Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成

ノードおよびディスクの準備

この節では、ノードおよびディスクを準備する手順について説明します。

ノードの準備

次の手順を使用して、Oracle ソフトウェアのインストールと構成用にノードを準備します。


注意 – 注意 –

ここで説明する手順は、すべてのノードで実行してください。すべてのノードですべての手順を実行しないと、Oracle のインストールが不完全なため、 Sun Cluster HA for Oracle は起動に失敗します。



注 –

この手順を実行する前に、Oracle のマニュアルを参照してください。


Sun Cluster ノードを準備し、Oracle ソフトウェアをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. すべてのクラスタメンバーでスーパーユーザーになります。

  2. /etc/nsswitch.conf ファイルを次のように構成します。これによって、スイッチオーバーやフェイルオーバーが起こったときに、データサービスの起動と停止が正しく行われます。

    Sun Cluster HA for Oracle が動作する論理ホストをマスターできる各ノードで、次の group エントリのどれかを /etc/nsswitch.conf ファイルに指定します。


    group:		 	files
    group:		 	files [NOTFOUND=return] nis
    group:		 	files [NOTFOUND=return] nisplus

    Sun Cluster HA for Oracle は、su user コマンドを使用してデータベースの起動と停止を行います。クラスタノードのパブリックネットワークに障害が発生すると、ネットワーク情報ネームサービスが使用不能になることがあります。group に上のどれかのエントリが指定されていると、su(1M) コマンドは、ネットワーク情報ネームサービスが使用できない場合は NIS/NIS+ ネームサービスを参照しません。

  3. Sun Cluster HA for Oracle のクラスタファイルシステムを構成します。

    データベースを raw デバイスに格納する場合は、広域デバイスを raw デバイスアクセス用に構成します。広域デバイスの構成方法については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。

    SolsticeTM DiskSuite/Solaris Volume Manager を使用する場合は、Oracle ソフトウェアが、ミラー化メタデバイスまたは raw ミラー化メタデバイス上で UNIX ファイルシステム (UFS) ロギングを使用するように構成してください。raw ミラー化メタデバイスの構成方法については、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager のマニュアルを参照してください。

  4. ローカルディスクまたは多重ホストディスクに $ORACLE_HOME ディレクトリを作成します。


    注 –

    Oracle バイナリをローカルディスクにインストールする場合は、できるだけ別のディスクを使用してください。Oracle バイナリを別のディスクにインストールすると、オペレーティング環境の再インストール時にバイナリが上書きされるのを防止できます。


  5. 各ノードの /etc/group ファイルにデータベース管理者 (DBA) グループのエントリを作成し、予定するユーザーをこのグループに追加します。

    DBA グループには、通常 dba という名前を付けます。rootoracle ユーザーが dba グループのメンバーになっているか確認し、必要に応じてほかの DBA ユーザーのエントリを追加します。このグループ ID は、Sun Cluster HA for Oracle が動作するどのノードでも同じでなければなりません。次にその例を示します。


    dba:*:520:root,oracle 

    グループエントリをネットワークネームサービス (NIS や NIS+ など) に作成することができます。その場合には、ネットワークネームサービスに依存するのを避けるために、これらのエントリをローカルの /etc/inet/hostsファイルにも追加します。

  6. 各ノードで、Oracle ユーザー ID (oracle) のエントリを作成します。

    Oracle ユーザー ID には、通常 oracle という名前を付けます。次のコマンドでは、/etc/passwd/etc/shadow ファイルに Oracle ユーザー ID のエントリを作成します。


    # useradd -u 120 -g dba -d /Oracle-home oracle
    

    oracle ユーザーエントリは、Sun Cluster HA for Oracle が動作するどのノードでも同じでなければなりません。

Solstice DiskSuiteTM によるOracle データベースアクセスの構成

次の手順を使用して、Solstice DiskSuite ボリューム管理ソフトウェアにより Oracle データベースを構成します。

  1. Solstice DiskSuite ソフトウェアが使用するディスクデバイスを構成します。

    ソフトウェアの構成方法については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。

  2. データベースを raw デバイスに格納する場合は、次のコマンドを実行して各 raw ミラー化メタデバイスの所有者、グループ、モードを変更します。

    raw デバイスを使用しない場合は、次の各手順を実行しないでください。

    1. raw デバイスを作成する場合は、Oracle リソースグループをマスターできる各ノードでデバイスごとに次のコマンドを実行します。


      # chown oracle /dev/md/metaset/rdsk/dn
      # chgrp dba /dev/md/metaset/rdsk/dn
      # chmod 600 /dev/md/metaset/rdsk/dn
      
      metaset

      ディスクセットの名前を指定します。

      /rdsk/dn

      metaset ディスクセット内の raw ディスクデバイスの名前を指定します。

    2. 変更が有効になっているか確認します。


      # ls -lL /dev/md/metaset/rdsk/dn
      

VERITAS Volume Manager による Oracle データベースアクセスの構成

次の手順を使用して、VERITAS Volume Manager ソフトウェアにより Oracle データベースを構成します。

  1. VxVM ソフトウェアが使用するディスクデバイスを構成します。

    VxVM の構成方法については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。

  2. データベースを raw デバイスに格納する場合は、現在のディスクグループ主ノードで次のコマンドを実行して各デバイスの所有者、グループ、モードを変更します。

    raw デバイスを使用しない場合は、この手順を実行しないでください。

    1. raw デバイスを作成する場合は、raw デバイスごとに次のコマンドを実行します。


      # vxedit -g diskgroup set user=oracle group=dba mode=600 volume
      
      diskgroup

      ディスクグループの名前を指定します。

      volume

      ディスクグループ内の raw ボリュームの名前を指定します。

    2. 変更が有効になっているか確認します。


      # ls -lL /dev/vx/rdsk/diskgroup/volume
      

    3. ディスクデバイスグループをクラスタに再登録して、クラスタ内での VxVM 名前空間の整合性を確保します。


      # scconf -c -D name=diskgroup