Sun Cluster 3.1 データサービス開発ガイド

X Font Server について

X Font Server は、フォントファイルをクライアントに提供する、簡単な TCP/IP ベースのサービスです。クライアントはサーバーに接続してフォントセットを要求します。サーバーはフォントファイルをディスクから読み取って、クライアントにサービスを提供します。X Font Server デーモンはサーバーバイナリである /usr/openwin/bin/xfs から構成されます。このデーモンは通常、inetd から起動されますが、このサンプルでは、/etc/inetd.conf ファイル内の適切なエントリが (たとえば、fsadmin -d コマンドによって) 無効にされているものと想定します。したがって、デーモンは Sun Cluster だけの制御下にあります。

次に、X Font Server の構成ファイルについて説明します。

構成ファイル

デフォルトでは、X Font Server はその構成情報をファイル /usr/openwin/lib/X11/fontserver.cfg から読み取ります。このファイルのカタログエントリには、デーモンがサービスを提供できるフォントディレクトリのリストが入っています。クラスタ管理者は広域ファイルシステム上のフォントディレクトリの格納先を指定できます。こうすることによって、システム上でフォントデータベースのコピーを 1 つだけ保持すれば済むので、Sun Cluster 上の X Font Server の使用を最適化できます。広域ファイルシステム上のフォントディレクトリの格納先を指定するには、fontserver.cfg を編集して、フォントディレクトリの新しいパスを反映させる必要があります。

構成を簡単にするために、管理者は構成ファイル自身も広域ファイルシステム上に配置できます。xfs デーモンはデフォルトの格納先 (このファイルの組み込み場所) を変更するためのコマンド行引数を提供します。SUNW.xfnts リソースタイプは、次のコマンドを使用して、Sun Cluster の制御下でデーモンを起動します。


/usr/openwin/bin/xfs -config <location_of_cfg_file>/fontserver.cfg \
-port <portnumber>

SUNW.xfntsv リソースタイプの実装では、Confdir_list プロパティを使用して、fontserver.cfg 構成ファイルの格納場所を管理できます。

TCP ポート番号

xfs サーバーデーモンが通信する TCP ポートの番号は、一般に「fs」ポート (通常、/etc/services ファイルで 7100 と定義されている) です。ただし、xfs コマンド行で -port オプションを指定することにより、システム管理者はデフォルトの設定を変更できます。SUNW.xfnts リソースタイプの Port_list プロパティを使用すると、デフォルト値を設定したり、xfs コマンド行で -port オプションを指定できるようになります。RTR ファイルにおいて、このプロパティのデフォルト値を 7100/tcp と定義します。SUNW.xfntsStart メソッドで、Port_listxfs コマンド行の -port オプションに渡します。このようにすると、このリソースタイプのユーザーはポート番号を指定する必要がなくなります。つまり、デフォルトのポートが 7100/tcp になります。ただし、リソースタイプを構成するときに、Port_list プロパティに異なる値を指定することにより、別のポートを指定することも可能です。