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Oracle Application Server Adapters for IMS/DBユーザーズ・ガイド
10g リリース3(10.1.3.4)
B53275-01
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C デーモンの高度なチューニング

デーモン構成は、Oracle Studioを使用して管理します。デーモン構成は、次のグループに分類されます。

制御

デーモンの「Control」タブを使用して、デーモン制御に関する様々なオプションを定義します。「Daemon Control」タブには、次のようにアクセスします。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Design」パースペクティブの「Configuration」ビューで「Machines」フォルダを開きます。

  3. このコンピュータを右クリックして「Open Runtime Perspective」を選択します。

  4. Runtime Explorerでデーモンを右クリックし、「Edit Daemon Configuration」を選択します。デーモンの「Control」タブが、エディタに表示されます。

  5. デーモンの変更後、変更したデーモンを右クリックして「Reload Configuration」を選択します。


    注意:


    デーモンの設定は、Configuration Explorerを使用して変更することもできます。コンピュータを選択して、必要なデーモンが表示されるまでリストをスクロールします。デーモンを右クリックして「Edit Daemon」を選択します。

    デーモン構成の変更が実装されるのは、Runtime Managerパースペクティブの「Reload Configuration」オプションを使用して構成を再ロードした場合のみです。


次の図に、「Control」タブを示します。

図C-1 「Control」タブ

「Daemon Control」タブ
「図C-1 「Control」タブ」の説明

「Control」タブに設定できるパラメータを次の表に示します。

表C-1 「Daemon Control」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Daemon IP Address

デーモンがリスニングするマシンのIPアドレスを入力します。IPアドレスを入力しないと、使用可能なすべてのIPアドレスをデーモンがリスニングします。

Daemon port

デーモンがリスニングするポートを入力します。ポートを入力しないと、使用可能なすべてのポートをデーモンがリスニングします。

Automatically recover from failure

デーモンがなんらかの理由で失敗した場合、そのデーモンは自動的に再起動します(デーモンが失敗するのは、ネットワーク・プロセスが消失したり、デーモンを実行しているCPUがクラッシュし、バックアップ・デーモンが別のCPUに定義されているなどの原因でデーモン・プロセスが終了するエラーが発生した場合です)。使用可能な未接続サーバーはすべて終了し、接続中のサーバーは、解放時にマークが付けられて終了します。また、バックアップが自動的に起動します。このバックアップは、元のデーモンのログに新規のログ・ファイルを付加し、バックアップ・デーモンが起動したことを示す行を追加します。

Maximum XML request size

デーモンが処理するXML文書の最大バイト数。

Default language

デーモンがサポートする言語。この設定は、サーバー・コードページとは異なるコードページでクライアントを使用する場合に使用します。

Maximum XML in memory

メモリー内のXMLに予約された最大領域量。

Call timeout

すべてのデーモンに対する短いコールのタイムアウト期間。短いコールの定義は、数秒で完了するコールです。たとえば、DESCRIBEなどのデータベースへの多くのコールは数秒で完了します。これに対し、GETROWSコールのように長時間かかる可能性のあるコールもあります。重い負荷がかかったシステムまたは別の原因による低速のシステムでは、ファイルを開くコールなどの短いコールでさえ、長時間かかる場合があります。短いコールでは、完了に指定した時間より長い時間がかかる場合に接続が停止します。このパラメータのデフォルトの値は、60秒です。60秒未満の値は、60秒とみなされます。

ワークスペースでタイムアウトを指定すると、そのワークスペースについて、このフィールドで設定した値が上書きされます。

Connect timeout

クライアントがデーモン・サーバーの起動を待機する時間。デーモン・サーバーがこの期間内に起動しない場合、クライアントは、サーバーが応答しなかったという通知を受け取ります。このパラメータに指定した値は、デーモン構成にリストされたすべてのワークスペースのデフォルト・タイムアウトとして使用されます。このパラメータのデフォルトの値は、60秒です。

注意:

  • ワークスペースでタイムアウトを入力すると、そのワークスペースについて、このフィールドで設定した値が上書きされます。

  • XMLソースのワークスペース・セクションにこのパラメータが一覧されていない場合も、ワークスペースはデフォルト値を使用してこのパラメータを取得します。ワークスペースがデフォルト値を使用しないようにする場合は、ワークスペース・セクション内のこのパラメータに0(ゼロ)値を入力する必要があります。

Client idle timeout

サーバーとの接続をクローズする前に、デーモン・クライアントがアイドル状態になる最大時間。

ワークスペースでタイムアウトを指定すると、そのワークスペースに対するこの設定が上書きされます。


ロギング

「Logging」タブを使用して、デーモン・ログ・ファイルの設定、ログ・ファイルの構造およびログの保存位置を定義します。また、このタブでは、このファイルに記録してトレースするデータも定義します。

次に、「Logging」タブを開く方法について説明します。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Design」パースペクティブの「Configuration」ビューで「Machines」フォルダを開きます。

  3. コンピュータを右クリックして「Open Runtime Perspective」を選択します。

  4. Runtime Explorerでデーモンを右クリックし、「Edit Daemon Configuration」を選択します。

  5. 「Logging」タブをクリックします。

  6. デーモンの変更後、変更したデーモンを右クリックして「Reload Configuration」を選択します。


    注意:


    デーモンの設定は、Configuration Explorerを使用して変更することもできます。コンピュータを選択して、必要なデーモンが表示されるまでリストをスクロールします。デーモンを右クリックして「Edit Daemon」を選択します。

    デーモン構成の変更が実装されるのは、Runtime Managerパースペクティブの「Reload Configuration」オプションを使用して構成を再ロードした場合のみです。


  7. デーモンを右クリックして「Recycle Servers」を選択します。接続プールのサーバーはすべてクローズされ、新規のサーバーが新規の構成で起動します。

次の図に、デーモンの「Logging」タブを示します。

図C-2 「Logging」タブ

「Daemon Logging」タブ
「図C-2 「Logging」タブ」の説明

「Daemon Logging」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表C-2 「Daemon Logging」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Logging options


Daemon log file location

デーモンがログ・データを生成する場所を指定します。フルパスで指定する必要があります。

Server log filename format

サーバー・ログ・ファイルの名前と位置を定義します。このフィールドは、フルパス名で指定する必要があります。ログ・ファイルにディレクトリ情報を指定しない場合、そのログ・ファイルはOracle Connectワークステーションを実行しているアカウントのログイン・ディレクトリに置かれます。

Daemon operations

デーモン操作をすべて記録するには、これを選択します。

Tracing and debug options


Daemon RPC function calls

デーモンのRPCファンクション・コールをすべて記録する場合は、これを選択します。

Log ACX

リクエストとプロセスを記録する場合には、これを選択します。

Extended RPC trace

下位レベルのRPCファンクションがコールされるたびに、サーバー・ログ・ファイルに冗長メッセージを生成します。これは、サーバーのトラブルシューティングに役立ちます。

System trace

様々な操作に関するシステム固有のトレースを生成します。

Timing

サーバー・ログ・ファイルへのすべてのエントリに対して、タイムスタンプを生成します。

Sockets

ソケット操作のたびに、サーバー・ログ・ファイルにメッセージを生成します。

Trace information

下位レベルのRPC操作を記録する場合には、これを選択します。

No timeout

標準RPCタイムアウトを無効にして長い期間(約1時間)にタイムアウトを設定し、デバッグを容易にします。

Call trace

RPCファンクションがコールされるたびに、サーバー・ログ・ファイルにメッセージを生成します。これは、サーバーのトラブルシューティングに役立ちます。

RPC trace

サーバー上でデバッグ・メッセージを有効にします。

Binary XML log level

バイナリXMLのログ・レベルを設定します。次のオプションがあります。

  • debug

  • none(デフォルト)

  • api

  • info


次のトークンは、ログ・ファイルのテンプレートに表示され、適切に置換されます。

たとえば、%L/server_%A%I.logでは、/usr/smith/server_sales15.logなどのログ・ファイルが生成されます。

デフォルトのログ・ファイル・テンプレートは、%L/server_%A%I.logです。

セキュリティ

次の「Security」タブは、次の場合に使用します。

次に、「Daemon Security」タブを開く方法について説明します。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Design」パースペクティブの「Configuration」ビューで「Machines」フォルダを開きます。

  3. このコンピュータを右クリックして「Open Runtime Perspective」を選択します。

  4. Runtime Explorerでデーモンを右クリックし、「Edit Daemon Configuration」を選択します。

  5. 「Security」タブをクリックします。

  6. デーモンの変更後、変更したデーモンを右クリックして「Reload Configuration」を選択します。


    注意:


    デーモンの設定は、Configuration Explorerを使用して変更することもできます。コンピュータを選択して、必要なデーモンが表示されるまでリストをスクロールします。デーモンを右クリックして「Edit Daemon」を選択します。

    デーモン構成の変更は実装されません。実装されるのは、Runtime Managerの「Reload Configuration」オプションを使用して構成を再ロードした場合のみです。


  7. デーモンを右クリックして「Recycle servers」を選択します。接続プールのサーバーはすべてクローズされ、新規のサーバーが新規の構成で起動します。

次の図に、「Daemon Security」タブを示します。

図C-3 「Daemon Security」タブ

「Daemon Security」タブ
「図C-3 「Daemon Security」タブ」の説明

「Daemon Security」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表C-3 「Daemon Security」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Administrators privileges

管理タスク(管理ログインを必要とするタスク)の実行を許可するユーザー(アカウント)を識別します。

All users

すべてのユーザーがデーモンにアクセスし、設定を変更できるようにします。

Selected users only

管理者になることができるユーザー(アカウント)およびグループの名前を識別します。脚注1  

ユーザーを指定しない場合は、デーモンを起動したアカウントが管理者とみなされます。デーモンは、ユーザーに対して、システムのアカウントへのログインを要求せず、アカウント名とパスワードを使用したデーモンへのログインを要求することに注意してください。

Machine access

コンピュータへのアクセスを管理します。

Allow anonymous login

ワークスペースで匿名ログイン(ユーザー名/パスワードを入力しないログイン)を許可するかどうかを指定します。セキュリティを最適なレベルにするには、このオプションの選択を解除し、デーモン管理者パラメータにユーザー名を定義します。選択を解除すると、ワークスペースに対して匿名クライアントを設定できなくなります。このオプションを選択すると、特定のワークスペースに対して匿名クライアントが許可されます。

Cached password

ログイン・パスワードをキャッシュできるようにします。これによって、セッション内の同じクライアントからの以降の接続でログイン時間が短縮され、パフォーマンスが向上します。

Encryption methods

ネットワーク上に情報を送信するために使用する暗号化メソッドを指定します。デフォルトはアスタリスク(*)で、すべてのメソッドが受入可能であることを示します。暗号化メソッドを指定すると、そのメソッドが使用されます。現在、RC4プロトコルとDES3プロトコルがサポートされています。


脚注1 オペレーティング・システムのグループ機能を使用するには、名前に接頭辞の@を付けます。

ワークスペース

デーモンには、複数のワークスペースを含めることができます。ワークスペースでは、クライアントのリクエスト時にクライアントとサーバー間の通信に使用されるサーバー・プロセスと環境が定義されます。各ワークスペースには独自の定義があります。ワークスペース定義は、次のグループに分類されます。

一般

「General」タブを使用して、ワークスペースの操作を制御する機能の一般的な情報を入力します。この機能には、サーバー・タイプ、ワークスペースの起動に使用するコマンド・プロシージャおよびこのワークスペースと関連付けられたバインディング構成があります。

「General」タブを開くには、次のようにします。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Design」パースペクティブの「Configuration」ビューで「Machines」フォルダを開きます。

  3. コンピュータを右クリックして「Open Runtime Perspective」を選択します。

  4. 「Daemons」ノードを開いて、Runtime Explorerにワークスペースを表示します。

  5. ワークスペースを右クリックして「Edit Workspace Configuration」を選択します。「WS Info.」タブが開きます。

  6. ワークスペースの変更後、デーモンを右クリックして「Reload Configuration」を選択します。


    注意:


    デーモンの設定は、Configuration Explorerを使用して変更することもできます。コンピュータを選択して、必要なデーモンが表示されるまでリストをスクロールします。デーモンを右クリックして「Edit Daemon」を選択します。

    デーモン構成の変更は実装されません。実装されるのは、Runtime Managerの「Reload Configuration」オプションを使用して構成を再ロードした場合のみです。


  7. デーモンを右クリックして「Recycle Servers」を選択します。接続プールのサーバーはすべてクローズされ、新規のサーバーが新規の構成で起動します。

次の図に「General」タブを示します。

図C-4 「General」タブ

デーモン・ワークスペースの「WS Info.」タブ
「図C-4 「General」タブ」の説明

「General」タブは、次の表に示すフィールドで構成されています。

表C-4 「General」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Info


Workspace name

ワークスペースの識別に使用する名前。

注意: デフォルト構成には、デフォルトのNavigatorワークスペースが設定されています。接続設定の一部としてワークスペースを指定しない場合は、このワークスペースが自動的に使用されます。

Description

ワークスペースの説明。

Startup script

ワークスペース・サーバーのプロセスを起動するスクリプトのフルパス名。ここに指定したスクリプトは、常にnav_loginプロシージャをアクティブ化し、サーバー・プログラム(svc)を実行する必要があります。ディレクトリを指定しない場合、起動プロシージャは、デーモンが常駐しているディレクトリから取得されます。Oracle Connectには、デフォルトの起動スクリプトが含まれています。このスクリプトを使用することをお薦めします。

Server type

このフィールドは、OracleAS Adapter for IMS/DBでは使用できません。

Workspace binding name

このフィールドは、OracleAS Adapter for IMS/DBでは使用できません。

Timeout parameters

クライアントがワークスペース・サーバーの起動を待機する時間。ワークスペース・サーバーがこの期間内に起動しない場合、クライアントは、サーバーが応答しなかったという通知を受け取ります。ここで、タイムアウトを指定すると、「Daemon Control」セクションで指定したデフォルトの設定が上書きされます。

関連項目: 「Daemon Control」セクションの詳細は、「制御」を参照してください。

Client idle timeout

サーバーとの接続をクローズする前に、ワークスペース・クライアントがアイドル状態になる最大時間。

Connect timeout

クライアントがワークスペース・サーバーの起動を待機する時間。ワークスペース・サーバーがこの期間内に起動しない場合、クライアントは、サーバーが応答しなかったという通知を受け取ります。

Call timeout

すべてのデーモンに対する短いコールのタイムアウト期間。短いコールの定義は、数秒で完了するコールです。たとえば、DESCRIBEなどのデータベースへの多くのコールは数秒で完了します。これに対し、GETROWSコールのように長時間かかる可能性のあるコールもあります。重い負荷がかかったシステムまたは別の原因による低速のシステムでは、ファイルを開くコールなどの短いコールでさえ、長時間かかる場合があります。短いコールでは、完了に指定した時間より長い時間がかかる場合に接続が停止します。このパラメータのデフォルトの値は、60秒です。60秒未満の値は、60秒とみなされます。

ワークスペースでタイムアウトを指定すると、そのワークスペースについて、このフィールドで設定した値が上書きされます。

Logging and Trace Options


Specific log file format

サーバー・プロセスのSYSOUTではなくデータをファイルに書き込む場合は、サーバー・ログ・ファイルの名前と位置を定義します。パラメータには、サーバー・ログ・ファイルの名前と高位修飾子を指定する必要があります。

次のトークンは、ログ・ファイルのテンプレートに表示され、適切に置換されます。

  • %A: ワークスペース名

  • %D: 日付(yymmdd)

  • %I: 指定したワークスペース・サーバーのインスタンス番号

  • %L: サーバー・アカウントのログイン・ディレクトリ

  • %P: サーバーのプロセスID

  • %T: 時間(hhmmss)

  • %U: サーバー・アカウント名(ユーザー名)

Trace options

実行するトレースのタイプを指定します。次のトレース・オプションから選択できます。

  • No timeout: 標準RPCタイムアウトを無効にして長い期間(約1時間)にタイムアウトを設定し、デバッグを容易にする場合には、これを選択します。

  • Call trace: RPCファンクションがコールされるたびに、サーバー・ログ・ファイルにメッセージを生成する場合には、これを選択します。これは、サーバーのトラブルシューティングに役立ちます。

  • RPC trace: サーバー上でデバッグ・メッセージを有効にする場合には、これを選択します。

  • Sockets: ソケット操作のたびに、サーバー・ログ・ファイルにメッセージを生成する場合には、これを選択します。これによって、すべてのクライアント/サーバー通信の詳細なトレースが提供されるため、クライアント/サーバー通信のトラブルシューティングに役立ちます。

  • Extended RPC trace: 下位レベルのRPCファンクションがコールされるたびに、サーバー・ログ・ファイルに冗長メッセージを生成する場合には、これを選択します。これは、サーバーのトラブルシューティングに役立ちます。

  • System trace: オペレーティング・システム固有のトレースを生成する場合には、これを選択します。

  • Timing: サーバー・ログ・ファイルへのすべてのエントリに対して、タイムスタンプを生成する場合には、これを選択します。

Query governing restrictions


Max number of rows in a table that can be read

クエリーで表から読み取る最大行数を選択します。表から読み取る行数が、指定した行数を超えると、クエリーでエラーが返されます。

Max number of rows allowed in a table before scan is rejected

表でスキャンできる最大行数を選択します。このパラメータの動作は、クエリーの最適化と実行とで異なります。

  • クエリーの最適化の場合、設定された値が表のカーディナリティと比較されます。カーディナリティが値より大きい場合は、スキャン方針が1つの利用可能な方針とみなされて無視されます(ただし、そのスキャン方針が利用可能な唯一の方針である場合は例外です)。

  • クエリーを実行する場合は、設定された値にスキャンが制限されます。スキャンされる行数が、指定した行数を超えると、クエリーでエラーが返されます。


サーバー・モード

「Server Mode」タブでは、ワークスペースによって起動されクライアントに割り当てられたサーバーの操作を制御する機能を指定できます。

たとえば、クライアントからのリクエストを受信したときに各サーバーを起動するのではなく、クライアントのリクエスト前に、今後使用する複数のサーバーを起動するようにワークスペースを構成できます。

「Server Mode」タブを開くには、次のようにします。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Design」パースペクティブの「Configuration」ビューで「Machines」フォルダを開きます。

  3. このコンピュータを右クリックして「Open Runtime Perspective」を選択します。

  4. 「Daemons」ノードを開いて、Runtime Explorerにワークスペースを表示します。

  5. ワークスペースを右クリックして「Edit Workspace Configuration」を選択します。

  6. 「Server Mode」タブをクリックします。

  7. ワークスペースの変更後、デーモンを右クリックして「Reload Configuration」を選択します。


    注意:

    • デーモンの設定は、Configuration Explorerを使用して変更することもできます。コンピュータを選択して、必要なデーモンが表示されるまでリストをスクロールします。デーモンを右クリックして「Edit Daemon」を選択します。

    • デーモン構成の変更は実装されません。実装されるのは、Runtime Managerの「Reload Configuration」オプションを使用して構成を再ロードした場合のみです。


  8. デーモンを右クリックして「Recycle Servers」を選択します。接続プールのサーバーはすべてクローズされ、新規のサーバーが新規の構成で起動します。

次の図に、「Server Mode」タブを示します。

図C-5 「Server Mode」タブ

デーモン・ワークスペースの「WS Server」タブ
「図C-5 「Server Mode」タブ」の説明

「Server Mode」タブには、次のフィールドがあります。

表C-5 「Server Mode」タブのコンポーネント

フィールド 説明

Workspace server mode

デーモンが起動する新規のサーバー・プロセスのタイプを指定します。デーモンでは、次のサーバー・モードをサポートしています。

  • singleClient: 各クライアントが専用のサーバー・プロセスを受け取ります。サーバー・プロセスが実行されるアカウントは、クライアントのログイン情報、または特定のサーバー・ワークスペースによって決定されます。

    このモードを使用すると、サーバーは特定のユーザー・アカウントで実行され、各クライアントは独立して稼働できます(各クライアントが独自のプロセスを受け取るため)。ただし、このサーバー・モードを使用すると、プロセスの起動時間に起因する高いオーバーヘッドが発生し、大量のサーバー・リソースを使用する場合があります(同時クライアントと同じ数のサーバー・プロセスが必要になるため)。

  • multiClient: 複数のクライアントが1つのサーバー・プロセスを共有し、クライアントは逐次処理されます。このモードを使用すると、サーバー・プロセスがすでに初期化されているため、オーバーヘッドが小さくなります。ただし、複数のクライアントが同じサーバー・プロセスを共有するため、特に、長時間かかるクエリーを発行した場合など、相互に影響を与えることがあります。1つのプロセスを共有するクライアントの数は、「Clients per server limit」フィールドで決定します。

  • multiThreaded: このモードは、OracleAS Adapter for IMS/DBでは使用できません。

  • reusable: singleClientモードの拡張です。クライアント処理が終了した後、サーバー・プロセスを終了せずに別のクライアントで使用できます。これによって、起動時間が短縮され、アプリケーション起動のオーバーヘッドも小さくなります。

    このモードを使用すると、サーバーがすでに初期化されているため、singleClientモードのようにオーバーヘッドが高くなりません。ただし、このサーバー・モードの場合は、大量のサーバー・リソースを使用する場合があります(同時クライアントと同じ数のサーバー・プロセスが必要になるため)。

    注意: 他のモードでもサーバー・プロセスを再利用可能に設定できます。プロセスを再利用できる回数は、「Reuse limit」フィールドの値によって制御されます。

Reuse limit

特定のサーバーを再利用できる最大回数を設定します。1クライアントのサーバーは、その(単一の)クライアントの切断後に再利用できます。サーバーを再利用することによって、初期化を繰り返す必要がなくなるため、起動パフォーマンスが向上します。このフィールドのデフォルトは「None」(0)で、サーバーの再利用回数に制限がないことを示します。このパラメータは、サーバー・モードの値が「singleClient」の場合のみ使用できません。

Clients per server limit

現行のワークスペースの1つのサーバー・プロセスが受け入れるクライアントの最大数を設定します。このフィールドのデフォルトは「None」(0)で、各サーバーのクライアント数が制限されないことを示します。このフィールドは、サーバーのモード値が「multiClient」または「multiThreaded」の場合のみ使用できます。

Server availability

クライアントに割り当てることができるサーバー・プール内のサーバー数を指定します。

次のオプションから選択できます。

  • Initial number of servers: デーモンの起動時に、このワークスペースに対して事前に起動されるサーバー・プロセスの数。使用可能なサーバー・プロセス数が、「Minimum number」フィールドに指定した値を下回ると、デーモンは使用可能なサーバー・プロセスが指定の数に達するまでサーバー・プロセスを再度起動します。このフィールドのデフォルトは、0(ゼロ)です。

  • Minimum number: デーモンが新規のサーバー・プロセスの作成を再開する前に、事前起動されるプール内のサーバー・プロセスの最小数(「Initial number of servers」フィールドで指定した値以内)。このフィールドに「Initial number of servers」フィールドの値より大きい値を設定すると、デーモンは、「Initial number of servers」フィールドで指定した値を使用します。このフィールドのデフォルトは、0(ゼロ)です。

  • Keep when daemon ends: デーモンが停止すると、そのデーモンが起動したすべてのサーバーは、アクティブな状態であっても中断されます。デーモンの停止後もそのワークスペースのサーバーをアクティブな状態のままにする場合は、このフィールドをtrueに設定します。このフィールドをtrueに設定する場合は、システム・オペレータまたはマネージャの責任で、サーバーを最終的に停止してください。これは、システム・レベルで実行する必要があります。

  • Set maximum number of servers: 使用可能なサーバー・プロセスの最大数。この数に達すると、特定のワークスペースに対して新規のアクティブでないサーバー・プロセスは作成されません。たとえば、複数のサーバー・プロセスが同時に解放されて、このフィールドで指定した数より多くの使用可能なサーバー・プロセスが存在する場合は、指定の値を超えた分のサーバー・プロセスが終了します。このフィールドのデフォルトは0(ゼロ)で、最大数がないことを示します。

Port range

ワークスペースにアクセスする特定のファイアウォール・ポートの範囲を選択します。サーバー・プロセスの起動時に、このワークスペースで使用できるポートの範囲を決定します。Oracle Connectがファイアウォールを介してアクセスできるようにポート番号を制御する場合は、このオプションを使用します。

次のフィールドにポートの範囲を入力します。

  • From: ポート範囲内の最小のポート番号を入力します。

  • To: ポート範囲内の最大のポート番号を入力します。

Use default port range

デーモンに定義されているポート範囲を使用する場合には、これを選択します。この設定は、デーモンの「Control」タブにあるサーバー・フィールドの「Port range」に定義されています。

Maximum number of server processes

同時に実行できるサーバー・プロセスの最大数を入力します。

Limit server reuse

再使用できるサーバーの数を制限する場合には、これを選択します。これを選択すると、「Reuse limit」パラメータが使用可能になります。


「Limit server reuse」を選択する場合は、チェック・ボックスの隣のフィールドに、サーバーを再使用できる回数の最大値を入力します。サーバー・プロセスで受け入れられるクライアントの最大数を選択します。

1クライアントのサーバーは、その(単一の)クライアントの切断後に再利用できます。サーバーを再利用することによって、初期化を繰り返す必要がなくなるため、起動パフォーマンスが向上します。

「Limit server reuse」パラメータが選択されていない場合、このパラメータは使用できません。

サーバー・モードの値が「singleClient」の場合、このパラメータは使用できません。

Limit concurrent clients per server

現在のワークスペース・プロセスに対して、サーバーが受け入れられるクライアントの数を制限する場合には、これを選択します。

これを選択しないと、クライアントの数は無制限になります。


「Limit concurrent clients per server」を選択する場合は、現在のワークスペースのサーバー・プロセスで受け入れられるクライアントの最大数をチェック・ボックスの隣のフィールドに入力します。このフィールドのデフォルトは「None」で、各サーバーのクライアント数が制限されないことを示します。このフィールドは、サーバーのモード値が「multiClient」または「multiThreaded」の場合に使用できます。

Specify Server Priority

サーバーの優先順位を設定します。たとえば、オンライン・トランザクション処理を使用したアプリケーションのワークスペースには、クエリー処理のみを要求するワークスペースより高い優先順位を割り当てることができます。数字が小さいほど、優先順位が高くなります。たとえば、優先順位1のワークスペースは、優先順位2のワークスペースよりも優先順位が高くなります。

注意: 「Use default server priority」が選択されている場合、このオプションは使用できません。

Use default server priority

優先順位が0に設定されます。このワークスペースには、特定の優先順位は設定されません。「Specify server priority」パラメータに優先順位を設定する場合は、このチェック・ボックスの選択を解除します。

Keep when daemon ends

デーモンが停止すると、そのデーモンが起動したすべてのサーバーが、アクティブな状態であっても中断されるようにする場合は、これを選択します。デーモンの停止後もそのワークスペースのサーバーをアクティブな状態のままにする場合は、これを選択します。これを選択する場合は、システム・オペレータまたはマネージャの責任で、サーバーを最終的に停止してください。これは、システム・レベルで実行する必要があります。

Server Provisioning


Number of prestarted servers in pool

Initial number of servers: デーモンの起動時に、このワークスペースに対して事前に起動されるサーバー・プロセスの数。使用可能なサーバー・プロセス数が、「Minimum number」フィールドに指定した値を下回ると、デーモンは使用可能なサーバー・プロセスが指定の数に達するまでサーバー・プロセスを再度起動します。このフィールドのデフォルトは、0(ゼロ)です。

Number of spare servers

デーモンが新規のサーバー・プロセスの作成を再開する前に、事前起動されるプール内のサーバー・プロセスの最小数(「Initial number of servers」フィールドで指定した値以内)。このフィールドに「Initial number of servers」フィールドの値より大きい値を設定すると、デーモンは、「Initial number of servers」フィールドで指定した値を使用します。このフィールドのデフォルトは、0(ゼロ)です。

Prestarted server pool limit

使用可能な最大サーバー・プロセス数。この数に達すると、特定のワークスペースに対して新規のアクティブでないサーバー・プロセスは作成されません。たとえば、複数のサーバー・プロセスが同時に解放されて、このフィールドで指定した数より多くの使用可能なサーバー・プロセスが存在する場合は、指定の値を超えた分のサーバー・プロセスが終了します。このフィールドのデフォルトは0(ゼロ)で、最大数がないことを示します。

Resource limitations


Nuber of sub-tasks

デーモンの起動時に、このワークスペースに対して事前起動されるサーバーのサブタスク数。前述のようにサーバー・プロセスのプールを設定する以外に、このパラメータを指定して追加のサーバー・プロセスをサブタスクとして設定できます。サーバーを10、事前起動されるサブタスクを10に設定すると、100のタスクが起動します(1つのプロセスにつき10のサブタスク)。


セキュリティ

「Security」タブでは、ワークスペースのセキュリティ・レベルを構成できます。設定できるのは、ワークスペースのセキュリティ・オプションのみです。「Security」タブは、次の場合に使用します。

  • ワークスペースに対する管理権限を付与する場合

  • クライアントによるワークスペースへのアクセスを決定する場合

「Security」タブを開くには、次のようにします。

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle」「Studio」を選択します。

  2. 「Design」パースペクティブの「Configuration」ビューで「Machines」フォルダを開きます。

  3. このコンピュータを右クリックして「Open Runtime Perspective」を選択します。

  4. 「Daemons」ノードを開いて、Runtime Explorerにワークスペースを表示します。

  5. ワークスペースを右クリックして「Edit Workspace Configuration」を選択します。

  6. 「Security」タブをクリックします。

  7. ワークスペースの変更後、デーモンを右クリックして「Reload Configuration」を選択します。


    注意:

    • デーモンの設定は、Configuration Explorerを使用して変更することもできます。コンピュータを選択して、必要なデーモンが表示されるまでリストをスクロールします。デーモンを右クリックして「Edit Daemon」を選択します。

    • デーモン構成の変更は実装されません。実装されるのは、Runtime Managerの「Reload Configuration」オプションを使用して構成を再ロードした場合のみです。


  8. デーモンを右クリックして「Recycle Servers」を選択します。接続プールのサーバーはすべてクローズされ、新規のサーバーが新規の構成で起動します。

次の図に、「Security」タブを示します。

図C-6 「Security」タブ

「Daemon Security」タブ
「図C-6 「Security」タブ」の説明

「Security」タブには、次のフィールドがあります。

表C-6 「Security」タブ

フィールド 説明

Server Account

このセクションには、ワークスペース、ファイアウォール・アクセス・ポート、ワークスペース・アカウントおよび匿名ログイン権限へのアクセスを許可するユーザー(アカウント)を定義します。

Use specific workspace account

このワークスペースで使用するオペレーティング・システムのアカウントを定義する場合は、これを選択します。

選択する場合は、ワークスペース・アカウントの名前を「workspace account」フィールドに入力します。

選択しないと、クライアントが指定したアカウント名が使用されます。

Allow anonymous clients to use this workspace

このワークスペースを認証なしで起動することを許可する場合は、これを選択します。

選択する場合は、ワークスペース・アカウントの名前を「Server account to use with anonymous clients」フィールドに入力します。

Authorized Workspace users

ワークスペースを使用する権限があるユーザーを指定します。次のいずれかを選択します。

  • All users: デーモンにログインしたすべてのユーザーがワークスペースを使用できます。

  • Selected users only: 特定の権限があるユーザー(アカウント)のみにワークスペースの使用を許可する場合は、これを選択します。

    これを選択する場合は、ワークスペースを使用できるユーザー(アカウント)とグループの名前を次のフィールドに追加します。

    注意: ユーザーを指定しない場合、デーモンにログインしたすべてのユーザーがワークスペースを使用できます。

Authorized Administrators

管理者権限のあるユーザー(アカウント)を識別します。次のいずれかを選択します。

  • All users: すべてのユーザーがワークスペースにアクセスして、設定を変更できます。

  • Selected users only: 特定の権限を持つユーザー(またはアカウント)のみに管理者となることを許可する場合に選択します。

    これを選択する場合は、ワークスペース管理者になれるユーザー(アカウント)とグループの名前を追加します。

    ユーザーを指定しない場合、デーモンにログインしたすべてのユーザーがこのワークスペースの管理者になることができます。