Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成

Sun Cluster HA for SAP の概要

この節の情報を使用して、Sun Cluster HA for SAP が SAP をどのように高可用性にするかを理解します。

フェイルオーバーサービスやスケーラブルサービスの概念については、『Sun Cluster 3.1 の概念』を参照してください。

Sun Cluster HA for SAP は、SAP アプリケーションを対象とした障害監視と自動フェイルオーバー機能を提供することにより、SAP システムにおけるシングルポイント障害を排除します。次の表に、Sun Cluster 構成における SAP コンポーネントと、それを最もよく保護するデータサービスを示します。Sun Cluster HA for SAP は、フェイルオーバーアプリケーションまたはスケーラブルアプリケーションとして構成できます。

表 9–1 SAP コンポーネントの保護

SAP コンポーネント 

SAP コンポーネントを保護するデータサービス 

SAP データベース 

Sun Cluster HA for Oracle 

(データベースが Oracle の場合)  

SAP セントラルインスタンス 

Sun Cluster HA for SAP 

(リソースタイプは SUNW.sap_ci または SUNW.sap_ci_v2)

SAP アプリケーションサーバー 

Sun Cluster HA for SAP 

(リソースタイプは SUNW.sap_as または SUNW.sap_as_v2)

NFS ファイルシステム 

Sun Cluster HA for NFS 

Sun Cluster HA for SAP のインストールには、scinstall(1M) コマンドを使用します。&Sun Cluster HA for SAP をインストールするためには、クラスタに最初のクラスタフレームワークがすでにインストールされ、クラスタが動作している必要があります。クラスタやデータサービスソフトウェアの最初のインストールについては、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。Sun Cluster と SAP ソフトウェアの基本コンポーネントをインストールしたあとで、Sun Cluster HA for SAP を登録してください。