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Oracle SOA Suite開発者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31839-01
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11.2 デプロイの準備

SOAアプリケーションをデプロイするには、デプロイ・プロセスを計画して次のタスクを完了する必要があります。


注意:

データ・ソースの作成、およびスタンドアロン・リソース・アダプタの構成は、アプリケーションをデプロイした後でも実行できます。

11.2.1 デプロイ要件の定義方法

Application Server Controlを使用してSOAアプリケーションのデプロイを開始する前に、次の事項を確認してください。

  • アプリケーション・アーカイブ(例: .earファイルや.warファイル)がすでに作成済であること。 アプリケーション・アーカイブの作成方法の詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。

  • Oracle Application Server 10g リリース(10.1.3x)を1つ以上のホストにインストール済であること。

  • 以前にOracle Enterprise Manager Application Server Control Consoleにログインしたことがあること。 詳細は、第11.3項「Oracle Enterprise Manager Application Server Controlを使用したアプリケーションのデプロイ」を参照してください。

11.2.2 クラスタ内のロード・バランシングの構成方法

ロード・バランシングという用語は、受信サービス・リクエストを1つのクラスタ内の複数のサーバー・インスタンスに配布するプロセスを指します。 Oracle Application Serverクラスタ内のロード・バランシングは、Oracle HTTP Server(OHS)のmod_oc4jモジュールによって管理されます。 この構成では、OHSインスタンスが受信HTTP/HTTPSリクエストのフロント・エンド・リスナーとして機能し、mod_oc4jは、リクエスト先のアプリケーションを実行するOC4Jインスタンスに各リクエストをルーティングします。 Oracle Application Serverクラスタ内のロード・バランシングの詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。

11.2.2.1 OC4Jグループ

このグループは、類似した名前のOC4Jインスタンスの緩やかに同期化されたセットで、これらのインスタンスは同じクラスタ・トポロジに属しています。 グループ内のすべてのOC4Jインスタンスで、特定の構成オプションを同時に実行できます。

グループは、同じクラスタ内に同じ名前で常駐する2つのOC4Jインスタンスを作成することによって作成します。 たとえば、2つのOracle Application Serverインスタンスをインストールして、1つのクラスタとして構成するとします。 1つのインスタンスにhomeというOC4Jインスタンスを作成し、もう1つのインスタンスにhomeというインスタンスを作成すると、homeという新規のグループがクラスタ・トポロジ・ページの「グループ」セクションに自動的に表示されます。

グループを作成した後は、複数のOC4Jインスタンスに対して次の共通管理タスクを自動的に実行できます。

  • プロセス管理操作。起動、停止、再起動など。

  • デプロイ操作。デプロイ、アンデプロイ、再デプロイなど。

  • JDBC管理操作。JDBCデータ・ソースおよび接続プールの作成、変更、削除など。

  • JMSプロバイダ操作。JDBC データ・ソースおよび接続プールの作成、変更、削除など。

グループの管理方法の詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

11.2.2.2 複数のJVM

OC4Jは、標準のJava Development Kit(JDK)のJava仮想マシン(JVM)で実行されます。 デフォルトでは、各OC4Jインスタンスは1つのJVMを使用します。 ただし、1つのOC4Jインスタンスを複数のJVMで実行するように構成できます。

OC4Jインスタンスを複数のJVMで実行するように構成すると、そのOC4Jインスタンスは基本的に複数のプロセスで実行されます。 これによって、パフォーマンスが向上し、デプロイ済アプリケーションのフォルト・トレランスのレベルが高まります。 ただし、複数のJVMを使用すると、効率的な実行のために追加のハードウェア・リソースが必要になります。


注意:

Application Server Control(ascontrolアプリケーションと表されます)は、複数のJVMが実行されているOC4Jインスタンスでは実行できません。 アクティブなascontrolをホスティングするOC4Jインスタンス上に複数のJVMを構成しないでください。

複数のJVMを実行する場合、デプロイ済アプリケーションを構成する際は、アプリケーション・クラスタリングを利用するような構成を検討してください。 アプリケーション・クラスタリングによって、状態情報が、各JVMで実行されているアプリケーションの様々なインスタンスにレプリケートされます。

これは、アプリケーション・サーバーのクラスタとグループを使用した場合と、複数のJVMを使用した場合の比較に便利です。 たとえば、OC4Jインスタンスを複数のJVMで実行するように構成すると、複数のプロセスが同じホスト上で実行されます。 このため、ホストが停止すると、すべてのJVMプロセスが停止します。 詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。

11.2.2.3 アプリケーション・クラスタリング(状態レプリケーション)

Oracle Application Server 10g リリース(10.1.3)には、クラスタとグループに加えて、アプリケーション・クラスタリングの概念が導入されています。このアプリケーション・クラスタリングによって、クラスタ・トポロジ内でのアプリケーションの状態レプリケーションとロード・バランシングが実現します。

クラスタ内では、クラスタ全体にデプロイされている選択済アプリケーションのクラスタリングを構成できます。 アプリケーション・クラスタリングによって、次の機能が提供されます。

  • OC4Jインスタンスのdefaultアプリケーションに対してクラスタリングを構成すると、特定のアプリケーションに対して、またはグローバルにクラスタリングを構成できます。 インスタンスにデプロイされる他のアプリケーションは、defaultアプリケーションのクラスタリング特性を自動的に継承します。

  • アプリケーションに対するクラスタリングは、デプロイ時、またはアプリケーションのデプロイ後に構成できます。

  • 次のレプリケーション・メソッドから選択できます。

    • peer-to-peerレプリケーション

    • マルチキャスト・レプリケーション

    • データベース・レプリケーション

アプリケーション・クラスタリングの詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。

11.2.3 データ・ソースの作成方法

データ・ソースは、ベンダーに依存しない、データベース・サーバー接続のカプセル化です。 データ・ソースによって、javax.sql.DataSourceインタフェースを実装するオブジェクトがインスタンス化されます。Oracle Enterprise Manager Application Server Control Consoleを使用して、任意のタイプのデータ・ソースを定義できます。 このデータ・ソースは、Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)アプリケーションで構成および使用できます。


注意:

データ・ソースは、アプリケーションのデプロイ後に作成できます。

選択したOC4Jインスタンスに対するデータ・ソースおよび接続プールを作成する手順は、次のとおりです。

  1. OC4JインスタンスのOC4J: ホーム・ページに移動します。

  2. 「管理」をクリックしてOC4J管理ページを表示します。このページには、このOC4Jインスタンスに対して実行できる様々な管理タスクがリストされた表が表示されます。

  3. 必要に応じて、表の「サービス」セクションを開きます。

  4. 表の「JDBCリソース」行のタスク・アイコンをクリックして、図11-1に示すJDBCリソース・ページを表示します。

    図11-1 JDBCリソース

    図11-1の説明は次にあります。
    「図11-1 JDBCリソース」の説明

  5. データ・ソースおよび接続プールの表示、作成および削除方法の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。

11.2.4 スタンドアロン・リソース・アダプタのデプロイ方法と構成方法

Oracle Enterprise Manager Application Server Control Consoleを使用して、.rarファイルとしてパッケージ化およびデプロイされるスタンドアロン・リソース・アダプタをデプロイ、監視および構成できます。 さらに、アプリケーションの一部としてデプロイされた埋込みリソース・アダプタも管理できます。


注意:

スタンドアロン・リソース・アダプタのデプロイと構成は、アプリケーションのデプロイ後にも実行できます。

EISへのリソース・アダプタ接続をアプリケーション・コンポーネントで使用する前に、1つ以上のコネクション・ファクトリを作成する必要があります。 コネクション・ファクトリの作成と構成には、次のタスクが含まれます。

  • 接続インタフェースの識別

  • JNDIへの接続のバインド

  • 接続プール特性の定義

  • 特定のコネクション・ファクトリに対する構成プロパティの指定

Application Server Control Consoleを使用して新規のコネクション・ファクトリを作成する手順は、次のとおりです。

  1. リソース・アダプタ・ホーム・ページに移動します。

  2. 「コネクション・ファクトリ」をクリックし、図11-2に示すコネクション・ファクトリ・ページを表示します。 このページには、選択したリソース・アダプタに対して定義されたコネクション・ファクトリおよび共有接続プールがリストされます。

    図11-2 コネクション・ファクトリ

    図11-2の説明は次にあります。
    「図11-2 コネクション・ファクトリ」の説明

  3. コネクション・ファクトリ表の上部にある「作成」をクリックし、コネクション・ファクトリの作成ウィザードの手順に従います。

スタンドアロン・リソース・アダプタは、アプリケーションおよびアプリケーション・モジュールと同様にデプロイできます。 複数のアプリケーションが1つのスタンドアロン・リソース・アダプタを使用して、エンタープライズ情報システム(EIS)に接続できます。

スタンドアロン・リソース・アダプタをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. インスタンスのOC4J: ホーム・ページに移動します。

  2. 「アプリケーション」をクリックしてOC4Jアプリケーション・ページを表示します。

  3. 「表示」ドロップダウン・メニューから「スタンドアロン・リソース・アダプタ」を選択し、図11-3に示すように、スタンドアロン・リソース・アダプタを表示します。 このページには、OC4Jインスタンスにデプロイされているスタンドアロン・リソース・アダプタがリストされます。

    図11-3 スタンドアロン・リソース・アダプタ

    図11-3の説明は次にあります。
    「図11-3 スタンドアロン・リソース・アダプタ」の説明

  4. 「デプロイ」をクリックします。

    デプロイ・ウィザードの手順に従います。 このウィザードでは、リソース・アダプタの.rarファイルの場所、およびデプロイ・オプションを指定するように要求されます。