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Oracle SOA Suite開発者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31839-01
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11.3 Oracle Enterprise Manager Application Server Controlを使用したアプリケーションのデプロイ

Oracle Enterprise Manager Application Server Control Consoleを使用して、アプリケーションまたはモジュールをデプロイ、アンデプロイまたは再デプロイできます。

Application Server Control Consoleは、Oracle Universal Installerを使用してOC4Jをインストールするときに、自動的にインストールおよび構成されます。 このコンソールは、OPMNコマンドライン・ツールopmnct1(各サーバー・ノードのORACLE_HOME/opmn/binディレクトリにインストールされている)を使用して、インストールされている他のすべてのOracle Application Serverコンポーネントとともに起動されます。 次のコマンドを発行して、インストールされているすべてのコンポーネントを起動します。

http://ohs_host_address:port/em

ここで、

11.3.1 アプリケーションのデプロイ方法

SOAインフラストラクチャ内でアーカイブ・ファイル(.earまたは.war)を使用するすべてのアプリケーションは、Enterprise Manager Application Server Control Consoleを使用してデプロイできます。 このコンソールには、デプロイ・プロセスをわかりやすく効率的に進めるために、3ページのデプロイ・ウィザードが用意されています。

新規のアプリケーション、モジュールまたはスタンドアロン・リソース・アダプタをデプロイできます。 新規のOC4Jインスタンスをインストールまたは作成すると、次の2つのアプリケーションがOC4Jインスタンスに自動的にデプロイされます。

  • デフォルト・アプリケーション(default): OC4Jインスタンスにデプロイするすべてのアプリケーションに対する親アプリケーションです。 OC4Jインスタンスにデプロイされるすべてのアプリケーションは、defaultアプリケーションの属性とプロパティを継承します。

  • Application Server Controlアプリケーション(ascontrol): ascontrolアプリケーションはApplication Server Controlを表し、他のJ2EEアプリケーションと同様に、すべてのOC4Jインスタンスに自動的にデプロイされます。


注意:

デプロイ・ウィザードの使用中に、ブラウザがアクティブにならないためにHTTPセッションがタイムアウトになった場合は、デプロイ・プロセスを再度開始する必要があります。

アプリケーションをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. 図11-4に示すように、クラスタ・トポロジ・ページに移動します。

    図11-4 クラスタ・トポロジ

    図11-4の説明は次にあります。
    「図11-4 クラスタ・トポロジ」の説明

  2. アプリケーションのデプロイ先になるターゲット・インスタンスのリンクをクリックします。

    図11-5に示すように、OC4Jインスタンスのホーム・ページが表示されます。

    図11-5 OC4Jのホーム・ページ

    図11-5の説明は次にあります。
    「図11-5 OC4Jのホーム・ページ」の説明

  3. 「アプリケーション」をクリックします。

  4. 「デプロイ」をクリックします。

    図11-6に示すように、デプロイ: アーカイブの選択ページが表示されます。

    図11-6 デプロイ: アーカイブの選択

    図11-6の説明は次にあります。
    「図11-6 デプロイ: アーカイブの選択」の説明

  5. ウィザードの1ページ目で、OC4Jサーバーにアップロードするアーカイブを選択します。 選択できるアーカイブ・ファイルは、J2EEアプリケーション(EARファイル)、Webモジュール(WARファイル)、EJBモジュール(EJB JARファイル)またはリソース・アダプタ・モジュール(RARファイル)です。 次のように、アーカイブ・ファイルへのローカル・パスを入力します。

    /applications/soademo/soademo.ear (On Unix)
    
    \soademo\soademo.ear (On Windows)
    
    

    「参照」をクリックし、ローカル・ディスクまたはOC4Jインスタンスが実行されているサーバー上でファイルの場所を選択することもできます。

  6. オプションで、デプロイ・プランを指定できます。

    デプロイ・プランとは、OC4J固有の複数のデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルに存在するOC4J固有のすべての構成データを統合するXMLファイルです。 デプロイ・プランは、アーカイブに適用したり、新規のデプロイ・プランのテンプレートとして使用できます。

  7. デフォルト・オプションを選択してデプロイ・プランを自動的に作成し、「次へ」をクリックします。 図11-7に示すように、デプロイ・ウィザードの2ページ目のデプロイ: アプリケーション属性ページが表示されます。

    図11-7 デプロイ: アプリケーション属性

    図11-7の説明は次にあります。
    「図11-7 デプロイ: アプリケーション属性」の説明

  8. デプロイされるアーカイブ・ファイルのタイプと場所が表示されます。 既存のデプロイ・プランを選択した場合は、そのデプロイ・プランの名前と場所が表示されます。 アーカイブ・ファイルのデプロイメント・ディスクリプタに基づいて新規のデプロイ・プランを作成するためにデフォルト・オプションを選択した場合、このフィールドは空です。

  9. デプロイするアプリケーションの名前を入力します。 この名前には空白を使用でき、この名前によって、OC4Jアプリケーション・ページに表示されるアプリケーション・リストでこのアプリケーションを識別できます。

  10. デプロイするアプリケーションに対する親アプリケーションとして使用するアプリケーションを選択します。

    たとえば、すべてのOC4Jインスタンスで使用できるdefaultアプリケーションを選択できます。 子アプリケーションは、親アプリケーションのネームスペースを参照します。 この設定は、複数のアプリケーション間でEJBなどのサービスを共有する際に使用されます。

  11. Webアプリケーションをデプロイする場合は、アプリケーションへのアクセスに使用するWebサイトにアプリケーションをバインドします。 ドロップダウン・メニューからWebアプリケーションを選択します。

    <web-app>要素が指定のWebサイトのXMLファイル(例: http-web-site.xml)に追加され、アプリケーション名、Webアプリケーション名およびコンテキスト・パスが示されます。 次に例を示します。

    <web-app application="utility"
      name="utility_web"
      root="/utilroot"
      load-on-startup="false"
      max-inactivity-time="no shutdown"
    shared="false"/>
    
    
  12. 最後に、デプロイするアプリケーション内のパッケージ化された各Webモジュールのコンテキスト・ルートを表示または変更できます。

    Webモジュールのコンテキスト・ルートは、Webブラウザからアプリケーションにアクセスするために使用するURLに追加されます。 たとえば、コンテキスト・ルートを/soademoと入力した場合、モジュールには次のURLでアクセスできます。

    http://node1.company.com:777/soademo
    
    
  13. 「次へ」をクリックし、デプロイ・ウィザードの次のステップに進みます。

  14. 図11-8に示すように、デプロイ: デプロイ設定ページが表示されます。

    図11-8 デプロイ: デプロイ設定

    図11-8の説明は次にあります。
    「図11-8 デプロイ: デプロイ設定」の説明

  15. 「デプロイ」をクリックしてアプリケーションをデプロイします。


    注意:

    「デプロイ」をクリックすると、デプロイ・プランがアーカイブとともにOC4Jサーバーに送信されます。 デプロイ・プロセスは、Webブラウザが閉じている場合でも続行されます。

11.3.2 アプリケーションのデプロイ時の処理内容

.earファイル内のパッケージ化されたアプリケーションをデプロイすると、次の処理が実行されます。

  1. アプリケーションを再デプロイする場合は、最初に既存のインストールがOC4Jからアンデプロイされます。

  2. OC4Jによって、EARファイルがマスター・デプロイ・ディレクトリ(デフォルトでは、ORACLE_HOME/j2ee/home/applications/ディレクトリ)にコピーされます。

  3. OC4Jによって、.earファイル内のパッケージ化されたapplication.xmlファイルが開かれて解析されます。 このファイルは標準J2EEのディスクリプタで、.earファイル内に含まれるすべてのモジュールがリストされます。 OC4Jは、これらのモジュールを考慮してEAR環境を初期化します。

  4. OC4Jによって、各モジュール・タイプ(Webモジュール(WAR)、EJBモジュール、コネクタ・モジュールまたはクライアント・モジュール)のモジュール・デプロイメント・ディスクリプタがメモリーに読み込まれます。 JARおよびWARファイル環境も初期化されます。

  5. OC4Jによって、J2EEデプロイメント・ディスクリプタおよびOC4J固有のデプロイメント・ディスクリプタに含まれる構成詳細が反映されます。 OC4Jは、OC4Jによるアクション(例: インタフェースによるEJBのラップ)が必要なJ2EEコンポーネント構成を考慮します。

  6. OC4Jによって、OC4J固有の新規の構成ファイルが、デプロイ・プランの内容に従って、ORACLE_HOME/j2ee/home/application-deployments/app_nameディレクトリに書き込まれます。 OC4J固有のデプロイメント・ディスクリプタが1つ以上指定されている場合、OC4Jでは追加の要素を生成済ファイルに追加します。

    生成されたクラス(例: EJBインタフェース・ラッパー・クラス)はコンパイルされ、このディレクトリ下の新規サブディレクトリに格納されます。 たとえば、EJBラッパー・クラスは、ORACLE_HOME/j2ee/home/application-deployments/app_name/jar_name.jar/ディレクトリ内にあるdeployment-cache.jarというアーカイブ内に生成されます。jar_name.jarは、デプロイされたEJB JARの名前に対応しています。

  7. 最後に、OC4Jによって、このアプリケーションがデプロイされたことを示す表記法を使用して、OC4J server.xml構成ファイルが更新されます。

11.3.3 クラスタ内のOC4Jインスタンスへのデプロイ方法

Application Server Control Consoleを使用すると、特定のOC4JインスタンスまたはOracle Application Serverクラスタ内のOC4Jインスタンスのグループに、アプリケーションをデプロイできます。 このグループは、OC4Jインスタンスの同期化セットで、これらのインスタンスは同じクラスタ・トポロジに属しています。 グループ内のすべてのOC4Jインスタンスで、構成操作を同時に実行できます。

アプリケーションをクラスタ内のOC4Jインスタンスのグループにデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. Application Server Control Consoleのホーム・ページで、「クラスタ・トポロジ」をクリックします。 クラスタ・トポロジ・ページが表示されます。

    このページに表示される内容は次のとおりです。クラスタ・トポロジ・ページの「グループ」セクションには、soa_groupというグループがリストされます。

    • 現在、クラスタに含まれるすべてのOracle Application Serverインスタンス

    • 各Oracle Application Serverインスタンス内のアクティブなOC4Jインスタンス

    • 各OC4Jインスタンスにデプロイされたアプリケーション

  2. OC4Jインスタンスのグループをデプロイするには、ページの下部にある「グループ」で、グループで共有する共通インスタンス名をクリックします。

  3. 第11.3.1項「アプリケーションのデプロイ方法」で説明した手順に従って、アプリケーションをデプロイします。