'daily_load'は、各ログ・エントリにコピーされます。エラー数が25を超えると、文が終了してロールバックされます。

INSERT INTO dw_empl
  SELECT employee_id, first_name, last_name, hire_date, salary, department_id 
  FROM employees
  WHERE hire_date > sysdate - 7
  LOG ERRORS INTO err_empl ('daily_load') REJECT LIMIT 25

他の例は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』および『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。

エラー・ロギング表の書式

エラー・ロギング表は、次の2つの部分で構成されます。

  • エラーを説明する一連の必須列。Oracleエラー番号の列は、この一例です。

    表20-3に、これらのエラーを説明する列を示します。

  • エラーの原因となった行のデータが格納される一連のオプション列。列名は、挿入対象の表(DML表)の列名に対応しています。

    エラー・ロギング表のこの部分の列数は、0(ゼロ)、1または複数(最大でDML表の列数)の場合があります。DML表の列と同じ名前の列がエラー・ロギング表に存在する場合は、対応するデータが、障害のある挿入予定の行から、このエラー・ロギング表の列に書き込まれます。DML表の列に対応する列がエラー・ロギング表にない場合、その列は記録されません。エラー・ロギング表に、DML表の列と一致しない名前の列がある場合、その列は無視されます。

    型変換エラーが発生する場合があるため、エラー・ロギング表のオプション列のデータ型は、データの消失または変換エラーなしで値を取得できる型である必要があります。(オプションのログの列がDML表の列と同じ型だった場合、問題の発生したデータをログに取得すると、エラーの原因となった同じデータ変換の問題が発生する可能性があります。)データベースは、変換エラーの原因となったデータについて、可能なかぎり意味のある値をロギングしようとします。値を導出できなかった場合、NULLが列にロギングされます。エラー・ロギング表への挿入時にエラーが発生すると、文が終了します。

    表20-4に、DML表の各データ型について、使用を推奨するエラー・ロギング表の列のデータ型を示します。DBMS_ERRLOGパッケージを使用してエラー・ロギングを自動的に作成すると、これらの推奨データ型が使用されます。

表20-3 エラーを説明する必須列

列名 データ型 説明

ORA_ERR_NUMBER$

NUMBER

Oracleエラー番号

ORA_ERR_MESG$

VARCHAR2(2000)

Oracleエラー・メッセージのテキスト

ORA_ERR_ROWID$

ROWID

エラーとなった行のROWID(更新および削除の場合)

ORA_ERR_OPTYP$

VARCHAR2(2)

操作の種類: 挿入(I)、更新(U)、削除(D)

注意: MERGE操作のUPDATE句およびINSERT句のエラーは、UおよびIの値で区別されます。

ORA_ERR_TAG$

VARCHAR2(2000)

ユーザーがエラー・ロギング句に指定したタグの値


表20-4 エラー・ロギング表の列のデータ型

DML表の列の型 エラー・ロギング表の列の型 注意

NUMBER

VARCHAR2(4000)

変換エラーを記録できます。

CHAR/VARCHAR2(n)

VARCHAR2(4000)

情報の消失なしで値を記録します。

NCHAR/NVARCHAR2(n)

NVARCHAR2(4000)

情報の消失なしで値を記録します。

DATE/TIMESTAMP

VARCHAR2(4000)

情報の消失なしで値を記録します。デフォルトの日時書式マスクを使用して文字書式に変換します。

RAW

RAW(2000)

情報の消失なしで値を記録します。

ROWID

UROWID

ROWID型を記録します。

LONG/LOB


サポートしていません。

ユーザー定義型


サポートしていません。


エラー・ロギング表の作成

エラー・ロギング表は手動で作成できます。または、PL/SQLパッケージを使用して自動的に作成できます。

エラー・ロギング表の自動作成

エラー・ロギング表を自動作成するには、DBMS_ERRLOGパッケージを使用します。CREATE_ERROR_LOGプロシージャは、エラーを説明するための必須列および指定されたDML表の列をすべて備えたエラー・ロギング表を作成し、表20-4に示したデータ型マッピングを実行します。

次の文は、前述の例で使用したエラー・ロギング表を作成します。

EXECUTE DBMS_ERRLOG.CREATE_ERROR_LOG('DW_EMPL', 'ERR_EMPL');

DBMS_ERRLOGの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

手動によるエラー・ロギング表の作成

エラー・ロギング表を手動で作成するには、標準DDLを使用します。表の構造の要件は、「エラー・ロギング表の書式」を参照してください。エラーを説明するための必須列はすべて挿入する必要があります。列は順不同にできますが、必須列は表の最初の方の列に指定する必要があります。

エラー・ロギングの制限事項と注意

Oracle Databaseは、DML操作中に次のエラーを記録します。

  • 列の値が大きすぎる場合

  • 制約(NOT NULL制約、一意制約、参照制約、CHECK制約)違反の場合

  • トリガー実行時にエラーが発生した場合

  • 副問合せの列と表内の対応する列との間の型変換でエラーが発生した場合

  • パーティション・マッピング・エラーの場合

  • MERGE操作エラー(ORA-30926: MERGE操作の安定したセット行を取得できません。)

一部のエラーは記録されずに、DML操作の終了およびロールバックが実施されます。これらのエラーの一覧とDMLロギングの他の制約は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』のINSERTに関する項でerror_logging_clauseの説明を参照してください。

領域に関する考慮事項

DMLエラー・ロギングを使用するには、その前に領域の要件について考慮する必要があります。挿入する表の領域のみでなく、エラー・ロギング表の領域も必要です。

セキュリティ

DMLエラー・ロギングを指定したINSERT文を発行するユーザーには、エラー・ロギング表に対するINSERT権限が必要です。


関連項目:

DMLエラー・ロギングの例は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』および『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。

表に関する統計の自動収集

PL/SQLパッケージDBMS_STATSを使用すると、コストベースの最適化に関する統計を生成および管理できます。このパッケージを使用して、統計の収集、変更、表示、エクスポート、インポートおよび削除ができます。また、すでに収集した統計を識別または命名する際も、このパッケージを使用できます。

以前は、DBMS_STATSを使用可能にし、CREATE(またはALTER) TABLE文でMONITORINGキーワードを指定して、表の統計を自動的に収集していました。Oracle Database 11gからは、MONITORINGおよびNOMONITORINGキーワードは非推奨になり、統計は自動的に収集されます。これらのキーワードを指定しても無視されます。

監視では、統計が最後に収集された時点以降表に対して実行されたINSERTUPDATEおよびDELETEの概数が追跡されます。影響を受ける行数に関する情報は、SMONが周期的に(およそ3時間ごとに)データをデータ・ディクショナリに取り込むまで、システム・グローバル領域(SGA)に保持されます。このデータ・ディクショナリの情報は、DBA_TAB_MODIFICATIONS,ALL_TAB_MODIFICATIONSまたはUSER_TAB_MODIFICATIONSビューで表示可能です。データベースはこれらのビューを使用して、失効した統計を持つ表を識別します。

STATISTICS_LEVEL初期化パラメータのデフォルトはTYPICALで、これは自動統計収集機能を有効にします。自動統計収集とDBMS_STATSパッケージによって、オプティマイザは正確な実行計画を生成できます。STATISTICS_LEVEL初期化パラメータをBASICに設定すると、Oracle Database機能で必要とされる多くの重要な統計が収集されません。すべての表の監視を使用禁止にするには、STATISTICS_LEVEL初期化パラメータをBASICに設定します。自動統計収集とDBMS_STATSパッケージによって、オプティマイザは正確な実行計画を生成できます。


関連項目:

  • STATISTICS_LEVEL初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • オプティマイザ統計の管理の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

  • DBMS_STATSパッケージの使用方法の詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

  • スケジューラを使用して統計を自動的に収集する方法は、「自動化メンテナンス・タスクの概要」を参照してください。


表の変更

表を変更するにはALTER TABLE文を使用します。表を変更するには、その表が自分のスキーマに含まれているか、その表のALTERオブジェクト権限またはALTER ANY TABLEシステム権限のいずれかを持っている必要があります。

ALTER TABLE文の使用方法については、次の各項を参照してください。


注意:

表を変更する前に、表を変更した結果についてよく理解しておいてください。これらの結果については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』ALTER TABLE句の説明を参照してください。

パッケージのビュー、マテリアライズド・ビュー、トリガー、ドメイン索引、ファンクション索引、CHECK制約、ファンクション、プロシージャが実表に依存する場合は、その実表または列を変更すると依存するオブジェクトに影響する可能性があります。データベースによる依存性管理の詳細は、「オブジェクト依存性の管理」を参照してください。


ALTER TABLE文を使用する理由

ALTER TABLE文は、表に影響を与える次の処理を実行するために使用できます。

  • 物理的な特性(INITRANSまたは記憶域パラメータ)を変更する場合

  • 表を新しいセグメントまたは表領域に移動する場合

  • 明示的にエクステントを割り当てるか、未使用領域の割当てを解除する場合

  • 列を追加、削除または名前変更する場合、あるいは既存の列定義(データ型、長さ、デフォルト値、NOT NULL整合性制約、列の式(仮想列の場合)および暗号化プロパティ)を変更する場合

  • 表のロギング属性を変更する場合

  • CACHE/NOCACHE属性を変更する場合

  • 表に関連付けられている整合性制約を追加、変更または削除する場合

  • 表に関連付けられている整合性制約またはトリガーを使用可能にするか、使用禁止にする場合

  • 表の並列度を変更する場合

  • 表の名前を変更する場合

  • 表を読取り専用モードにする場合および読取り/書込みモードに戻す場合

  • 索引構成表の特性を追加または変更する場合

  • 外部表の特性を変更する場合

  • LOB列を追加または変更する場合

  • オブジェクト型、ネストした表またはVARRAYの列を追加または変更する場合

これらの多くのタスクについて、次の各項で説明します。

表の物理属性の変更

表のトランザクション・エントリ設定INITRANSを変更する場合、INITRANSの新しい設定は、その後表に割り当てられるデータ・ブロックにのみ適用されます。

記憶域パラメータINITIALMINEXTENTSは変更できません。他の記憶域パラメータ(NEXTPCTINCREASEなど)の新しい設定はすべて、その後に表に割り当てられるエクステントにのみ影響します。次に割り当てられるエクステントのサイズはNEXTおよびPCTINCREASEの現在の値によって決定され、これらのパラメータの以前の値には基づきません。


関連項目:

物理属性句と記憶域句の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

新規セグメントまたは表領域への表の移動

ALTER TABLE...MOVE文を使用すると、非パーティション表のデータまたはパーティション表のパーティションのデータを新しいセグメントに再配置でき、オプションとして、割当て制限を持つ別の表領域への再配置もできます。また、この文によって、ALTER TABLEでは変更できないものも含めた、表またはパーティションのすべての記憶域属性を変更できます。さらに、ALTER TABLE...MOVE文をCOMPRESS句とともに使用することによって、新しいセグメントを表圧縮を使用して保存できます。

表を新規データファイルを含む新しい表領域に移動する重要な理由の1つは、列データの古いバージョン(セグメントの縮小、再編成または以前の表移動によってディスクの未使用部分に現在も残されているバージョン)が、オペレーティング・システム・ユーティリティなどを使用してデータベースのアクセス制御を迂回することによって参照される可能性をなくすためです。これは、透過的データ暗号化を追加して変更しようとしている列の場合は特に重要です。


注意:

ALTER TABLE...MOVE文では、文の実行中は表に対するDML操作が許可されません。表の移動中にも表に対してDMLを使用できるようにする場合は、「表のオンライン再定義」を参照してください。

次の文は、新しい記憶域パラメータを指定して、hr.admin_emp表を新しいセグメントおよび表領域に移動します。

ALTER TABLE hr.admin_emp MOVE
      STORAGE ( INITIAL 20K
                NEXT 40K
                MINEXTENTS 2
                MAXEXTENTS 20
                PCTINCREASE 0 )
  TABLESPACE hr_tbs;

表を移動すると、表の行のROWIDが変わります。これによって、表の索引にUNUSABLEのマークが付き、これらの索引を使用して表にアクセスするDMLに対しては、ORA-01502エラーが返されます。表の索引を削除または再作成する必要があります。同様に、表の統計は無効になるため、表を移動した後に新しい統計を収集する必要があります。

表にLOB列が含まれている場合は、この文を使用して、ユーザーが明示的に指定できるLOBデータと、表に関連したLOB索引セグメントを、表とともに移動できます。特に指定しない場合、デフォルトではLOBデータとLOB索引セグメントは移動されません。


関連項目:

透過的データ暗号化の詳細は、「機密データを格納する列の暗号化」を参照してください。

表の記憶域の手動割当て

Oracle Databaseは、必要に応じて表のデータ・セグメントに追加のエクステントを動的に割り当てます。ただし、表に追加のエクステントを明示的に割り当てることもできます。たとえば、Oracle Real Application Clusters環境で、表のエクステントを特定のインスタンスに対して明示的に割り当てることが可能です。

新しいエクステントは、ALTER TABLE...ALLOCATE EXTENT句を使用して表に割り当てることができます。

また、ALTER TABLE文のDEALLOCATE UNUSED句を使用して、未使用領域の割当てを明示的に解除することもできます。詳細は、「使用できない領域の再生」を参照してください。

既存の列定義の変更

既存の列定義を変更するには、ALTER TABLE...MODIFY文を使用します。列のデータ型、デフォルト値、列制約、列の式(仮想列の場合)または列の暗号化は変更できます。

既存のデータがすべて新しい長さを満たしている場合は、既存の列の長さを拡張または縮小できます。列は、バイト・セマンティクスからCHARセマンティクスに、あるいはその逆に変更できます。空でないCHAR列の長さを縮小するには、初期化パラメータBLANK_TRIMMING=TRUEを設定する必要があります。

データ型CHARの列長を拡張するために表を変更している場合、特に表の行数が多い場合は、この操作は時間がかかり、さらに相当な追加記憶域を必要とする可能性があります。これは、各行のCHAR値に空白を埋めて、新しい列長に合わせる必要があるためです。


関連項目:

表の列の変更の詳細およびその他の制限事項は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

表の列の追加

既存の表に列を追加するには、ALTER TABLE...ADD文を使用します。

次の文は、hr.admin_emp表を変更して新しい列bonusを追加します。

ALTER TABLE hr.admin_emp
      ADD (bonus NUMBER (7,2));

表に新しい列を追加すると、DEFAULT句を指定しないかぎり、その列は最初はNULLです。デフォルト値を指定すると、各行がデフォルト値で即時に更新されます。この処理に多少時間を要すること、および更新時には表に排他DMLロックがかかることに注意してください。表のタイプ(例: LOB列のない表)によっては、NOT NULL制約とデフォルト値の両方を指定すると、データベースによって列の追加操作が最適化され、表がDML用にロックされる時間が大幅に短縮されます。

NOT NULL制約付きの列を追加できるのは、表に行がまったく含まれていない場合、またはデフォルト値を指定する場合のみです。


関連項目:

表の列の追加に関するその他のルールおよび制限事項は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

圧縮表への列の追加

表での基本圧縮を有効化する場合は、デフォルト値を指定しない場合にのみ、列を追加できます。

表でのOLTP圧縮を有効化する場合は、デフォルト値を指定してもしなくても、その表に列を追加できます。デフォルト値を指定する場合、列はNOT NULLであることが必要です。


関連項目:

「表圧縮の使用」

仮想列の追加

新しい列が仮想列の場合、値は列の式によって決定されます。(仮想列の値は問い合せられたときにのみ計算される点に注意してください。)


関連項目:


表の列名の変更

Oracle Databaseでは、表の既存の列の名前を変更できます。列名を変更するには、ALTER TABLE文のRENAME COLUMN句を使用します。新しい名前には、表の既存の列名と競合しない名前を指定する必要があります。RENAME COLUMN句とともに他の句は使用できません。

次の文は、hr.admin_emp表のcomm列の名前を変更します。

ALTER TABLE hr.admin_emp
      RENAME COLUMN comm TO commission;

前述のように、表の列を変更すると、依存するオブジェクトが無効になる可能性があります。ただし、列名を変更すると、ファンクション索引とCHECK制約が引き続き有効になるように、関連するデータ・ディクショナリ表が更新されます。

また、Oracle Databaseでは列制約の名前も変更できます。この操作の説明は、「制約名の変更」を参照してください。


注意:

ALTER TABLERENAME TO句の構文はRENAME COLUMN句に似ていますが、表自体の名前変更に使用します。

表の列の削除

索引構成表などの表から、不要になった列を削除できます。これにより、データベースの領域を解放でき、データをエクスポート/インポートしてから索引と制約を再作成する必要がなくなります。

表からすべての列を削除したり、SYSが所有する表の列を削除することはできません。その場合はエラーが発生します。


関連項目:

表からの列の削除に関するその他の制限事項およびオプションの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

表から列を削除する方法

ALTER TABLE...DROP COLUMN文を発行すると、列記述子およびターゲット列に関連付けられているデータが表の各行から削除されます。1つの文で複数の列を削除できます。

次の文は、hr.admin_emp表から列を削除する操作の例を示しています。最初の文は、sal列のみを削除します。

ALTER TABLE hr.admin_emp DROP COLUMN sal;

次の文は、bonus列とcomm列を両方とも削除します。

ALTER TABLE hr.admin_emp DROP (bonus, commission);

列に未使用マークを付ける方法

大きい表のすべての行から列データを削除する際に所要時間が重要な場合は、ALTER TABLE...SET UNUSED文を使用できます。この文は1つ以上の列に未使用マークを付けますが、実際にターゲット列を削除したり該当列が占めるディスク領域をリストアすることはありません。ただし、未使用マークが付けられた列は、問合せやデータ・ディクショナリ・ビューに表示されなくなり、その名前が削除されて新しい列に再利用できるようになります。ほとんどの場合、その列に定義されている制約、索引および統計も削除されます。例外として、未使用とマークされたLOB列の内部索引は削除されません。

hiredate列とmgr列に未使用マークを付けるには、次の文を実行します。

ALTER TABLE hr.admin_emp SET UNUSED (hiredate, mgr);

後でALTER TABLE...DROP UNUSED COLUMNS文を発行し、未使用マークが付いている列を削除できます。表の特定列の明示的な削除文を発行すると、未使用列もターゲット表から削除されます。

データ・ディクショナリ・ビューUSER_UNUSED_COL_TABSALL_UNUSED_COL_TABSまたはDBA_UNUSED_COL_TABSを使用すると、未使用の列を含むすべての表を表示できます。COUNTフィールドには、表の未使用の列数が表示されます。

SELECT * FROM DBA_UNUSED_COL_TABS;

OWNER                       TABLE_NAME                  COUNT
--------------------------- --------------------------- -----
HR                          ADMIN_EMP                       2

外部表の場合は、SET UNUSED文がALTER TABLE DROP COLUMN文に透過的に変換されます。外部表はデータベース内でメタデータのみで構成されているため、DROP COLUMN文はSET UNUSED文の実行と同じことになります。

未使用列の削除

未使用の列に対して実行できるアクションはALTER TABLE...DROP UNUSED COLUMNS文のみです。表から未使用の列を物理的に削除し、ディスク領域を再生します。

次のALTER TABLE文では、オプションの句CHECKPOINTが指定されています。この句を指定すると、指定した行数(この場合は250行)が処理された後に、チェックポイントが適用されます。チェックポイントによって、列削除操作中に累積されるUNDOログの量が減少し、UNDO領域が使い果たされるおそれがなくなります。

ALTER TABLE hr.admin_emp DROP UNUSED COLUMNS CHECKPOINT 250;

圧縮表の列の削除

表でのOLTP圧縮を有効化する場合は、表の列を削除できます。基本圧縮のみを有効化する場合は、表の列を削除できません。


関連項目:

「表圧縮の使用」

表を読取り専用モードにする方法

表を読取り専用モードにするには、ALTER TABLE...READ ONLY文を使用し、表を読取り/書込みモードに戻すには、ALTER TABLE...READ WRITE文を使用します。読取り専用モードが有効な表の例に、構成表があります。アプリケーションに含まれている構成表が、インストール後変更されず、ユーザーによる変更を禁止する必要がある場合は、アプリケーションのインストール・スクリプトによって、これらの表を読取り専用モードにできます。

表を読取り専用モードにするには、その表に対するALTER TABLE権限、またはALTER ANY TABLE権限が必要です。また、COMPATIBLE初期化パラメータが11.1.0以上に設定されている必要があります。

次の例は、SALES表を読取り専用モードにします。

ALTER TABLE SALES READ ONLY;

次の例は、表を読取り/書込みモードに戻します。

ALTER TABLE SALES READ WRITE;

表が読取り専用モードの場合、表データの変更操作は許可されません。読取り専用表で許可されない操作は、次のとおりです。

  • 表またはそのパーティションに対するすべてのDML操作

  • TRUNCATE TABLE

  • SELECT FOR UPDATE

  • ALTER TABLE ADD/MODIFY/RENAME/DROP COLUMN

  • ALTER TABLE SET COLUMN UNUSED

  • ALTER TABLE DROP/TRUNCATE/EXCHANGE (SUB)PARTITION

  • 読取り専用表が関係している型に対するALTER TABLE UPGRADE INCLUDING DATAまたはALTER TYPE CASCADE INCLUDING TABLE DATA

  • オンライン再定義

  • FLASHBACK TABLE

読取り専用表で許可される操作は、次のとおりです。

  • SELECT

  • CREATE/ALTER/DROP INDEX

  • ALTER TABLE ADD/MODIFY/DROP/ENABLE/DISABLE CONSTRAINT

  • 物理的なプロパティ変更のためのALTER TABLE

  • ALTER TABLE DROP UNUSED COLUMNS

  • ALTER TABLE ADD/COALESCE/MERGE/MODIFY/MOVE/RENAME/SPLIT (SUB)PARTITION

  • ALTER TABLE MOVE

  • ALTER TABLE ENABLE ROW MOVEMENTおよびALTER TABLE SHRINK

  • RENAME TABLEおよびALTER TABLE RENAME TO

  • DROP TABLE

  • ALTER TABLE DEALLOCATE UNUSED

  • ALTER TABLE ADD/DROP SUPPLEMENTAL LOG


関連項目:

ALTER TABLE文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

表のオンライン再定義

データベース・システムでは、次のような理由で表の構造を論理的または物理的に変更する必要が生じます。

  • 問合せまたはDMLのパフォーマンスを改善するため

  • アプリケーションの変更に対応するため

  • 記憶域を管理するため

Oracle Databaseには、表の可用性に大きな影響を与えずに表の構造を変更できるメカニズムが用意されています。このメカニズムは、表のオンライン再定義と呼ばれます。表のオンライン再定義では、表を再定義する従来の方法に比べて、可用性が大幅に向上します。

オンラインで表を再定義している間も、その再定義プロセスの大部分で、問合せおよびDMLを使用してその表にアクセスできます。通常、表が排他モードでロックされるのは、そのサイズや再定義の複雑さに関係なくわずかな間のみで、ユーザーに対しては完全に透過的です。ただし、再定義中に数多くの同時DML操作がある場合、表をロックできるようになる前に、より長く待機することが必要になることがあります。待機によって、より多くの変更が元の表に対してコミットされるため、リフレッシュ時間と表がロックされている時間が長くなります。

表のオンライン再定義には、再定義の対象となる表が使用している領域とほぼ同等の空き領域が必要です。新しい列を追加する場合は、より多くの領域が必要になります。

表のオンライン再定義を実行するには、Enterprise Managerのオブジェクトの再編成ウィザードまたはDBMS_REDEFINITIONパッケージを使用します。


注意:

オブジェクトの再編成ウィザードを起動する手順は、次のとおりです。
  1. Enterprise Managerの「表」ページで「選択」列をクリックし、再定義する表を選択します。

  2. 「アクション」リストで、「再編成」を選択します。

  3. 「実行」をクリックします。


この項では、DBMS_REDEFINITIONパッケージを使用したオンライン再定義について説明します。内容は次のとおりです。


関連項目:

DBMS_REDEFINITIONパッケージの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

表のオンライン再定義の機能

表のオンライン再定義では、次のことが可能です。

  • 表またはクラスタの記憶域パラメータの変更

  • 異なる表領域への表またはクラスタの移動


    注意:

    表を別の表領域に移動する際に、DMLでその表を使用する必要性がない場合は、より簡単なALTER TABLE MOVEコマンドを使用できます。「新規セグメントまたは表領域への表の移動」を参照してください。

  • 表またはクラスタの1つ以上の列の追加、変更、または削除

  • パーティション化サポートの追加または削除(非クラスタ化表のみ)

  • パーティション構造の変更

  • 同じスキーマ内の別の表領域へのパーティションの移動を含む、単一の表パーティションの物理的なプロパティの変更

  • マテリアライズド・ビュー・ログまたはOracle Streamsアドバンスト・キューイングのキュー表の物理的なプロパティの変更

  • パラレル問合せのサポートの追加

  • 表またはクラスタの再作成による断片化の低減


    注意:

    多くの場合、オンラインによるセグメントの縮小が断片化を削減する簡単な方法です。「使用できない領域の再生」を参照してください。

  • 通常の表(ヒープ構成表)から索引構成表へ、または索引構成表から通常の表への編成の変更。

  • リレーショナル表からオブジェクト列を持つ表へ、またはオブジェクト列を持つ表からリレーショナル表への変換。

  • オブジェクト表からリレーショナル表またはオブジェクト列を持つ表へ、あるいはリレーショナル表またはオブジェクト列を持つ表からオブジェクト表への変換。

DBMS_REDEFINITIONを使用したオンライン再定義の実行

表のオンライン再定義を実行するには、DBMS_REDEFINITIONパッケージを使用します。パッケージの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

オンラインで表を再定義する手順は、次のとおりです。

  1. 再定義方法(キー別またはROWID別)を選択します。

    キー別: 再定義に使用する主キーまたは疑似主キーを選択します。疑似主キーは、NOT NULL制約が指定されているすべての構成要素の列を備えた一意のキーです。この方法の場合、表の再定義前のバージョンと再定義後のバージョンの主キー列は同じになります。これはデフォルトの再定義方法であり、この方法を使用することをお薦めします。

    ROWID別: キーが存在しない場合、この方法を使用します。この方法では、M_ROW$$という名前の非表示列が、表の再定義後のバージョンに追加されます。再定義の完了後、この列を削除するか、未使用としてマークすることをお薦めします。COMPATIBLEが10.2.0以上に設定されている場合、再定義の最終フェーズで自動的にこの列が未使用に設定されます。その後、ALTER TABLE ... DROP UNUSED COLUMNS文を使用して削除できます。

    この方法は、索引構成表に対しては使用できません。

  2. CAN_REDEF_TABLEプロシージャを起動して、表をオンラインで再定義できることを確認します。表がオンライン再定義の候補でない場合、このプロシージャは表をオンライン再定義できない理由を示すエラーを出力します。

  3. 必要な論理属性と物理属性のすべてを備えた空の仮表を(再定義する表と同じスキーマ内に)作成します。削除される列の場合は、仮表の定義に含めないでください。列を追加する場合は、その列の定義を仮表に追加します。列を変更する場合は、必要なプロパティを備えた仮表にその列を作成します。

    再定義する表の索引、制約、権限付与およびトリガーすべてを備えた仮表を作成する必要はありません。これらは、依存オブジェクトをコピーするときに手順7で定義します。

  4. ROWIDによる方法でパーティション表を再定義する場合は、仮表での行移動を有効にします。

    ALTER TABLE ... ENABLE ROW MOVEMENT;
    
  5. (オプション)次の手順のパフォーマンスを改善するために、大きい表の再定義をパラレルで実行する場合は、次の文を発行します。

    ALTER SESSION FORCE PARALLEL DML PARALLEL degree-of-parallelism;
    ALTER SESSION FORCE PARALLEL QUERY PARALLEL degree-of-parallelism;
    
  6. 次の情報を指定してSTART_REDEF_TABLEをコールし、再定義プロセスを開始します。

    • 再定義する表のスキーマと表名

    • 仮表名

    • 再定義される表の列を仮表の列にマップする列マッピング文字列

      詳細は、「列マッピング文字列の作成」を参照してください。

    • 再定義方法

      再定義方法を指定するために、パッケージ定数が用意されています。DBMS_REDEFINITION.CONS_USE_PKは、主キーまたは擬似主キーを使用して再定義が実行されるように指定するために使用します。DBMS_REDEFINITION.CONS_USE_ROWIDは、ROWIDを使用して再定義が実行されるように指定するために使用します。この引数を指定しない場合は、デフォルトの再定義方法(CONS_USE_PK)が使用されます。

    • 行の順序に使用する列(オプション)

    • パーティション名(パーティション表の単一のパーティションのみを再定義する場合)

    このプロセスにはデータのコピー操作が含まれるため、多少の時間を要する可能性があります。再定義する表は、プロセスの開始から終了まで問合せおよびDMLで使用できます。


    注意:

    • DBA_REDEFINITION_OBJECTSビューを問い合せると、オンライン再定義に現在関連するオブジェクトをリストできます。

    • なんらかの理由でSTART_REDEF_TABLEに失敗した場合は、ABORT_REDEF_TABLEをコールする必要があります。コールしないと、表を再定義する後続の試行でエラーが発生します。


  7. 依存オブジェクト(トリガー、索引、マテリアライズド・ビュー・ログ、権限付与および制約など)および統計を、再定義される表から仮表へ、次の2つの方法のいずれかを使用してコピーします。方法1の方がより自動化されているため優先されますが、方法2の使用を選択する場合もあります。また、方法1では、表統計を仮表にコピーできます。

    • 方法1: 依存オブジェクトの自動作成

      COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャを使用して、仮表に対する依存オブジェクトを自動的に作成します。このプロシージャは、依存オブジェクトの登録も実施します。依存オブジェクトを登録することで、これらのオブジェクトの個別情報とコピーされた複製を、再定義完了プロセスの一部として後で自動的にスワップできます。その結果、再定義が完了すると、依存オブジェクトの名前がオリジナルの依存オブジェクトと同じ名前になります。

      詳細は、「依存オブジェクトの自動作成」を参照してください。

    • 方法2: 依存オブジェクトの手動による作成

      仮表に対する依存オブジェクトは、手動で作成して登録できます。詳細は、「依存オブジェクトの手動による作成」を参照してください。


      注意:

      Oracle Databaseリリース9iでは、トリガー、索引、権限付与および制限を仮表に手動で作成する必要がありましたが、まだその必要がある場合もあります。いずれの場合でも、仮表に関係のある参照制限(仮表が参照制約の親表または子表の場合)は、使用不可で作成される必要があります。オンライン再定義が完了した後、参照制限は自動的に使用可能になります。さらに、再定義プロセスが完了または中止されるまで、仮表に定義されたトリガーはまったく実行されません。

  8. FINISH_REDEF_TABLEプロシージャを実行して、表の再定義を完了します。このプロシージャの実行中、元の表はそのデータ量とは無関係に、わずかな時間ですが排他モードでロックされます。ただし、FINISH_REDEF_TABLE部分は、保留中のDMLすべてがコミットされるのを待機してから、再定義を完了します。

  9. 再定義にROWIDを使用したときに、COMPATIBLE初期化パラメータが10.1.0以下に設定されている場合は、再定義後の表に追加された非表示列(M_ROW$$)を削除するかUNUSEDに設定してください。

    ALTER TABLE table_name SET UNUSED (M_ROW$$);
    

    COMPATIBLEが10.2.0以上の場合は、再定義の完了時に非表示列が自動的にUNUSEDに設定されます。次に、ALTER TABLE ... DROP UNUSED COLUMNS文を使用して列を削除できます。

  10. 仮表に対する長時間実行の問合せがある場合は、完了するのを待ってから、仮表を削除します。

    仮表に対するアクティブな問合せの実行中に仮表を削除すると、ORA-08103エラー(「現在、指定したオブジェクトは存在しません。」)が発生する場合があります。

列マッピング文字列の作成

引数としてSTART_REDEF_TABLEに渡す列マッピング文字列には、カンマで区切られた列マッピングのペアのリストが含まれています。各ペアの構文は、次のとおりです。

[expression]  column_name

column_nameは、仮表の列を意味します。オプションのexpressionには、SQL(SELECT)文の式のルールに従って、再定義する表の列、定数、演算子、関数またはメソッド・コールなどを指定できます。ただし、使用できるのは、値がすぐに決定される単純な副次式、つまり、ある評価と次の評価で結果が変化しない副次式と、順序およびSYSDATEのみです。副問合せは使用できません。最も簡単な場合、式は再定義する表の列名のみで構成されます。

式を指定すると、その値は再定義の過程で仮表内の指定の列に配置されます。式を省略した場合は、再定義する表と仮表の両方にcolumn_nameという列が存在し、再定義する表にあるその列の値が仮表の同じ列に配置されていると想定されます。

たとえば、再定義する表のoverride列をoverride_commissionという名前に変更し、すべてのオーバーライド・コミッションを2%増加する場合、正しい列マッピングのペアは次のとおりです。

override*1.02  override_commission

列マッピング文字列に'*'またはNULLを指定すると、すべての列(名前は変更されない)が仮表に配置されることになります。それ以外の場合は、文字列で明示的に指定した列のみが仮表に配置されます。列マッピングのペアの順序は重要ではありません。

列マッピング文字列の例は、「表のオンライン再定義の例」を参照してください。

データの変換 列をマッピングする際は、いくつかの制限はありますが、データ型を変換できます。

'*'またはNULLを列マッピング文字列として指定した場合は、SQLで許可される暗黙的な変換のみがサポートされます。たとえば、CHARからVARCHAR2に、INTEGERからNUMBERに変換できます。

あるオブジェクト型から別のオブジェクト型への変換や、あるコレクション型から別のコレクション型への変換など、その他のデータ型変換を実行するには、変換を実行する式とともに列マッピングのペアを指定する必要があります。式には、CAST関数、TO_NUMBERなどの組込み関数、作成した変換関数などを指定できます。

依存オブジェクトの自動作成

仮表に対する依存オブジェクトを自動的に作成するには、COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャを使用します。

num_errors出力引数をチェックすることで、依存オブジェクトのコピー中にエラーが発生したかどうかを検出できます。ignore_errors引数をTRUEに設定すると、COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャは、オブジェクト作成時にエラーを検出しても、依存オブジェクトのコピーを続行します。DBA_REDEFINITION_ERRORSビューを問い合せることで、これらのエラーを確認できます。

エラーには、次のような理由があります。

  • システム・リソースの不足

  • 依存オブジェクトの再コーディングが必要となるような表の論理構造の変更。

    この種のエラーの説明は、「表のオンライン再定義の例」の例3を参照してください。

ignore_errorsFALSEに設定すると、COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャは、エラーを検出すると、オブジェクトのコピーをただちに停止します。

エラーを修正してからCOPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャを再実行することで、依存オブジェクトのコピーを再試行できます。「依存オブジェクトの手動による作成」に説明されているように、オブジェクトを手動で作成し、それらを登録することもできます。COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャは、必要に応じて何回でも使用できます。オブジェクトがすでに正常にコピーされている場合は、再度コピーされません。

依存オブジェクトの手動による作成

SQL*PlusまたはEnterprise Managerで、仮表に対する依存オブジェクトを手動で作成する場合は、REGISTER_DEPENDENT_OBJECTプロシージャを使用して依存オブジェクトを登録する必要があります。依存オブジェクトを登録すると、再定義の完了プロセスで、依存オブジェクト名を再定義前の名前にリストアできます。

COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャによる依存オブジェクトのコピーがエラーとなり、手動による介入が必要な場合は、REGISTER_DEPENDENT_OBJECTプロシージャを使用します。

DBA_REDEFINITION_OBJECTSビューを問い合せることによって、登録されている依存オブジェクトを判断できます。このビューには、REGISTER_DEPENDENT_OBJECTプロシージャで明示的に登録、またはCOPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャで暗黙的に登録された依存オブジェクトが表示されます。このビューには、現在の情報のみが表示されます。

UNREGISTER_DEPENDENT_OBJECTプロシージャを使用すると、再定義している表および仮表に対する依存オブジェクトの登録を解除できます。


注意:

手動で作成する依存オブジェクトは、対応する元の依存オブジェクトと同一である必要はありません。たとえば、マテリアライズド・ビュー・ログを仮表に手動で作成する場合は、別の列を記録できます。また、仮表の依存オブジェクトが増減してもかまいません。

再定義プロセスの結果

再定義プロセスの最終的な結果は、次のようになります。

  • 元の表は、仮表の列、索引、制約、権限付与、トリガーおよび統計を使用して再定義されます。

  • REGISTER_DEPENDENT_OBJECTを明示的に使用するか、またはCOPY_TABLE_DEPENDENTSを暗黙的に使用して登録された依存オブジェクトは、自動的に名前が変更されるため、再定義した表の依存オブジェクト名は再定義の前と同じになります。


    注意:

    登録または自動コピーが行われていない依存オブジェクトの名前は、手動で変更する必要があります。

  • 仮表に関与する参照制約は、再定義した表に関与して使用可能になります。

  • (再定義前に)元の表に定義されていた索引、トリガー、マテリアライズド・ビュー・ログ、権限付与および制約がすべて仮表に移動し、ユーザーが仮表を削除したときに同時に削除されます。再定義する前に元の表に関与していた参照制約がすべて仮表に関与し、使用禁止になります。

  • 一部のPL/SQLオブジェクト、ビュー、シノニムおよびその他の表依存オブジェクトが、無効になる場合があります。変更された表の要素に依存するオブジェクトのみが無効になります。たとえば、再定義で変更されなかった再定義表の列のみを問い合せるPL/SQLプロシージャは有効のままです。スキーマ・オブジェクトの依存性の詳細は、「オブジェクト依存性の管理」を参照してください。

中間での同期化の実行

START_REDEF_TABLEをコールして再定義プロセスを開始してからFINISH_REDEF_TABLEコールが完了するまでの間に、元の表に対して多数のDML文が実行される可能性があります。これが問題になることがわかっている場合は、定期的に仮表を元の表と同期化することをお薦めします。同期化には、SYNC_INTERIM_TABLEプロシージャをコールします。このプロシージャをコールすると、FINISH_REDEF_TABLEで再定義プロセスを完了するための時間が短縮されます。SYNC_INTERIM_TABLEをコールできる回数に制限はありません。

FINISH_REDEF_TABLEの実行中に元の表がロックされるわずかな時間は、SYNC_INTERIM_TABLEのコールの有無とは関係ありません。

エラー後の表のオンライン再定義の強制終了およびクリーン・アップ

再定義プロセス中にエラーが発生した場合、または再定義プロセスの終了を選択した場合は、ABORT_REDEF_TABLEをコールしてください。このプロシージャは、再定義プロセスに対応付けられた一時ログおよび一時表を削除します。このプロシージャをコールした後は、仮表とその依存オブジェクトを削除できます。

オンライン再定義プロセスの再起動が必要な場合は、最初にABORT_REDEF_TABLEをコールしないと、表を再定義する後続の試みでエラーが発生します。

表のオンライン再定義に関する制限事項

表のオンライン再定義には、次の制限が適用されます。

  • 表を主キーまたは擬似主キー(すべてのコンポーネント列がNULLでない制約を持つ一意キーまたは制約)を使用して再定義する場合、再定義後の表でも同じ主キーまたは擬似主キー列を使用する必要があります。ROWIDを使用して再定義する表に、索引構成表を含めないでください。

  • マテリアライズド・ビュー・ログが含まれている表を再定義した後に依存マテリアライズド・ビューをリフレッシュする場合は、完全リフレッシュを実行する必要があります。

  • n-wayマスター構成でレプリケートされた表の再定義は可能ですが、水平サブセット化(表内の行のサブセット)、垂直サブセット化(表内の列のサブセット)または列変換は使用できません。

  • 索引構成表のオーバーフロー表は、個別にオンライン再定義できません。

  • ファイングレイン・アクセス・コントロール(行レベルのセキュリティ)が設定された表はオンライン再定義できません。

  • Flashbackデータ・アーカイブが有効になっている表は、オンラインで再定義できません。Flashbackデータ・アーカイブを仮表に対して有効にはできません。

  • BFILE列を持つ表は、オンライン再定義できません。

  • 複数のLONG列を保持している表は、オンラインで再定義できますが、これらの列は、CLOBに変換する必要があります。また、LONG RAW列は、BLOBに変換する必要があります。LOB列を持つ表は、オンライン再定義可能です。

  • パラレル実行のためのリソースが十分なシステムで、仮表がパーティション化されていない環境では、次の場合にのみ、LONG列からLOB列への再定義をパラレルで実行できます。

    • 仮表へのLOB列の格納に使用するセグメントが、自動セグメント領域管理(ASSM)を使用できるローカル管理表領域に属している場合。

    • 単一のLONG列から単一のLOB列への簡単なマッピングで、仮表に存在するLOB列が1つのみの場合。

    仮表がパーティション化されている場合は、パラレル実行でパーティション化する通常の方法が適用されます。

  • SYSおよびSYSTEMスキーマ内の表は、オンライン再定義できません。

  • 一時表は再定義できません。

  • 表内の行のサブセットは再定義できません。

  • 仮表の列を元の表の列にマッピングするときに使用できるのは、値がすぐに決定される単純な式、順序およびSYSDATEのみです。たとえば、副問合せは使用できません。

  • 新しい列を再定義の一部として追加しようとして、それらの列に列マッピングがない場合は、その再定義が完了するまでNOT NULLを宣言しないでください。

  • 再定義しようとする表と仮表の間では参照制約を作成できません。

  • 表の再定義は、NOLOGGINGモードでは実行できません。

  • マテリアライズド・ビュー・ログおよびキュー表の場合、オンライン再定義は物理的なプロパティの変更に制限されます。水平サブセット化または垂直サブセット化が使用できず、列の変換もできません。列マッピング文字列に唯一有効な値はNULLです。

  • 表に1つ以上のネストした表が含まれている場合、表に対するオンライン再定義は実行できません。

  • VARRAYは、列マッピングにCAST演算子を使用してネストした表に変換できます。ただし、ネストした表をVARRAYに変換することはできません。

  • DBMS_REDEFINITION.START_REDEF_TABLEプロシージャのcol_mappingパラメータ内の列に順序が含まれている場合、orderby_colsパラメータはNULLでなくてはなりません。

  • 参照パーティション化によって複数の表が関連付けられている場合、異なるDBMS_REDEFINITIONセッションにおいてそれらの表でオンライン再定義を同時に実行することはできません。

    参照パーティション化の詳細は、『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。

  • オブジェクト表またはXMLType表のオンライン再定義は、他の表に再定義済の表を参照するREF列がある場合に、他の表のREFの参照先がない状態を引き起こす可能性があります。

    REFの参照先がないことの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

単一パーティションのオンライン再定義

Oracle Database 10g リリース2からは、表の単一パーティションをオンラインで再定義できます。これは、異なる表領域にパーティションを移動する際に、移動中でもパーティションに対してDMLを使用できるようにする場合などに便利です。

この機能の別の用途は、表全体を再定義する際に、リソース要件を低減するために1度に1つのパーティションずつオンラインで再定義することです。たとえば、異なる表領域に非常に大きな表を移動するには、表を1度に1つのパーティションずつ移動することで、移動を完了するために必要な空き領域とUNDO領域を最小化できます。

単一パーティションの再定義は、次の点で表の再定義とは異なります。

  • 依存オブジェクトをコピーする必要はありません。1つのパーティションを再定義する場合、COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャの使用は有効ではありません。

  • 仮表に対してローカル索引を手動で作成する必要があります。

  • START_REDEF_TABLEには、NULLの列マッピング文字列が必要です。

  • ROWIDによる方法を使用するときには、再定義の最終フェーズで、非表示列M_ROW$$が未使用に設定されるかわりに削除されます。


注意:

パーティションを別の表領域に移動する際に、DMLでそのパーティションを使用する必要性がない場合は、より簡単なALTER TABLE...MOVE PARTITION文を使用できます。

関連項目:

  • 『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』のパーティションの移動に関する項

  • ALTER TABLE...MOVE PARTITION文の構文は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。


単一パーティションのオンライン再定義のルール

単一パーティションを再定義するための基本的な仕組みは、データベースのパーティション交換機能(ALTER TABLE...EXCHANGE PARTITION)です。したがって、単一パーティションのオンライン定義のルールと制限事項は、この仕組みに基づいて決まります。一般的には、次の制限事項があります。

  • 論理的な変更(列の追加や削除など)は許可されません。

  • パーティション化する方法の変更(レンジ・パーティション化からハッシュ・パーティション化への変更など)は許可されません。

仮表を定義する際のルールは、次のとおりです。

  • 再定義するパーティションが、レンジ、ハッシュまたはリスト・パーティションである場合は、非パーティションの仮表が必要です。

  • 再定義するパーティションがレンジ-ハッシュ・コンポジット・パーティション表のレンジ・パーティションである場合は、ハッシュ・パーティション表の仮表が必要です。また、仮表のパーティション化キーは、レンジ-ハッシュ・パーティション表のサブパーティション化キーと同一であり、仮表のパーティション数は、再定義するレンジ・パーティションのサブパーティション数と同一であることが必要です。

  • 再定義対象のパーティションがROWIDによる再定義方法を使用するハッシュ・パーティションである場合は、再定義を開始する前に、仮表での行移動を有効にする必要があります。

  • 再定義するパーティションがレンジ-リスト・コンポジット・パーティション表のレンジ・パーティションである場合は、リスト・パーティション表の仮表が必要です。また、仮表のパーティション化キーは、レンジ-リスト・パーティション表のサブパーティション化キーと同一であり、仮表のリスト・パーティションの値リストは、再定義するレンジ・パーティションのリスト・サブパーティションの値リストと正確に一致している必要があります。

  • 仮表を圧縮するよう定義する場合、ROWIDによる再定義ではなく、キーによる再定義を使用する必要があります。

次の補足ルールは、再定義する表がパーティション化された索引構成表である場合に適用されます。

  • 仮表も索引構成されている必要があります。

  • 元の表と仮表では、同じ列に対する主キーが同じ順序で保持されている必要があります。

  • キー圧縮が使用可能な場合は、元の表と仮表の両方で、同じ接頭辞の長さでキー圧縮が使用可能になっている必要があります。

  • オーバーフロー・セグメントがある場合は、元の表と仮表の両方にあるか、または両方にないことが必要です。マッピング表についても同様です。

  • 元の表と仮表の両方で、LOB列に対して同じ記憶域属性が必要です。


関連項目:

『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』のパーティションの交換に関する項

表のオンライン再定義の例

次の各例について、すべてのDBMS_REDEFINITIONサブプログラムの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

説明
例1
新しい列を追加しパーティションを追加することで、表を再定義します。
例2
オブジェクト・データ型を使用して表を再定義します。
例3
手動で登録した依存オブジェクトを使用して表を再定義します。
例4
単一の表パーティションを異なる表領域に移動して表を再定義します。

例1

この例では、以前に作成した表hr.admin_empの再定義を示しますが、この表には、この時点で列empnoenamejobおよびdeptnoのみが含まれています。表は次のようにして再定義します。

  • 新しい列mgrhiredatesalおよびbonusを追加します。(これらは元の表では存在しましたが、前の例で削除されました。)

  • 新しい列bonusを0に初期化します。

  • deptnoの値を10増やしています。

  • 再定義された表をempnoの範囲でパーティション化します。

この再定義の手順は、次のとおりです。

  1. 表がオンライン再定義の候補であることを確認します。この場合は、主キーまたは疑似主キーを使用して再定義が実行されるように指定します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.CAN_REDEF_TABLE('hr','admin_emp',
          DBMS_REDEFINITION.CONS_USE_PK);
    END;
    /
    
  2. 仮表hr.int_admin_empを作成します。

    CREATE TABLE hr.int_admin_emp
            (empno      NUMBER(5) PRIMARY KEY,
             ename      VARCHAR2(15) NOT NULL,
             job        VARCHAR2(10),
             mgr        NUMBER(5),
             hiredate   DATE DEFAULT (sysdate),
             sal        NUMBER(7,2),
             deptno     NUMBER(3) NOT NULL,
             bonus      NUMBER (7,2) DEFAULT(1000))
         PARTITION BY RANGE(empno)
           (PARTITION emp1000 VALUES LESS THAN (1000) TABLESPACE admin_tbs,
            PARTITION emp2000 VALUES LESS THAN (2000) TABLESPACE admin_tbs2);
    
  3. 再定義プロセスを開始します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.START_REDEF_TABLE('hr', 'admin_emp','int_admin_emp',
           'empno empno, ename ename, job job, deptno+10 deptno, 0 bonus',
            dbms_redefinition.cons_use_pk);
    END;
    /
    
  4. 依存オブジェクトをコピーします。(hr.int_admin_empに対するトリガー、索引、マテリアライズド・ビュー・ログ、権限付与および制約がある場合、それらは自動的に作成されます。)

    DECLARE
    num_errors PLS_INTEGER;
    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.COPY_TABLE_DEPENDENTS('hr', 'admin_emp','int_admin_emp',
       DBMS_REDEFINITION.CONS_ORIG_PARAMS, TRUE, TRUE, TRUE, TRUE, num_errors);
    END;
    /
    

    このコールでは、ignore_errors引数がTRUEに設定されていることに注意してください。これは、仮表が主キー制約付きで作成されており、COPY_TABLE_DEPENDENTSによって、主キー制約と索引が元の表からコピーされる際にエラーが発生するためです。これらのエラーは無視できますが、後続の手順に記載されている問合せを実行して、他のエラーの存在を確認する必要があります。

  5. DBA_REDEFINITION_ERRORSビューを問い合せて、エラーをチェックします。

    SQL> select object_name, base_table_name, ddl_txt from
             DBA_REDEFINITION_ERRORS;
     
    OBJECT_NAME   BASE_TABLE_NAME  DDL_TXT
    ------------- ---------------- ------------------------------
    SYS_C005836   ADMIN_EMP        CREATE UNIQUE INDEX "HR"."TMP$
                                   $_SYS_C0058360" ON "HR"."INT_A
                                   DMIN_EMP" ("EMPNO")
     
    SYS_C005836   ADMIN_EMP        ALTER TABLE "HR"."INT_ADMIN_EM
                                   P" ADD CONSTRAINT "TMP$$_SYS_C
                                   0058360" PRIMARY KEY
    

    これらのエラーは、仮表にある既存の主キー制約に起因しているため、無視できます。このアプローチでは、再定義後の表の主キー制約名と索引名が変更されていることに注意してください。別のアプローチを使用すると、エラーの発生と名前の変更を回避できますが、仮表は主キー制約なしで定義されることになります。この例の場合、主キー制約と索引は元の表からコピーされます。


    注意:

    最良のアプローチは、主キー制約付きで仮表を定義し、REGISTER_DEPENDENT_OBJECTを使用して主キー制約と索引を登録してから、COPY_TABLE_DEPENDENTSで残りの依存オブジェクトをコピーすることです。このアプローチでは、エラーが回避され、再定義した表には常に主キーがあり、依存オブジェクト名も変わりません。

  6. 必要に応じて、仮表hr.int_admin_empを同期化します。

    BEGIN 
      DBMS_REDEFINITION.SYNC_INTERIM_TABLE('hr', 'admin_emp', 'int_admin_emp');
    END;
    /
    
  7. 再定義を完了します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.FINISH_REDEF_TABLE('hr', 'admin_emp', 'int_admin_emp');
    END;
    /
    

    この手順が終了するまでに、わずかな間のみ、表hr.admin_empが排他モードでロックされます。このコールの後、表hr.admin_emphr.int_admin_emp表のすべての属性を持つように再定義されます。

  8. 仮表に対する長時間実行の問合せがある場合は、完了するのを待ってから、仮表を削除します。

例2

この例では、列をオブジェクト属性に変更するために表を再定義します。再定義した表にオブジェクト型の新しい列を確保します。

元の表(CUSTOMER)の定義は、次のとおりです。

Name         Type          
------------ ------------- 
CID          NUMBER            <- Primary key
NAME         VARCHAR2(30)  
STREET       VARCHAR2(100) 
CITY         VARCHAR2(30)  
STATE        VARCHAR2(2)   
ZIP          NUMBER(5)     

新しいオブジェクトの型定義は、次のとおりです。

CREATE TYPE ADDR_T AS OBJECT (  
   street VARCHAR2(100),        
   city VARCHAR2(30),           
   state VARCHAR2(2),           
   zip NUMBER(5, 0) );          

再定義の手順は、次のとおりです。

  1. 表がオンライン再定義の候補であることを確認します。主キーまたは疑似主キーを使用して再定義が実行されるように指定します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.CAN_REDEF_TABLE('STEVE','CUSTOMER',
            DBMS_REDEFINITION.CONS_USE_PK);
    END;
    /
    
  2. 仮表int_customerを作成します。

    CREATE TABLE INT_CUSTOMER(
      CID NUMBER,
      NAME  VARCHAR2(30),          
      ADDR  ADDR_T);             
      
    

    仮表には主キーが定義されていないことに注意してください。手順5で依存オブジェクトがコピーされると、主キー制約と索引がコピーされます。

  3. CUSTOMERは大きい表であるため、後続の手順のためにパラレル操作を指定します。

    alter session force parallel dml parallel 4;
    alter session force parallel query parallel 4;
    
  4. 主キーを使用して再定義プロセスを開始します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.START_REDEF_TABLE(
       uname       => 'STEVE',
       orig_table  => 'CUSTOMER',
       int_table   => 'INT_CUSTOMER',
       col_mapping => 'cid cid,  name name,
          addr_t(street, city, state, zip) addr');
    END;
    /
    

    addr_t(street, city, state, zip)は、オブジェクト・コンストラクタへのコールです。

  5. 依存オブジェクトをコピーします。

    DECLARE
    num_errors PLS_INTEGER;
    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.COPY_TABLE_DEPENDENTS(
       'STEVE','CUSTOMER','INT_CUSTOMER',DBMS_REDEFINITION.CONS_ORIG_PARAMS,
        TRUE, TRUE, TRUE, FALSE, num_errors, TRUE);
    END;
    /
    

    このコールの最後の引数は、表の統計が仮表にコピーされることを意味します。

  6. 必要に応じて、仮表を同期化します。

    BEGIN 
      DBMS_REDEFINITION.SYNC_INTERIM_TABLE('STEVE', 'CUSTOMER', 'INT_CUSTOMER');
    END;
    /
    
  7. 再定義を完了します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.FINISH_REDEF_TABLE('STEVE', 'CUSTOMER', 'INT_CUSTOMER');
    END;
    /
    
  8. 仮表に対する長時間実行の問合せがある場合は、完了するのを待ってから、仮表を削除します。

例3

この例では、依存オブジェクトを手動で作成および登録する必要がある場合を考えてみます。

T1にはC1という列があり、再定義した後、この列をC2にするとします。C1には索引Index1があると想定します。この場合、COPY_TABLE_DEPENDENTSは、Index1に対応して、仮表に対する索引の作成を試行し、仮表には存在しない列C1に対して索引の作成を試行します。これは結果的にエラーとなります。したがって、列C2に対しては、索引を手動で作成して登録する必要があります。手順は、次のとおりです。

  1. 仮表INT_T1を作成し、列C2に対して索引Int_Index1を作成します。

  2. CAN_REDEF_TABLEを使用してT1がオンライン定義の候補であることを確認し、次にSTART_REDEF_TABLEを使用して再定義プロセスを開始します。

  3. 元(Index1)と仮(Int_Index1)の依存オブジェクトを登録します。

    BEGIN
     DBMS_REDEFINITION.REGISTER_DEPENDENT_OBJECT(
       uname         => 'STEVE',
       orig_table    => 'T1',
       int_table     => 'INT_T1',
       dep_type      => DBMS_REDEFINITION.CONS_INDEX,
       dep_owner     => 'STEVE',
       dep_orig_name => 'Index1',
       dep_int_name  => 'Int_Index1');
    END;
    /
    
  4. COPY_TABLE_DEPENDENTSを使用して、残りの依存オブジェクトをコピーします。

  5. 必要に応じて、仮表を同期化します。

  6. 再定義を完了し、仮表を削除します。

例4

この例では、1つのパーティションの再定義を示します。レンジ・パーティション化されたsales tableの最も古いパーティションをTBS_LOW_FREQという名前の表領域に移動します。再定義するパーティションが含まれている表は、次のようにして定義します。

CREATE TABLE salestable
(s_productid NUMBER,
s_saledate DATE,
s_custid NUMBER,
s_totalprice NUMBER)
TABLESPACE users
PARTITION BY RANGE(s_saledate)
(PARTITION sal03q1 VALUES LESS THAN (TO_DATE('01-APR-2003', 'DD-MON-YYYY')),
PARTITION sal03q2 VALUES LESS THAN (TO_DATE('01-JUL-2003', 'DD-MON-YYYY')),
PARTITION sal03q3 VALUES LESS THAN (TO_DATE('01-OCT-2003', 'DD-MON-YYYY')),
PARTITION sal03q4 VALUES LESS THAN (TO_DATE('01-JAN-2004', 'DD-MON-YYYY')));

表には、次のように定義されたローカル・パーティション索引があります。

CREATE INDEX sales_index ON salestable 
   (s_saledate, s_productid, s_custid) LOCAL;

手順は、次のとおりです。次のプロシージャ・コールでは、パーティション名(part_name)という特別な引数に注目してください。

  1. salestableが再定義の候補であることを確認します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.CAN_REDEF_TABLE(
       uname        => 'STEVE',
       tname        => 'SALESTABLE',
       options_flag => DBMS_REDEFINITION.CONS_USE_ROWID,
       part_name    => 'sal03q1');
    END;
    /
    
  2. TBS_LOW_FREQ表領域に仮表を作成します。これはレンジ・パーティションの再定義であるため、仮表は非パーティション表です。

    CREATE TABLE int_salestable
    (s_productid NUMBER,
    s_saledate DATE,
    s_custid NUMBER,
    s_totalprice NUMBER)
    TABLESPACE tbs_low_freq;
    
  3. ROWIDを使用して再定義プロセスを開始します。

    BEGIN
      DBMS_REDEFINITION.START_REDEF_TABLE(
       uname        => 'STEVE',
       orig_table   => 'salestable',
       int_table    => 'int_salestable',
       col_mapping  => NULL,
       options_flag => DBMS_REDEFINITION.CONS_USE_ROWID,
       part_name    => 'sal03q1');
    END;
    /
    
  4. 仮表に対してローカル索引を手動で作成します。

    CREATE INDEX int_sales_index ON int_salestable 
    (s_saledate, s_productid, s_custid)
    TABLESPACE tbs_low_freq; 
    
  5. 必要に応じて、仮表を同期化します。

    BEGIN 
      DBMS_REDEFINITION.SYNC_INTERIM_TABLE(
       uname      => 'STEVE', 
       orig_table => 'salestable', 
       int_table  => 'int_salestable',
       part_name  => 'sal03q1');
    END;
    /
    
  6. 再定義を完了します。

    BEGIN 
      DBMS_REDEFINITION.FINISH_REDEF_TABLE(
       uname      => 'STEVE', 
       orig_table => 'salestable', 
       int_table  => 'int_salestable',
       part_name  => 'sal03q1');
    END;
    /
    
  7. 仮表に対する長時間実行の問合せがある場合は、完了するのを待ってから、仮表を削除します。

次の問合せは、最も古いパーティションが新しい表領域に移動したことを示します。

select partition_name, tablespace_name from user_tab_partitions
 where table_name = 'SALESTABLE';
 
PARTITION_NAME                 TABLESPACE_NAME
------------------------------ ------------------------------
SAL03Q1                        TBS_LOW_FREQ
SAL03Q2                        USERS
SAL03Q3                        USERS
SAL03Q4                        USERS
 
4 rows selected.

DBMS_REDEFINITIONパッケージに必要な権限

DBMS_REDEFINITIONパッケージの実行権限は、パッケージ内のサブプログラムの実行に必要です。DBMS_REDEFINITIONパッケージの実行権限は、EXECUTE_CATALOG_ROLEに付与されます。

さらに、パッケージを使用してユーザーのスキーマの表を再定義するには、ユーザーは次の権限を付与されている必要があります。

  • CREATE TABLE

  • CREATE MATERIALIZED VIEW

COPY_TABLE_DEPENDENTSプロシージャを実行するには、CREATE TRIGGER権限も必要です。

パッケージを使用して他のスキーマの表を再定義するには、ユーザーは次の権限を付与されている必要があります。

  • CREATE ANY TABLE

  • ALTER ANY TABLE

  • DROP ANY TABLE

  • LOCK ANY TABLE

  • SELECT ANY TABLE

他のスキーマの表でCOPY_TABLE_DEPENDENTSを実行するには、次の追加権限が必要です。

  • CREATE ANY TRIGGER

  • CREATE ANY INDEX

エラーが発生した表の変更の調査と取消し

表に対してエラーが発生する変更を調査して取り消せるようにするために、Oracle Databaseには、データベース・オブジェクトの過去の状態を表示したり、Point-in-Timeメディア・リカバリを使用せずにデータベース・オブジェクトを以前の状態に戻すために使用できる一連の機能が用意されています。これらの機能はOracle Flashback機能と呼ばれており、『Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイド』で説明されています。

エラーが発生する変更を調査するために、複数のOracle Flashback問合せを使用して、特定の時点における行データを表示できます。さらに効率的な方法として、Oracle Flashback Version Queryを使用して、ある期間にわたる行への変更すべてを表示できます。この機能では、SELECT文にVERSIONS句を追加できるため、行の値への変更を表示するシステム変更番号(SCN)またはタイムスタンプの範囲を指定できます。この問合せでは、変更の原因となったトランザクションなど、関連するメタデータを返すこともできます。

エラーが発生するトランザクションを特定した後、Oracle Flashback Transaction Queryを使用して、そのトランザクションで実行された他の変更を特定できます。次に、Oracle Flashback Transactionを使用して、エラーが発生するトランザクションを取り消すことができます。(Oracle Flashback Transactionでは、依存するすべてのトランザクション、つまりエラーが発生するトランザクションと同じ行が関係する後続のトランザクションも取り消す必要があることに注意してください。)「Oracle Flashback Tableを使用した表のリカバリ」で説明されているOracle Flashback Tableも使用できます。


注意:

Oracle Flashback機能を使用するには、自動UNDO管理を使用している必要があります。「自動UNDO管理の概念」を参照してください。


関連項目:

Oracle Flashback機能の詳細は、『Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイド』を参照してください。

Oracle Flashback Tableを使用した表のリカバリ

Oracle Flashback Tableを使用すると、表を以前の時点の状態にリストアできます。この機能では、ユーザーまたはアプリケーションにより、誤って変更または削除された表のリカバリを行うための、迅速なオンラインによる解決方法が提供されています。多くの場合、Oracle Flashback Tableを使用することで、管理者がより複雑なポイント・イン・タイム・リカバリ操作を実行する必要はなくなります。

Oracle Flashback Tableでは次のことができます。

  • 指定された表のすべてのデータが、タイムスタンプまたはSCNで表された以前の時点にリストアされます。

  • リストア操作はオンラインで実行されます。

  • アプリケーションがフラッシュバックされた表を使用して機能するために必要な索引、トリガー、制約など、表の属性すべてが自動的に維持されます。

  • 分散環境におけるすべてのリモート状態が維持されます。たとえば、レプリケート表がフラッシュバックされる場合は、レプリケーションに必要な表の変更すべてが維持されます。

  • 制約によって指定されているデータの整合性が維持されます。表は、表の制約すべてに違反していないことを条件にしてフラッシュバックされます。この制約には、FLASHBACK TABLE文の対象になっている表とFLASHBACK TABLE文の対象になっていない表との間に指定されている参照整合性制約も含まれます。

  • フラッシュバック操作後も、元の表のデータは消失しません。後で、元の状態に戻すことができます。


注意:

Oracle Flashback Tableを使用するには、自動UNDO管理を使用している必要があります。「自動UNDO管理の概念」を参照してください。


関連項目:

FLASHBACK TABLE文の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

表の削除

不要になった表を削除するには、DROP TABLE文を使用します。削除する表は、自分のスキーマに含まれているか、またはDROP ANY TABLEシステム権限を持っている必要があります。


注意:

表を削除する前に、表を削除した結果についてよく理解しておいてください。
  • 表を削除すると、その表定義はデータ・ディクショナリから削除されます。その結果、表のすべての行はアクセスできなくなります。

  • 表に対応付けられている索引とトリガーは、すべて削除されます。

  • 削除した表に依存しているビューとPL/SQLプログラム・ユニットはすべてそのまま残りますが、無効になります(使用できません)。データベースによる依存性管理の詳細は、「オブジェクト依存性の管理」を参照してください。

  • 削除する表のシノニムはすべてそのまま残りますが、使用するとエラーが返されます。

  • 削除した表に割り当てられていたエクステントは表領域の空き領域にすべて戻され、新しいエクステントまたは新しいオブジェクトを必要とするその他のオブジェクトによって再利用されます。クラスタ化表に対応する行はすべて、そのクラスタのブロックから削除されます。クラスタ化表の説明は、第22章「クラスタの管理」を参照してください。


次の文は、hr.int_admin_emp表を削除します。

DROP TABLE hr.int_admin_emp;

削除する表に、他の表の外部キーが参照している主キーまたは一意キーが含まれていて、その子表のFOREIGN KEY制約を削除する場合は、次のようにDROP TABLE文にCASCADE句を指定します。

DROP TABLE hr.admin_emp CASCADE CONSTRAINTS;

表を削除した場合、通常、その表に関連付けられている領域はデータベースによってすぐには解放されません。そのかわりに、データベースは表の名前を変更してリサイクル・ビンに入れるため、後に表が誤って削除されたことがわかった場合、FLASHBACK TABLE文を使用してリカバリできます。DROP TABLE文の発行時に、表に関連付けられている空間をすぐに解放する場合は、次の文に示すようにPURGE句を含めます。

DROP TABLE hr.admin_emp PURGE;

表を削除するかわりに、切捨てを使用する場合もあります。TRUNCATE文は、表からすべての行を削除するための高速で効率的な方法ですが、切り捨てる表に関連付けられた構造(列定義、制限、トリガーなど)または権限付与には影響しません。TRUNCATE文の説明は、「表とクラスタの切捨て」を参照してください。

フラッシュバック・ドロップの使用とリサイクル・ビンの管理

表を削除した場合、その表に関連付けられている領域はデータベースによってすぐには削除されません。データベースによってこの表の名前が変更され、すべての関連オブジェクトとともにリサイクル・ビンへ入れられますが、後に表が誤って削除されたことがわかった場合、リサイクル・ビンからリカバリすることができます。この機能はフラッシュバック・ドロップと呼ばれ、表のリストアにはFLASHBACK TABLE文が使用されます。この目的のためのFLASHBACK TABLE文の使用方法を説明する前に、リサイクル・ビンの機能と、その内容の管理方法を理解することが重要です。

この項の内容は次のとおりです。

リサイクル・ビンの概要

リサイクル・ビンとは、実際には、削除されたオブジェクトに関する情報を含んでいるデータ・ディクショナリ表です。削除された表および関連するオブジェクト(索引、制約、ネストした表など)は、削除されずにそのまま領域を使用します。この領域は、リサイクル・ビンから明確にパージされるまで、または、あまり可能性はありませんが、表領域の制約のためにデータベースによるパージが必要となるまでは、ユーザー領域の割当てにとって不利です。

ユーザーにSYSDBA権限がない場合、リサイクル・ビンの中でユーザーが所有するオブジェクトは、アクセス権があるオブジェクトのみであるため、各ユーザーには各自のリサイクル・ビンがあるとみなすことができます。リサイクル・ビンにある各自のオブジェクトは、次の文を使用して表示できます。

SELECT * FROM RECYCLEBIN;

表領域をその内容も含めて削除すると、表領域内のオブジェクトはリサイクル・ビンに配置されず、その表領域に配置されていたオブジェクトに対するリサイクル・ビン内のエントリはすべてパージされます。内容を含まない表領域を削除した場合、つまり空の表領域を削除した場合も、表領域内のオブジェクトに対するリサイクル・ビン内のエントリがすべてパージされます。同様に、それぞれの削除操作は次のように処理されます。

  • ユーザーを削除すると、そのユーザーが所有しているオブジェクトはリサイクル・ビンには配置されず、リサイクル・ビン内のオブジェクトがすべてパージされます。

  • クラスタを削除すると、そのメンバー表はリサイクル・ビンには配置されず、リサイクル・ビン内の古いメンバー表がすべてパージされます。

  • タイプを削除すると、サブタイプなどの依存オブジェクトはリサイクル・ビンには配置されず、リサイクル・ビン内の古い依存オブジェクトがすべてパージされます。

リサイクル・ビン内のオブジェクト名の変更

削除された表をリサイクル・ビンに移動すると、その表とその表に関連するオブジェクトには、システムで生成された名前が割り当てられます。名前の変更は、複数の表が同じ名前の場合に発生する可能性がある、名前の競合を回避するために必要です。名前の変更は、次の状況で発生します。

  • ユーザーが表を削除し、同じ名前で表を作成し、その後、作成した表を再度削除した場合。

  • 2人のユーザーが同じ名前の表を持ち、両方のユーザーが各自の表を削除した場合。

名前変更の表記規則は、次のとおりです。

BIN$unique_id$version

説明:

  • unique_idは、このオブジェクトに対する、26文字からなるグローバルに一意の識別子です。これによって、リサイクル・ビンの名前がすべてのデータベース全体で一意に識別されます。

  • versionは、データベースによって割り当てられるバージョン番号です。

リサイクル・ビンの有効化と無効化

リサイクル・ビンが有効化されていると、削除した表とその依存オブジェクトはリサイクル・ビンに配置されます。リサイクル・ビンが無効になっている場合、削除された表およびその依存オブジェクトはリサイクル・ビンに配置されず、単純に削除されるため、リカバリするには他の手段(バックアップからのリカバリなど)を使用する必要があります。

リサイクルビンを無効にしても、リサイクルビンにすでにあるオブジェクトはパージされず、影響も受けません。デフォルトで、リサイクル・ビンは有効になっています。

リサイクル・ビンは、recyclebin初期化パラメータを変更して有効化および無効化できます。このパラメータは動的ではないため、ALTER SYSTEM文で変更したときにはデータベースの再起動が必要です。

リサイクル・ビンの無効化:

  1. 次のいずれかの文を発行します。

    ALTER SESSION SET recyclebin = OFF;
    
    ALTER SYSTEM SET recyclebin = OFF SCOPE = SPFILE;
    
  2. ALTER SYSTEMを使用した場合は、データベースを再起動します。

リサイクル・ビンの有効化:

  1. 次のいずれかの文を発行します。

    ALTER SESSION SET recyclebin = ON;
    
    ALTER SYSTEM SET recyclebin = ON SCOPE = SPFILE;
    
  2. ALTER SYSTEMを使用した場合は、データベースを再起動します。


関連項目:


リサイクル・ビン内のオブジェクトの表示と問合せ

Oracle Databaseでは、リサイクル・ビンのオブジェクトに関する情報を取得する2種類の方法を提供しています。

ビュー 説明
USER_RECYCLEBIN ユーザーはこのビューを使用して、リサイクル・ビンにある削除された自分のオブジェクトを表示できます。使用しやすいように、シノニムRECYCLEBINがあります。
DBA_RECYCLEBIN 管理者はこのビューを使用して、リサイクル・ビンにある削除されたすべてのオブジェクトを表示できます。

これらのビューの使用目的の1つは、次の例のように、削除したオブジェクトに対してデータベースが割り当てた名前を識別することにあります。

SELECT object_name, original_name FROM dba_recyclebin
   WHERE owner = 'HR';

OBJECT_NAME                    ORIGINAL_NAME
------------------------------ --------------------------------
BIN$yrMKlZaLMhfgNAgAIMenRA==$0 EMPLOYEES

リサイクル・ビンの内容は、SQL*PlusのSHOW RECYCLEBINコマンドを使用して表示することもできます。

SQL> show recyclebin

ORIGINAL NAME    RECYCLEBIN NAME                OBJECT TYPE  DROP TIME
---------------- ------------------------------ ------------ -------------------
EMPLOYEES        BIN$yrMKlZaVMhfgNAgAIMenRA==$0 TABLE        2003-10-27:14:00:19

リサイクル・ビンにあるオブジェクトは、他のオブジェクトと同じ要領で問い合せることができます。ただし、オブジェクトの名前は、リサイクル・ビンの中で識別されているとおりに指定する必要があります。次に例を示します。

SELECT * FROM "BIN$yrMKlZaVMhfgNAgAIMenRA==$0";

リサイクル・ビン内のオブジェクトのパージ

リサイクル・ビンから項目をリストアすることはないと判断した場合は、PURGE文を使用して、項目および関連するオブジェクトをリサイクル・ビンから削除し、記憶域を解放できます。実行するには、項目を削除する場合と同じ権限が必要です。

PURGE文を使用して表をパージする場合、リサイクル・ビンでの表の名前、または表の元の名前を使用できます。「リサイクル・ビン内のオブジェクトの表示と問合せ」で説明されているように、リサイクル・ビンでの名前はDBA_またはUSER_RECYCLEBINビューから取得できます。次の仮定的な例では、リサイクル・ビンに配置されたときにBIN$jsleilx392mk2=293$0に名前が変更された表hr.int_admin_empをパージします。

PURGE TABLE "BIN$jsleilx392mk2=293$0";

次の文を使用しても同様の結果となります。

PURGE TABLE int_admin_emp;

PURGE文を使用すると、指定の表領域からリサイクル・ビンのすべてのオブジェクトをパージ、または指定のユーザーに属する表領域オブジェクトのみをパージできます。次に例を示します。

PURGE TABLESPACE example;
PURGE TABLESPACE example USER oe;

次の文を使用することで、ユーザーは独自のオブジェクトのリサイクル・ビンをパージして、オブジェクトの領域を解放できます。

PURGE RECYCLEBIN;

SYSDBA権限がある場合は、前述の文のRECYCLEBINのかわりに、DBA_RECYCLEBINを指定することによって、リサイクル・ビン全体をパージできます。

また、PURGE文を使用して、リサイクル・ビンから索引をパージ、またはリサイクル・ビンから指定の表領域にあるすべてのオブジェクトをパージすることもできます。


関連項目:

PURGE文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

リサイクル・ビンからの表のリストア

FLASHBACK TABLE ... TO BEFORE DROP文を使用すると、リサイクル・ビンからオブジェクトをリカバリできます。ごみ箱内の表の名前または元の表の名前のいずれかを指定できます。オプションのRENAME TO句を使用すると、表をリカバリするときに名前を変更できます。「リサイクル・ビン内のオブジェクトの表示と問合せ」で説明されているように、リサイクル・ビンでの名前はDBA_またはUSER_RECYCLEBINビューから取得できます。FLASHBACK TABLE ... TO BEFORE DROP文を使用するためには、表の削除に必要な権限と同じ権限が必要です。

次の例は、int_admin_emp表をリストアし、その表に新しい名前を割り当てます。

FLASHBACK TABLE int_admin_emp TO BEFORE DROP 
   RENAME TO int2_admin_emp;

表を複数回削除した場合、システムが生成するリサイクル・ビンでの名前が非常に有用です。たとえば、リサイクル・ビンにint2_admin_emp表の3つのバージョンがあり、2番目のバージョンをリカバリするとします。これを実行するには、2つのFLASHBACK TABLE文を実行するか、または次の例に示すように、リサイクル・ビンを問い合せ、適切なシステム生成名にフラッシュバックできます。問合せに作成時間を含めると、正しい表をリストアしていることを確認できます。

SELECT object_name, original_name, createtime FROM recyclebin;    

OBJECT_NAME                    ORIGINAL_NAME   CREATETIME
------------------------------ --------------- -------------------
BIN$yrMKlZaLMhfgNAgAIMenRA==$0 INT2_ADMIN_EMP  2006-02-05:21:05:52
BIN$yrMKlZaVMhfgNAgAIMenRA==$0 INT2_ADMIN_EMP  2006-02-05:21:25:13
BIN$yrMKlZaQMhfgNAgAIMenRA==$0 INT2_ADMIN_EMP  2006-02-05:22:05:53

FLASHBACK TABLE "BIN$yrMKlZaVMhfgNAgAIMenRA==$0" TO BEFORE DROP;

依存オブジェクトのリストア

リサイクル・ビンから表をリストアすると、索引などの依存オブジェクトは元の名前が復元されず、システム生成のリサイクル・ビンの名前のままになります。元の名前をリストアするには、依存オブジェクトの名前を手動で変更する必要があります。依存オブジェクトの元の名前を手動でリストアする場合は、表をリストアするに、各依存オブジェクトのリサイクル・ビン内のシステム生成の名前を書き留めておいてください。

次の例では、HRサンプル・スキーマから、削除した表JOB_HISTORYの索引の一部の元の名前をリストアします。この例では、HRユーザーとしてログインしていることを想定しています。

  1. JOB_HISTORYの削除後、リサイクル・ビンからリストアする前に、次の問合せを実行します。

    SELECT OBJECT_NAME, ORIGINAL_NAME, TYPE FROM RECYCLEBIN;
    
    OBJECT_NAME                    ORIGINAL_NAME             TYPE
    ------------------------------ ------------------------- --------
    BIN$DBo9UChtZSbgQFeMiAdCcQ==$0 JHIST_JOB_IX              INDEX
    BIN$DBo9UChuZSbgQFeMiAdCcQ==$0 JHIST_EMPLOYEE_IX         INDEX
    BIN$DBo9UChvZSbgQFeMiAdCcQ==$0 JHIST_DEPARTMENT_IX       INDEX
    BIN$DBo9UChwZSbgQFeMiAdCcQ==$0 JHIST_EMP_ID_ST_DATE_PK   INDEX
    BIN$DBo9UChxZSbgQFeMiAdCcQ==$0 JOB_HISTORY               TABLE
    
  2. 次のコマンドを実行して表をリストアします。

    FLASHBACK TABLE JOB_HISTORY TO BEFORE DROP;
    
  3. 次の問合せを実行して、すべてのJOB_HISTORY索引がシステム生成のリサイクル・ビン名を保持していることを確認します。

    SELECT INDEX_NAME FROM USER_INDEXES WHERE TABLE_NAME = 'JOB_HISTORY';
     
    INDEX_NAME
    ------------------------------
    BIN$DBo9UChwZSbgQFeMiAdCcQ==$0
    BIN$DBo9UChtZSbgQFeMiAdCcQ==$0
    BIN$DBo9UChuZSbgQFeMiAdCcQ==$0
    BIN$DBo9UChvZSbgQFeMiAdCcQ==$0
    
  4. 次のようにして、最初の2つの索引の元の名前をリストアします。

    ALTER INDEX "BIN$DBo9UChtZSbgQFeMiAdCcQ==$0" RENAME TO JHIST_JOB_IX;
    ALTER INDEX "BIN$DBo9UChuZSbgQFeMiAdCcQ==$0" RENAME TO JHIST_EMPLOYEE_IX;
    

    システム生成の名前は、二重引用符で囲む必要があります。

索引構成表の管理

ここでは、索引構成表の管理について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

索引構成表の概要

索引構成表は、プライマリBツリーの異形である記憶域編成を持っています。順序付けされていないコレクション(ヒープ)としてデータを格納する通常の(ヒープ構成)表とは異なり、索引構成表のデータはBツリーの索引構造に主キー・ソート方式で格納されます。索引構造の各リーフ・ブロックには、キー列と非キー列の両方が格納されます。

索引構成表の構造には、次の利点があります。

  • 索引のみのスキャンで十分なため、主キーに対して高速にランダム・アクセスできます。また、索引構造以外に表記憶域がないため、新しい行の追加、行の更新、行の削除などにより表データを変更すると、索引構造の更新のみが実行されます。

  • 行が主キー順にクラスタ化されているため、主キーに対して高速にレンジ・アクセスできます。

  • 主キーの複製が回避されるため、記憶域の所要量を低く抑えられます。ヒープ構成表の場合、主キーは索引と基礎となる表の両方には格納されません。

索引構成表は、すべての表機能を備えています。制約、トリガー、LOB列とオブジェクト列、パーティション化、パラレル操作、オンライン再編成、およびレプリケーションなどの機能をサポートします。さらに、次の機能も提供します。

  • キー圧縮

  • オーバーフロー記憶域と固有の列配置

  • ビットマップ索引を含めた2次索引。

高速な主キー・アクセスと高可用性を必要とするOLTPアプリケーションには、索引構成表が理想的です。たとえば、電子注文処理に使用される注文表の問合せおよびDMLは大部分が主キー・アクセスに基づいており、同時DMLの大量ボリュームが行の変更や索引での非効率な領域の使用の原因となり、再編成が頻繁に必要となります。索引構成表は、2次索引を無効化せずにオンラインで再編成できるため、ウィンドウの使用を制限される時間が大幅に短縮または排除されます。

索引構成表は、アプリケーション固有の索引構造をモデル化するのに適しています。たとえば、テキスト、イメージおよびオーディオ・データを含むコンテンツ・ベースの情報検索アプリケーションには、索引構成表を使用して有効にモデル化できる逆索引が必要です。インターネット検索エンジンの基本の構成要素は、索引構成表を使用してモデル化できる逆向きの索引です。

これらは、索引構成表のアプリケーションのほんの数例です。


関連項目:

  • 索引構成表の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。

  • 索引構成表のパーティション化の詳細は、『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。


索引構成表の作成

索引構成表を作成するには、CREATE TABLE文を使用します。ただし、追加情報を指定する必要があります。

  • ORGANIZATION INDEX修飾子。これによって、索引構成表であることを示します。

  • 主キー。主キーは、単一列主キーの場合は列制約句、複数列主キーの場合は表制約句によって指定します。

必要に応じて、次の情報を指定できます。

  • OVERFLOW句。この句は、非キー列の一部を別のオーバーフロー・データ・セグメントに格納できるようにすることにより、Bツリー索引の稠密なクラスタを保ちます。

  • PCTTHRESHOLD値。これは、オーバーフロー・セグメントが使用されている際、索引ブロックに保存される行の部分の最大サイズを、ブロック・サイズのパーセンテージとして定義します。この行サイズが最大値を超える行の列は、オーバーフロー・セグメントに格納されます。行は、列境界で先頭部分と後尾部分の2つの部分に分割されます。先頭部分は指定されたしきい値に収まり、索引リーフ・ブロックのキーとともに格納されます。後尾部分は1つ以上の行の部分としてオーバーフロー領域に格納されます。このようにして、索引エントリにはキー値、指定したしきい値に収まる非キー列値、および行の残りの部分へのポインタが含まれます。

  • INCLUDING句。この句は、主キーとともに索引ブロックに格納される非キー列を指定するために使用できます。

例: 索引構成表の作成

次の文によって、索引構成表が作成されます。

CREATE TABLE admin_docindex(
        token char(20), 
        doc_id NUMBER,
        token_frequency NUMBER,
        token_offsets VARCHAR2(2000),
        CONSTRAINT pk_admin_docindex PRIMARY KEY (token, doc_id))
    ORGANIZATION INDEX 
    TABLESPACE admin_tbs
    PCTTHRESHOLD 20
    OVERFLOW TABLESPACE admin_tbs2;

この例では、token列とdoc_id列で構成される主キーを使用して、admin_docindexという索引構成表を作成します。OVERFLOW句とPCTTHRESHOLD句では、行の長さが索引ブロック・サイズの20%を超えた場合に、そのしきい値を超えた列とその後のすべての列がオーバーフロー・セグメントに移動されるように指定しています。オーバーフロー・セグメントは、admin_tbs2表領域に格納されます。


関連項目:

索引構成表を作成する構文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

索引構成表に対する制限

索引構成表の作成には、次の制限があります。

  • 列の最大数は1000です。

  • キー列と非キー列を含めて、行の索引部分の最大列数は255です。255個を超える列が必要な場合は、オーバーフロー・セグメントを使用する必要があります。

  • 主キーに含めることができる最大列数は32です。

  • PCTTHRESHOLDは1から50の範囲内である必要があります。デフォルトは50です。

  • すべてのキー列は、指定したしきい値内に収まる必要があります。

  • 行の最大サイズが索引ブロック・サイズの50%を超える場合に、オーバーフロー・セグメントを指定しないと、CREATE TABLE文が失敗します。

  • 索引構成表に仮想列は設定できません。

オブジェクト型を含む索引構成表の作成

索引構成表は、オブジェクト型を格納できます。次の例は、オブジェクト型admin_typを作成し、オブジェクト型admin_typの列を含む索引構成表を作成しています。

CREATE OR REPLACE TYPE admin_typ AS OBJECT
    (col1 NUMBER, col2 VARCHAR2(6));
CREATE TABLE admin_iot (c1 NUMBER primary key, c2 admin_typ)
    ORGANIZATION INDEX;

オブジェクト型の索引構成表を作成することもできます。次に例を示します。

CREATE TABLE admin_iot2 OF admin_typ (col1 PRIMARY KEY)
    ORGANIZATION INDEX;

次に、索引構成表がネストした表を効率的に格納する例を示します。ネストした表の列ごとに、ネストした表のすべての行を保持する記憶表が内部的に作成されます。

CREATE TYPE project_t AS OBJECT(pno NUMBER, pname VARCHAR2(80));
/
CREATE TYPE project_set AS TABLE OF project_t;
/
CREATE TABLE proj_tab (eno NUMBER, projects PROJECT_SET)
    NESTED TABLE projects STORE AS emp_project_tab
                ((PRIMARY KEY(nested_table_id, pno)) 
    ORGANIZATION INDEX)
    RETURN AS LOCATOR;

ネストした表のシングル・インスタンスに属する行は、nested_table_id列で識別されます。ネストした表の列を格納するために通常の表が使用される場合、ネストした表の行は、一般的にクラスタ化が解除されます。ただし、索引構成表を使用する場合、ネストした表はnested_table_id列に基づいてクラスタ化できます。


関連項目:

  • 索引構成表の作成に使用する構文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • パーティション化された索引構成表の作成方法の詳細は、『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。

  • オブジェクト型については、『Oracle Databaseオブジェクト・リレーショナル開発者ガイド』を参照してください。


しきい値の選択と監視

キー列とともに最初のいくつかの非キー列が頻繁にアクセスされる場合は、その非キー列を取り込めるしきい値を選択してください。

しきい値を選択した後、指定した値が適切な値であることを確認するために、表を監視できます。ANALYZE TABLE ... LIST CHAINED ROWS文を使用して、しきい値を超える行の数と、どの行がしきい値を超えているかを判断できます。


関連項目:


INCLUDING句の使用

PCTTHRESHOLDの指定に加え、INCLUDING句を使用して、キー列とともに保存する非キー列を制御できます。データベースでは、索引リーフ・ブロックのINCLUDING句に指定された列とその列までのすべての非キー列が、指定したしきい値を超えないかぎり格納されます。INCLUDING句で指定された列を超えた非キー列は、すべてオーバーフロー領域に格納されます。INCLUDINGPCTTHRESHOLD句が競合する場合、PCTTHRESHOLDが優先されます。


注意:

Oracle Databaseでは、主キー・ベースのアクセス効率を高めるために、索引構成表のすべての主キー列が、表の先頭に(キー順に)移動されます。次に例を示します。
CREATE TABLE admin_iot4(a INT, b INT, c INT, d INT, 
                primary key(c,b))
    ORGANIZATION INDEX;

格納後の列順は、a b c dではなく、c b a dとなります。格納された列順に基づき、最後の主キー列はbになります。INCLUDING列には、最後の主キー列(この例ではb)と非キー列(つまり、格納後の列順でbの後の任意の列)のどちらでも指定できます。


次のCREATE TABLE文は、「例: 索引構成表の作成」で示した文と類似していますが、token_offsets列の値が常にオーバーフロー領域に格納される索引構成表を作成するように変更されています。

CREATE TABLE admin_docindex2(
        token CHAR(20), 
        doc_id NUMBER,
        token_frequency NUMBER,
        token_offsets VARCHAR2(2000),
        CONSTRAINT pk_admin_docindex2 PRIMARY KEY (token, doc_id))
    ORGANIZATION INDEX 
    TABLESPACE admin_tbs
    PCTTHRESHOLD 20
    INCLUDING token_frequency
    OVERFLOW TABLESPACE admin_tbs2;

この例では、索引リーフ・ブロック内のキー列値とともに、token_offsetsまでの非キー列のみ(この場合は1つの列のみ)が格納されます。

索引構成表作成のパラレル化

CREATE TABLE...AS SELECT文を使用すると、索引構成表を作成して、既存の表からその索引構成表にデータをロードできます。PARALLEL句を指定することによって、ロードをパラレルで実行できます。

次の文は、従来型の表hr.jobsから行を選択し、索引構成表をパラレルに作成します。

CREATE TABLE admin_iot3(i PRIMARY KEY, j, k, l) 
     ORGANIZATION INDEX 
     PARALLEL
     AS SELECT * FROM hr.jobs;

この文によって、SQL*Loaderを使用するパラレル・バルク・ロードの代替手段が提供されます。

キー圧縮の使用

キー圧縮を使用して索引構成表を作成すると、キー列の接頭辞が同じ値で繰り返し格納されるのを避けることができます。

キー圧縮によって、索引キーは接頭辞および接尾辞エントリに分割されます。圧縮するために、接頭辞エントリは索引ブロック内のすべての接尾辞エントリ間で共有されます。このような共有によって、領域が大幅に節約され、各索引ブロックに格納できるキー数が増え、パフォーマンスが向上します。

キー圧縮を使用可能にするには、次の操作を行う際にCOMPRESS句を使用します。

  • 索引構成表の作成

  • 索引構成表の移動

また、接頭辞の長さをキー列の数で指定できます。これにより、キー列が接頭辞および接尾辞エントリにどのように分割されるかが決まります。

CREATE TABLE admin_iot5(i INT, j INT, k INT, l INT, PRIMARY KEY (i, j, k)) 
    ORGANIZATION INDEX COMPRESS;

この文は、次の文と等価です。

CREATE TABLE admin_iot6(i INT, j INT, k INT, l INT, PRIMARY KEY(i, j, k)) 
    ORGANIZATION INDEX COMPRESS 2;

値リスト(1,2,3)、(1,2,4)、(1,2,7)、(1,3,5)、(1,3,4)、(1,4,4)では、(1,2)、(1,3)の反復的な発生が圧縮されます。

また、次のように、圧縮に使用されるデフォルトの接頭辞の長さを変更することもできます。

CREATE TABLE admin_iot7(i INT, j INT, k INT, l INT, PRIMARY KEY (i, j, k)) 
    ORGANIZATION INDEX COMPRESS 1;

値リスト(1,2,3)、(1,2,4)、(1,2,7)、(1,3,5)、(1,3,4)、(1,4,4)では、1の反復的な発生が圧縮されます。

圧縮は、次のように使用禁止にすることができます。

ALTER TABLE admin_iot5 MOVE NOCOMPRESS;

キー圧縮のアプリケーションは、株価など、単一の項目に属して一連のタイムスタンプを表す行を使用する時系列のアプリケーションで使用されます。索引構成表には、主キーに従って行をクラスタ化する機能があるため、このようなアプリケーションには効果的です。索引構成表を主キー(株式銘柄、タイムスタンプ)で定義することによって、時系列データを効率的に格納および操作できます。キー圧縮を採用した索引構成表を使用することによって、項目識別子(株式銘柄など)の反復的な発生を圧縮して、記憶域を大幅に節約できます。


関連項目:

キー圧縮の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。

索引構成表のメンテナンス

索引構成表と通常の表の相違点は、物理的な構成のみです。論理的には、通常の表と同じように操作されます。INSERTSELECTDELETEおよびUPDATEの各文では、通常の表を指定する場合と同じように、索引構成表を指定できます。

索引構成表の変更

通常の表に使用可能な変更オプションはすべて索引構成表にも使用できます。使用可能なオプションには、ADDMODIFYDROP COLUMNSおよびCONSTRAINTSがあります。ただし、索引構成表の主キー制約は、削除、遅延または使用禁止にできません。

ALTER TABLE文を使用すると、主キー索引セグメントとオーバーフロー・データ・セグメントの物理属性と記憶域属性を変更できます。OVERFLOWキーワードより前に指定したすべての属性は、主キー索引セグメントに適用できます。OVERFLOWキーワードより後に指定したすべての属性は、オーバーフロー・データ・セグメントに適用できます。たとえば、次のようにして、主キー索引セグメントのINITRANSを4に、オーバーフロー・データ・セグメントのINITRANSを6に設定できます。

ALTER TABLE admin_docindex INITRANS 4 OVERFLOW INITRANS 6;

また、PCTTHRESHOLDおよびINCLUDING列の値も変更できます。後続の操作では、新しい設定を使用して、先頭部分とオーバーフローの後尾の部分に行が分割されます。たとえば、admin_docindex表のPCTHRESHOLDおよびINCLUDING列の値を次のように変更できます。

ALTER TABLE admin_docindex PCTTHRESHOLD 15 INCLUDING doc_id;

INCLUDING列をdoc_idに設定すると、その後のすべての列、つまりtoken_frequencyおよびtoken_offsetsはオーバーフロー・データ・セグメントに格納されます。

オーバーフロー・データ・セグメントなしで作成された索引構成表の場合は、ADD OVERFLOW句を使用してオーバーフロー・データ・セグメントを追加できます。たとえば、次のように表admin_iot3にオーバーフロー・セグメントを追加できます。

ALTER TABLE admin_iot3 ADD OVERFLOW TABLESPACE admin_tbs2;

索引構成表の移動(再作成)

索引構成表は主としてBツリー索引に格納されるため、増分更新の結果として断片化が生じることがあります。ただし、このような断片化は、ALTER TABLE...MOVE文を使用して索引を再作成することで低減できます。

次の文は、索引構成表admin_docindexを再作成します。

ALTER TABLE admin_docindex MOVE;

ONLINEキーワードを使用して、索引構成表をオンラインで再作成できます。OVERFLOWキーワードを指定すると、オーバーフロー・データ・セグメントが存在する場合はそれが再作成されます。たとえば、admin_docindex表を再作成し、オーバーフロー・データ・セグメントを再作成しない場合は、次のようにオンラインで移動します。

ALTER TABLE admin_docindex MOVE ONLINE;

admin_docindex表とオーバーフロー・データ・セグメントを再作成するには、次の文のように移動操作を実行します。この文は、表とオーバーフロー・データ・セグメントを新しい表領域に移動する方法も示しています。

ALTER TABLE admin_docindex MOVE TABLESPACE admin_tbs2 
    OVERFLOW TABLESPACE admin_tbs3;

次の最後の文で、LOB列(CLOB)を持つ索引構成表が作成されます。その後、この表はLOB索引とともに移動し、データ・セグメントが再作成され新しい表領域に移動します。

CREATE TABLE admin_iot_lob
   (c1 number (6) primary key,
    admin_lob CLOB)
   ORGANIZATION INDEX
   LOB (admin_lob) STORE AS (TABLESPACE admin_tbs2);
.
.
.
ALTER TABLE admin_iot_lob MOVE LOB (admin_lob) STORE AS (TABLESPACE admin_tbs3); 

関連項目:

索引構成表のLOBの詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。

索引構成表に対する2次索引の作成

索引構成表に2次索引を作成することで、複数のアクセス・パスを提供できます。索引構成表の2次索引は、2つの点で通常の表の索引とは異なります。

  • 索引構成表の2次索引には、物理的なROWIDではなく、論理的なROWIDが格納されます。論理的なROWIDの格納が必要な理由は、Bツリー索引の行にある本来の可動性のために、その行に永続的な物理アドレスがないためです。列の物理的な位置が変化しても、その論理的なROWIDは有効です。この効果の1つは、ALTER TABLE ... MOVEなどの表のメンテナンス操作によって2次索引が使用禁止状態にならないことです。

  • 論理ROWIDにも、列が見つかる可能性があるデータベースのブロック・アドレスを識別する物理的な不確定要素が含まれています。物理的な不確定要素が正しい場合、2次キーが見つかると、2次索引スキャンによって単一の追加I/Oが生じます。パフォーマンスは、通常の表での2次索引スキャンの場合と同様です。

一意の2次索引、一意でない2次索引、機能ベースの2次索引およびビットマップ索引が、索引構成表の2次索引としてサポートされます。

2次索引作成の構文

次の文は、索引構成表docindexに2次索引を作成します、doc_idtokenはキー列です。

CREATE INDEX Doc_id_index on Docindex(Doc_id, Token);

この2次索引によって、問合せ(次の文にあるdoc_idの述語に関係する問合せ)が効率的に処理されます。

SELECT Token FROM Docindex WHERE Doc_id = 1;

論理ROWIDの物理的不確定要素のメンテナンス

論理ROWIDには、不確定要素が作成される際に行のブロック位置を識別する不確定要素を含めることができます。完全なキー検索を実行するかわりに、不確定要素を使用してブロックが直接検索されます。ただし、新しい行が挿入されると、不確定要素は失効となる可能性があります。索引は論理ROWIDの主キー構成要素を介してそのまま使用できますが、行へのアクセスは遅くなります。

不確定要素の失効を監視するには、DBMS_STATSパッケージを使用して索引統計を収集します。既存の不確定要素が有効かどうかがチェックされ、有効な不確定要素を保持している行の割合がデータ・ディクショナリに記録されます。この統計は、DBA_INDEXESビュー(および関連するビュー)のPCT_DIRECT_ACCESS列に格納されます。

新しい不確定要素を取得するために、2次索引を再作成できます。索引構成表に対する2次索引の再作成には、通常の表に対する索引の再作成とは異なり、実表の読込みが必要です。不確定要素を修正する迅速で手軽な方法は、ALTER INDEX ... UPDATE BLOCK REFERENCES文を使用する方法です。この文はオンラインで実行されますが、DMLは基礎となる索引構成表でそのまま実行できます。

2次索引を再作成した後、あるいは不確定要素のブロック参照を更新した後は、索引統計を再度収集してください。

ビットマップ索引

索引構成表とともにマッピング表が作成される場合は、索引構成表でのビットマップ索引がサポートされます。ビットマップ索引を作成するには、索引構成表の作成に使用するCREATE TABLE文、または後でマッピング表を追加するALTER TABLE文に、MAPPING TABLE句を指定します。


関連項目:

マッピング表の説明は、『Oracle Database概要』を参照してください。

索引構成表の分析

通常の表と同様に、索引構成表の分析にはDBMS_STATSパッケージ、またはANALYZE文を使用します。

索引構成表のオプティマイザ統計の収集

オプティマイザ統計を収集するには、DBMS_STATSパッケージを使用します。

たとえば、次の文はhrスキーマの索引構成表countriesについて統計を収集します。

EXECUTE DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS ('HR','COUNTRIES');

DBMS_STATSパッケージでは、主キー索引セグメントとオーバーフロー・データ・セグメントの両方が分析され、表の論理統計と物理統計が算出されます。

  • 論理統計は、USER_TABLESALL_TABLESまたはDBA_TABLESを使用して問合せできます。

  • 主キー索引セグメントの物理統計を問い合せるには、USER_INDEXESALL_INDEXESまたはDBA_INDEXES(および主キー索引名)を使用します。たとえば、表admin_docindexの主キー索引セグメントの物理統計は、次のようにして取得できます。

    SELECT LAST_ANALYZED, BLEVEL,LEAF_BLOCKS, DISTINCT_KEYS 
       FROM DBA_INDEXES WHERE INDEX_NAME= 'PK_ADMIN_DOCINDEX';
    
  • オーバーフロー・データ・セグメントの物理統計を問い合せるには、USER_TABLESALL_TABLESまたはDBA_TABLESを使用します。IOT_TYPE = 'IOT_OVERFLOW'で検索すると、オーバーフロー・エントリを識別できます。たとえば、admin_docindex表に対応付けられたオーバーフロー・データ・セグメントの物理属性は、次のようにして取得できます。

    SELECT LAST_ANALYZED, NUM_ROWS, BLOCKS, EMPTY_BLOCKS 
       FROM DBA_TABLES WHERE IOT_TYPE='IOT_OVERFLOW' 
              and IOT_NAME= 'ADMIN_DOCINDEX';
    

    関連項目:

    • オプティマイザ統計の収集の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

    • DBMS_STATSパッケージの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。


索引構成表の構造の検証

索引構成表の構造を検証、または連鎖行をリストするには、ANALYZE文を使用します。これらの操作は、このマニュアルの該当する項で説明されています。

索引構成表でのORDER BY句の使用

ORDER BY句が主キー列またはその接頭辞のみを参照する場合、行は主キー列でソートされた状態で返されるため、オプティマイザはソートのオーバーヘッドを回避します。

データはすでに主キーでソートされているので、次の2つの問合せはソートのオーバーヘッドを回避します。

SELECT * FROM admin_docindex2 ORDER BY token, doc_id;
SELECT * FROM admin_docindex2 ORDER BY token;

ただし、主キー列の接尾辞または非主キー列にORDER BY句がある場合は、別のソートが必要になります(他の2次索引が定義されていない場合)。

SELECT * FROM admin_docindex2 ORDER BY doc_id;
SELECT * FROM admin_docindex2 ORDER BY token_frequency;

索引構成表の標準的な表への変換

索引構成表を標準的な(ヒープ構成)表に変換するには、Oracleのインポート/エクスポート・ユーティリティ、あるいはCREATE TABLE...AS SELECT文を使用できます。

索引構成表を標準的な表に変換する手順は、次のとおりです。

  • 従来型パスを使用して、索引構成表のデータをエクスポートします。

  • 同じ定義で、標準的な表の定義を作成します。

  • IGNORE=y(オブジェクト存在エラーを無視する)を指定して、索引構成表のデータをインポートします。


    注意:

    索引構成表を標準的な表に変換する前に、Oracle8より古いバージョンのエクスポート・ユーティリティでは索引構成表をエクスポートできないことに注意してください。


    関連項目:

    従来のIMPおよびEXPユーティリティとデータ・ポンプ・インポート/エクスポート・ユーティリティの使用方法の詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

外部表の管理

この項の内容は次のとおりです。

外部表の概要

Oracle Databaseでは、外部表内のデータへの読取り専用アクセスが可能です。外部表はデータベース内に存在しない表として定義されており、アクセス・ドライバが提供されていればどのようなフォーマットにすることもできます。外部表を記述するメタデータを提供することで、外部表内のデータをあたかも標準的なデータベース表内に存在しているデータのように公開できます。外部データは、SQLを使用して直接およびパラレルに問合せできます。

外部表のデータは、選択、結合、ソートなどが行えます。外部表のビューやシノニムも作成できます。ただし、外部表に対してDML操作(UPDATEINSERTまたはDELETE)は実行できず、索引も作成できません。

外部表は、プラットフォームに依存しないフォーマット(オラクル社で開発され、Oracle Data Pumpで使用可能)に、任意のSELECT文の結果をアンロードするためのフレームワークを提供します。外部表は、データ・ウェアハウスで一般的な、抽出、変換およびロード(ETL)の基本タスクを実行する際に役立つ手段を提供します。

外部表のメタデータは、CREATE TABLE...ORGANIZATION EXTERNAL文を使用して定義します。外部表の定義は、外部データを最初にデータベースにロードしなくても外部データに対して任意のSQL問合せを実行できるビューとみなすことができます。表内の外部データを読み込むために実際に使用されているメカニズムが、アクセス・ドライバです。外部表を使用してデータをアンロードすると、SELECT文のデータ型に基づいてメタデータが自動的に作成されます。

Oracle Databaseでは、外部表のための2種類のアクセス・ドライバを提供しています。デフォルトのアクセス・ドライバはORACLE_LOADERで、Oracleのローダー・テクノロジを使用して外部ファイルからデータを読み込むことができます。ORACLE_LOADERアクセス・ドライバは、SQL*Loaderユーティリティの制御ファイル構文のサブセットであるデータ・マッピング機能を提供します。第2のアクセス・ドライバORACLE_DATAPUMPは、データをアンロード(つまり、データベースからデータを読み取り、1つ以上の外部ファイルで表された外部表にそのデータを挿入)してから、データをOracle Databaseに再ロードします。


注意:

ANALYZE文による外部表の統計収集はサポートされていません。かわりにDBMS_STATSパッケージを使用してください。


関連項目:

  • 外部表に対する制限の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • アクセス・ドライバの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

  • データ・ウェアハウス環境でETLに外部表を使用する方法の詳細は、『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。

  • DBMS_STATSパッケージの使用方法の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。


外部表の制限事項

外部表に関する制限事項は、次のとおりです。

  • ANALYZE文による外部表の統計収集はサポートされていません。かわりにDBMS_STATSパッケージを使用してください。

  • 仮想列はサポートされていません。


関連項目:

  • 外部表に対する制限の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • アクセス・ドライバの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

  • データ・ウェアハウス環境でETLに外部表を使用する方法の詳細は、『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。

  • DBMS_STATSパッケージの使用方法の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。


外部表の作成

外部表は、CREATE TABLE文でORGANIZATION EXTERNAL句を使用して作成します。この文は、データ・ディクショナリにメタデータのみを作成します。


注意:

外部表に仮想列は設定できません。

次の例では、外部表を作成してから、データをデータベース表にアップロードしています。あるいは、CREATE TABLE文のAS subquery句を指定し、外部表フレームワークを介してデータをアンロードできます。外部表のデータ・ポンプ・アンロードは、ORACLE_DATAPUMPアクセス・ドライバのみを使用できます。

例: 外部表の作成とデータのロード

この例では、外部表のデータはempxt1.datおよびempxt2.datという2つのテキスト・ファイルに存在します。

ファイルempxt1.datには、次のサンプル・データが収められています。

360,Jane,Janus,ST_CLERK,121,17-MAY-2001,3000,0,50,jjanus
361,Mark,Jasper,SA_REP,145,17-MAY-2001,8000,.1,80,mjasper
362,Brenda,Starr,AD_ASST,200,17-MAY-2001,5500,0,10,bstarr
363,Alex,Alda,AC_MGR,145,17-MAY-2001,9000,.15,80,aalda

ファイルempxt2.datには、次のサンプル・データが収められています。

401,Jesse,Cromwell,HR_REP,203,17-MAY-2001,7000,0,40,jcromwel
402,Abby,Applegate,IT_PROG,103,17-MAY-2001,9000,.2,60,aapplega
403,Carol,Cousins,AD_VP,100,17-MAY-2001,27000,.3,90,ccousins
404,John,Richardson,AC_ACCOUNT,205,17-MAY-2001,5000,0,110,jrichard

次のSQL文は、スキーマhrに外部表admin_ext_employeesを作成し、外部表からhr.employees表にデータをロードします。

CONNECT  /  AS SYSDBA;
-- Set up directories and grant access to hr 
CREATE OR REPLACE DIRECTORY admin_dat_dir
    AS '/flatfiles/data'; 
CREATE OR REPLACE DIRECTORY admin_log_dir 
    AS '/flatfiles/log'; 
CREATE OR REPLACE DIRECTORY admin_bad_dir 
    AS '/flatfiles/bad'; 
GRANT READ ON DIRECTORY admin_dat_dir TO hr; 
GRANT WRITE ON DIRECTORY admin_log_dir TO hr; 
GRANT WRITE ON DIRECTORY admin_bad_dir TO hr;
-- hr connects. Provide the user password (hr) when prompted.
CONNECT hr
-- create the external table
CREATE TABLE admin_ext_employees
                   (employee_id       NUMBER(4), 
                    first_name        VARCHAR2(20),
                    last_name         VARCHAR2(25), 
                    job_id            VARCHAR2(10),
                    manager_id        NUMBER(4),
                    hire_date         DATE,
                    salary            NUMBER(8,2),
                    commission_pct    NUMBER(2,2),
                    department_id     NUMBER(4),
                    email             VARCHAR2(25) 
                   ) 
     ORGANIZATION EXTERNAL 
     ( 
       TYPE ORACLE_LOADER 
       DEFAULT DIRECTORY admin_dat_dir 
       ACCESS PARAMETERS 
       ( 
         records delimited by newline 
         badfile admin_bad_dir:'empxt%a_%p.bad' 
         logfile admin_log_dir:'empxt%a_%p.log' 
         fields terminated by ',' 
         missing field values are null 
         ( employee_id, first_name, last_name, job_id, manager_id, 
           hire_date char date_format date mask "dd-mon-yyyy", 
           salary, commission_pct, department_id, email 
         ) 
       ) 
       LOCATION ('empxt1.dat', 'empxt2.dat') 
     ) 
     PARALLEL 
     REJECT LIMIT UNLIMITED; 
-- enable parallel for loading (good if lots of data to load)
ALTER SESSION ENABLE PARALLEL DML;
-- load the data in hr employees table
INSERT INTO employees (employee_id, first_name, last_name, job_id, manager_id,
                       hire_date, salary, commission_pct, department_id, email) 
            SELECT * FROM admin_ext_employees;

この例について、次の各段落で説明します。

この例で、最初の数行の文は、データソースを保存するオペレーティング・システム・ディレクトリ用のディレクトリ・オブジェクトと、アクセス・パラメータで指定される不良レコードやログ・ファイル用のディレクトリ・オブジェクトを作成します。また、必要に応じてREADまたはWRITEのディレクトリ・オブジェクト権限を付与する必要があります。


注意:

ディレクトリ・オブジェクトまたはBFILEを作成する場合は、次の条件が満たされているかどうかを確認してください。
  • オペレーティング・システム・ファイルが、シンボリック・リンクまたはハード・リンクでないこと。

  • Oracle Databaseのディレクトリ・オブジェクトに指定されているオペレーティング・システムのディレクトリ・パスが、既存のオペレーティング・システムのディレクトリ・パスであること。

  • ディレクトリ・オブジェクトに指定されているオペレーティング・システムのディレクトリ・パスの構成要素に、シンボリック・リンクが含まれていないこと。


TYPE指定は、外部表のアクセス・ドライバを示します。アクセス・ドライバは、データベースに対する外部データを解析するAPIです。TYPE指定を省略した場合は、ORACLE_LOADERがデフォルトのアクセス・ドライバになります。AS subquery句を指定して、1つのOracle Databaseからデータをアンロードし、同一または異なるOracle Databaseに再ロードする場合は、ORACLE_DATAPUMPアクセス・ドライバを指定する必要があります。

ACCESS PARAMETERS句で指定するアクセス・パラメータは、データベースには不透明です。これらのアクセス・パラメータはアクセス・ドライバによって定義されるもので、データベースが外部表にアクセスするときにアクセス・ドライバに提供されます。ORACLE_LOADERアクセス・パラメータの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

PARALLEL句は、データソースに対するパラレル問合せを可能にします。パラレル化の最小単位はデフォルトではデータソースですが、データソース内部でのパラレル・アクセスは可能なかぎり実装されます。たとえば、PARALLEL=3と指定すると、データソースに対して複数のパラレル実行サーバーを稼働しておくことができます。しかし、データソース内部でのパラレル・アクセスは、次の条件がすべて成り立つ場合にのみ、アクセス・ドライバによって提供されます。

  • メディアが、データソース内部でのランダムな位置指定をサポートしている。

  • レコード境界をランダムな位置から検索できる。

  • データファイルが、複数のチャンクに分割することが適切なほど十分大きい。


    注意:

    PARALLEL句の指定は、大量のデータを扱う場合にのみ有効です。データが大量でない場合には、PARALLEL句を指定すると悪影響を及ぼす可能性が高いので、お薦めできません。

REJECT LIMIT句は、外部データの問合せ中に発生する可能性のあるエラーの数に上限を設けないことを指定します。パラレル・アクセスの場合、REJECT LIMITが各パラレル実行サーバーに個別に適用されます。たとえば、REJECT LIMITに10を指定すると、各パラレル問合せプロセスで10個まで拒否が許可されます。このため、並行度が2、REJECT LIMITが10の場合、拒否が10個から20個の間で文が失敗する場合があります。1つのパラレル・サーバーで10個の拒否をすべて処理する場合、制限に達するため文が終了します。ただし、1つのパラレル実行サーバーが9個の拒否を処理し、もう1つのパラレル実行サーバーが9個の拒否を処理する場合、18個の拒否で文が成功します。したがって、パラレル問合せに関して正確に規定されるREJECT LIMITの値は、0 (ゼロ)およびUNLIMITEDのみです。

この例では、INSERT INTO TABLE文によって外部データソースからOracle Database SQLエンジンへのデータフローが生成され、そこでデータが処理されます。外部表ソースからのデータがアクセス・ドライバで解析されて外部表インタフェースに提供されると、外部データがその外部表現からOracle Databaseの内部データ型に変換されます。


関連項目:

外部表を作成するためのCREATE TABLE文の構文の詳細、および句の使用の制限は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

外部表の変更

外部表の特性を変更するには、表20-5のいずれかのALTER TABLE句を使用します。これ以外の句は使用できません。

表20-5 外部表のALTER TABLE句

ALTER TABLE句 説明

REJECT LIMIT

拒否の上限を変更します。デフォルト値は0です。

ALTER TABLE admin_ext_employees
   REJECT LIMIT 100;

PROJECT COLUMN

アクセス・ドライバが後続の問合せで行の妥当性をチェックする方法を決定します。

  • PROJECT COLUMN REFERENCED: アクセス・ドライバは、問合せの選択リストのみを処理します。この設定では、同一の外部表とは異なる列リストを問い合せたときに、一貫した行のセットが提供されない可能性があります。

  • PROJECT COLUMN ALL: アクセス・ドライバは、外部表に定義されているすべての列を処理します。この設定では、外部表を問い合せたときに、常に一貫した行のセットが提供されます。これがデフォルトです。

ALTER TABLE admin_ext_employees
   PROJECT COLUMN REFERENCED;

ALTER TABLE admin_ext_employees
   PROJECT COLUMN ALL;

DEFAULT DIRECTORY

デフォルトのディレクトリ指定を変更します。

ALTER TABLE admin_ext_employees 
    DEFAULT DIRECTORY admin_dat2_dir;

外部表の前処理


注意:

PREPROCESSOR句を使用するときに考慮する必要があるセキュリティ上の注意事項があります。詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

ユーザー指定のプリプロセッサ・プログラムで外部表を前処理できます。前処理プログラムを使用すると、アクセス・ドライバでサポートされていない形式のファイルにあるデータを利用できます。たとえば、圧縮形式で格納されているデータにアクセスできます。ORACLE_LOADERアクセス・ドライバに対して解凍プログラムを指定すると、アクセス・ドライバでデータが処理される際にデータを解凍できます。

前処理機能を使用するには、ORACLE_LOADERアクセス・ドライバのアクセス・パラメータでPREPROCESSOR句を指定する必要があります。プリプロセッサはディレクトリ・オブジェクトである必要があり、外部表にアクセスするユーザーには、そのディレクトリ・オブジェクトに対するEXECUTE権限が必要です。次の例にはPREPROCESSOR句が含まれており、ディレクトリとプリプロセッサ・プログラムを指定しています。

CREATE TABLE sales_transactions_ext
(PROD_ID NUMBER,
 CUST_ID NUMBER,
 TIME_ID DATE,
 CHANNEL_ID CHAR,
 PROMO_ID NUMBER,
 QUANTITY_SOLD NUMBER,
 AMOUNT_SOLD NUMBER(10,2),
 UNIT_COST NUMBER(10,2),
 UNIT_PRICE NUMBER(10,2))
ORGANIZATION external
(TYPE oracle_loader
 DEFAULT DIRECTORY data_file_dir
 ACCESS PARAMETERS
  (RECORDS DELIMITED BY NEWLINE
   CHARACTERSET AL32UTF8
   PREPROCESSOR exec_file_dir:'zcat'
   BADFILE log_file_dir:'sh_sales.bad_xt'
   LOGFILE log_file_dir:'sh_sales.log_xt'
   FIELDS TERMINATED BY "|" LDRTRIM
  ( PROD_ID,
    CUST_ID,
    TIME_ID,
    CHANNEL_ID,
    PROMO_ID,
    QUANTITY_SOLD,
    AMOUNT_SOLD,
    UNIT_COST,
    UNIT_PRICE))
 location ('sh_sales.dat.gz')
)REJECT LIMIT UNLIMITED;

PREPROCESSOR句は、Oracle Database Vaultを使用しているデータベースには使用できません。


関連項目:

  • PREPROCESSOR句の詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

  • PREPROCESSOR句のセキュリティ上の注意事項の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。


外部表の削除

外部表の場合、DROP TABLE文によって、データベース内の表メタデータのみが削除されます。データベースの外に常駐する実際のデータには影響を与えません。

外部表のシステム権限およびオブジェクト権限

外部表のシステム権限およびオブジェクト権限は、標準的な表のサブセットになります。外部表に適用できるシステム権限は、次のものにかぎられます。

  • CREATE ANY TABLE

  • ALTER ANY TABLE

  • DROP ANY TABLE

  • SELECT ANY TABLE

外部表に適用できるオブジェクト権限は、次のものにかぎられます。

  • ALTER

  • SELECT

ただし、ディレクトリには次のオブジェクト権限が対応付けられています。

  • READ

  • WRITE

外部表では、データソースのあるディレクトリ・オブジェクトに対してREAD権限が必要であり、同時に、不良ファイル、ログ・ファイルまたは廃棄ファイルのあるディレクトリ・オブジェクトに対してWRITE権限が必要です。

表のデータ・ディクショナリ・ビュー

次のビューを使用して、表に関する情報にアクセスできます。

ビュー 説明
DBA_TABLES

ALL_TABLES

USER_TABLES

DBAビューには、データベース内のすべてのリレーショナル表が表示されます。ALLビューには、ユーザーがアクセス可能なすべての表が表示されます。USERビューは、ユーザーが所有する表のみに制限されます。これらのビューの一部の列には、DBMS_STATSパッケージまたはANALYZE文によって生成される統計が含まれます。
DBA_TAB_COLUMNS

ALL_TAB_COLUMNS

USER_TAB_COLUMNS

これらのビューには、データベース内の表の列、ビューおよびクラスタが表示されます。これらのビューの一部の列には、DBMS_STATSパッケージまたはANALYZE文によって生成される統計が含まれます。
DBA_ALL_TABLES

ALL_ALL_TABLES

USER_ALL_TABLES

これらのビューには、データベース内のすべてのリレーショナル表およびオブジェクト表が表示されます。オブジェクト表については、このマニュアルでは詳しく説明していません。
DBA_TAB_COMMENTS

ALL_TAB_COMMENTS

USER_TAB_COMMENTS

これらのビューには、表およびビューのコメントが表示されます。コメントは、COMMENT文を使用して入力します。
DBA_COL_COMMENTS

ALL_COL_COMMENTS

USER_COL_COMMENTS

これらのビューには、表およびビューの列のコメントが表示されます。コメントは、COMMENT文を使用して入力します。
DBA_EXTERNAL_TABLES

ALL_EXTERNAL_TABLES

USER_EXTERNAL_TABLES

これらのビューには、データベースで定義されている外部表の特定の属性がリストされます。
DBA_EXTERNAL_LOCATIONS

ALL_EXTERNAL_LOCATIONS

USER_EXTERNAL_LOCATIONS

これらのビューには、外部表のデータソースがリストされます。
DBA_TAB_HISTOGRAMS

ALL_TAB_HISTOGRAMS

USER_TAB_HISTOGRAMS

これらのビューには、表およびビューに関するヒストグラムが表示されます。
DBA_TAB_STATISTICS

ALL_TAB_STATISTICS

USER_TAB_STATISTICS

これらのビューには、表のオプティマイザ統計が格納されます。
DBA_TAB_COL_STATISTICS

ALL_TAB_COL_STATISTICS

USER_TAB_COL_STATISTICS

これらのビューは、関連するTAB_COLUMNSビューから抽出された列の統計およびヒストグラム情報を提供します。
DBA_TAB_MODIFICATIONS

ALL_TAB_MODIFICATIONS

USER_TAB_MODIFICATIONS

これらのビューには、表統計が最後に収集された時点以降変更された表が表示されます。これらのビューは即時には移入されず、ある程度の時間(通常は3時間)が経過した後に移入されます。
DBA_ENCRYPTED_COLUMNS

USER_ENCRYPTED_COLUMNS

ALL_ENCRYPTED_COLUMNS

これらのビューには、暗号化された表の列がリストされ、各列に使用している暗号化アルゴリズムがリストされます。
DBA_UNUSED_COL_TABS

ALL_UNUSED_COL_TABS

USER_UNUSED_COL_TABS

これらのビューには、ALTER TABLE ... SET UNUSED文によって未使用のマークが付けられた列を持つ表がリストされます。
DBA_PARTIAL_DROP_TABS

ALL_PARTIAL_DROP_TABS

USER_PARTIAL_DROP_TABS

これらのビューには、DROP COLUMN操作が一部完了している表がリストされます。これらの操作は、ユーザーによる中断やシステム障害が原因で不完全になることがあります。

例: 列情報の表示

_COLUMNS接尾辞で終わるビューのいずれかを使用すると、名前、データ型、長さ、精度、位取り、デフォルト・データ値などの列情報を表示できます。たとえば、次の問合せは、emp表とdept表のデフォルトの列値をすべてリストします。

SELECT TABLE_NAME, COLUMN_NAME, DATA_TYPE, DATA_LENGTH, LAST_ANALYZED
    FROM DBA_TAB_COLUMNS
    WHERE OWNER = 'HR'
    ORDER BY TABLE_NAME;
    

問合せの出力は次のとおりです。

TABLE_NAME           COLUMN_NAME          DATA_TYPE   DATA_LENGTH LAST_ANALYZED
-------------------- -------------------- ---------- ------------ -------------
COUNTRIES            COUNTRY_ID           CHAR                  2 05-FEB-03
COUNTRIES            COUNTRY_NAME         VARCHAR2             40 05-FEB-03
COUNTRIES            REGION_ID            NUMBER               22 05-FEB-03
DEPARTMENTS          DEPARTMENT_ID        NUMBER               22 05-FEB-03
DEPARTMENTS          DEPARTMENT_NAME      VARCHAR2             30 05-FEB-03
DEPARTMENTS          MANAGER_ID           NUMBER               22 05-FEB-03
DEPARTMENTS          LOCATION_ID          NUMBER               22 05-FEB-03
EMPLOYEES            EMPLOYEE_ID          NUMBER               22 05-FEB-03
EMPLOYEES            FIRST_NAME           VARCHAR2             20 05-FEB-03
EMPLOYEES            LAST_NAME            VARCHAR2             25 05-FEB-03
EMPLOYEES            EMAIL                VARCHAR2             25 05-FEB-03
.
.
.
LOCATIONS            COUNTRY_ID           CHAR                  2 05-FEB-03
REGIONS              REGION_ID            NUMBER               22 05-FEB-03
REGIONS              REGION_NAME          VARCHAR2             25 05-FEB-03

51 rows selected.

関連項目:

  • これらのビューの完全な説明は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • オブジェクト表の詳細は、『Oracle Databaseオブジェクト・リレーショナル開発者ガイド』を参照してください。

  • ヒストグラムおよび表の統計生成の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

  • 「表、索引およびクラスタの分析」