Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成

DNS のインストール

  1. クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。

  2. DNS サービスを提供するネットワークリソースを決定します。

    この名前は、Sun Cluster ソフトウェアのインストール時に設定した IP アドレス (論理ホスト名または共有アドレス) でなければなりません。ネットワークリソースの詳細は、『Sun Cluster 3.1 の概念』を参照してください。

  3. DNS 実行可能ファイル (in.named) が /usr/sbin ディレクトリにあることを確認します。

    DNS 実行可能ファイルは、Solaris 8 および 9 オペレーティング環境にバンドルされており、インストール前は /usr/sbin ディレクトリにあります。

  4. DNS 構成ファイルとデータベースファイルを格納するディレクトリ構造 /global/dns/named をクラスタファイルシステム上に作成します。

    クラスタファイルシステムの設定については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。


    # mkdir -p /global/dns/named
    
  5. DNS 構成ファイルの named.conf または named.boot/global/dns/named ディレクトリに配置します。

    DNS をすでにインストール済みのばあいは、既存の named.conf または named.boot ファイルを /global/dns/named ディレクトリにコピーできます。インストールされていない場合は、このディレクトリに named.conf ファイルを作成してください。named.conf または named.boot に登録できるエントリの種類については、in.named(1M) のマニュアルページを参照してください。named.conf または named.boot のいずれか 1 つ、または両ファイルが存在している必要があります。

  6. すべての DNS データベースファイル (named.conf ファイルに指定されている) を /global/dns/named ディレクトリ下に配置します。

  7. Sun Cluster HA for DNS のすべてのクライアント上で、/etc/resolv.conf ファイルに DNS サービスのネットワークリソースについてのエントリを作成します。

    すべてのノードで、/etc/resolv.conf を編集してネットワークリソースを登録します。たとえば、schost-1.eng.sun.com という論理ホスト名の 4 ノード構成のエントリ (phys-schost-1phys-schost-2phys-schost-3phys-schost-4 ) は次のようになります。


    domain eng.sun.com
     
    ; schost-1.eng.sun.com
    
    (すでにファイルが存在する場合はこのエントリのみ追加)
     
    nameserver 192.29.72.90
     
    ; phys-schost-2.eng
    nameserver 129.146.1.151
     
    ; phys-schost-3.eng
    nameserver 129.146.1.152
     
    ; phys-schost-4.eng
    nameserver 129.144.134.19
     
    ; phys-schost-1.eng
    nameserver 129.144.1.57

    ドメイン名の直後にネットワークリソースのエントリを作成します。DNS は、resolv.conf ファイルにリストされている順番にアドレスを使用してサーバーへのアクセスを試みます。


    注 –

    /etc/resolv.conf がすでにノード上に存在する場合は、前の例で示したように、論理ホスト名を示す最初のエントリだけを追加してください。DNS がサーバーにアクセスする順番は、このエントリの順になります。


  8. すべてのクラスタノードで、/etc/inet/hosts ファイルを編集し、DNS サービスのネットワークリソースのためのエントリを作成します。

    次のように、手順を実行してください。

    • IPaddress には、129.146.87.53 のように実際に使用する IP アドレスを指定します。

    • logical-hostname 変数を実際のネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) に置き換えます。


    127.0.0.1						localhost
    IPaddress						logical-hostname
    
  9. すべてのクラスタノードで、/etc/nsswitch.conf ファイルを編集し、hosts エントリの clusterfiles のあとに文字列 dns を追加します。

    例:


    hosts:		 	cluster files dns
  10. scswitch(1M) コマンドを実行して次の作業を行います。

    • リソースと障害の監視を有効にします。

    • リソースグループを MANAGED 状態にします。

    • リソースグループをオンラインにします。


    # scswitch -Z -g resource-group
    
    -Z

    リソースとモニターを有効に設定し、リソースグループを MANAGED 状態にし、オンラインにします。

    -g resource-group

    リソースグループの名前を指定します。

  11. DNS を検証します。

    検証を行う前に、in.named を必ず停止してください。次に DNS をテストする例を示します。


    # cd /global/dns
    # /usr/sbin/in.named -c /global/dns/named.conf
    # nslookup phys-schost-1
    # pkill -x /usr/sbin/in.named
    

次に進む手順

Sun Cluster のインストール時に、すでに Sun Cluster HA for DNS パッケージがインストールされている場合は、Sun Cluster HA for DNS の登録と構成 へ進みます。インストールされていない場合は、Sun Cluster HA for DNS パッケージのインストールへ進みます。