Sun Java System Communications Services 2005Q4 リリースノート

第 5 章 Sun Java System Communications Express 6 2005Q4 リリースノート

Version 6 2005Q4

このリリースノートには、Communications Express 6 2005Q4 のリリース時点で利用可能な重要な情報が含まれています。ここでは、新機能、拡張機能、既知の問題と制限、およびその他の情報について説明します。Communications Express 6 2005Q4 を使い始める前に、本書をお読みください。

このリリースノートには、以下の項目があります。

リリースノートの改訂履歴

表 5–1 Communications Express リリースノートの改訂履歴

日付 

変更の説明 

2005 年 8 月 25 日 

RR リリースノート 

2005 年 6 月 13 日 

ベータリリースノート 

Communications Express について

Sun Java System Communications Express 6 2005Q4 は、カレンダ、アドレス帳、およびメールの 3 つのクライアントモジュールから構成される、統合された Web ベースのコミュニケーションおよびコラボレーションクライアントを提供します。カレンダとアドレス帳クライアントモジュールは、任意の Web コンテナ上に単一のアプリケーションとして配備されます。なお、両者をまとめて UWC (Unified Web Client) と呼びます。Messenger Express は、Messaging Server の HTTP サービスを Web ベースで使用するスタンドアロンのメールアプリケーションです。

この節では、次の項目について説明します。

このリリースの新機能

このリリースの Communications Express は、WABP (Web Address Book Protocol) 用のプロキシ認証を支援する新機能をユーザーに提供します。また、このリリースは、個人用アドレス帳を WABP 経由で共有する機能 (PAB 共有) も提供します。WABP 用プロキシ認証の設定手順については、『Sun JavaTM Systems Communications Express 管理ガイド』を参照してください。

サポートされているブラウザ

Communications Express 6 2005Q4 は、JavaScript に対応したブラウザを必要とします。次のブラウザがサポートされます。

表 5–2 Communications Express 6 の推奨ブラウザのバージョン

ブラウザ 

Windows XP 

Windows 2000 

Solaris 

NetscapeTM Navigator

7.2 

7.2 

7.2 

Microsoft Internet Explorer 

6.0 SP2 

6.0 SP1 以降 

NA 

MozillaTM

1.4 

1.4 

1.4 

このリリースで修正されたバグ

Communications Express 2005Q4 で修正されたバグ。

表 5–3 Communications Express で修正されたバグ

バグ番号 

説明 

6263386 

Web メールを特定のドメイン用にカスタマイズすると、Communications Express のリンクが失敗する 

6265290 

Communications Express で inetDomainSearchFilter が設定されていると、トラストサークル SSO が失敗する

6267844 

Schema 2 によるホストドメインの設定中に、認証が失敗したときに間違ったドメインが表示される 

6261129 

リモート Access Manager でアイドルタイムアウトが機能しない 

6229297 

スペルチェックを取り消そうとすると、メッセージの本文が失われる 

6229319 

「現在のフォルダ」ドロップダウンメニューから「フォルダを選択」オプションが選択されると、JavaScript エラーが発生する 

6208144 

Communications Express の「エイリアス」ドメイン検索が機能しない 

6179023 

オプションからアドレス帳までたどっていくときに、Communications Express が不正なエラーメッセージを表示する。 

6204672 

日本語、韓国語、簡体字中国語、または繁体字中国語ロケールで Mozilla Firefox を使用する場合に、「メールの作成」ウィンドウで一部の文字列が英語で表示される。 

6200222 

選択言語を日本語、韓国語、簡体字中国語、または繁体字中国語にした場合、Mozilla1.x、Firefox の「新規メッセージ」ウィンドウでいくつかの文字列が英語で表示される。 

6182987 

「送信済み」フォルダの韓国語の翻訳が正しくない。 

6181721 

JavaScript エラーにより、Messenger Express は Internet Explorer 上に空白のページを表示する。 

インストールに関する注意事項

Communications Express 用としてインストールおよび設定する必要のあるサービスは、次のとおりです。

ProcedureCommunications Express 用としてインストールする必要のある製品

手順
  1. Directory Server - Sun JavaTM System Directory Server 5 2005Q1 をインストールします。

  2. Calendar Server - Sun JavaTM System Calendar Server 6 2005Q4 をインストールします。

  3. Web Server - Sun JavaTM System Web Server version 6.1 SP4 をインストールします。

  4. Messaging Server - Sun JavaTM System Messaging Server 6 2005Q4 をインストールします。

  5. Access Manager -Sun JavaTM System Access Manager 6 2005Q4 をインストールします。

  6. Application Server - Sun JavaTM System Application Server 8 2005Q4 をインストールします。

    Sun Java System Communications Express をインストールおよび設定する手順については、『Sun Java System Communications Express 6 2005Q4 管理ガイド』の第 3 章「Communications Express のインストールおよび設定」を参照してください。

既知の問題と制限事項

この節では、Communications Express 6 2005Q4 の既知の問題の一覧表を示します。次の内容について説明します。

一般的な問題

Communications Express へのログイン後の表示を選択するためのオプションがなくなった。(6195844)

デフォルトの表示を選択するオプションが「グローバルオプション」から削除されました。オンラインヘルプにはこの変更が反映されていません。

ユーザーが認証済みである場合でも URL に完全修飾ホスト名が必要となる。(5008104)

完全修飾ホスト名が指定されていないと、Communications Express は完全に設定できません。ユーザーが認証されている場合でも、URL が完全修飾ホスト名でなければ Cookie にドメイン名が設定されません。

回避策

常に完全修飾ホスト名を使用してアプリケーションにアクセスします。

Communications Express のアップグレード時に HTTP 502 エラーが表示される。 (6300650)

x86 版 Solaris 上の Communications Express は、Messenger Express の JES4 バージョンと JES3 バージョン間における互換性の問題が存在します。ユーザーがログアウトする際に Communications Express から HTTP 502 エラーが報告されます。

回避策

Messaging Server (または Messaging Server MEM) を JES4 バージョンの Messaging Server にアップグレードします。

Linux 上の config-uwc 設定ファイルに無効なパス情報が含まれている。(6263554)

Linux 上の config-uwc 設定ファイルに含まれる Application Server 用のパス名が無効です。これは、Solaris 上では有効だが Linux 上では無効なデフォルトパスを指し示しています。

回避策

間違ったパス情報を次に示します。


Install directory: /opt/SUNWappserver/appserver
Directory Domain: /var/opt/SUNWappserver/domains/domain1
Document Root Directory: /var/opt/SUNWappserver/domains/domain1/docroot

これを次のように変更してください。


Install directory: /opt/sun/appserver/appserver
Directory Domain: /var/opt/sun/appserver/domains/domain1
Document Root Directory: /var/opt/sun/appserver/domains/domain1/docroot

UWCAuth サーブレットが NullPointer 例外をスローする。 (6272426)

Sun Java System Application Server 上に配備された Communications Express の依存コンポーネントが複数ノードにまたがって配備されているような配備シナリオでは、Communicaitons Express UWCAuth サーブレットから NullPointer 例外がスローされます。

回避策

Application Server を再起動します。

設定ツールの問題

ここでは、Communications Express の設定ツールの既知の問題の一覧表を示します。

Communications Express の設定プログラムが「設定解除」オプションをサポートしていない。(5104756)

Communications Express 設定プログラムでは、配備取消し、設定時のファイルの削除、および実行時に作成されたファイルの削除はできません。

回避策

Communications Express の設定を取り消すには、次の手順を実行します。

  1. Communications Express パッケージを削除します。たとえば、Solaris では次のように入力します。

    pkgrm SUNWuwc

  2. 配備ディレクトリを削除します。

  3. Web Server または Application Server の server.xml ファイルから、WEBAPP エントリを削除します。

サイレント設定が機能しない。(5008791)

Communications Express では、対話形式でのみ設定を実行できます。サイレント設定はできません。サイレントモードで設定しようとすると、「ディレクトリ名を空白のままにすることはできません。これは必須フィールドです。もう一度入力してください。」というメッセージが表示されます。

Communications Express 設定プログラム: devinstall が未解決のホストエイリアスに対してコアダンプする。(5028906)

システムにホスト名エイリアスが設定されていないと、Communications Express 設定プログラムは設定プロセスを完了できません。

回避策

システムに、1 つまたは複数のホスト名エイリアスが設定されていることを確認します。

UNIX システム上に 1 つまたは複数のホスト名エイリアスを設定するには、次の手順を実行します。

  1. /etc/nsswitch.conf ファイルの hosts を次のように設定します。

    hosts: files dns nis

    この設定はネームサービスに対して、ホスト名とホストエイリアスの解決に使用する検索順序を示します。ネームサービスの検索順序は、filesdnsnis です。

  2. /etc/hosts ファイルで、使用コンピュータの IP アドレスに対して 2 つ以上のホスト名が定義されていることを確認します。

    たとえば、システムの IP アドレスが 129.158.230.64 の場合、/etc/hosts ファイルに IP アドレスを次のように設定できます。

    129.158.230.64 budgie.siroe.varrius.com budgie

    または

    129.158.230.64 budgie.siroe.varrius.com budgie loghost

    IP アドレス の誤った設定例:

    129.158.230.64 budgie

GUI 設定の入力フィールドが右揃えになっているために、それらの入力フィールドが切り詰められる。(4996723)

設定ウィザードを英語以外の言語で起動した場合、フィールド名およびブラウザボタンが切り捨てられるかまたは表示されません。

回避策

設定パネルのサイズを変更して、コンテンツが正しく表示されるようにします。

Communications Express のコンポーネントが、0 バイトと表示される。(4982590)

Communications Express のメールおよびカレンダコンポーネントを表示する間、Communications Express の設定ツールはコンポーネントサイズを 0 バイトと表示します。

Communications Express 設定後の Web サーバー起動時に Java 例外が発生する。(6283991)

Communications Express と Access Manager が異なるノード上にインストールおよび設定されているようなインストールシナリオでは、Communications Express を含むノード上にインストールされた Web Server の再起動時に Java 例外がスローされます。これは、Communications Express がインストールされているノード上の Web Server のクラスパス設定が間違っているからです。

回避策

Communications Express がインストールされているノードの Web Server インスタンス上の web_svr_base/config/server.xml ファイルを編集し、Web Server のクラスパスに次のエントリが含まれていることを確認します。

opt/SUNWam/lib:/opt/SUNWam/locale:/etc/opt/SUNWam/config:
/opt/SUNWam/lib/am_sdk.jar:/opt/SUNWam/lib/am_services.jar:
/opt/SUNWam/lib/am_logging.jar

自己参照シンボリックリンクのために Linux 上で Communications Express を設定できない。(6280944)

Communcations Express 設定プログラムは、Linux 上の/var/opt/sun/uwc/staging ディレクトリの下に、自己参照シンボリックリンクを作成します。

回避策

/var/opt/sun/uwc/staging ディレクトリからすべての自己参照シンボリックリンクを削除し、UWC を配備し直します。

Communications Express 設定プログラムが Application Server ポートの検証を行わず、その結果、設定がハングアップする。(6298931)

Communications Express 設定プログラムは、設定中に Application Server ポートの検証を行いません。そのため、間違った Application Server ポート番号が指定されていた場合、設定がハングアップします。

Web Server が動作していると、Communications Express の設定がハングアップする。(6264589)

Web Server が動作していると、Communications Express の設定がハングアップします。これは、UnsatisfiedLinkError エラーが発生するからです。

回避策

コマンド /web_svr_base/web_svr_domain_name/stop を実行して、Web Server をシャットダウンします。これで、Communications Express 設定を継続できるようになります。

カレンダの問題

カレンダでは、すべての表示で 2006 年より先の年が選択できない。(5086083)

Communications Express では、2006 年までの年しか選択できません。すべての表示において 2006 より先の年は選択できません。

カレンダの予定検索フィールドでワイルドカードが使えない。 (6299178)

Communications Express で予定や仕事を検索する場合、ワイルドカードは使えません。

「空き時間」権限や「出席依頼」権限だけではカレンダを表示できない。(6233746)

「空き時間」権限や「出席依頼」権限を使って特定の共有カレンダに登録しているユーザーは、その共有カレンダを表示できません。

カレンダ内のインポートされた予定や仕事を編集できない。 (6199523)

Communications Express は、あるカレンダから別のカレンダにインポートされた予定や仕事の編集を、同一のカレンダ所有者に対して許可しません (両方のカレンダに allow... 権限が設定されている場合)。

Calendar Server のオプションを取得しようとすると、エラーが表示される。 (6306958)

Communications Express は、JES3 の Messaging Express と Calendar Express による JES4 の UWC コンポーネントのアップグレードに強く依存しています。ユーザーが「カレンダ」の下の「オプション」タブをクリックすると、JavaScript エラーが表示されます。

メールの問題

サイズの大きな添付ファイルを追加すると、「ページが見つからない」というエラーが発生する。(6193396)

このエラーは、デフォルトの最大サイズ (5M バイト) を超えるファイルを添付しようとすると表示されます。

ユーザーが mailAllowedServiceAccess: +ALL:* を持っている場合、Communications Express の「メール」タブが表示されない(6260646)

mailAllowedServiceAccess: +ALL:* として設定された属性を持つユーザーの「メール」タブは、表示されません。

回避策

mailAllowedServiceAccess:+ALL:* 属性を追加しないでください。すでに存在する場合は削除します。これは属性 +ALL:* と同じです。

下書きとして保存された転送メッセージが、転送対象の添付ファイルを失ったように表示される。(6217929)

ユーザーが添付ファイルを含む転送メッセージを保存した場合、下書きフォルダ内のその下書きには、添付ファイル (または転送メッセージ) が表示されません。ただし、その受信者は、その転送メッセージまたは添付ファイルを受け取ります。これは、ユーザーに混乱を招きます。なぜなら、下書きフォルダ内のメッセージに添付ファイルまたは転送メッセージが含まれていることを示す情報が、何も表示されないからです。

受信箱の未開封メッセージ数が「Inbox(0)」と表示される。 (6298043)

Communications Express では、メールボックスに未開封メッセージが含まれている場合でも、未開封メッセージ数が「0」と表示されます。

メッセージ転送時に新しい内容が 2 回表示される。 (6314465)

ユーザーがメッセージ転送時に RTF (Rich Text Format) 形式の新しい内容を追加した場合、その新しいメッセージが転送メッセージ内に 2 回表示されます。

Solaris 上の Mozilla ブラウザ内でメッセージをプレーンテキスト編集しているときに、新規メッセージ用テキスト領域内のテキストが文字列「undefined」に置き換えられる。(6264555)

ユーザーがスペルチェックを実行し、編集ボタンを使ってメッセージを編集していると、Communications Express は間違って、すべてのテキストを文字列「undefined」に置き換えてしまいます。この動作は、Mozilla 1.4 が動作する Solaris 9 Operating System 上で見られます。

アドレス帳の問題

defaultps/dictionary-<lang>.xml を使ってアドレス帳の名前をセッションごとにローカライズさせることはできない。(4995472)

アドレス帳の名前をローカライズさせることはできません。なぜなら、解決されたセッション言語とドメイン固有の defaultps/dictionary-<lang>.xml に基づいてローカライズされる値は、アドレス帳が初めてアクセスされたときに割り当てられるからです。

また、「アドレス帳オプション」ページに入力した「名前」および「説明」も、「アドレス帳」タブページに表示される「現在のアドレス帳」ドロップダウンリストに表示されません。

Outlook から CSV 形式のデータをインポートすると、無効な誕生日と記念日が作成される。(6308706)

ユーザーが Microsoft Outlook のデータを CSV 形式で Communications Express にインポートしようとすると、誕生日と記念日のエントリが正しく設定されず、00/00/00 になります。

アドレス帳内の削除済み属性に対しては、インデックスが作成されない。このため、パフォーマンス上のオーバーヘッドが発生する。(6213691)

アドレス帳の削除済みグループに対しては、インデックスが作成されません。このため、Communications Express のアドレス帳コンポーネント上での検索実行時に、パフォーマンス上のオーバーヘッドが発生します。

オプションの問題

オプションに対するオンラインヘルプに、サポートされていない機能が記載されている。 (バグ ID なし)

「オプション」/「一般」に対するオンラインヘルプの「ログイン後のデフォルト表示」に、次のような情報が含まれています。「ログイン後に表示すべきデフォルトページをドロップダウンリストから選択してください。選択可能なオプションは、以下のとおりです。電子メール、カレンダ、アドレス帳」。「オプション」ページにはデフォルトのアプリケーションを選択するためのオプションは表示されません。しかし、オンラインヘルプにはこの変更が反映されていません。

件名フィールドに文字列「not」が含まれている場合、メールフィルタの UI が正しく機能しない。(6297827)

ユーザーが件名フィールドに文字列「not」が含まれたメールフィルタを作成しようとすると、メールフィルタリストにそのメールフィルタのエントリが表示されません。ところが、この件名フィールドの「not」キーワードによって、メールのフィルタリングは正しく行われます。ユーザーは、あとからはこのフィルタを削除できません。なぜなら、このフィルタはメールフィルタリストに表示されないからです。

ローカライズに関する問題

大きなサイズの日本語/フランス語データを使って送信されたメールが文字化けする。(6201676)

大きなサイズの電子メールメッセージを受信した場合、ユーザーはメッセージ内の添付のリンク (text/html または text/plain) をクリックする必要があります。この添付ファイル内に非 ASCII 文字が含まれている場合、新しく開いたブラウザウィンドウに文字化けしたデータが表示されることがあります。この問題は次回提供するパッチで修正される予定です。

回避策

ブラウザのメニューから、適切なエンコードを手動で選択します。

カレンダ表示の年と日の形式が簡体字中国語に翻訳されない。(5025449)

カレンダ表示の年と日の表示形式が簡体字中国語に翻訳されません。ただし、「月」の表示は簡体字中国語に正しく翻訳されます。

ローカライズ版 Microsoft Outlook Express Version からの CSV のインポートが機能しない。(6186520)

Communications Express は、ローカライズ版 Microsoft Outlook Express からの CSV データをインポートできません。

SMIME

証明書取り消しリストが機能しない。(6225672)

暗号化されたメッセージが証明書の取り消されたユーザーに送信されても、Communications Express からは何のエラーメッセージも表示されません。

移行

個人用アドレス帳の動的移行が機能しない。 (6315048)

Communications Express は、個人用アドレス帳データを Messenger Express から Communications Express に移行できません。

回避策

個人用アドレス帳のエントリを Communications Express に移行するには、バッチ移行を使用します。Communications Express への PAB データの移行手順については、『Sun Java System Communications Express 6 2005Q4 管理ガイド』の第 8 章「PAB データのアドレス帳サーバーへの移行」を参照してください。