ここでは、管理上の既知の問題とその解決方法を示します。
デフォルトでは、$INSTALL/lib/package-appclient.xml に、asenv.conf によってポイントされる domain1 の AS_ACC_CONFIG 変数用にハードコードされた値があります。domain1 を削除して新たなドメインを作成した場合、AS_ACC_CONFIG 変数は新たなドメイン名で更新されません。その結果、package-appclient スクリプトの処理が失敗します。
次のいずれかを実行します。
domain1 はそのままにしておき、その前後に別のドメインを作成します。
domain1 を削除し、$INSTALL/lib/package-appclient.xml で domain1 用にハードコードされた値を、新たなドメイン名で置き換えます。
domain1 がない場合、新たなドメインが作成されるたびにこれを行う必要があります。
同一の Application Server 上でのドメインのミラー化は、backup-domain および restore-domain コマンドでは行えません。asadmin restore-domain コマンドにはドメインをリネームするオプションがありますが、元の名前とは違う名前でドメインを復元することはできないからです。バックアップ取得したドメインのリネームは正常に行われたように見えますが、そのリネームされたドメインの起動は失敗します。ドメイン設定のエントリは変更されておらず、startserv および stopserv は元のドメイン名を使用してパスを設定するからです。
restore-domain で使用するドメイン名は、元の backup-domain コマンドで使用したドメイン名と同じである必要があります。Application Server 8.1 での backup-domain および restore-domain コマンドは、同一マシン上の同一ドメインのバックアップおよび復元についてだけ有効です。
Application Server では、J2SE 1.4.x または 5.0 以降を設定できます。J2SE 5.0 プラットフォームの重要な特徴は、JMX エージェントを起動できることです。サーバーの起動時にシステムプロパティーを明示的に設定すると、JMX エージェントがアクティブになります。
次に例を示します。
name="com.sun.management.jmxremote" value="true" name="com.sun.management.jmxremote.port" value="9999" name="com.sun.management.jmxremote.authenticate" value="false" name="com.sun.management.jmxremote.ssl" value="false" |
JMX プロパティーを設定してからサーバーを起動すると、Application Server VM 内に新たな jmx-connector サーバーが起動します。この場合は、望ましくない副作用の 1 つとして、管理機能が悪影響を受け、Application Server の管理コンソールやコマンド行インタフェースで予期しない結果が発生することがあります。問題は、組み込みの jmx-connector サーバーと新たな jmx-connector サーバーとの間で衝突が発生することにあります。
jconsole または何らかの JMX 互換クライアントを使用する場合には、Application Server とともに起動する標準の JMX コネクタサーバーを再利用することを検討してください。
サーバーの起動時に、次に示すような行が server.log に作成されます。ここで指定されている JMXService の URL に接続し、資格を正常に指定したあと、同様の管理および設定操作を実行することができます。次に例を示します。
[#|2004-11-24T17:49:08.203-0800|INFO|sun-appserver-ee8.1| javax.enterprise.system.tools.admin|_ThreadID= 10;|ADM1501: Here is the JMXServiceURL for the JMXConnectorServer: [service:jmx:rmi:///jndi/rmi://hostname :8686/management/ rmi-jmx-connector]. This is where the remote administrative clients should connect using the JSR 160 JMX Connectors.|#] |
詳細については、『Sun Java System Application Server 9.1 Administration Guide 』を参照してください。
ユーザー「A」としてログインして asadmin restore-domain コマンドを実行すると、そのスクリプトのアクセス権は 744 (rwxr--r--
) になります。そのあとでユーザー「B」としてドメインを起動または停止しようとすると、たとえ「B」が root であっても、その試みは失敗します。ユーザー「A」についてだけスクリプトが実行可能だからです。
スクリプトのアクセス権を次のようにして変更します。
chmod 755 appserv/domains/domain-name/bin/* |
Web サービスの URL をエクスポートする EJB モジュールを含むアプリケーションを使用してロードバランサを設定しても、作成された loadbalancer.xml ファイルに、その Web サービスのコンテキストルートが存在しません。
loadbalancer.xml ファイルを編集して、作成されなかった Web モジュールを次のように追加します。
<web-module context-root="context-root-name" disable-timeout-in-minutes="30" enabled="true"/> |
context-root-name 値を、EJB として公開された Web サービスのコンテキストルート名に置き換えます。
既存の <as_install>/bin/asant スクリプトの名前を asant.bak に変更します。
<as_install>/lib/install/templates/ee (SE/EE バージョンの場合) にある asant.template ファイルを <as_install>/bin/ ディレクトリにコピーし、このファイルの名前を asant に変更します。
新しくコピーされた <as_install>/bin/asant スクリプトを編集して、%CONFIG_HOME% トークンを <as_install>/config に置き換えます。
元の asant.bak ファイルに対して行なった手作業の変更がある場合は、それを新しい asant スクリプトに結合します。
Application Server のマニュアルに .asadmintruststore ファイルが記述されていません。このファイルがサーバー管理者の home ディレクトリに存在しないと、そのサーバー上にホストされている特定のアプリケーションをアップグレードしたときに重大なバグが発生する場合があります。
可能であれば、そのサーバーをインストールしたユーザーが asadmin start-domain domain1 コマンドを実行してください。
そのユーザーがこのコマンドを実行できない場合は、.asadmintruststore を、インストールしたユーザーの home ディレクトリから実行中のユーザーの home ディレクトリに移動またはコピーしてください。
このファイルをインストールユーザーの home ディレクトリから実行中のユーザーの home ディレクトリに (コピーではなく) 移動した場合は、アップグレードまたはインストールしたユーザーのホームディレクトリ (Java ES では、通常 root) に .asadminstruststore ファイルが存在しなくなるため、バグ 6309079、6310428、および 6312869 で説明されているようなアプリケーションのアップグレードに関する問題が発生する可能性があることに注意してください。
Application Server クラスタインスタンスのデフォルト MQ 統合モードは LOCAL です。Application Server がインストールされている場所の PATH が長い、つまり短くない場合、クラスタインスタンス起動時に imqbrokerscv.exe で障害が発生します。imqbrokersvc のメモリー割り当てに問題があります。
クラスタインスタンスの JMS サービスタイプを、デフォルトの LOCAL から REMOTE に変更する必要があります。この設定では、すべてのインスタンスは DAS ブローカを指します。次の手順に従って、REMOTE モードでクラスタを設定してください。
REMOTE モード使用時には、すべてのインスタンスが 1 つのブローカ (DAS) を使用しているため、Application Server クラスタが起動してもブローカクラスタは作成されません。詳細については、http://www.glassfishwiki.org/gfwiki/attach/OnePagersOrFunctionalSpecs/as-mq-integration-gfv2.txt にある One Pager の 4.1 節、iii 項「Auto-clustering」を参照してください。それによると、上記の機能は将来使用できなくなります。
ご使用の環境に合わせて、ポートおよびパスワードファイルを変更してください。次に示す手順では、クラスタ名が racluster、DAS 管理ポートが 5858、および DAS JMS ポートが 7676 になっています。
JMS タイプを REMOTE に変更して、クラスタ設定を変更します。
$AS91_HOME/bin/asadmin.bat set --port 5858 --user admin --passwordfile \ $AS91_HOME/bin/password_file racluster.jms-service.type=REMOTE |
DAS JMS ホストに対応する JMS ホストを作成します。
$AS91_HOME/bin/asadmin.bat create-jms-host --port 5858 --user admin --passwordfile \ $AS91_HOME/bin/ password_file --target racluster --mqhost localhost --mqport 7676 \ --mquser admin --mqpassword admin dashost |
デフォルトの JMS ホストが前のステップで作成した DAS JMS ホストになるように設定します。
$AS91_HOME/bin/asadmin.bat set --port 5858 --user admin --passwordfile \ $AS91_HOME/bin/password_file racluster.jms-service.default-jms-host=dashost |
「設定」->「cluster_name-config」->「Java メッセージサービス」->「JMS ホスト」の順に移動します。
「新規」をクリックして新規 JMS ホストを作成し、dashost という名前を付けます。
DAS の JMS サービスに対応する設定を入力します。デフォルト設定は次のとおりです。
ホスト名: localhost
ポート: 7676
管理者ユーザー: admin
パスワード: admin
これらの設定をご使用の DAS JMS サービスに適した値に変更してください。
「Java メッセージサービス」タブに戻って、JMS サービスタイプを REMOTE に変更します (デフォルトは LOCAL)。
default-jms-host ドロップダウンリストから dashost を選択します。
変更を保存してから、ノードエージェントまたはクラスタを起動します。
「ログ統計の監視」ページから一部のサポートされていないブラウザを使用してチャートを表示しようとすると、次のエラーがスローされます。
Error loading jmaki.widgets.jmaki.charting.line.Widget : id=form1:jmaki_chart11 Script: http://easqelx5. red.iplanet.com:4848/resources/jmaki/charting/ \ line/component.js (line:5437). Message: area.initialize is not a function |
サポートされているブラウザを使用します。Application Server 9.1 でサポートされているブラウザについては、「ブラウザ」を参照してください。
Application Server の過去 3 回のメジャーリリースのたびに、デフォルト管理ポートが変わっていました。具体的には、7.x、8. x、および 9.x のデフォルト管理ポートは次のようになっていました。
AS 7.x: 4848
AS 8.x: 4849
AS 9.x: 4848
これはバグではありませんが、このことに注意してください。デフォルト管理ポートは推奨値に過ぎません。今後の Application Server リリースでは、デフォルトに 4848 ポートが継続して使用されます。